ダブルキャスト (ゲーム)
1998年のコンピュータゲーム
『ダブルキャスト』は、1998年6月25日にソニー・コンピュータエンタテインメントから発売されたフルアニメーションアドベンチャーゲーム。
ジャンル | フルアニメーションアドベンチャーゲーム |
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対応機種 |
プレイステーション(PS) プレイステーション・ポータブル(PSP) |
開発元 | Sugar&Rockets |
発売元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント |
人数 | 1人 |
メディア |
CD-ROM - 2枚(PS) UMD - 1枚(PSP) |
発売日 |
1998年6月25日(PS) 2001年8月16日(PSベスト) 2005年7月28日(PSP) |
対象年齢 | 12才以上対象 |
概要
『やるドラ』シリーズ第1作として発売された本作は、シリーズでは春夏秋冬の内、「夏」に当たる。後藤圭二のいわゆるエロ可愛い絵柄によるキャラクターデザイン、各種ホラー映画の要素を含んだシナリオ、そして凄惨なバッドエンドが話題となった。
メインスタッフ
- ゲーム総監修 - 東郷光宏
- アニメーション監督 - 西久保瑞穂
- 絵コンテ、演出 - 川崎逸朗
- 脚本 - 川崎逸朗、久保田雅史、松原順
- キャラクターデザイン、作画監督 - 後藤圭二
- 美術監督 - 佐藤正浩
- 音楽 - 梶浦由記
- 主題歌 - 「door」(歌 - 小畑由香里 / 作詞 - サエキけんぞう / 作曲、編曲 - 江見トモヒロ)
- プログラム - 堀内義朗、鷹津由
- エグゼクティブプロデューサー - 石川光久、山元哲治
- アニメーション制作 - Production I.G
- 制作 - Sugar&Rockets、Production I.G
- 製作 - ソニー・コンピュータエンタテインメント
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
あらすじ
大学の映画研究部(映研)に所属したばかりの主人公は、ある夏の夜、赤坂美月という少女と出会う。何故か自分の名前以外の記憶を全て無くしていた彼女は、それが甦るまで主人公と同居することに。やがて、映研では自主制作の映画のヒロインとして美月を誘うことになった。だが、その映画のシナリオは、かつて映研が撮影中に死者が出たことで何年もの間封印されていたという曰く付きの、「かこひめの寝屋」だった…。
登場人物
- 主人公
- 名前設定不可の「僕」。映研の新人部員。作中で名前が呼ばれることはなく、音声も入ってはいないが、アンソロジーコミックでは「柏原」という苗字が付けられている。また、CDドラマでは、鈴村健一が声を担当している。愛称は「新人くん」。
- 性格などは至って普通だが、女性にはやや奥手。ラブシーンの撮影中に昂奮し、鼻血を噴水のように吹いて倒れてしまうほど。
- 映研の飲み会で酔い潰れ、ゴミ捨て場で寝ていたところを美月に介抱されて目を覚ます。お礼代わりにコーヒーを奢って雑談するうちに美月の境遇を知り、なし崩し的に彼女を居候させることになる。
- 叔父の家に下宿しているが、家主の叔父は旅行で不在。
- 赤坂 美月(あかさか みつき)
- 声優 - 平松晶子
- 生年月日 - 9月30日 / 身長 - 160cm / 体重 - 44kg / スリーサイズ - 87/58/82(cm) / 血液型 - O型
- 「ボク少女」の赤毛ヒロイン。行き倒れの主人公を介抱した事が縁で知り合い、彼の家に転がり込むことになる。その後、『かこひめの寝屋』の主演女優に抜擢される。
- 食欲旺盛で、家事全般もそつ無くこなせる才色兼備(色気に関しては本人が自覚している以上にある為、主人公を度々嬉しがらせつつも困らせることになる)の美人。「赤坂美月」という名前以外の記憶が一切失せており、素性なども謎に包まれている状態だが、普段は至って明るく振舞っている。
- 名前の由来は、ソニー・コンピュータエンタテインメント本社に近い地名(または駅名)である「赤坂見附」であると思われる。
- 赤坂 志穂(あかさか しほ)
- 声優 - 平松晶子
- 上記の「赤坂美月」の本名であり、故・赤坂美月の双子の妹。本来は女性らしい性格であり、姉の美月とは仲の良い姉妹だったが、あることから虐待を受けた上に彼女の自殺現場を目の当たりにした為、その凶暴な人格を宿す多重人格障害を発症。そういった経緯から、森崎による治療を受けていた。ヤンデレの代表的キャラクターである。
- 志穂が人格の変わる条件としては、精神が不安定な時に、夕陽などの赤系統の色を見てしまうとトラウマが蘇り、姉の赤坂美月の人格が出易くなる。本編の最初で「美月」と名乗るボーイッシュな人格は、社会生活を営む為に作り上げた仮の赤坂美月である。
- 真・赤坂美月
- 故人。上記の志穂の姉としての赤坂美月を説明。
- 幼少時に両親を事故で亡くし、志穂とは二人きりで暮らしていたが、美月が悪い男に捕まったことが原因で男性不信になってしまう。その結果、美月は志穂に対し過剰な愛情を注ぐようになる半面、志穂が男性に近寄った場合は彼女に対して暴力も振るうことも厭わなくなる。実は美月は志穂を愛していた反面、内心では志穂に対して彼女が男性にモテることに嫉妬もしていた。美月も精神病院で森崎にカウンセリングを受けていたが、結局自殺してしまい、志穂に重大なトラウマを残す結果となる。
