本間丈太郎
本間丈太郎（ほんま じょうたろう）は、手塚治虫の漫画「ブラック・ジャック」の登場人物。
幼少期に不発弾によって体がバラバラになったブラック・ジャックを何とか救い出し、ブラック・ジャックに医者になるきっかけを作った命の恩人である。作中では『ときには真珠のように』『本間血腫』などに登場。『満月病』では娘が登場する。スターシステム関係で『火の鳥』の猿田が彼を演じている（容姿では猿田博士）。
注意：以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
演者
エピソード
ときには真珠のように
ブラック・ジャックの家に突如、奇妙な殻に包まれたメスが届く。宛名には「J・H」と書かれており、それが本間から届いた事に気づく。ブラック・ジャックは急遽本間の家へと急ぎ、布団で寝たきりの本間を見舞う。
そこで本間は昔、ブラック・ジャックの手術中に体内にメスを置き忘れたことを懺悔する。そして再び手術をした際、カルシウムの殻につつまれたメスを発見。それがブラック・ジャックのもとに届いたメスだったのである。その事がきっかけで生命の不思議さと医学の難しさに気づく事となった。
懺悔を終えたあと彼の意識は段々と遠のき、死ぬ間際に「人間が生き物の生き死にを自由にしようなんておこがましいとは思わんかね」と言う名言を残す。この言葉は数多くの読者に強い印象を残した。
本間血腫
ブラック・ジャックはとある病院から本間血腫の患者を治すよう依頼されるが、現在の医学ではこの病気を治すことが不可能で、依頼を受けるか受けないかで悩んでいた。
「本間血腫」という病気は文字通り本間が存在を確認した病気で、心臓の左心室に血栓が次々と発生し、いくら除去しても再発するという世界でも稀な奇病。しかもその病気にかかった患者は全員死亡している。彼はこの病気の解明のため手術をしたが、周りからはこれは生物実験ではないのかと疑われ、ついには人間を生体実験した医者として非難され、彼は責任をとり医者を引退する。ブラック・ジャックはこの病気の謎を解明すべく、彼の書庫を探る。すると手紙らしきものを発見し、ブラック・ジャックは彼から本間血腫の謎の解明を託される。
後日ブラック・ジャックは依頼のあった病院へ行き、本間血腫の対処法としてブラック・ジャック自作の人工心臓を患者に取り付けることを提案。しかし開胸したところ、患者の心臓はすでに精巧な人工心臓が取り付けられていた。そして病気の原因そのものが人工心臓の故障によるものだったと判明。ここでブラック・ジャックは人間にでもどうすることもできない医学の限界を知り、医者には手のつけられない領域があることを知るのである。
なお、2006年に放送されたTVアニメ『ブラック・ジャック21』では、ブラック・ジャックが患者に取り付けられた人工心臓よりは劣るが、劇中の医学界で認められていた最新の人工心臓と取り替えた。しかし、患者に取り付けられていた人工心臓が、患者の友人でありブラック・ジャックの父である、間影三が開発したものだったという設定。