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[[File:Arnegger Portrait Geschwister Fromknecht VLM.jpg|thumb|250px|right|[[絵画]]に描かれた子ども<br>(1915年、[[アルウィン・アーネガー]]画)<br>([[:en:vorarlberg museum|フォアアールベルク州立博物館]]・[[オーストリア]])]]
[[File: Himeji Yukata Matsuri 2009p1 036.jpg|thumb|250px|right|[[親]]に手をひいてもらいつつ、[[祭|お祭り]]を楽しむ子どもたち。([[日本]]・2009年)]]
[[File:Child studying in Dar es Salaam.jpg|thumb|250px|[[]][[読む]]ども([[タンザニア]]・2009年)]]
{{読み仮名|'''子ども'''|こども}}とは、次のことを言う。
* 自分がもうけた子<ref name="k_v5">[[広辞苑]] 第五版 p.988 「子ども」</ref>。[[親]]がもうけた子<ref name="dj">[[デジタル大辞泉]]「子ども」[http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/80747/m0u/%E5%AD%90%E4%BE%9B/]</ref>。親と一対になる子。親に対する子。[[息子]]
* 何を基準として定義するかは場合によって大きく異なるが、一般的には17歳までの者のことを指す。
考え方によっては、[[胎児]]も{{仮リンク|出生前発育|en|unborn child}}をしている[[生命]]として子どもに含める場合もある<ref name="fetus">『Shorter Oxford English Dictionary』、2007年、6版、p.397、第一定義によると、"A fetus; an infant;..."(胎児; 幼児)。『The Compact Edition of the Oxford English Dictionary: Complete Text Reproduced Micrographically’, Vol. I』、[[オックスフォード大学出版局]]、1971年、p.396、‘The unborn or newly born human being; foetus, infant’.(未出生または出生間近の人間; 胎児, 幼児)</ref>。
 
また、[[親子]]や{{仮リンク|権威を持つ人物|en|authority figure}}との[[相対的]]関係を表したり、[[氏族]]・[[民族]]または[[宗教]]内での関係を示す場合にも使われる。何らかの概念との関係を示すためにも使われ、「自然児」や「1960年代の子ども」のように特定の[[時間|時]]や[[空間|場所]]または[[環境]]等の状況を受けている人の集団を指して用いられることもある<ref>{{cite web|title=【child】in American Heritage Dictionary|url=http://www.yourdictionary.com/child|publisher=Your Dictionary|accessdate=2012-03-10}}</ref>。
 
[[思慮]]や[[行動]]などが幼く足りない者のことも指して使われる[[用語]]でもあり<ref name="dj" />、[[幼稚]]さや要領・[[主体|主体性]]の無さを表す言葉として「子どもっぽい」「子どもらしい」「子どもの使い」等の[[慣用句]]もある<ref>{{Cite book|和書|year=1989|title=日本語大辞典|edition=第一刷|publisher=講談社|page=715|chapter=【子どもっぽい】【子どもらしい】【子どもの使い】|isbn=4-06-121057-2}}</ref>。
 
なお、子どもという単語は人間以外の[[動物]]にも使われたり<ref>{{Cite book|和書|year=1989|title=日本語大辞典|edition=第一刷|publisher=講談社|page=715|chapter=【子ども】|isbn=4-06-121057-2}}</ref>、[[生物]]に限らない、大きいものと小さいものが組みになっている状態を指して「子持ち」という表現にも使われる<ref>{{Cite book|和書|year=1989|title=日本語大辞典|edition=第一刷|publisher=講談社|page=726|chapter=【子持ち】|isbn=4-06-121057-2}}</ref>。
 
== 自分の子、親と対になる意味の子 ==
{{See also|親子}}
「子ども」という言葉は、自分がもうけた子も指している<ref name="k_v5" />。[[広辞苑]]第五版では「子ども」の解説の第一にその意味を挙げている<ref name="k_v5" />。[[大辞泉]]も「[[息子|むすこ]]」([[男性]]の子ども)や「[[娘|むすめ]]」([[女性]]の子ども)を挙げている<ref name="dj" />。
 
また、[[書簡]]において、「子ども」は[[謙譲語]]として用いられる<ref name="syokan">[{{NDLDC|866060/1}} 書翰文研究] P.103 中川静 1905年</ref>。相手方を示すためには、「'''御子様'''(おこさま)」などの[[尊敬語]]が使われる<ref name="syokan"/>。
 
== 法的・社会的な基準 ==
[[File:2005pop14-.PNG|thumb|right|300px|2005年における国別の15歳以下の人口]]
[[国際連合]]の[[児童の権利に関する条約]]([[1989年]]の第44回[[国際連合総会]]で採択、[[1990年]]発効)第1条では、[[児童]](=子ども)を以下のように定義している(日本国外務省公式邦訳<ref name="mofa">{{cite web|title=「児童の権利に関する条約」全文|url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jido/zenbun.html|publisher=[[外務省]]|accessdate=2023-12-06}}</ref>)
 
{{quotation|この条約の適用上、児童とは、18歳未満のすべての者をいう。ただし、当該児童で、その者に適用される法律によりより早く成年に達したものを除く。}}
 
同条約は、加盟196カ国のうち[[アメリカ合衆国]]を除く195カ国で批准されている(日本:[[1994年]]批准)。[[英語]]の用法では、[[胎児]]も子どもの範疇に含める場合がある<ref name=fetus />。
 
しかし、本来「子ども」とその発達段階は明確に区分できない漸進的なものであり、その概念は歴史的に構築され、また社会や文化の相違が反映される。[[法律]]で大人と子どもを定義する際には、個人の成熟度合いを考慮していては法的安定性が欠如するため一律の線引きを置く必要に迫られる<ref>『現代法学入門』、伊東正己、加藤一郎、有斐閣、3版補訂版、1999年、p.22</ref>。そのため、各法律の目的に沿って様々な用語を使いながら「子ども」に対する個別の定義を行っている<ref name="Tsunoda">{{cite journal|和書|author=角田巖, 綾牧子 |date=2005-01 |url=http://id.nii.ac.jp/1351/00000189/ |title=子どもの存在における二重性 |journal=人間科学研究 |ISSN=0388-2152 |publisher=文教大学 |volume=27 |pages=123-134 |CRID=1050001338025137408 |accessdate=2023-08-29}}</ref>。
 
=== 日本における定義・区分 ===
[[ファイル:Japanese_people_of_all_ages.jpg|thumb|right|200px|[[日本]]の子供と[[家族]]([[2003年]])]]
{{See also|成年}}
[[日本]]では、[[民法 (日本)|民法]]第4条に「年齢十八歳をもって、成年とする。」と規定されており<ref>{{Cite web|和書|url=https://elawslaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089|title=明治二十九年法律第八十九号 民法|accessdate=2023-12-06|work=e-Gov法令検索|publisher=[[総務省]][[行政管理局]]}}</ref>、'''満18歳未満(満17歳以下)'''が子どもに該当する。かつて、[[1876年]](明治9年)[[4月1日]]から<ref>明治9年4月1日太政官布告第41号「[[:s:自今滿二十年ヲ以テ丁年ト定ム|自今滿二十年ヲ以テ丁年ト定ム]]」施行以後。</ref>[[2022年]](令和4年)[[3月31日]]までは満20歳以上が成年と定めており、満20歳未満(満19歳以下)が子どもに該当した<ref>{{Cite web|title=18歳から“大人”に!成年年齢引下げで変わること、変わらないこと。 {{!}} 暮らしに役立つ情報 |url=https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201808/2.html |website=[[政府広報|政府広報オンライン]] |date=2022-12-23|accessdate=2023-12-06 |language=ja}}</ref>。
 
ただし、[[選挙権]]<ref>[[18歳選挙権]]の導入は、成人年齢引き下げ以前の[[2016年]]([[平成]]28年)[[6月19日]]の改正[[公職選挙法]]施行以後。</ref>などを除き、[[被選挙権]]([[公職選挙法]]第10条に基づき満25歳以上:衆議院議員・都道府県議会議員・市区町村長・市区町村議会議員、満30歳以上:参議院議員・都道府県知事)、飲酒([[二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律]]第1条に基づき満20歳以上)・喫煙([[二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律]]第1条に基づき満20歳以上)などの一部の権利付与は、成年とは別途に下限年齢が規定されている<ref name=Tsunoda /><ref name="Tanaka">{{Cite web|和書|title=18歳成人を考える|url=http://www2.rikkyo.ac.jp/web/htanaka/07/Seijin02.html|author=田中治彦|publisher=[[立教大学]]|accessdate=2012-03-10|archiveurl=https://web.archive.org/web/20120517060410/http://www2.rikkyo.ac.jp/web/htanaka/07/Seijin02.html|archivedate=2012-05-16|deadlinkdateurl-status=dead|url-status-date=2022-07-10}}</ref>。
{{main|未成年者#日本における未成年者}}
 