- 森崎曰く志穂の中に巣食う美月は、「嫉妬深く凶暴で、志穂に近寄る人物に危害を加える可能性が高いから気を付けろ」と警告されるほど凶悪な人格である。
- 赤坂美月(番外編)
- 番外編に登場する赤坂美月。交際していた男性(実は二村)と破局し、やけ酒を飲んで深夜のファーストフードで居眠りをしたいたところを主人公と出会い意気投合する。性格的には明るく陽気に見えるが、二村と一緒に映画を撮らなければならないことに関して深く悩む面もある。
- 篠原 遙(しのはら はるか)
- 声優 - 水谷優子
- 生年月日 - 8月4日 / 身長 - 162cm / 体重 - 46kg / スリーサイズ - 86/60/81(cm) / 血液型 - A型
- 映研部部長。口元の小さなホクロがチャームポイントの美人。
- お金持ちの一人娘だがお高く止まらず、江戸っ子で気立ても良い。但し、怪談は苦手。元々映画には興味があったわけでもなく入部した身だが、前年に当時の部長がとある理由から失踪。人望の高さから、部長の座を引き継ぐことになった。目下、主人公のことが少々気になってきている。
- 楠木 翔子(くすのき しょうこ)
- 声優 - 白鳥由里
- 生年月日 - 3月29日 / 身長 - 155cm / 体重 - 45kg / スリーサイズ - 84/58/80(cm) / 血液型 - B型
- 主人公と同期の新人部員。メイク担当。
- 四角く赤いフレームの眼鏡を掛けている。素顔でも美月や遥に引けを取らない美人であるが、それを自覚してはいない。自分自身より、他人を美しくすることを第一に考えるタイプ。本当は海外で本格的なメーキャップの勉強をしたかったが、親の反対で普通の大学に行きながら勉強をしている日々。番外編では主人公と交際する展開になる場合もある。
- 奥手そうな外見とは裏腹に、実は美月や遥よりも恋愛経験は豊富という噂もあり、ドラマCDでは意外な悪女ぶりを披露する。Template:SpoilerHジェノサイド編では滅多刺しにされた挙句、その死体を見た遥が嘔吐するほどの惨たらしい死(公式ガイドブックによると「あるはずのものがなかった」と書かれており、その凄惨さを示している)を迎える。Template:SpoilerF
- 二村 秀樹(ふたむら ひでき)
- 声優 - 森久保祥太郎
- 主人公と同期の新人部員。丸く黒いフレームの眼鏡が特徴。カメラ担当だが本当は演出志望、そして映画の知識は映研最高峰の人材とも称されるほど。番外編では美月と交際中の設定になっている場合もある。思いやりのある好青年で、主人公とは仲の良い友人。Template:SpoilerH実は遙のことが好きで彼女を狙っている。また、バッドエンディング『かこひめの寝屋』では「かこひめの寝屋」事件の真相を知っており、狂気的な一面を垣間見せる。ちなみに、『かこひめの寝屋』エンドで語られる過去の事件の真相が本当の出来事なのか(正規ルートでも、語られていないだけで二村は事件の真相を知っているのか)どうかは不明だが、ここでのみ出てくる「二村の実家は定食屋を経営している」という設定は、公式ガイドブックによると正史らしい。Template:SpoilerF
- 佐久間 良樹(さくま よしき)
- 声優 - 置鮎龍太郎
- 映研作品に出演する男優。映研部員ではないが、華やかな容貌を買われて主演男優に抜擢される。いわゆるスケコマシと評判。美月のことを知っているようだが…。Template:SpoilerH高校生時代に赤坂志穂と交際していたが、姉の美月の横槍で破局。後に偶然志穂と再会した際、彼女が自分のことを覚えていないことが気になり、調査の末に真相を知る。佐久間本人は決して軽薄な人物ではなく、いつも女性には真剣なのだが、相手の方が変な期待をして近付いてくることの方が多い。Template:SpoilerF
- 森崎 真奈美(もりさき まなみ)
- 声優 - 折笠愛
- 南西統合病院精神科の医師。才色兼備の名に相応しい美女な上、精神科としての手腕も確か。美月の真相に迫る上で重要な人物。
- 剛田 豪(ごうだ ごう)
- 声優 - 立木文彦
- 主人公の先輩の映研部員。元はプロレス同好会に所属していたが、遥が撮ってくれたプロモビデオを気に入りそのまま映研へ。バッドエンドになった場合、相方の花園と共に登場して一言アドバイスを送ってくれるが、全く役に立たない。
- 花園 雅美(はなぞの まさみ)
- 声優 - 松本保典
- 主人公の先輩の映研部員。剛田と同じく元はプロレス同好会に所属していたが、ライバルだった彼が映研に入り浸るようになったことを機に、自分も後を追う。そして手先の器用さを買われ、機材管理担当者となった。バッドエンドの際は相方の剛田と共に登場するが、その一言アドバイスに対し「うむ! その通り!」と加えるのみで、彼と同様全く役に立たない。
関連商品
- ダブルキャスト door - 主題歌シングルCD。SMEビジュアルワークスより発売。
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- ダブルキャスト アンソロジーコミック - アンソロジーコミック。ソフトバンクパブリッシングより発売。
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- ダブルキャスト オフィシャルガイドブック - 攻略本。アスペクトより発売。
- オフィシャル やるドラ ファンブック ダブルキャストCD-ROMスペシャルデータ集 - 攻略本 + CD-ROM。ソニー・コンピュータエンタテインメントより発売。