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'''分布容積'''
<math>
</math>
分布容積から薬物の組織への移行のしやすさ
== 分布平衡 ==
血漿中タンパク質や組織内タンパク質との結合は、薬物の分布に大きく関わる。血漿中タンパク質との結合が起こりやすい場合、組織内へ移行しにくくなるため、分布容積は小さい。反対に組織内タンパク質との結合率が高いと、組織内に溜まりやすいため、分布容積は大きくなる<ref name="製剤学7版"/>。
血漿中、組織中のタンパク非結合率をそれぞれ、<math>f_{u,p}</math>、<math>f_{u,T}</math>とすると、以下の式が成り立つことが知られている。
<math>V_d=V_p+V_T\frac{f_{u,p}}{f_{u,T}}</math>
このことからも、血漿タンパク結合率が小さい (<math>f_{u,p}</math>が大きい) ほど分布容積は大きくなることが分かる。特に、<math>f_{u,T}</math>が0に近づくにつれて分布容積は極端に増加する。これは、組織に移行した後に、組織内タンパク質と結合しやすい薬物は非常に大きい分布容積を示すことを意味している。(例えば、ジゴキシンの分布容積は成人でおよそ400 Lである<ref name="製剤学7版"/>)
==出典==
{{脚注ヘルプ}}
<references><ref name="製剤学7版">{{Cite book|和書|author=山本昌、岡本浩一、尾関哲也 |title=製剤学 改訂第7版 |publisher=南江堂 |date=2021-11-17 |page=297-298 |isbn=978-4-524-40347-9}}</ref></references>
== 参考文献 ==
*伊藤勝昭ほか編集 『新獣医薬理学 第二版』 近代出版 2004年 ISBN 4874021018
*[[中島恵美]] 編集 『薬の生体内運命』ネオメディカル 2004年 ISBN 4990197003
*David E. Golan, Armen H. Tashjian, Jr., Ehrin J. Armstrong, April W. Armstrong, "Principle of Pharmacology", 3rd ed., Lippincott Williams & Wilkins, 2011. ISBN 1451118058
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[[Category:薬理学]]
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