削除された内容 追加された内容
Riyoujha (会話 | 投稿記録)
微修正
 
(6人の利用者による、間の9版が非表示)
1行目:
{{Otheruses}}
'''宇宙人'''(うちゅうじん)とは、[[地球外生命|地球]]の外で住んでいる人間に似てるような姿を持ち、一定な知恵も持つ生命体のことを指す{{r|"kb_泉"|"kb_林"|kb_Nipp|"kb_平百"}}。この項目では、宇宙人の一般的な意味、つまり[[サイエンス・フィクション]]や[[オカルト]]雑誌で登場している宇宙人を説明する。科学的証拠を基づいた研究は「[[地球外知的生命体探査]]」という項目を参照。
{{混同|宇宙塵}}
'''宇宙人'''(うちゅうじん)は{{r|"kb_泉"|"kb_林"|kb_Nipp|"kb_平百"}}、[[地球外生命]]のうち[[知性]]を持つものの総称である。この項目では、宇宙人一般、および、その中でも[[超常現象]]を扱う雑誌やテレビ番組などで[[地球]]を訪れていると報道された宇宙人を説明する。他方、科学的な研究の詳細は[[地球外知的生命体探査]]を参照のこと。
 
なお、英語では「'''エイリアン'''({{lang-en-short|alien}}{{r|"kb_エイリアン"}}」と称されるほか、中国語では'''外星人'''({{lang-zh-short|wàixīngrén}})<ref>{{Cite Kotobank |word=外星人 |encyclopedia=中日辞典 第3版 |accessdate=2022-05-19}}</ref>({{lang-zh-short|wàixīngrén}})」とも称いう漢字で表記される。なお、日本語では一時期「{{読み仮名|'''EBE'''|イーバ}}{{efn2|{{lang-en-short|extra-terrestrial biological entities}}、地球外生命体。}}」や「'''異星人'''(いせいじん){{r|"kb_異星人"}}」など呼ばれたこともある。
 
== 歴史 ==
[[ファイル:Taketori Monogatari 2.jpg|thumb|right|200px|月へ帰っていくかぐや姫(『[[竹取物語]]』1650年ごろの絵)]]
=== 中世以前 ===
人間の住む世界以外に生命が生息する世界が数多く存在するという考え方(多宇宙論)は近世以前古代からあり、[[地動説]]よりも古く、世界各地の神話に共通している{{要出典|date=2023年10月}}。2世紀の[[風刺]]作家[[ルキアノス]]が書いた『[[本当の話]]』には、船に乗っていたルキアノスが竜巻に巻き上げられて月まで行った話が描かれている。月には人が住んでおり、太陽の住民と[[明けの明星]]の植民地化をめぐって戦争をしていたとしている。

[[東晋]]の[[干宝]]が著した『[[捜神記]]』には[[火星]]の少年が登場し[[予言]]を行う逸話がある{{efn2|『捜神記』の現代日本語訳では「火星人」と訳した本もあるが、原漢文の少年のセリフ「我非人也,乃熒惑星也。」を直訳すると「私は人間ではない。実は火星である」となるためいわゆる「火星人」ではなく、「火星」という惑星そのものの化身、というほうが原文に近い。}}
 
また、日本では10世紀半ばまでに成立したと考えられている『[[竹取物語]]』は主人公のかぐや姫が月の住民であるという話であり、中世アラビアの『[[千夜一夜物語]]』の「ブルキヤの冒険」も異世界譚の一種である<ref name=Irwin>{{Cite book|title=The Arabian Nights: A Companion|first=Robert|last=Irwin|publisher=[[:en:I.B. Tauris|Tauris Parke Paperbacks]]|year=2003|isbn=1860649831|page=204 & 209|postscript=.}}</ref>。
15 ⟶ 16行目:
より科学的な地球外生命体の存在仮説は、太陽中心の[[太陽系]]への理解が深まり、さらに恒星間空間への理解が深まることで発展したもので、[[近世]]のことである。そして、それを題材とした文学作品が17世紀および18世紀に登場した。
 
[[ヘンリー・モア]]は古代ギリシアの[[デモクリトス]]の地球以外にも生命の生息する世界があるという考え方をテーマとして "Democritus Platonissans, or an Essay Upon the Infinity of Worlds" (1647) (1647年)を著した<ref>{{Cite book|title=Democritus Platonissans, or an Essay Upon the Infinity of Worlds| last=Democritus| year=1647}}</ref>。その中で、「我々の世界での太陽は、余所にとっての星になる」という相対的価値観を提示し、モアは太陽系外の惑星にまで思索をめぐらせた。
 