* [[未成年者]] - 満18歳未満(満17歳以下)の男女。民法改正前の[[2022年]](令和4年)[[3月31日]]までは満20歳未満(満19歳以下)の男女であった<ref name=Tsunoda /><ref name="matsuoka">{{Cite web|和書|title=能力(2)-行為能力の制限と補充 <新OCWサイトへのコンテンツの移行について>|url=http://ocw.kyoto-u.ac.jp/faculty-of-law-ja/department-civil-lawi/pdf/04nouryoku2.pdf|format=PDF|author=松岡久和|publisher=[[京都大学]]法学部|accessdate=2012-03-10}}{{404|date=2023-08}}</ref>。
* [[少年]]・[[少女]] - [[少年法]]第2条第1項の定義では20歳未満の男女<ref>{{Cite web|和書|url=https://elawslaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000168|title=少年法|accessdate=2016-04-11|work=e-Gov法令検索|publisher=[[総務省]][[行政管理局]]}}</ref>。[[児童福祉法]]第4条第1項の定義では小学校就学の始期から、満18歳に達するまでの男女<ref name="jidoufukushi">{{Cite web|和書|url=https://elawslaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000164|title=児童福祉法|accessdate=2016-04-11|work=e-Gov法令検索|publisher=[[総務省]][[行政管理局]]}}</ref>。
* [[児童]] - 児童福祉法第4条第1項の定義では満18歳に達するまでの者<ref name=jidoufukushi />。[[母子及び父子並びに寡婦福祉法]]第6条第3項の定義では満20歳に達するまでの者<ref>{{Cite web|和書|url=https://elawslaws.e-gov.go.jp/document?lawid=339AC0000000129|title=母子及び父子並びに寡婦福祉法|accessdate=2016-04-11|work=e-Gov法令検索|publisher=総務省行政管理局}}</ref>。[[児童手当法]]第3条第1項や[[児童扶養手当法]]第3条第1項の定義では基本的に満18歳に達してから最初の3月31日を過ぎるまでの者<ref>{{Cite web|和書|url=https://elawslaws.e-gov.go.jp/document?lawid=346AC0000000073|title=児童手当法|accessdate=2016-04-11|work=e-Gov法令検索|publisher=総務省行政管理局}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://elawslaws.e-gov.go.jp/document?lawid=336AC0000000238|title=児童扶養手当法|accessdate=2016-04-11|work=e-Gov法令検索|publisher=総務省行政管理局}}</ref>。[[児童の権利に関する条約]]第1条、[[児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律]]第2条第1項の定義では18歳未満の者<ref name=Tsunoda />。[[労働基準法]]第56条の定義では満15歳に達してから最初の3月31日を過ぎるまでの者<ref name=Tsunoda />。[[学校教育法]]第17条・第18条の定義では「学齢児童」とし満6歳になった翌日が属する学年の始まりから満12歳となった日が属する学年の終わりまでの期間にある子供<ref name="GakkoKyo">{{Cite web|和書|url=https://elawslaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000026|title=学校教育法|accessdate=2016-04-11|work=e-Gov法令検索|publisher=[[総務省]][[行政管理局]]}}</ref>。[[道路交通法]]第14条第3項の定義では6歳以上13歳未満の者<ref name=Tsunoda />。
* [[小児科学|小児]] - 薬機法に基づく厚生労働省通知では7歳以上15歳未満の児<ref name=":0">{{Cite web|和書|url=https://www.pmda.go.jp/files/000218448.pdf|title=医療用医薬品の添付文書等の記載要領の留意事項について|accessdate=2021-08-15|publisher=PMDA}}</ref>。
*[[幼児]] - 児童福祉法第4条第1項及び[[母子保健法]]第6条第3項の定義では満1歳以上就学前の者<ref name="Tsunoda" /><ref name="jidoufukushi" />。道路交通法第14条第3項の定義では6歳未満の者<ref name="Tsunoda" />。薬機法に基づく厚生労働省通知では1歳以上7歳未満の児<ref name=":0" />。
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* [[新生児]] - 母子保健法第6条第5項の定義では、生後28日を経過しない者<ref name=Tsunoda />。薬機法に基づく厚生労働省通知では生後4週未満の児<ref name=":0" />。
* [[勤労青少年]] - [[青少年の雇用の促進等に関する法律]]に基づく青少年雇用対策基本方針(平成28年厚生労働省告示第4号)ではおおむね35歳未満の者(おおむね45歳未満の者を対象とすることを妨げない)<ref name=Tsunoda /><ref>{{Cite web|和書|url=http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hourei/kokuji/20160114d.html|title=青少年雇用対策基本方針を定める件(厚生労働四) 平成28年1月14日|publisher=独立行政法人労働政策研究・研修機構|accessdate=2016-04-11}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000097679.html|title=青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)などが平成27年10月から順次施行されます!|publisher=厚生労働省|accessdate=2016-04-11}}</ref>。
また、[[人口統計学]]においては15歳未満の者を「子ども」としており、[[総務省]]の人口統計でも15歳未満の人口を「年少人口」と定義している。
 
=== 世界の定義・区分 ===
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=== イニシエーション ===
何かしらの儀礼を以って子どもと大人を区分けする習慣があり、これらはイニシエーション(英:initiation、[[通過儀礼]])の一つに上げられる。多くは試練や苦行、また身なりの変更などであった<ref name="Shinomiya">{{Cite web|和書|title=大人になることの拒否|url=http://www.ipc.hokusei.ac.jp/~z00105/_kamoku/kiso/99/sinomiya.html|author=四宮ふみ子|publisher=[[北星学園大学]]|accessdate=2012-03-31}}</ref>。
 
日本では[[元服]]もこれらの一つに相当した<ref>{{Cite web|和書|title=大人になることの拒否|url=http://www.kawai-juku.ac.jp/bunkyo/report_vo2.html|author=丹羽建夫|publisher=河合文化教育研究所|accessdate=2012-03-31}}</ref>が、現在社会では廃れてしまっている。[[成人式]]も儀礼としては形骸化していると言えよう。
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== 歴史的概念 ==
=== 古代ギリシア ===
[[古代ギリシア]]時代の[[アレクサンドリアのフィロン]]が著した『世界の創造』の中には、[[エレジー]]の形式で書かれた[[ソロン]]の子ども観を載せた部分がある。これは、人の一生を7年刻みの段階で表した。[[男性|男子]]の場合、身体が成熟する時期は第4の7年(22-28歳)、精神が成熟する時期は第6の7年(31-42歳)であり、これに満たない年齢は成年とはみなしていない。フィロンは、同じ7年刻みによる[[ヒポクラテス]]の見解も採録しており、7歳以下は小児 ({{lang|grc|παιδιον}})、14歳までは子ども ({{lang|grc|παις}})、21歳までは少年 ({{lang|grc|μειρακιον}})、28歳までを若者 ({{lang|grc|νεανισκος}}) と呼んだ<ref name="Kakiki">{{cite journal|和書|author=柿本昭人 |date=2011-03 |url=https://doi.org/10.14988/pa.2017.0000012374 |title=大人/子供 : 古代ギリシアからの眺め |journal=同志社政策研究 |ISSN=1881-8625 |publisher=同志社大学政策学会 |volume=5 |pages=20-38 |doi=10.14988/pa.2017.0000012374 |CRID=1390290699890274432 |accessdate=2023-08-29}}</ref>。ただし、当時の子供を指す用語は、{{lang|grc|παις}} と {{lang|grc|τεκνον}} の2つが主流であったと考えられる。{{lang|grc|παις}} は子ども以外にも「奴隷」や「同性愛者たち」など他の概念も指す広い用語で、その意味は[[インド・ヨーロッパ語族|インド・ヨーロッパ語]]系の「小さい」「重要ではない」が語源である。{{lang|grc|τεκνον}} は「生む」の {{lang|grc|τικτω}} から派生した単語である。例外はあるが、{{lang|grc|παις}} は子どもと父親の、{{lang|grc|τεκνον}} は子どもと母親の関係を元に作られた言葉と考えられる<ref name=Kakiki /><ref> Mark Golden, Children and Childhood in Classical Athens, Johns Hopkins Univ. Pr., 1993 (1990), p. 12-13.</ref>。そして概念的には、男子の場合は「デモス」([[人民]])登録以前、女子の場合は結婚前を「子ども」と考えることが一般的だった<ref name=Kakiki />。
 
[[プラトン]]や[[アリストテレス]]は、この7年段階での成熟を基礎に子どもが大人になる時期を考察した。プラトンの『法律』や『政治学』では、結婚可能となる年齢を男性では30-35歳、女性は16-20歳に法律で定めるべきと論じられている。その根拠には、それぞれの性においてこの年齢時から生殖能力が充実するためであり、また男子の場合は父親が生殖限界となる70歳を迎え、[[相続]]に適するタイミングになる点を挙げた<ref name=Kakiki />。アリストテレスは『[[動物誌 (アリストテレス)|動物誌]]』にて、人間の成長を7年刻みの説で人間の成長段階を表し、大人とは[[アテネ]]の[[五百人評議会]] ({{lang|grc|βουλη}}) に名を連ねて公職に就く資格を持つ者を指し、それ以前の段階では「想定上の」または「見習い」市民に過ぎないと述べた。そして『[[ニコマコス倫理学]]』の中で、子どもと動物は自発的行動を取る事は可能だが節度に欠き、選択を行使することはできず、[[欲望]]や激情に左右される。そのため理性を持つ者に[[監視]]されなければならないと言った<ref name=Kakiki />。
 
