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Ganbarugi (会話 | 投稿記録)
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{{Redirect|狩り}}
[[ファイル:37-svaghi, caccia,Taccuino Sanitatis, Casanatense 4182..jpg|サムネイル|[[イノシシ]]狩りを描いた絵画]]
[[File:Valltorta (escena de caza).png|thumb|[[世界遺産]][[イベリア半島の地中海沿岸の岩絵]]。新石器時代]]{{ill2|ディアハンティング|([[:en:Deer hunting|Deer hunting}}]] 鹿類の狩り)の様子。[[イベリア半島の地中海沿岸の岩絵]]。[[世界遺産]]。]]
[[File:ElephantbackTigerHunt.jpg|thumb|インド象の上からの{{ill2|虎狩|en|Tiger hunting}} 著:Thomas Williamson, 1808]]
[[ファイル:Yoshitoshi - 100 Aspects of the Moon - 67.jpg|サムネイル|鹿を仕留める[[源経基]]を描いた『貞観殿月』([[月岡芳年]]「月百姿」)]]
'''狩猟'''(しゅりょう、{{lang-en-short|[[w:hunting|hunting]]}})とは、[[野生動物]]を捕獲する行為のことである。狩り(かり)、とも。{{efn|なお、英語のhuntingという言葉は、陸の生き物をとることも、水中の生き物をとることも、どちらも含む。つまりhuntingにはfishing(漁、[[漁労]])も含みうる。それと関連するが、日本語の「りょう」も、それにあてる漢字は「猟」も「漁」もある。つまり、日本でも英語圏でも、陸上の生物も水中の生物も、生き物をとることであれば、根源的には同類の行為と扱われている。ただし、何でも細かく分類し対比することを人は積み重ねてきた歴史があるので、対比されることが増えてきた。近代以降は両者は対比、区別されることが増えてきた。当記事でも、基本的には「猟」と「漁」を区別し、漁以外を説明する。}}
'''狩猟'''(しゅりょう、{{lang-en-short|[[w:hunting|hunting]]}})とは、[[野生動物]]を捕獲する行為のことである。
 
捕獲後の目的(殺傷して利用、保護、タグ付けリリース)とは関係なく、捕獲行為を言う。
 
== 概要 ==
狩猟の歴史は非常に長い。
[[漁労]]や[[採集]]活動と並んで、人間社会の最初期から存在する生業とされている。
 
そもそも、人類が誕生する以前から、肉食性の動物は狩りをして生きていた。
狩猟の最も本来的な目的は、[[食料]]や物資といった[[人間]]の個別集団の[[生活]]に不可欠な必需品を野生動物から獲得することにある。その目的となる[[食料]]や物資の典型例は、[[肉]]・[[皮革]]・[[油脂]]・[[羽毛]]・[[骨]]・[[牙]]である。その行われる地域も[[世界]]の各地で行われてきた。
 
(人類の歴史は数百万年と言われているが)[[人類]]は、太古の昔から[[採集]]や狩りや漁をして生きてきた(このような、人類の本来の食料獲得の方法および集団のありさまを文化人類学では[[狩猟採集社会]]という)。
狩猟の歴史は古く、[[農耕]]や[[牧畜]]が普及しない時代から今日に至るまで行われている。時代が下るにつれ牧畜業が発達した地域においては、食糧を得る目的での狩猟は減少した。
 
狩猟の最も本来的な目的は、命を保つために必要な[[食料]](食糧)を獲得することにある。端的に言うと、食べるために[[肉]]などを得るために狩るのである。これはそもそも人類が誕生以前から野生動物が行っている狩りの目的であり、一番根源的で基本的な目的である。また人類の場合はさらに、[[生活]]に必要な物資を野生動物から獲得するためにも狩りを行う。たとえば[[皮革]]・[[油脂]]・[[羽毛]]・[[骨]]・[[牙]]などを得るために狩りを行う。
生活の必需品を得る目的に代わって、特に近代産業資本主義が興隆し貨幣経済が発達してからは、商品価値の高い資材の獲得を目的に大規模な狩猟が行われてきた。その狩猟の目的となった資材には、[[象牙]]や[[アザラシ]]・[[ヒョウ]]の[[毛皮]]といったものが含まれている。このため、狩猟によって特定の種が絶滅したり生息数が激減するなどの生態系への深刻な影響が顕在化してきた。これに応じて、狩猟が行われる地域の法規や、[[絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約]](ワシントン条約)が整備され、狩猟には一定の制限が加えられたり禁止されている場合がある。ただし、密猟も後を絶たず実効性が上がっていないとの指摘もある。
 
野生の動物や植物を飼いならしたり栽培する[[牧畜]]や[[農耕]]という技術を人類が最初に得たのは、[[メソポタミア]]においてだとされており、牧畜のほうが紀元前1万1000年頃、農耕のほうは紀元前9000年頃だとされている。
:[[農業の歴史]]も参照。
牧畜や農耕が次第に人類に広まってゆき、そちらで得られる食料が増えるにつれ、食料獲得を目的とした狩猟は減少傾向になった。だが、物資を得るための猟のほうは、むしろその逆で、特に18世紀の[[産業革命]]を契機に[[資本主義]]が形成され、広範囲の物資が市場で[[商品]]として取引され[[貨幣]]と交換される社会となると、商品価値の高い資材を獲得することを目的に、かえって大規模な狩猟が行われるようになった。{{Efn|人間が食べられる量や食欲には限度があるが、金銭はいくらでも溜め込むことができ、いうなれば、人の金銭欲には限度が無いからである。(より正確に言うと、人類全員がそうだというわけではなく、人類の中には理性や智慧を使い、わずかでも自分には十分だ、と判断できる「小欲知足」の人々が一定割合いる一方で、人類の一部に、際限なく金銭欲に駆られて 際限なく金銭獲得の行為に突き進む輩がいて、そういう輩は金銭で人を大量に雇って組織的な行為を行ったり、法人(会社)を設立してさらにシステマティックに行うなどして、その行為の影響が特に大きいからである。)}} たとえば[[アザラシ]]や[[ヒョウ]]の[[毛皮]]、[[象牙]]などを得て商品として売って貨幣を得るために狩りが行われるようになったのである。このため、狩猟によって特定の種が絶滅したり生息数が激減するなどの生態系への深刻な影響が顕在化してきた。これに応じて、狩猟が行われる地域の法規や、[[絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約]](ワシントン条約)が整備され、狩猟には一定の制限が加えられたり禁止されている場合がある。ただし、[[密猟]]も後を絶たず、いわゆる「いたちごっこ」状態も起きており、十分な実効性が上がっていないケースも多いとの指摘もある。
 
== 狩猟の方法 ==