17世紀には、ヨーロッパの教養ある人々にとっては地球外生命の可能性が常識となっていたが、『[[失楽園]]』(1667年)<ref>{{Cite book|title=Paradise Lost| first=John| last=Milton| year=1667|isbn=0841422222}}</ref>(1667) の中で[[ジョン・ミルトン]]は、月面上の生命の可能性を天使がアダムに告げる場面で、注意深く仮定法を使っている。
 
[[ベルナール・フォントネル]]の『世界の多数性についての対話』でも同様に地球外生命について描いており、創造主の天地創造を否定するのではなく拡張した形となっている。この本は1686年に英語に翻訳された<ref>{{Cite book|title=Conversations on the Plurality of Worlds|last=Fontenelle | first=Bernard le Bovier de| year=1686|isbn=0520071719}}</ref>。David Mallet は "The Excursion" (1728) (1728年)の中で「1万の世界が燃え立ち広がる。それぞれに人の住む世界をひきつれ」と声高に描いている<ref>{{Cite book| title=The Excursion| year=1728| first=David| last=Mallet}}</ref>。[[ヴォルテール]]の『ミクロメガス』(1752) (1752年)には[[土星]]と[[シリウス]]から来た2人の巨大宇宙人が登場している。
 
=== SFにおける宇宙人 ===
[[ハーバート・ジョージ・ウェルズ|H・G・ウェルズ]]は『[[宇宙戦争 (H・G・ウェルズ)|宇宙戦争]]』(1898) (1898年)で火星人が地球侵略にやってくる物語を描いた。ここから、単純に地球外生命との最初の出会いを描く[[ファーストコンタクト]]ものや、宇宙人による侵略を描くものが派生していった。
 
まず様々な火星人が登場する作品が次々と書かれた。[[エドガー・ライス・バローズ]]の[[火星シリーズ]] (1912(1912年 - 41) 1941年)はじめとして、[[スタンリイ・G・ワインボウム]]の『[[火星のオデッセイ]]』(1934)(1934年)、[[レイモンド・Z・ガラン]]の「火星人774号」(1934) (1934年)などがある。さらに[[E・E・スミス]]の[[レンズマン]]シリーズ (1937(1937年 - 60) 1960年)などの[[スペースオペラ]]では太陽系外の異星人も登場するようになった。[[A・E・ヴァン・ヴォークト]]の『宇宙船ビーグル号の冒険』(1950) (1950年)では、凶悪な宇宙生命体をいくつも登場させている。
 
第二次世界大戦後、宇宙人の描き方が多様化していく。[[レイ・ブラッドベリ]]の『[[火星年代記]]』(1950) (1950年)は、火星人と地球人の出会いからの話を叙情的に描いた。[[ロバート・A・ハインライン]]の『人形つかい』(1951) (1951年)では、寄生型宇宙人による侵略が描かれている。[[アーサー・C・クラーク]]の『[[幼年期の終り]]』(1953) (1953年)では、姿をなかなか見せない宇宙人によって地球が無抵抗で征服される。[[ハル・クレメント]]は、『20億の針』(1950) (1950年)では他の生物の体内にもぐりこんで活動する流動体型の宇宙人、『重力の使命』(1954) (1954年)では高重力に適応したムカデ型宇宙人を登場させた。[[ジャック・フィニイ]]の『盗まれた街』(1955) (1955年)では、人間に化けて徐々に侵略していく宇宙人が登場した。[[フレッド・ホイル]]の『暗黒星雲』(1957) (1957年)は、太陽系に突如出現した暗黒星雲が知的生命体だったという話である。[[ジェイムズ・ブリッシュ]]の『悪魔の星』(1958) (1958年)では、リチアという惑星の奇妙な姿の知的生物が登場する。ハインラインの『[[宇宙の戦士]]』(1959) (1959年)では、意思疎通不可能な昆虫型宇宙人などと戦争を繰り広げる。[[スタニスワフ・レム]]は、ファーストコンタクトをテーマとした3作品『エデン』(1959)(1959年)、『[[ソラリスの陽のもとに]]』(1961)(1961年)、『[[砂漠の惑星]]』(1964) (1964年)で、地球外生命体との意思疎通の困難さを描いた。
 
