「空転」の版間の差分

車輪とレールが、ともに[[鉄]]である鉄道車両は、その間に雨などの[[水]]分やレール自身の[[錆]]・[[雑草]]・[[葉|落葉]]・時には[[ムカデ]]類などの害虫が介在することにより[[摩擦係数]]が大幅に低下し空転を発生させる。[[首都圏]]では[[列車密度]]が高く編成も長いためレール踏面が常に磨かれた状態になるので、始発列車を除けば空転がさほど問題となることはないが、もともと列車本数が少なく短編成が多い[[ローカル線]]では大問題となる。時には要因が複合することがあり（[[朝露霜]]や朝露とそれによるレールの錆、さらに車輪により踏み砕かれた雑草・落葉などにより）レール踏面が[[グリス]]状物質に覆われて摩擦係数が[[零]]に近くなり正常運行が妨げられる。

ソフト面では運転士がノッチ戻しや刻みノッチで対応する。ハード面では古くからレール踏面への撒砂（さんさ・砂をまくこと）、最近では[[セラミック]]噴射等が有効な手段として取られている、これは自動車も同じで凍結しやすい坂道には撒（ま）き砂が[[道路]]脇に置いてあることがよくある。しかし[[機関車]]類は別として鉄道車両すべてに[[砂撒き装置|撒砂装置]]が搭載されているわけではなく[[鉄道事業者]]を悩ませ続けている。