[[File:Jean-Jacques Rousseau (painted portrait).jpg|200px|thumb|「子どもの発見者」とも評される<ref name=Ichi64 />[[ジャン=ジャック・ルソー]]。]]
 
=== 子どもという概念の形成 ===
[[フランス]]の[[歴史学|歴史学者]][[フィリップ・アリエス]]が著書『[[〈子ども〉の誕生]]』で述べたところによると、[[ヨーロッパ]]では[[中世]]に至るまで、「子ども」という概念は存在しなかったという。[[幼児死亡率|年少時の死亡率]]が高い社会だったので、生まれ出ただけでは家族の一員とみなされなかった。やがてある程度の成長を遂げると、今度は[[徒弟]]や[[奉公]]など[[労働]]に勤しむようになり、「小さな大人」として扱われる。そのため、[[服装]]や[[娯楽]]等において成長した大人と区別される事は無く、[[子供の性|性]][[道徳]]に関しても何らかの[[配慮]]がされることも無かった<ref name="Watanabe">{{Cite web|和書|title=バダンテール『母性という神話』コメント アリエス『<子ども>の誕生‐アンシャンレジーム期の子どもと家族』|url=http://web.sfc.keio.ac.jp/~oguma/kenkyu/02f3/bosei-watanabe.htm|author=渡辺朋昭|publisher=[[慶応義塾大学]]湘南藤沢キャンパス 小熊英二研究会|accessdate=2012-03-03}}</ref>。ただし、13世紀[[イギリス]]では、[[宗教]]および[[法律]]の観点から、大人とは異なる子どもの概念があったという主張もある<ref name=Tsunoda />。
 
[[ジャン=ジャック・ルソー]]は1762年の著書『エミール』で展開した消極教育論において、子どもを「小さな大人」と扱う事の非を説いた。彼は、誕生してから12歳になるまでの期間は、子ども時代という<ref name="Fushi">{{Cite web|和書|title=ルソーの教育論 <アクセスしようとしているサイトを見つけられません>|url=http://cert.shinshu-u.ac.jp/gp/el/e04b1/class04/rousseau.htm|author=伏木久始|publisher=[[信州大学]]教育学部|accessdate=2012-03-03}}{{404|date=2023-08}}</ref>[[能力]]と[[器官]]が内部的に発展する段階であると述べ<ref name="Kimura">{{cite journal|和書|author=木村吉彦|title=ルソーの「消極教育」論について : 教育方法としての「自由」の適用原理|url=https://hdl.handle.net/10513/1111|journal=上越教育大学研究紀要|volume=12|issue=1|pages=285-298|accessdate=2020-04-22|naid=110007651739|publisher=[[上越教育大学]]}}。</ref>、多く施される発展した能力や器官を利用する方法を教える教育(人間の教育)は逆効果であり<ref name=Fushi />、能力と器官を伸ばし完成させる教育(自然の教育)<ref name=Fushi />を行わなければならないと主張した<ref name=Kimura />。
 
成年ではない者としての子どもという概念は、中世において男子に限り発生したが、[[女子]]については形成されなかった<ref name=Tsunoda />。幼児と成年の間としての子ども観は、[[近世]]になってから確立された<ref name=Tsunoda />。16-17世紀頃から現れる[[家族]]意識の中で、家庭内などにおいて幼児は、その愛らしさから可愛がられる対象という視線が醸成された。また社会的にも、[[聖職者]]や[[モラリスト]]らによる[[理性的]]な[[習俗]]を実現させようとするグループから、子どもに対する配慮が生まれた。これらが18世紀頃には結びついて、社会は子どもを「小さな大人」という見方から、[[保護|庇護]]し、[[愛情]]を傾け、[[学校]]による<ref name=Tsunoda />[[教育]]を施してやらなければならない存在という風に認識が形成された<ref name=Watanabe />。
 
この変貌は[[絵画]]の変遷を追うことで確認できる。16世紀、子どもたちのイメージにはっきりした幼い見かけが現れ始める。17世紀後半からは、遊戯を愉しむ姿が描かれるようになる。[[玩具]]や[[児童文学]]が発展を見せたのも、この頃である<ref>{{cite web|title=To what extent were there important changes in the way that children were brought up in this period?|url=http://www.elizabethi.org/uk/essays/childhood.htm|author=Heather Thomas|publisher=elizabethi.org|language=英語|accessdate=2012-03-03}}</ref>。
 
=== 家族の意味と教育の変化 ===
アリエスは同書にて、子どもに教育を施す主体の変化にも触れている。中世まで、子どもは家庭から出されるか、家庭内でも労働を課せられ、見習い修行の中で一人前に成長した。それは、[[家族]]が[[共同体]]の一部という性格を強く持っていたためであり、実の[[親子関係]]を醸成するような環境ではなかった<ref name=Watanabe />。これが近世になると、仕事・社交・私生活の分離が進み、ひとつの[[家屋]]の中で家族のみが生活をするようになる。ここでは共同体よりも家族という単位が重視され、その中で子どもが占める位置が高まりを見せた。また、裕福な階層の子弟のために[[学校]]が作られるとともに、「教師」と「生徒」という区分がそのまま「大人」と「子ども」の分離となった。学校は社会生活に必要な教育を施す通過点となり、学校を出れば「大人」、それまでは「子ども」という区切りをつけるものになった<ref name=Watanabe />。
 
=== 日本 ===
日本では、子どもは親の所有物という感覚が強かった。子どもは家を継ぐことが当たり前であり、親に絶対服従しなければならなかった。農村など貧しい家では、貧困に見舞われると[[身売り]]や奉公に出されたり、[[捨て子]]や[[子殺し|間引き]]が行われたりした<ref name="Sugi63">[[子ども#杉本ら2004|杉本ら (2004)、pp.63-64、第5章 児童問題と社会福祉、第1節 児童福祉の理念と意義、(1)児童観の変遷]]</ref>。
しかし、[[身売り]]や奉公、[[捨て子]]や[[子殺し|間引き]]のような抑圧は、西欧の奴隷貿易のような1000万人規模までに発展しなかったため、子どもの権利を芽生えさせるまでには至らなかった。
 
=== 子どもに対する社会的態度 ===
どもに向けられる社会的態度は、世界中の文化圏によって違いがあり、また時代によっても異なる。1988年に[[ヨーロッパ]]諸国を対象に行われた調査では、[[イタリア]]は子ども中心の傾向が強く[[オランダ]]では弱い。[[オーストリア]]、[[イギリス]]、[[アイルランド]]、[[西ドイツ]]など他の国々は中間的な位置を占めた<ref>{{Cite journal |author=Jones, Rachel K; Brayfield, April |year=1997 |title=Life's greatest joy?: European attitudes toward the centrality of children |url=https://doi.org/10.1093/sf/75.4.1239 |journal=Social Forces |volume=75 |issue=4 |pages=1239-1269 |publisher=The University of North Carolina Press |doi=10.1093/sf/75.4.1239 |language=en}}</ref>。
 
== 子どもの社会化 ==
[[ファイル:Pieter Bruegel d. Ä. 041b.jpg|thumb|200px|[[ピーテル・ブリューゲル]]『[[子供の遊戯]]』、1560年]]
 
[[ファイル:Children in Namibia(1 cropped).jpg|thumb|200px|[[ナミビア]]の子どもたち(2003年)]]子どもたちは、年配の人たちよりも世界の未来について楽観的である傾向がある<ref>{{Cite web |title=Young people more optimistic about the world than older generations – Unicef |url=https://www.theguardian.com/global-development/2021/nov/18/young-people-more-optimistic-about-world-than-older-generations-unicef-survey |website=the Guardian |date=2021-11-18 |access-date=2022-12-24 |language=en}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://www.unicef.org/globalinsight/media/2266/file |title=The Changing Childhood Project - A multigenerational, international survey on 21st century childhood |access-date=2022-12-24}}</ref>。
 
=== 遊び ===
一般に「遊び」とは気晴らしであったり<ref name="Ichi65">[[子ども#一番ヶ瀬ら1984|一番ヶ瀬ら(1984)、pp.65-66、遊び軽視の観念]]</ref>非生産的と捉えがち<ref name="Ichi64">[[子ども#一番ヶ瀬ら1984|一番ヶ瀬ら(1984)、pp.64-65、学習と遊び]]</ref>だが、これはあくまで大人の遊びに対するものであり、子どもにとって遊びとは生活の中心にあり<ref name=Ichi65 />、特に幼児期には、生活の全てが遊びと言える<ref name="Ichi70">[[子ども#一番ヶ瀬ら1984|一番ヶ瀬ら(1984)、p.70、子どもの生活の中心-遊び]]</ref>。そして子どもは遊びを通じて様々なことを学ぶ<ref name="Ichi67">[[子ども#一番ヶ瀬ら1984|一番ヶ瀬ら(1984)、pp.67-68、遊びを通しての成長]]</ref>。1959年の[[児童権利宣言]]第7条には「児童は遊びおよびレクリエーションのための充分な機会を与えられる権利を有する<ref>{{Cite web|和書|title=児童権利宣言|url=http://www.avis.ne.jp/~luckyboy/sub11.htm|publisher=国際連合第14回総会採択|accessdate=2012-03-31}}</ref>。」と、子どもにとって遊びが大切な要素である事を謳っている<ref name=Ichi64 />。
 