その後、[[未来史]]や[[スペースオペラ]]などの形で、様々な異星人が描かれていった。[[ストルガツキー兄弟]]の[[未来史]] ''Noon Universe'' (1961(1961年 - 87)1987年)、[[ラリー・ニーヴン]]の[[ノウンスペース]]シリーズ(1964(1964年 -)、[[アーシュラ・K・ル=グウィン]]の ''[[:en:Hainish Cycle|Hainish Cycle]]'' (1964(1964年 - 2000)年)、[[フランク・ハーバート]]の[[デューン (小説)|デューン]]シリーズ (1965(1965年 - 85) 1985年)ジャンプドアシリーズ (1970(1970年 - 77)1977年)、[[C・J・チェリイ]]や[[アン・マキャフリイ]]の諸作品、[[ブライアン・ステイブルフォード]]の宇宙飛行士グレンジャーの冒険シリーズ (1972(1972年 - 75) 1975年)などがある。
 
[[フレッド・セイバーヘーゲン]]の[[バーサーカー (セイバーヘーゲン)|バーサーカー]]シリーズ (1967(1967年 - 2005) 年)は、有機生命体を絶滅させることを使命としている機械生命体との戦いを描いたもので、同様のテーマは[[グレゴリー・ベンフォード]]の銀河の中心シリーズ (1976(1976年 - 1995) 年)などにも見られる。
 
[[ジョン・ヴァーリイ]]の八世界シリーズ (1977(1977年 - 98) 1998年)で謎の地球外生命体によって人類がほぼ絶滅させられた後の世界を描いた。[[フレデリック・ポール]]のヒーチー年代記》(1977』(1977年 - 90) 1990年)では、高度な科学技術を発展させたヒーチー人や謎のエネルギー生物などが登場する。[[ダグラス・アダムズ]]の『[[銀河ヒッチハイク・ガイド]]』から始まるシリーズ (1979(1979年 - 92) 1992年)には様々な宇宙人が登場し、コミカルに描かれている。[[デイヴィッド・ブリン]]の[[知性化シリーズ]] (1980(1980年 -) は、銀河系の知的生命体は別の知的生命体によって「知性化」されてきた歴史があり、地球人類だけが独自に進化を遂げたという設定である。[[ジェリー・パーネル]]と[[ラリー・ニーヴン]]の『[[降伏の儀式]]』(1985) (1985年)は異星人による地球侵略を真っ向から扱った作品。[[スティーヴン・バクスター]]の[[ジーリー]]シリーズ (1991(1991年 - 02) 2002年)では、地球は何度か異星人に征服されており、生きている巨大宇宙船なども登場する。
 
== フェルミのパラドックス ==
{{main|フェルミのパラドックス}}
はたしてこの宇宙に知的生命は存在するか――という疑問をめぐっては、物理学者[[エンリコ・フェルミ]]による「[[フェルミのパラドックス]]」がよく知られている。つまり、[[ドレイクの方程式]]のパラメータをある程度科学的に合理的なもので仮定すると、地球人と接触可能な地球外知的生命体がいると期待できるのに、実際には地球人はそのような地球外知的生命体と接触していないという矛盾があるということである。仮に宇宙人がいるとしたら、宇宙の137億年の歴史の中で人類より数万年あるいは数億年進んだ科学技術をっている種族もいて、それらは地球を見つけて来訪するだけの時間と機会が充分にあったはずである。しかし、地球上に外宇宙から来た知的生命体の確実な証拠は一切見つかっていない。
 
この矛盾に対しては、様々な解釈意見が挙げられている。そのひとつはドレイクの方程式のパラメーターの推定値である。信頼性の高い推定は大変困難であり、[[大量絶滅]]などの最近の地球生物の進化史の研究によると、これまで用いられてきた推定値は現実と比べると高すぎた可能性がある。地球生物の高度な進化、とりわけ人類の出現は、地球史上の稀有の幸運の積み重なりであって、生物は発生しても知的生物までに進化することはほぼ不可能といえるほど困難である。その意味で、われわれ人類を含め、地球上の生物進化は極めてまれな例と考えられる。宇宙における生命体は比較的多くあるがそれらは原始的なバクテリアのレベルであり、人類と接触できる高い文明を持つにいたった種族は文明的な接触が可能な距離にはいないという考えである。
 
