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{{複数の問題
|出典の明記 = 2012年8月
|独自研究 = 2019年8月
}}
[[画像:08 tory railtrack ubt.jpeg|thumb|200px|普通鉄道の線路]]
'''空転'''(くうてん)は、[[鉄道車両]]
== 概要 ==
[[鉄道]]や[[自動車]]など[[陸運]][[車両]]では、[[車両]]側の
==
鉄道車両の場合は車輪もレールも[[鋼|鉄]]であるためもともと[[摩擦力#クーロンの摩擦モデル|摩擦係数]]が小さく、空転が発生しやすい状況にある。
車輪とレールがともに鉄である鉄道車両は、その間に[[水]]分・[[雑草]]・[[落ち葉]]・時には[[ムカデ]]など[[害虫]]が介在することにより摩擦係数が大幅に低下し空転を発生させる要因となる。[[首都圏]]では列車本数も多く、編成が長いためレール頭面が常に磨かれた状態になるので始発列車を除けば空転がさほど問題となることはないが、もともと列車本数が少なく短編成が多い[[ローカル線]]では大問題となる。時には要因が複合することがあり([[朝露]]と雑草・落ち葉など)レール面が[[グリス]]状物質に覆われて摩擦係数が[[零]]に近くなり立往生するなど空転被害が拡大し正常運行が妨げられる。▼
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▲車輪とレールが、ともに[[鉄]]である鉄道車両は、その間に雨などの[[水]]分やレール自身の[[錆]]・[[雑草]]・[[葉|落
=== 被害 ===
鉄道の場合、列車が上り[[勾配]]で立往生すれば後続列車([[単線]]では対向列車にも)へ列車遅延などの影響はさけられないが、他にもレールの同じ部分が車輪に削られることによる「レール穴」の発生や、[[気動車]]では[[液体変速機]]([[オートマチックトランスミッション#ATF・ATフルード|変速機油]])の[[オーバーヒート]]、[[電車]]では[[電動機]]に過大な[[電流]]が流れるなど、線路故障から車両故障にまでつながる厄介な問題を引き起こすのである。
=== 対策 ===
[[ソフトウェア|ソフト]]面では[[運転士]]が[[ノッチ]]戻しや刻みノッチで対応する。[[ハードウェア|ハード]]面では古くからレール踏面への撒砂([[砂]]をまくこと)、最近では[[セラミック]]噴射などが有効な手段として取られている。しかし[[機関車]]は別として、すべての[[動力車]]に[[砂撒き装置]]が装備されているわけではなく、[[鉄道事業者]]を悩ませ続けている。また、空転対策として[[MT比]]を引き上げることも行われる{{efn|例えば[[東海旅客鉄道|JR東海]]の[[JR東海313系電車|313系]]は、[[JR東海373系電車|373系]]と同じモーター・[[歯車比|ギア比]]であるが、MT比は1 : 2から1 : 1に引き上げられている。}}。
== 自動車 ==
自動車では、[[ゴム]][[タイヤ]]と[[アスファルト]][[舗装]]の[[摩擦]]係数がもともと大きいため、故意にグリップを失わせる以外は空転しにくいが、[[雨]]の降り始め、[[路面凍結|凍結路]]や圧雪路では似たような状態になる。
水はけの悪い路面では、雨天時の高速走行でタイヤの[[排水]]が追いつかない[[ハイドロプレーニング現象]]が発生しやすく、面圧が低い場合(車重が小さい・接地面積が大きい)、駆動軸[[出力]]が大きい場合などは、エンジン出力を抑えない限り空転が続く。
=== 要因 ===
* 外部環境要因
** 温度
*** タイヤには良好なグリップを発揮する作動温度がある。夏用のタイヤを寒冷地で使ったり、冬用のスタッドレスタイヤを夏場に用いたりすると、タイヤの作動温度範囲を外れることになり、グリップ力が低下し、甚だしいときにはタイヤの空転を招く。
** 水の存在
*** タイヤと路面との間に水が存在するとグリップ力が低下し、甚だしいときにはタイヤの空転を招く。また、タイヤの溝が浅い時にも空転しやすくなる。
* 車両要因
** [[差動装置|デファレンシャルギア]]
*** 自動車ではカーブを曲がりやすくするため、内外駆動輪の回転差を吸収するデファレンシャルギアを装備しているが、[[ステアリング|操舵]]角いっぱいの場合などには内側のタイヤはほぼ停止し外側のタイヤは空転することになり、駆動力が伝わらなくなってしまう。オープンデフ(差動制限無し)の特性として、どちらかの駆動輪が空転すると他の他方には動力が伝わらない。
** 急加速・急減速・急制動
*** 急加速・急減速・急制動など、「急」のつく操作はタイヤのグリップ喪失を誘発しやすく、空転・[[滑走]]の原因となる。
=== 被害 ===
最も影響の大きい被害は[[交通事故]]である。また、事故に至らずとも、道路上で立ち往生することになれば交通[[渋滞]]を招くことがある。
=== 対策 ===
* 滑り止めの利用
** 積雪時には[[タイヤチェーン]]や[[スタッドレスタイヤ]]を装着する。
**タイヤの性能や繊細なアクセルワークだけでは勾配路を克服できないことから、凍結しやすい坂道には撒き砂が[[道路]]脇に置いてあることがよくあるので、これを利用する。
* 適正なタイヤの選択
** 作動温度範囲を考えて、季節に合ったタイヤを選択する。また、タイヤの残り溝にも留意する。
* リミテッド・スリップ・デファレンシャルギアを搭載する
** 車両によっては、デファレンシャルギアの作動を規制するリミテッド・スリップ・デファレンシャルギアを搭載できるものがある。泥濘や荒地などを走行する車両にはリミテッド・スリップ・デファレンシャルギアを搭載していると、車輪の空転から脱出することが容易になる。ただし、摩擦係数の低い路面では、オープンデフに比し、直進性が著しく低下する。
* トラクションコントロール制御を搭載する
** 車両によっては、車両の空転を防止する[[トラクションコントロールシステム]]を選択できるものがある。また、ブレーキ時の滑走を防ぐための[[アンチロック・ブレーキ・システム]]や、車両の姿勢を制御する[[横滑り防止機構]] / [[横滑り防止装置]]を選択できる車種もある。
=== 意図的に行われる場合 ===
* [[ドラッグレース]]などのスタート時、駆動輪であるリアタイヤを激しく空転させる光景を目にすることができる。この行為をバーンアウトと呼び、タイヤの表面を摩擦熱によって溶かし、タイヤの表面や路面をネバネバにしたり、タイヤ自体をやわらかくしてグリップ力を高めるために行う。[[後輪駆動#フロントエンジン・リアドライブ方式|FR車]]の場合、ブレーキをフロントだけに利かせるようにする「ラインロック」という装備が必要な場合が多い。
== 比喩 ==
* [[国会]]などの[[議会]]において[[審議]]が中断したまま
* 何かに張り切りすぎてかえってうまく行かない、やる気ばかりが空回りしているような場合も「(やる気が)空転した」などと言う。
== 注釈 ==
{{Notelist}}
== 関連項目 ==
* [[滑走]]
* [[空走]]
{{DEFAULTSORT:くうてん}}▼
{{Tech-stub}}
{{Rail-stub}}
{{Car-stub}}
▲{{DEFAULTSORT:くうてん}}
[[Category:鉄道の軌道設備]]
[[Category:自動車]]
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