[[ヨハン・ホイジンガ]]は、遊びを「自発的な行為・活動であり、[[規則]]を受け入れ従う中で、緊張や歓びを感じつつ行う行為」と定めた<ref>ヨハン・ホイジンガ『ホモ・ルーデンス 人類文化と遊戯』</ref>。子どもは遊びの中で、規則を破って遊びそのものが破綻させないよう、自主・自立的に学習を重ねる<ref name=Ichi67 />。大人を模倣するようなごっこ遊びは社会生活への興味を喚起し、態度や性格を形成するとともに、[[演劇]]的性質を[[芸術]]的創造へ発展させる事もできるとも論じられる<ref>[[子供#一番ヶ瀬ら1984|一番ヶ瀬ら(1984)、p.77、遊びの発展]]</ref>。
 
=== 仲間の形成 ===
すべての子どもは[[成長]]・[[発達]]に伴い社交性を身につける。幼児やとても小さな子どもはひとり遊びでも満足する<ref name="Social">{{citeCite web|title=Helping Your Child with Socialization|url=http://www.childdevelopmentinfo.com/parenting/socialization.shtml|publisher=Child Development Institute|language=英語|accessdate=2012-03-03|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140328233949/http://childdevelopmentinfo.com/parenting/socialization.shtml|archivedate=2014年3月-03-28|deadlinkdateurl-status=dead|url-status-date=2017-10}}</ref>。このような子どもが他者との関わり合いを持つ最初の相手は養育者であり、多くの場合それは[[母親]]である<ref name="Takahashi">{{cite journal|和書|author=高橋江梨子 |date=2009-12 |url=https://hdl.handle.net/10911/3501 |title=児童の対人認知と社会的スキルに関する研究 : きょうだいのある子とひとりっ子の比較を中心に |journal=創価大学大学院紀要 |ISSN=0388-3035 |publisher=創価大学大学院 |volume=31 |pages=215-240 |hdl=10911/3501 |CRID=1050845763308096384 |accessdate=2023-08-29}}</ref>。
 
もしそこに他の子どもがいたら、ぶつかり合ったり[[排除]]しようとすることもあり得る。しかしやがて一緒に遊ぶようになり、共有や交流の中に楽しさを見出す。そして遊び相手も3人、4人と増え、[[仲間 (曖昧さ回避)|仲間]]という集団を形成するようになる<ref name="Social" />。子どもに[[兄]]や[[姉]]がいる場合、彼らが初期の仲間関係をつくる相手となる。この[[兄弟姉妹]]関係は社会生活を通じて直面する競争や協同を経験する重要な役割を担う人間関係である<ref>{{Cite book|和書|author=長田雅喜 |title=家族関係の社会心理学 |publisher=福村出版 |year=1987 |ISBN=4571250037 |chapter=吉田俊和 「きょうだいの存在意義」 |page=107}}</ref><ref name=Takahashi />。[[幼稚園]]に入園する頃には、子どもたちは仲間の輪に加わり、[[集団]]での経験を楽しめるようになる<ref name="Social" />。ここで子どもは[[就学前教育]]を受け、さまざまな遊びを通して[[理解|理解力]]や[[思考]]・[[創造力]]または[[問題解決|問題解決力]]だけでなく、[[表現|表現力]]や[[社会性]]・[[協調性]]も身につける<ref>{{Cite web|和書|title=カリキュラム|url=http://www.tokyo-fukushi.ac.jp/gakubu/tankidaigaku.html|publisher=[[東京福祉大学]]短期大学・こども学科|accessdate=2012-03-10}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=取得できる資格|url=http://www.teikyo-jc.ac.jp/cor_course/license/license.shtml|publisher=[[帝京短期大学]]|accessdate=2012-03-10}}</ref>。
 
[[ファイル:Afghan school boys in Nad Ali village of Helmand.jpg|thumb|200px|学校で学ぶ子どもたち([[アフガニスタン]]・2010年)]]
=== 教育 ===
多くの国で、一定の年齢に達した子どもには[[義務教育]]が施される。
 
ここでは[[国家]]や[[社会]]の一員として必要最低限の[[言語]]・[[文化_(代表的なトピック)|文化]]・[[規範]]を教わり、また個性・能力や人格形成の醸成を促す<ref>{{Cite web|和書|title=教育義務費に係る経費負担の在り方について(中間報告)|chapter=第1章 教育義務制度の在り方について|url=https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/gijiroku/04053101/002/002.htm|publisher=[[文部科学省]]|accessdate=2012-03-10}}</ref>。
 
[[日本の教育]]では、[[学校教育法]]によって義務教育期間を満6歳から15歳(概ね、[[初等教育]]の[[小学校]]6年間と前期[[中等教育]]の[[中学校]]3年間の9年間)としており<ref name=GakkoKyo />、[[モザンビーク]]や[[モンゴル]]のような例外もあるが、その他多くの国でも6歳前後から9-10年間の教育制度を設定している<ref>{{Cite web|和書|title=各国の義務教育制度の概要|url=http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/04083001/002.pdf|format=PDF|publisher=[[文部科学省]]|accessdate=2012-03-10|deadlinkdateurl-status=dead|url-status-date=2024-03-28}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=世界の学校を見てみよう|url=http://www.mofa.go.jp/mofaj/world/kuni/index.html|publisher=[[外務省]]|accessdate=2012-03-10|deadlinkdateurl-status=dead|url-status-date=2024-03-28}}</ref>。
 
[[注意欠陥・多動性障害]] (ADHD) や[[学習障害]]のある子どもたちには、社会技能を身につけるための訓練を行うために、特別な支援が求められる場合がある。ADHDの子どもは良好な友人関係を築きにくい可能性がある。注意欠陥の子どもは、周囲に存在する社交のきっかけをつかみにくく、経験を通した社会技能習得に難点を抱えている可能性がある<ref name="Social"/>。
 
[[ファイル:Kanbetsusyo5363.JPG|thumb|200px|[[少年鑑別所]]([[京都]])]]
121行目:
=== 責任を持つ年齢 ===
{{See|性的同意年齢|結婚適齢期}}
人間が、[[結婚]]や[[投票]]など社会的な約束事に対して責任を負うことができるようになると受け取られる年齢は時代とともに変化し、現在では[[法律]]が制定する問題となっている。[[古代ローマ]]では子どもは罪を犯しても責任がないとみなされ、後に[[キリスト教]]会もこの位置づけを取り入れた。[[19世紀]]に入ると、犯罪に対する責任を持たない年齢は7歳未満とみなされ、7歳以上の人間は自分の行動に責任を負わされるようになった。つまり、7歳以上の人間が告発されれば、大人と同じ刑務所に送られ、鞭打ちや烙印、そして絞首刑などの刑罰が大人と何ら変わりなく執行された<ref>{{cite web|title=Changing Social Attitudes Toward Children|url=http://law.jrank.org/pages/12069/Juvenile-Justice-Changing-social-attitudes-toward-children.html|author=Juvenile Justice|language=英語|accessdate=2012-03-03}}</ref>。現代では、[[カナダ]]や[[アメリカ合衆国]]など多くの国で刑事責任を負う年齢は12歳以上とされるが、罪に問われた際には成人とは別の少年収容施設に収容することとしている例が多い。
 
ある調査によると、世界中の少なくとも25の国で義務教育を受ける子どもの年齢を定めていない。そして、雇用や結婚の最低年齢もまちまちである。少なくとも125の国では、7 - 15歳の子どもでも犯罪行為に対して裁判や収監を受けさせるようになっている。いくつかの国では、14 - 15歳まで就学するよう法律で定められているが、もっと若い時期から就労は認められている。子どもの[[教育を受ける権利]]を脅かすものは、[[児童婚|早婚]]や[[児童労働]]または[[監禁]]などである<ref name="Melchiorre">{{cite web|title=At What Age?...are school-children employed, married and taken to court?|url=http://www.right-to-education.org/node/53|author=Melchiorre, A.|publisher=Right to Education Project|language=英語|accessdate=2012-03-03}}</ref>。スタンドフォード大学によると、人の前頭葉は25歳頃まで十分に発達しないため、長期的な責任ある決断を下すことが困難であるという<ref>{{Cite web |title=default - Stanford Medicine Children's Health |url=https://www.stanfordchildrens.org/en/topic/default?id=understanding-the-teen-brain-1-3051 |website=www.stanfordchildrens.org |access-date=2022-12-03}}</ref>。
 