== 分類 ==
人類は宇宙人と公式に遭遇したことがないので、分類のしようがないが、SFや[[超常現象]]を取り扱う雑誌などではいくつかのパターンが観察できる。
 
; ヒューマノイド(人間型)
: 地球の人類と類似した形質を持つもの。一言に人間型といっても、地球人とほとんど同じ姿・体格のものから、宇宙人のステレオタイプである[[グレイ (宇宙人)|グレイ]]などのような体格などが大きく異なるもの、ファンタジー作品の[[亜人]]や[[獣人]]のようなものなど、さまざまなバリエーションがある。映画『[[スター・ウォーズシリーズ]]』などによく現れるパターンで、スタジオでの撮影が容易である。[[収斂進化]]の考えや、フィクション作品の作中で地球人と同様の扱い方が出来できるというのもあり、フィクションでもこの種族が多い。
; アニマリアン(動物型)
: 地球の高等動物に近い姿をしているが、人間の姿をしていないというもの。広義では「[[火星人]]など、[[タコ]]のような宇宙人」もこれに含まれる。尾や角、分厚い毛皮など人間以外の動物の特徴を持つ人型という獣人型の場合はヒューマノイドに含む場合が多い。現実的な生物学的な区別の方法と認識としては、地球の[[哺乳類]]と共通性を持っていることが挙げられる。[[昆虫]]型に近いタイプの宇宙人は基本はアニマリアンタイプの宇宙人と混同される場合が多いが、近年は[[パンスペルミア説]]の観点から昆虫自体が地球外の他の惑星に起源を持つと主張するSF作家や[[陰謀論]]者が現れ、論争を巻き起こしている<ref>{{Citation要出典|titledate=①昆虫型宇宙人が存在した!? 2024- 古代の宇宙人「昆虫型宇宙人」 1/2|url=https://www.youtube.com/watch?v=BXUZFgxvnhM|accessdate=202110-12-30|language=ja-JP27}}</ref><ref>{{Citation|title=②昆虫型宇宙人が存在した!? -- 古代の宇宙人「昆虫型宇宙人」ここにあったYouTube動画は非公開となっていたため、除去しました。 2/2|url=https://www.youtube.com/watch?v=jC-tdOp43PE|accessdate=2021-12-30|language=ja-JP}}</ref>。
; ロボット・エキチックーン金属類植物型
: SF映画『[[遊星よりの物体X]]』では[[植物]]系統の[[地球外生命|地球外生命体]]が[[地球]]を侵略するというストーリーで仕上がっており、また現実世界においては、過去に植物学者の[[稲垣栄洋]]がイネ科の[[トウモロコシ]]は地球外由来だとする冗談を交えてトウモロコシの性質を解説し話題になった。[[アメリカ合衆国|アメリカ]]のSF小説作家で[[エドガー・ライス・バローズ]]原作の『[[火星シリーズ]]』では3本脚の植物人間が登場している。
; ロボット・エキゾチック(非有機物・金属など)
: 『スタートレック』の[[ボーグ]]など身体の大部分を機械装置に置き換えて機械が主体構成物になった生命体([[サイボーグ]]の一種)のほか、高度に発達して自我や自己増殖手段を得た機械・コンピュータを宇宙人と捉える場合もある。また、『[[トランスフォーマー]]』に登場する[[トランスフォーマー (架空の生物)|同名称のロボット]]などのような、「一見人工物のようだが、金属や無機物を主な構成物質とした生命体」という概念もあり、ケイ素体(シリコン)で構成された架空の宇宙人の中にはエキゾチック(異型)と呼ばれる地球での高等生物の姿をしていない宇宙人も多くのSF作家などによって想像されている。地球における「生命」の概念や定義に当てはまらず、有機物とは違い明確な物質で構成された身体を持つものが、SF映画などには登場しており、前者は『スタートレック』の流動体生物・[[創設者 (スタートレック)|創設者]]などが、後者は[[ケイ素生物]]など無機物で構成された生物の中で知性はあるが外見は固形物(鉱物)そのもの、といったものがこれに該当する。日本のフィクションでの呼称は、「機械生命体」や「金属生命体」、「無機生命体」などといったものがある。
; 微生物・細菌類(ウイルス含む
:現在、 世界各国の宇宙関連の研究機関は地球外に微生物は存在するかどうか否かについての研究および探査に着手しており、各国政府も各研究機関のプロジェクトに予算を組むなど現実世界でも注目されるテーマである。SF小説では[[マイケル・クライトン]]の『[[アンドロメダ病原体]]』が出版され、そこに宇宙微生物が登場しており大まかな内容は宇宙空間に存在する細菌類が地球に持ち込まれ、地球の在来生物や生態系に深刻な影響をおよぼすストーリーとなっており、様子が描かれる(後に[[ユニバーサル・ピクチャーズ]]からSF映画『[[アンドロメダ…]]』としてもリリース公開されている)。[[ロバート・L・フォワード]]の『[[竜の卵]]』では、中性子星に棲む全長3mmほどの知的生物チーラが描かれる。また、[[グレッグ・ベア]]の『[[ブラッド・ミュージック]]』では、地球外生物ではないが人間と同等以上の知性を持ち、遺伝子工学によって生み出された微生物が登場する。
; アパリッショナル(幽霊)
: [[意識]]や[[精神]]など霊的な存在のみ、または電気などのエネルギー信号のみで構成された、実体の存在しない生命。『スタートレック』の[[預言者 (スタートレック)|高次元生命体]]や『[[スターゲイト SG-1]]』の古代種族・エンシェントなどのように、高度な文明種族が生物種としてではなく精神における「進化」を遂げて肉体を捨て霊的な存在へ変化した場合というのもある。
; マゾーン(植物)
:SF映画『[[遊星よりの物体X]]』では[[植物]]系統の[[地球外生命|地球外生命体]]が[[地球]]を侵略するというストーリーで仕上がっており、また現実世界においては、過去に植物学者の[[稲垣栄洋]]氏がイネ科の[[トウモロコシ]]は地球外由来だとする冗談を交えてトウモロコシの性質を解説し話題になった。[[アメリカ合衆国|アメリカ]]のSF小説作家で[[エドガー・ライス・バローズ]]原作の『[[火星シリーズ]]』では3本脚の植物人間が登場している。
 
