ズーニー・ロケット弾
ズーニー・ロケット弾はアメリカ軍が採用した直径5インチ(127㎜)の非誘導ロケット弾である。ハイドラ70ロケット弾は固定翼機とヘリコプターの両方に搭載・装備されるがズーニーはヘリコプターに装備されることが無いため、陸軍では運用されず、固定翼機を装備する海軍、海兵隊で運用されている。
概要
このロケット弾は空対空・空対地両用として開発され、各種の弾頭と信管を装着可能である。ベトナム戦争中の1967年には、北ベトナム上空においてA-4スカイホークが空対地用のズーニーでMiG-17を撃墜している。
しかし、このロケット弾はベトナム戦争中に起こった空母上の大事故に二度も関与した「いわくつきの代物」でもある。1967年にフォレスタルの飛行甲板上でMk-32ズーニーを搭載したF-4ファントムIIが電気配線のショートによる誤射を起こし、斜線上のA-4に直撃して発生した火災の火炎で航空爆弾が次々に誘爆する事故を起こして134名の乗組員が死亡し艦載機2機が破損。1969年にはエンタープライズの艦上で他の機体のジェットエンジン排気を浴び続けて過熱されたズーニーが爆発し、乗組員27名が死亡し314名が負傷、15機の艦載機が破損した。
主に4連装のLAU-10ポッドに装填して搭載するが、2連装のLAU-33A/AとLAU-35A/Aも存在し、F-8クルーセイダーとOV-10ブロンコに搭載される。