== 子どもの死亡率 ==
1600年代のイギリスでは、2/3の子どもは4歳未満で死去していたため、平均寿命は35歳前後にとどまっていた<ref>W. J. Rorabaugh, Donald T. Critchlow, Paula C. Baker (2004). "''[https://books.google.com/books?id=VL_6X5zWOokC&pg=PA47&dq&hl=en#v=onepage&q=&f=false America's promise: a concise history of the United States]''". Rowman & Littlefield. p.47. ISBN 0742511898</ref>。これが劇的に改善され子どもの生存率が伸びたのは[[産業革命]]期である<ref>{{cite web|title=Modernization - Population Change|url=http://www.britannica.com/EBchecked/topic/387301/modernization/12022/Population-change|publisher=Encyclopædia Britannica|language=英語|accessdate=2012-03-03}}</ref>。
 
人口健康専門家委員会 (population health experts) によると、1990年代に比べ[[乳幼児死亡率]]は急速に低下している。20年前と比較すると、アメリカでは5歳未満の子どもの死亡者数が4.2[[パーセント|%]]まで下がった。[[セルビア]]や[[マレーシア]]も死亡者数を7.0%まで減少させた<ref>{{cite web|title=Child mortality rates dropping|url=http://articles.latimes.com/2010/may/24/nation/la-na-child-mortality-20100524|publisher=Los Angeles Times|language=英語|accessdate=2012-03-03}}</ref>。
 
== 子どもと労働 ==
{{See|児童労働}}
[[File:Ramoneur.jpg|thumb|200px|煙突掃除の少年。[[ウィリアム・ブレイク]]や[[チャールズ・ディケンズ]]らが描いた煙突掃除の少年は、[[娼婦]]と並ぶ当時のイギリスにおける弱者の典型例だった<ref>{{cite journal|和書|author=松岡光治 |date=2002-03 |url=https://doi.org/10.18999/lancrs.1.103 |title=ディケンズと芸術 - 社会の抑圧とそのイメージ -(イメージと文化) |journal=言語文化研究叢書 |ISSN=1347-1600 |publisher=名古屋大学言語文化部・国際言語文化研究科 |volume=1 |pages=103-122 |doi=10.18999/lancrs.1.103 |hdl=2237/8074 |CRID=1390853649586312320 |accessdate=2023-08-29}}</ref><ref>{{Cite journal|和書|author=鬼塚雅子 |date=1992-03 |url=https://saijo.repo.nii.ac.jp/records/463 |title=「煙突掃除夫たちの詩」―ブレイクからデ・ラ・メアまで |journal=埼玉女子短期大学研究紀要 |ISSN=0915-7484 |publisher=埼玉女子短期大学 |issue=3 |pages=83-113 |CRID=1050001338821579136|accessdate=2023-08-29}}</ref>。]]
[[File:Mining diggerboys.jpg|thumb|200px|[[ダイヤモンド]][[鉱山]]で働く子どもたち([[シエラレオネ]])]]
 
=== イギリス ===
児童労働が社会問題化され始めたのは、[[イギリス]]に始まる18-19世紀の[[産業革命]]期であった。未熟練労働者として低賃金で雇われ<ref name=Tsunoda />、粗末な住環境に置かれながら工場での長時間労働を強いられた子どもたちの様子は、[[フリードリヒ・エンゲルス]]の『[[イギリスにおける労働者階級の状態]]』で触れられ、[[チャールズ・ディケンズ]]の小説などでも描かれる<ref>{{cite journal|和書|author=松永巌 |date=1997-03 |url=https://wako.repo.nii.ac.jp/records/3909 |title=「オリヴァー・トゥイスト」に見るロンドンの下層社会(研究報告) |journal=東西南北 |publisher=和光大学総合文化研究所 |volume=1997 |pages=148-151 |CRID=1050282813290549760}}</ref>。[[カール・マルクス]]も『[[資本論]]』の中で、4歳の工場労働者の存在に触れた<ref name="Ishihara">{{cite journal|和書|author=石原静子 |date=1998-03 |url=http://id.nii.ac.jp/1073/00003686/ |title=アジアに羽ばたけトットちゃん : 現代子ども労働の一考察 |journal=東西南北 |publisher=和光大学総合文化研究所 |volume=1998 |pages=102-114 |id={{CRID|1050564288267246848}} |accessdate=2023-05-19}}</ref>。
 
イギリスでは[[1833年]]に工場法が制定され、子どもの労働に制限が加えられたが、就労年齢9歳以上、労働は一日12時間以下という緩さだった。また、身体の小ささから危険で健康被害も懸念される[[煙突]][[掃除]]のような過酷な労働にも使役された<ref name=Ishihara />。
 
転機は、[[1870年]]に施行された小学教育令であり、13歳以下の子どもを対象に義務教育が制定された事に始まる。これはすぐに成果を上げた訳ではなかったが、[[生産性]]向上と相まって20世紀前半には子どもを搾取されがちな工場労働から近代的な教育を施す学校へ移す役割を果たした<ref name=Ishihara />。
 
=== 日本 ===
日本で子どもが工場労働を担うようになったのは、[[明治]]時代の[[富国強兵]]や[[殖産興業]]の元、製糸・織物業などを中心とした[[工業化]]が広がり始まった時期からとされる<ref name=Sugi63 />。その中で子どもも一般的に雇用されたが、労働環境は大人よりも劣悪で、また不況時には解雇されるなど便利使いされていた。農工務省が纏めた1903年(明治36年)の「職工事情」第一巻には、単純作業の長時間労働が時に徹夜にまで至り、ろくな休憩も無く粉塵まみれになって働き続ける様子が報告された<ref name="Nozawa">{{cite journal|和書|author=野澤正子|year=1986|title=戦前の日本における児童の公的保護論の形成過程|url=https://doi.org/10.24729/00003589|journal=社會問題研究|volume=35|issue=2|pages=1-17|publisher=大阪府立大学社会福祉学部|accessdate=2020-05-01|issn=0912-4640}}</ref>。[[横山源之助]]は大阪の工場を見て廻った記録を残したが、それによると15歳以下の少女が紡績分野で多く使われ、中には7・8歳の子どももいたという。既に1872年(明治5年)の学制はあったが、彼女らは満足な教育を受けていなかった<ref name=Ishihara />。1916年([[大正]]5年)に工場法が施行<ref group="注">公布は1911年(明治44年)。([https://www.archives.go.jp/ayumi/kobetsu/m44_1911_02.html 国立公文書館「公文書にみる日本のあゆみ、明治44年(1911)3月」])</ref>されたが、依然として長い就労制限時間や小規模事業所が適用除外になるなど充分なものではなかった<ref name=Ishihara />。
 
20世紀に入ると、[[世界恐慌]]に端を発した不況と社会不安が子どもにも襲い掛かり、親子[[心中]]、[[児童虐待]]や[[子殺し]]、児童労働環境の悪化や[[少年犯罪]]の増加が問題化した<ref name=Sugi63 /><ref name=Nozawa />。また、乳児死亡率の高さや国際的な児童の公的保護の機運が高まった事もあり、1926年から全国児童保護事業会議が開催されて児童保護に向けた法整備が話し合われ、[[児童虐待の防止等に関する法律|児童虐待防止法]]や各扶助法・[[託児所]]関連の法律、また[[不就学]]対応など児童保護法の成立に繋がった<ref name=Nozawa />。
 
=== 現状 ===
国際労働機関 (ILO) が発表した[[2000年]]の統計によると、世界で児童労働をしている子どもは2億4600万人。うち15歳未満は1億8600万人であった。ILOが第182号条約で定める、[[人身取引]]・[[債務奴隷]]・強制された[[少年兵]]・[[強制労働]]・[[買春]]・[[児童ポルノ]]・[[麻薬]]関連等の不正活動・路上で働く[[ストリート・チルドレン]]<ref name="ILO9">{{Cite web|和書|title=2.児童労働の実態 路上で働く子どもたち:ストリートチルドレン|url=http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/ipec/facts/sectorial/st_child/01.htm|publisher=[[国際労働機関|ILO]]駐日事務所|accessdate=2012-03-25}}</ref>など無条件に最悪の労働<ref name=ILO1 />に従事する子どもは840万人にのぼる<ref name="ILO2">{{Cite web|和書|title=統計|url=http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/ipec/facts/numbers/index.htm|publisher=[[国際労働機関|ILO]]駐日事務所|accessdate=2012-03-25}}</ref>。この他にも、[[家事使用人]]に従事する子どもの中には統計に現れにくい虐待や強制労働または[[児童性的虐待]]があるものと考えられている<ref name="ILO8">{{Cite web|和書|title=2.児童労働の実態 家事使用人として働かされる子どもたち|url=http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/ipec/facts/sectorial/domestic/01.htm|publisher=[[国際労働機関|ILO]]駐日事務所|accessdate=2012-03-25}}</ref>。
 