== 宇宙人の形態 ==
我々地球上生命の形態は、地球の環境(1Gの重力、1気圧の大気、水が液体で存在する気温など)に適応して進化を遂げた結果である。この事から、地球とまったく異なる異星の環境で進化を遂げた異星人は、我々の想像を絶する異質な形態をしているとも考えられる。それどころか、我々の知る「生命」に当てはまらない存在である可能性すらあり、この観点から見るなら、今までに[[火星]]などで行われた生命探査も不十分かつ現在の技術・知識と常識内のものであるとも言える。他の生命体が水や酸素を必要とすることを前提にした探査すらある。
 
映画『[[2001年宇宙の旅]]』において、原作者[[アーサー・C・クラーク]]と監督[[スタンリー・キューブリック]]は当初、[[モノリス]]の主人である宇宙人を映画に登場させることを考えており、上記の理由から地球のいかなる生物ともかけ離れた形態にしようと試みた。映画『[[コクーン (映画)|コクーン]]』では、分子や原子構造を持たないエネルギー体としての宇宙人を登場させており、まるで電波のように物質を通り抜ける宇宙人像であった。地球上の生命の化学成分を分析すると、炭素を中心にしたものであった。これら地球の生命体(炭素系生命体)に対し、[[ケイ素生物]]が想像された。ケイ素すなわちシリコンを生命体としての基盤にもつものである(ただし、炭素系化合物に比べて作りうる化学変化率が極めて低いことから、実際にケイ素生物が発生する確率は低い)。また、重力を専門に扱う物理学者[[ロバート・L・フォワード]]が著したSF小説「の『竜の卵」において』では、[[中性子星]]に住む宇宙人かれた。これは、地球環境からは極端に遠い環境であり、摂氏8000度を超える環境で生きる生命体であり、生命体としての構造も中性子で構成によるものとされる物で、極限に違う環境で存在する宇宙人像を想像したものである。
 
