「牛ほめ」の版間の差分

もともと元々は「池田の牛ほめ」という[[上方落語]]の演目で、主な演者に[[春風亭柳昇|5代目 春風亭柳昇]]や[[春風亭柳好|4代目春風亭柳好]]、[[春風亭一朝]]、上方の[[桂文我 (4代目)|4代目 桂文我]]などがいる。

とにかく頓珍漢な言動ばかりしている[[与太郎]]。万事が世間の皆様とズレているので、父親は頭を抱えている。

【　結構な御普請でございます。普請は総体檜造りで、天井は薩摩の鶉木目。左右の壁は砂摺りで、[[畳]]は備後の五分縁でございますね。[[床の間|お床]]も結構、[[掛軸|お軸]]も結構。庭は総体御影造りでございます　】

「あぁ、そうだ。[[台所]]の柱に節穴が空いているんだが、そいつを見つけたらこう言うんだ。きっとお小遣いをくれるよ？」

<br>「現金な奴だなぁ。…そうだ、伯父さんが大切に飼っている[[牛]]があるから、ついでにそいつを褒めたらどうだ？」

『天角地眼－』というのは、[[菅原道真]]公がご寵愛になっていた牛の特徴。牛に対する最高の褒め言葉だ。

<br>「フニャ。結構な…ゴ…普請でございますね。普請は総体ヘノキ造りで、天井は[[サツマイモ|薩摩芋]]に[[インゲンマメ|鶉豆]]。佐兵衛のカカァはおひきずり、畳は貧乏のボロボロで…」

「おじさん、[[肛門|その穴]]…気になる？」

<br>「その穴に、秋葉様のお札をお張りなさい。穴が隠れて、[[屁]]の用心になるから」

一応、前座用の話（[[前座話]]）となっているが、難解な[[挨拶]]の文句をいちいち混ぜっ返す練習シーンや、[[メモ]]を読みながら喋ったせいで[[棒読み|お経のような抑揚]]になってしまう口上など山場が多く、実に楽しめる話だい。

以前は「秋葉様のお札をお張りなさい」と簡単な落ちだったが、解りにくいせいか『屁の用心』が追加された。「秋葉様」とは、神仏習合の火防（ひよけ）・火伏せの神として広く信仰された[[秋葉権現]]で、お札は[[秋葉神社]]のお札である。なお、上方版で節穴（と牛のお尻）に張りなさいとアドバイスされるお札は、[[愛宕神社]]のお札である。

畳の最高級品である『備後の畳』に、ウズラの羽色の木目がある事から『鶉木』の呼び名がある[[屋久杉]]で作った天井…。

[[category{{DEFAULTSORT:落語の演目|うしほめ]]}}