== 弱者としての子ども ==
[[File:Army.mil-2007-03-27-114351.jpg|thumb|left|200px|負傷した子ども([[イラク]]・2007年)]]
キャロル・コープは、「子どもは35秒で騙される」と述べた<ref>{{Cite book|和書|title=変質者の罠から子どもを守る法|author=キャロル・S ・コープ|publisher=[[人間と歴史社]]|year=1997|isbn=978-4890071029}}</ref><ref name="Usui">{{Cite web|和書|title=東京小6女児4人監禁事件の犯罪心理|author=碓井真史|url=http://www.n-seiryo.ac.jp/~usui/news2/2003/schoolgirls_imprisonment.html|publisher=[[新潟青陵大学]]大学院臨床心理学研究科|accessdate=2012-03-10}}</ref>。子どもは一般に、思慮や判断力が成熟しておらず、感受性の強さから外的な刺激に対する抵抗力が身についていない<ref name=Tsunoda />。
 
この特性が、[[少年兵]]を生む要因になっている。集めやすい上、子どもは教育や訓練に従順で、特定の思想を植えつけやすい。そのため少年兵は一般兵よりも命令に忠実で、残忍にもなる。[[地雷]]排除のために子どもを歩かせた例もあった。また、[[武器]]の軽量化や敵に警戒心を抱かせにくい点を利用し、自爆テロのような「使い捨て」に利用される例も多い<ref name="Ono">{{cite journal|和書|author=小野圭司 |date=2009-12 |title=子ども兵士問題の解決に向けて:合理性排除に向けた検討と今後の課題 |journal=防衛研究所紀要 |ISSN=13441116 |publisher=防衛省防衛研究所 |volume=12 |issue=1 |pages=51-75 |CRID=1522543655207437824 |url=https://id.ndl.go.jp/bib/10595241 |id={{NDLJP|1282583}} |accessdate=2023-08-29}}</ref>。子どもの権利条約やさまざまな国際条約では子どもの徴兵を禁じているが、[[貧困]]や共同体崩壊等の理由もあり、地域紛争や内戦が多発する状態では実効性に乏しいのが現状である<ref name=Ono />。
 
{{-}}
== 日本語における表記について ==
 
=== 漢字表記が定まるまでの歴史 ===
== 日本語における表記について ==
[[File:Hyozu-jinja_兵主神社例祭(西脇市黒田庄町岡)2011.10.9_DSCF1166.jpg|thumb|right|200px|子供と[[浴衣]]、[[兵主神社 (西脇市)|兵主神社]]例祭(2011年)]]
[[日本]]において「こども」という言葉が用いられたのは非常に古く、『[[万葉集]]』には[[山上憶良]]の「子等を思ふ歌」に「宇利渡米婆 胡藤母意母保由(瓜食めば、こども思ほゆ)」という表記がある{{sfn|清野隆|2008|p=4}}。この当時は複数の「子」がいるさまを指して用いられていたが、[[江戸時代]]には一人でも「こども」と表現するようになっている{{sfn|清野隆|2008|p=4}}。漢字表記では'''「子等」「児等」「子供」「小供」「子ども」「こども」'''等様々な表記があった。『[[日本国語大辞典]]』によれば、古くは「子等」が主流であったが、[[平安時代]]後期以降には'''「子共」'''の表記もみられるようになったとしている<ref name="salon_mainichi">{{Cite web|和書||title = 「子供」と「子ども」 こどもの日に考える|url = https://salon.mainichi-kotoba.jp/archives/112|website = 毎日ことばplus|accessdate = 2024-09-27|publisher=毎日新聞校閲センター}}</ref>。[[明治時代]]以降は'''「子供」'''の表記に絞られるようになっていった{{sfn|清野隆|2008|p=4}}。
[[日本]]における教育・法律・行政文書の世界では[[1994年]]の「[[児童の権利に関する条約|Convention on the Rights of the Child]]」の訳語論争を経て、[[2000年代]]ごろには「'''子ども'''」という表記を差別的な印象であるなどといった理由で敬遠し、代わりに「'''子ども'''」表記をいることが多くなった<ref name="Seino">{{Cite journal|和書|author=清野隆|year=2008|title=国語科教育の基礎学の構築(Ⅰ) 漢字の基礎-「子ども」・「子ども」の表記を基にして-|url=https://doi.org/10.32150/00005725|journal=北海道教育大学紀要(教育科学編)|volume=59|issue=1|publisher=北海道教育大学|issn=13442554}}</ref>。
 
=== 表記法を巡る論争 ===
小中学校の国語においては「子」は小学校1年生で、「供」は小学校6年生でそれぞれ読みを学ぶ漢字であり、小学校の5年生までは[[教育漢字#交ぜ書き|交ぜ書き]]の「子ども」表記である<ref name="Seino" />が、[[教科書]]においては小学校6年生以降でも出版社によって「子供」「子ども」両方の表記が混在していた。
一方で[[第二次世界大戦]]以降は漢字の種類の表記揺れとは別に、様々な政治的立場や思惑、言葉の解釈などにより異なる表記法が提唱され、いずれの表記を使用するべきか、現代に至るまで論争が続いている。対象となっているのは、
 
* 全て漢字の'''「子供」'''
例として、中学3年生の全社の検定教科書に収録されている[[魯迅]]の『故郷』では、[[学校図書]]、[[教育出版]]、[[光村図書]]が「子供」としているのに対して、[[東京書籍]]と[[三省堂]]は「子ども」と表記している<ref name="Seino" />。教員採用試験の参考書でも、かつての文部科学省の表記を根拠に「子ども」表記を推奨しているものがあった<ref name="Seino" />。なお[[当て字]]ないしは[[誤表記]]として「小供」<ref name="Seino" />や「子共」も見られた。
* 交ぜ書きの'''「子ども」'''
* 全て仮名の'''「こども」'''
 
の主に3種類の表記である。
しかし、文部科学省が[[2013年]](平成25年)[[5月]]に、省内で多用されてきた「子ども」の表記の経緯について調査。表記についての内規が存在しないことを確認した上で、[[文部科学大臣]][[下村博文]]([[第2次安倍内閣]])は省内での表記を統一するよう指示した。協議の結果、「子供」表記は差別表現ではないとの判断が示され<ref>{{Cite news|title=「子ども」は「子供」で統一します 文科省「差別表現でない」と公文書で使用|agency=J-CASTニュース|date=2013-09-01|url=https://www.j-cast.com/2013/09/01182664.html?p=all}}</ref>、[[6月]]下旬から公用文に用いられる表記を'''「子供」に統一'''した<ref group="注">交ぜ書き廃止を求める団体が「子ども」表記の廃止を文科相に請願したことや、[[国会 (日本)|国会]]([[衆議院]]文部科学委員会)で交ぜ書き表記の是正についてたびたび取り上げられたことが一因とされる。(日本教育新聞、2013年7月15日)</ref><ref>『「子ども」表記を「子供」に 下村文科相 公用文の統一指示』 (日本教育新聞、2013年7月15日)</ref>。
 
==== 戦後の日本語改革とその影響 ====
「子供」表記への統一は、当初あくまで[[公文書]]に限るとされていたが、[[2010年代]]以降はこれに倣って公文書以外でも「子供」表記が以前に比べて増加傾向にある。前述の国語の検定教科書においても、これまで積極的に「子ども」表記を採用していた東京書籍なども、小学校6年生以降の教科書において「子ども」と表記していた部分を「子供」に改めている<ref>{{Cite|和書|title=新編 新しい国語 3|date=2018|edition=平成二十七年三月六日 検定済|publisher=東京書籍株式会社|ref=harv}}</ref>。新聞社など民間のメディアは表記の統一を行なっていないが、[[毎日新聞]]の新聞記事における使用実態は[[2000年]]ごろ以降「子ども」表記が多数となったものの、[[2010年]]ごろ以降は再び「子供」表記が増え「子ども」と同数程度になった<ref name="mainichi01">{{Cite news|title=「こども」どう書く|agency=毎日新聞 校閲センター|date=2018-11-19|url=https://mainichi-kotoba.jp/enq-037}}</ref>。ただし、同社による一般へのアンケートによれば、「子ども」表記を好む読者が63.3%、「子供」表記は25.4%に留まり、「子ども」が優勢である<ref name=mainichi01/>。
第二次世界大戦後には[[アメリカ教育使節団報告書|アメリカ教育使節団が漢字の全廃を勧告]]したように、[[国語国字問題|漢字表記は減少]]する傾向となった。[[1948年]]には[[国民の祝日に関する法律]](昭和23年7月20日 法律第17号)が定められたが、これによって成立した[[こどもの日]]とその根拠となる文章には「こども」の表記が用いられている。
 