一方知的生命体を含む高等生物は地球と似た環境で発生する可能性が高いとする観点や、似た能力を持つ生物は同じような姿になるとする[[収斂進化]]の観点から、ヒトとよく似た姿の宇宙人も想像されている。これらは地球とよく似た環境で派生した宇宙人同士では、同じ温度・空気成分・気圧などで生活できる設定である。この理論を元に活発に議論が行われているのが、[[パンスペルミア説]]である。地球の物質的な環境が共通する惑星があるとすれば、それが現在の地球上の生物の起源の発見にもつながり、加えて[[地球外生命|地球外生命体]]の発見と証明にも挑戦するという研究である。2017年の[[アメリカ航空宇宙局|NASA]]による、「[[エンケラドゥス (衛星)|エンケラドス]]の噴水に水素が含まれていた」<ref>{{CitationCite news|titleurl=https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1704/14/news079.html|urltitle=https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1704/土星の衛星「エンケラドス」に水素分子 NASAが観測 生命が存在する可能性|newspaper=ITmedia NEWS|publisher=アイティメディア|date=2017-04-14/news079.html|accessdate=2024-10-27}}</ref>という重大な発表がなされ、一部の学者と研究機関で行われている「地球外生命体の存在の可能性」に関する研究の本題は改めて生物の存在意義や宇宙探査の方向性を問うような時代に入ったといえる。
 
また一部の[[陰謀論]]者は、[[タイタンの生命]]やトラピスト1惑星系、ケンタウルス座[[プロキシマ・ケンタウリb|プロキシマb]]のような[[地球]]に酷似していると言われる惑星の研究論文の内容を持ち出し、[[未確認飛行物体|UFO]]で地球に来ているとされる地球外の高度な知的生命体の出身星として、これらの惑星を取り上げることがある。そして第2の地球として喧伝されてしまう場合が多いこれらの惑星が、その中心星は太陽の10分の1ほどの大きさの赤色矮星であり、軌道は潮汐力によって固定され(潮汐ロック)、つねに中心星を向いている側には[[水]]があるとも主張される。またそれらを理由として近距離軌道での[[ハビタブルゾーン]]の存在を主張する者が見られるが、コロナ質量放出や一定の放射線に晒される過酷な環境であり、[[生命]]の存在の可能性を証明するにはさらなる研究と調査が必要であるとの意見が大多数である。
 
このように[[サイエンス・フィクション|SF上]]での「宇宙人」という表現から、公的機関などが使用する「地球外生命体」という表現までが幅広くあり、未知の存在に対して認識が個人から組織レベルまで一致していないことから、現在では様々な地球外の高度知的生命体とされる姿を、宇宙人の存在を主張する者やSF作家などが想像しては提唱している。
 
== SF小説や陰謀論などで宇宙人として登場する代表的な高度知的生命体の一覧 ==
=== グレイ ===
{{Main|グレイ (宇宙人)}}
79 ⟶ 80行目:
グレイとは大きく異なり、外見は人間と見間違えてしまうほど、人間に似通っている。スカンジナビア半島の白人に似たような姿をしているといわれている(要文献)。
 
=== ブラックアイ・キッズ ===
{{Main|黒い目の子供}}
 
世界各国の大都市に突如、出現する人間の姿をした謎の生命体である。一部の[[古代宇宙飛行士説]]論者は、地球人類に危害を加える目的を持った[[地球外生命|地球外生命体]]であると指摘している<ref>{{Citation要出典|titledate=①特殊能力を持つ子どもは宇宙人の化身なのか!?「スターチャイルド」古代の宇宙人 1/2|url=https://www.youtube.com/watch?v=UO79XGTPs1g|accessdate=20212024-1210-30|language=ja-JP27}}</ref><ref>{{Citation|title=②特殊能力を持つ子ども!-- ここにあったYouTube動画宇宙人の化身非公開とのか!?「スターチャイルド」古代の宇宙人っていたため、除去しました。 2/2|url=https://www.youtube.com/watch?v=RjSTJx1Nshw|accessdate=2021-12-30|language=ja-JP}}</ref>。またグレイタイプの宇宙人が人間の皮を被って活動しているという説もあるが、この謎の生命体が存在する根拠と実態は不明な点が多い。
 
=== その他の宇宙人 ===
その他上記以外にも、宇宙人の目撃例や接触したと証言は数多くある。また、[[バシャール]]のような[[チャネリング]]による精神的宇宙生命体との接触(と主張される)例もある。さらには、[[未確認動物|UMA]]の一部も宇宙人ではないかとう説([[チュパカブラ]]など)もある。しかし、いずれも確固とした裏づけはなされておらず、異星人が地球にやってきていると証明されるには至っていない。
 
また、近代以前には[[妖怪]]や[[幽霊]]の存在が真剣に信じられていたが、科学の発展と科学的知識の普及によってそれらはほとんど信じられなくなった一方、「科学的知識をベースにした妖怪」として宇宙人の目撃などの現象が生じている、という見解もある{{文献)出典|date=2024-10-27}}{{efn2|宇宙人を題材としたフィクションの中には、『[[トランスフォーマー ギャラクシーフォース]]』のように、これを逆手に取って「妖怪伝承の中には、宇宙人との遭遇体験が基になっているものがある」と描写したものが存在する。}}。
 
映画『[[コクーン]]、この映画作品の』に登場するエイリアン(アンタレア星人)は、人間的であり、また人間とは明確に違うものとのコンセプトにより、スパンデックスの全身スーツを着て、特殊メイクを施された女優が演じている。エイリアンの姿の時常に発光していて、その実体は明確には見えず、重力の影響を受けることもない。人間の姿で活動するときは、精巧に作られた人間型の外皮スーツを着用しているという設定である。
 
== 対処 ==
100 ⟶ 101行目:
=== 出典 ===
{{Reflist|2|refs=
<ref name="kb_泉">{{Cite Kotobank |word=宇宙人 |encyclopedia=[[小学館]]『デジタル[[大辞泉]]』|accessdate=2020-03-30 }}</ref>
<ref name="kb_林">{{Cite Kotobank |word=宇宙人 |encyclopedia=[[三省堂]]『[[大辞林]]』第3版 |accessdate=2020-03-30 }}</ref>
<ref name=kb_Nipp>{{Cite Kotobank |word=宇宙人 |encyclopedia=横尾広光、小学館『[[日本大百科全書]](ニッポニカ)』|accessdate=2020-03-30 }}</ref>
<ref name="kb_平百">{{Cite Kotobank |word=宇宙人 |encyclopedia=[[日立デジタル平凡社]]『[[世界大百科事典]]』第2版 |accessdate=2020-03-30 }}</ref>
<ref name="kb_異星人">{{Cite Kotobank |word=異星人 |encyclopedia=小学館『デジタル大辞泉』|accessdate=2020-03-30 }}</ref>
<ref name="kb_エイリアン">{{Cite Kotobank |word=エイリアン|encyclopedia=小学館『デジタル大辞泉』、『精選版 日本国語大辞典』|accessdate=2020-03-30 }}</ref>
}}
 
115 ⟶ 116行目:
== 関連項目 ==
{{Wiktionary|宇宙人|<!--異星人|-->エイリアン|alien}}
* {{仮リンク|エイリアン・アブダクション|en|Alien abduction}} - 宇宙人による誘拐。
{{div col|small=yes|colwidth=20em}}
* {{仮リンク|コンタクティー|en|Contactee}} ‐ 宇宙人と接触したと主張する人々。
{{関連項目過剰|date=2023年6月}}
* [[空飛ぶ円盤]] - [[未確認飛行物体|UFO]]
* [[ラエリアン・ムーブメント]]
* [[火星人]] - [[金星人]]
* [[グレイ (宇宙人)|グレイ]]
* [[リトル・グリーン・マン]]
* [[ベム]]
* [[レプティリアン]]
* [[メン・イン・ブラック]]
* [[マンテル大尉事件]]
* [[異星言語学]]
* [[超能力]]
* [[怪獣]] - [[怪物]]
* [[未確認生物]]
* [[地球外知的生命体探査]]
* [[地球外生命]]
* [[日本宇宙生物科学会]]
* [[北アメリカ航空宇宙防衛司令部]]
* [[エリア51]]
* [[アメリカ航空宇宙局|NASA]]
* [[地球侵略]]
* [[ロズウェル事件]]
* [[プロジェクト・セルポ]]
* [[エイリアン]]
* [[ドクター・フー]]
* [[虚舟]]
* [[Take me to your leader]]
* [[ワレワレハウチュウジンダ]]
* [[シン・ウルトラマン]] - 2022年の映画。作中では宇宙人のことを「外星人」(がいせいじん)と称する。
{{div col end}}
 
{{サイエンス・フィクション}}