[[1950年]]には[[文部省]]が内規として『文部省刊行物表記の規準』を定めたが、この中では「こども」というかな表記が望ましいとしているが、「子供」「子ども」を用いても構わないとしている{{sfn|清野隆|2008|p=4}}。一方でこの頃から「子ども」の表記を用いるべきであるという主張が行われるようになった。「子ども」の表記を用いるべきであるという主張が現れた。[[1952年]]4月には「[[日本子どもを守る会]]」が設立されたが、この際に副会長であった[[羽仁説子]]は「子ども」を用いるべきであると主張し、会の名前にも採用された。後年、羽仁は「人権をみとめる時代に『供』という字はいけない」と主張していたと回想している{{sfn|牛見真博|2019|p=1-2}}。同年に刊行された『[[岩波講座]]教育』7巻のタイトルでは、「日本の子ども」が用いられている。[[佐藤卓己]]は「子ども」表記の普及にとって決定的な出来事であったと評価している{{sfn|牛見真博|2019|p=1}}。「日本子どもを守る会」の創設に深く関わり、会員でもあった[[日本児童文学者協会]]においても、1950年代半ばごろから「子ども」という表記にほぼ統一されているとしている<ref name="nihonjidobungaku20240505">{{Cite web|和書||title = 130、「子ども」「こども」「子供」(2024,5,5) - 日本児童文学者協会|url = https://jibunkyo.or.jp/blog/blog-2087/|website = 日本児童文学者協会 - 日本児童文学者協会は、児童文学の作家、詩人、翻訳家、評論家、研究者などで構成されている文学運動団体です。|date = 2024-05-05|accessdate = 2024-09-27}}</ref>。
[[2020年]](令和2年)の[[神戸新聞]]の記事によれば、[[国語辞典]]編纂者の[[飯間浩明]]の意見として、「供」の字にまつわる差別的なイメージは「史実に基づいておらず、まったくの俗解」と断言した上で、一方「日本語は漢字と仮名の交ぜ書きが普通であり、『子ども』が美しくないとは、必ずしも言えません」と、「子ども」表記のより柔らかなイメージについても肯定したことを紹介<ref name="kobe01">{{Cite news|title=「子供」or「子ども」どっちで書く?新聞は「子ども」派が多数 専門家の見解は|agency=まいどなニュース|date=2020-08-01|url=https://maidonanews.jp/article/13585181}}</ref>。また、全国の地方紙にアンケートを実施したところ、多くの記者は「『子ども』の方が字面の印象が柔らかい(ので使用する)」と回答。どちらの表記を選ぶかは書き手の自由であり、「ことさら競う」ことなく「好きな表記をすればよいと思います」とした。
 
政府行政機関では原則として「子供」を採用してきた。昭和56年(1981年)度12月の「文部省用字用例集」では「こども」は「子供」表記であるとされている。また同年に内閣告示で定められた『[[常用漢字表]]』においても「供」の用例として「子供」があげられた{{sfn|清野隆|2008|p=5}}。新聞・放送業界でも原則は「子供」を用いていたが、実際の記事では「子ども」「こども」を用いる事もあった{{sfn|清野隆|2008|p=5}}。
児童文学作家の[[矢玉四郎]]は「子供は当て字であり、差別的な意味は全くない」、出版社が勝手に「子ども」に書き換えることが横行していると批判し、『子ども教の信者は目をさましましょう』という運動を展開している<ref name="siro">{{Cite web|和書|url=http://butagoya.o.oo7.jp/gaki.htm#kodomo|title=子ども教の信者は目をさましましょう|accessdate=2020-12-01}}</ref>。このなかでは「子ども」という表記は「子共」という侮蔑表現の隠れ蓑でありうることが指摘されている。
 
一方で教育界では羽仁の説のように「供」の字が好ましくないとして「子ども」の表記を進める動きが広まった{{sfn|牛見真博|2019|p=3}}。小中学校の国語においては「子」は小学校1年生で、「供」は小学校6年生でそれぞれ読みを学ぶ漢字であり、小学校の5年生までは[[教育漢字#交ぜ書き|交ぜ書き]]の「子ども」表記であるが{{sfn|清野隆|2008|p=7}}、『[[学習指導要領]]』にれば、6年生以降は「子供」を用い、文章の中で習熟していくことが求められる。しかし小学校6年生以降の教科書でも出版社によって「子供」「子ども」両方の表記が混在していた。平成17年([[2005年]])度版の中学3年生の検定教科書に収録されている[[魯迅]]の小説『[[故郷 (魯迅)|故郷]]』では、[[学校図書]]、[[教育出版]]、[[光村図書]]が「子供」としているのに対して、[[東京書籍]]と[[三省堂]]は「子ども」と表記している{{sfn|清野隆|2008|p=9}}。[[文部科学省]](2001年に文部省から改組)においても「幼児」「児童」「生徒」を指して「子ども」という表記を行うことが一般的であるとされる状況となった{{sfn|清野隆|2008|p=4}}。
2023年4月に施行した[[こども基本法]]や新設された[[こども家庭庁]]では、全てひらがなの「こども」で表記している。国務大臣の記者会見等の文章においても、同様に「こども」で表記されている<ref>{{Cite web2 |date=2023-08-04 |title=法務大臣臨時記者会見の概要 令和5年8月4日(金) |url=https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00435.html |accessdate=2023-8-11 |website=[[法務省]]}}</ref>。
 
日本子どもを守る会などでは「子供」の表記を否定し、「子ども」表記が適当であるとしこれを進める立場を取っている。[[1970年]]7月17日の[[家永教科書裁判]]における杉本判決では、「子ども」という表記が用いられていたが、日本子どもを守る会の[[金田茂郎]]事務局長はこれを喜んでいたという{{sfn|牛見真博|2019|p=2}}。
 
==== 1990年代の国際条約と法曹界 ====
[[1994年]]には「[[児童の権利に関する条約|Convention on the Rights of the Child]]」という[[多国間条約]]を翻訳するにあたって、「子ども」とするべきか、「児童」とするべきかという論争が起こった。これ以降法曹界では「子ども」の表記が主流となった。[[2001年]]には「[[子どもの読書活動の推進に関する法律]]」(平成13年12月12日法律第154号)が成立した{{sfn|清野隆|2008|p=2-3}}。また地方行政団体などでも「子ども」表記が行われることも増えた{{sfn|清野隆|2008|p=3}}。
 
一方で、一律に「子ども」という表記について書き換える動きなどに反発を示す立場もある。[[児童文学]]家の[[矢玉四郎]]は1990年代ごろから「子供は当て字であり、差別的な意味は全くない」、出版社が勝手に「子ども」に書き換えることが横行していると批判し、『子ども教の信者は目をさましましょう』という運動を展開してい<ref name="siro">{{Cite web|和書|url=http://butagoya.o.oo7.jp/gaki.htm#kodomo|title=子ども教の信者は目をさましましょう|accessdate=2020-12-01}}</ref>{{Efn2|矢玉は2024年7月に死去したが、同年1月までその批判を載せたウェブページの更新を行っていた}}。[[国語辞典]]編纂者[[飯間浩明]]は、「供」の字にまつわる差別的かでイメージは「史実に基づいておらず、まったくの俗解」と断言した上で、一方「日本語は漢字と仮名の交ぜ書きが普通であり、『子ども」と』が美しくなう表記、必ずしも言えません」と、「子どもという侮蔑隠れ蓑であうることが指摘され柔らかなイメージについても肯定している<ref name="kobe01"/>
 
==== 2010年代の政治問題化 ====
 
しかし[[2010年]]の『常用漢字表』告示では文部科学省『供』の用例として『子供』をあげること引き続き行われている{{sfn|清野隆|2008|p=5}}。[[2013年]](平成25年)[[5月]]文部科学省は省内で多用されてきた「子ども」の表記の経緯について調査。表記についての内規が存在しないことを確認した上で、[[文部科学大臣]][[下村博文]]([[第2次安倍内閣]])は省内での表記を統一するよう指示した。協議の結果、「子供」表記は差別表現ではないとの判断が示され<ref>{{Cite news|title=「子ども」は「子供」で統一します 文科省「差別表現でない」と公文書で使用|agency=J-CASTニュース|date=2013-09-01|url=https://www.j-cast.com/2013/09/01182664.html?p=all}}</ref>、[[6月]]下旬から公用文に用いられる表記を'''「子供」に統一'''した<ref group="注">交ぜ書き廃止を求める団体が「子ども」表記の廃止を文科相に請願したことや、[[国会 (日本)|国会]]([[衆議院]]文部科学委員会)で交ぜ書き表記の是正についてたびたび取り上げられたことが一因とされる。(日本教育新聞、2013年7月15日)</ref><ref>『「子ども」表記を「子供」に 下村文科相 公用文の統一指示』 (日本教育新聞、2013年7月15日)</ref>。
 
「子供」表記への統一は、当初あくまで[[公文書]]に限るとされていたが、[[2010年代]]以降はこれに倣って公文書以外でも「子供」表記が以前に比べて増加傾向にあるした。前述の国語の検定教科書においても、これまで積極的に「子ども」表記を採用していた東京書籍なども、小学校6年生以降の教科書において「子ども」と表記していた部分を「子供」に改めている<ref>{{Cite|和書|title=新編 新しい国語 3|date=2018|edition=平成二十七年三月六日 検定済|publisher=東京書籍株式会社|ref=harv}}</ref>。新聞社など民間のメディアは表記の統一を行なっていないが、[[毎日新聞]]の新聞記事における使用実態は[[2000年]]ごろ以降「子ども」表記が多数となったものの、[[2010年]]ごろ以降は再び「子供」表記が増え「子ども」と同数程度になった<ref name="mainichi01">{{Cite news|title=「こども」どう書く|agency=毎日新聞 校閲センター|date=2018-11-19|url=https://mainichi-kotoba.jp/enq-037}}</ref>。ただし、同社による一般へのアンケートによれば、「子ども」表記を好む読者が63.3%、「子供」表記は25.4%に留まり、「子ども」が優勢である<ref name=mainichi01/>。
 
新聞社など民間のメディアは一般に表記の統一を行なっておらず、新聞等では混在が見られ{{sfn|牛見真博|2019|p=1}}、同一の新聞の同日記事においても「子ども」「子供」が別々に使われることもある{{sfn|清野隆|2008|p=3}}。[[毎日新聞]]の新聞記事における使用実態は[[2000年]]ごろ以降「子ども」表記が多数となったものの、[[2010年]]ごろ以降は再び「子供」表記が増え「子ども」と同数程度になった<ref name="mainichi01">{{Cite news|title=「こども」どう書く|agency=毎日新聞 校閲センター|date=2018-11-19|url=https://mainichi-kotoba.jp/enq-037}}</ref>。ただし、同社による一般へのアンケートによれば、「子ども」表記を好む読者が63.3%、「子供」表記は25.4%に留まり、「子ども」が優勢である<ref name=mainichi01/>。多くのメディアが準拠している[[共同通信社]]の「記者ハンドブック 新聞用字用語集」第13版(2016年3月発行)では、「子供」「子ども」の両方が使われているとしながらも、「子ども」が多く使われているとしている<ref name="kobe01">{{Cite news|title=「子供」or「子ども」どっちで書く?新聞は「子ども」派が多数 専門家の見解は|agency=まいどなニュース|date=2020-08-01|url=https://maidonanews.jp/article/13585181|publisher=[[神戸新聞社]]}}</ref>。神戸新聞社のネットニュース版「まいどなニュース」が全国の地方紙にアンケートを実施したところ、多くの記者は「『子ども』の方が字面の印象が柔らかい(ので使用する)」と回答している<ref name="kobe01"/>。[[毎日新聞]]校閲センターは表記については「小供」は誤りではあるが、固有名詞ではない場合、「子供」「子ども」「こども」のどの表記を選ぶかは書き手の自由であるとしている<ref name="salon_mainichi" />。かたや[[岩波書店]]や[[日本教職員組合]]は、佐藤卓己によれば2013年時点で「子ども」で統一しているとしている{{sfn|牛見真博|2019|p=1}}。
 
2021年([[令和]]3年)には[[丸山穂高]][[衆議院議員]]が「子供」の表記に対する政府の見解について質問を行った<ref>{{Cite web|和書||title = 「子供」の表記に関する質問主意書|url = https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a204171.htm|accessdate = 2024-09-27}}</ref>。これを受けて当時の[[菅義偉内閣]]は、「「子供」の表記について差別表現」であるかについて同省において判断したことはなく、政府としてもこれについて判断したことはない。」としたほか、2013年の文部科学省訓令は「常用漢字表」に従うという原則を確認したに過ぎず、方針の転換が行われたわけではないと答弁している<ref>{{Cite web|和書||title = 衆議院議員丸山穂高君提出「子供」の表記に関する質問に対する答弁書|url = https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b204171.htm|accessdate = 2024-09-27}}</ref>。
 
2023年4月に施行された[[こども基本法]]や新設された[[こども家庭庁]]では、全てひらがなの「こども」で表記している。国務大臣の記者会見等の文章においても、同様に「こども」で表記されている<ref>{{Cite web2 |date=2023-08-04 |title=法務大臣臨時記者会見の概要 令和5年8月4日(金) |url=https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00435.html |accessdate=2023-8-11 |website=[[法務省]]}}</ref>。設立にあたっては準備局が各省庁に対し、特別な事情{{efn2|通達では「法律の条文にある用語([[公職選挙法]]の子供、[[子ども・子育て支援法]]など)」、固有名詞、他の語との関係で「こども」表記以外の語を用いる必要がある場合をあげている}}がない限り「こども」表記を行うよう通達を行っている<ref>{{Cite web|和書||title = 平仮名で「こども」表記をこども家庭庁準備室が他省庁に依頼文-毎日新聞|url = https://mainichi.jp/articles/20221102/k00/00m/040/212000c|date = 2022-11-02|website = 毎日新聞|accessdate = 2024-09-26|ref=harv}}</ref>。[[末冨芳]]は「子ども」は『子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)』において18歳未満と定められているが、同庁で扱う「こども」は年齢で区切らない考えであるためであるとしてる<ref>{{Cite web|和書||title = 【こどもの日】こども基本法、こども家庭庁が「こども(ひらがな)」なのはなぜ?3つの理由を紹介します(末冨芳)-エキスパート-Yahoo!ニュース|url = https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/cb57112e699dc5ce9e007a6471234b1dfc07e9e0|date = 2023-05-05|website = Yahoo!ニュース|accessdate = 2024-09-26|ref=harv}}</ref>。
 
日本児童文学者協会の理事長であった[[藤田のぼる]]は[[2024年]]、『「子ども」と書くか「こども」と書くか、あるいは「子供」と書くかを、何か踏み絵のようにして区別する、ということは絶対にあってはいけない』としてこのような議論に対する警戒を訴えた<ref name="nihonjidobungaku20240505" />。一方で、文部科学省の訓令については「なにやらうさんくさい」とし、この件や「こども家庭庁」などで「子ども」表記が行われないことについては「そこまでして、「子ども」を避けたいですかね。それは、とても不自然なことのように、僕には思えます。」と述べている<ref name="nihonjidobungaku20240505" />。
 
;「子ども」表記を支持する立場からの意見
*「供」という字はお供を意味し、大人に従属する存在である意味であるから望ましくない{{sfn|牛見真博|2019|p=2}}。
*「[[ひらがな]]」を使ったほうが柔らかい印象を与える{{sfn|牛見真博|2019|p=2}}。
* 子どもの「ども」は[[接尾語]]であり、供は当て字であるためひらがなのほうが適切である{{sfn|牛見真博|2019|p=5}}。
*「供」の[[字源]]が好ましくない{{sfn|牛見真博|2019|p=6}}。
;「子ども」表記に反対する立場からの意見
* 「子ども」は交ぜ書きであり、望ましくない
* 供が大人に従属するという意味というのは、歴史的に正しくない俗解である<ref name="kobe01" />
*「子ども」という表記は「子共」という侮蔑表現の隠れ蓑となりうる<ref name="siro"/>。
* 当て字や字源が好ましくない字{{efn2|清野隆は「夢」(寝台に寝ている人が呪いをかけられるさま){{sfn|清野隆|2008|p=11-12}}、牛見真博は「白」(野ざらしになった頭蓋骨)、「真」(行倒れになって首がもげた死体)などを例に上げている{{sfn|牛見真博|2019|p=6}}}}は良い意味としても用いられており、字義が変遷していることを軽視するべきではない。「供」は「供え」「献ずる」という意味もあり、「お供」という意味だけを取り上げるのは恣意的である{{sfn|牛見真博|2019|p=6}}。
* 『学習指導要領』は漢字の使用を定めており、小学校6年生以降の生徒と教育者は「子供」を使うべきである{{sfn|牛見真博|2019|p=6-7}}。
 
== 脚注 ==
189 ⟶ 226行目:
* {{Cite book|和書|title=子どもの発見|author=マリーア・モンテッソーリ|publisher=[[国土社]] |year=2001|isbn=4-337-65871-8 |url=http://www.kokudosha.co.jp/search/info.php?isbn=9784337658714}}
* {{Cite book|和書|title=チルドレンワールド|author=林邦雄|publisher=一藝社|year=2006|isbn=4-901253-00-X |url=http://www.ichigeisha.co.jp/database/profile.cgi?_v=1271912789&tpl=shoseki}}
*{{Cite journal|和書|title = 「子供」と「子ども」の表記をめぐって : 教育行政及び教育現場での表記のあり方|url = https://cir.nii.ac.jp/crid/1050002213034646656|publisher = 大島商船高等専門学校|journal = 大島商船高等専門学校紀要|volume = 52|naid = 120006819830|issn = 03879232|author = 牛見真博|authorlink = 牛見真博|year = 2019|ref=harv}}
 
*{{{Cite journal|和書|title = 国語科教育の基礎学の構築(Ⅰ) : 字の基礎-「子ども」・「子供」の表記を基にして-|url = https://cir.nii.ac.jp/crid/1390857777803438336|publisher = 北海道教育大学|journal = 北海道教育大学紀要. 教育科学編|volume = 59|issue = 1|doi = 10.32150/00005725|issn = 13442554|author = 清野隆|authorlink = 清野隆|year = 2008|ref=harv}}
== 関連項目 ==
* [[子どもの権利]]、[[子どもの最善の利益]]
195 ⟶ 233行目:
* [[こどもの日]]、[[子供の日]]
* [[未就学児]]、[[不登校]]
* [[ヤングケアラー]]、{{ill2|親役割代行|en|Parentification}}(ペアレンティフィケーション)
 
== 外部リンク==