アジア航測
アジア航測株式会社(アジアこうそく、英: Asia Air Survey Co., Ltd.[2])は、東京都新宿区に本店を、神奈川県川崎市麻生区に本社を置く国内の航空測量業、建設コンサルタント事業会社。国内の航空測量企業としてはパスコ・国際航業と共に大手である。
種類 | 株式会社 |
---|---|
機関設計 | 監査等委員会設置会社 |
市場情報 | |
略称 | アジ航、アジア、AAS |
本社所在地 |
日本 〒215-0004 神奈川県川崎市麻生区万福寺一丁目2番2号 新百合トウェンティワン 北緯35度36分10.5秒 東経139度30分20.9秒 / 北緯35.602917度 東経139.505806度座標: 北緯35度36分10.5秒 東経139度30分20.9秒 / 北緯35.602917度 東経139.505806度 |
本店所在地 |
〒160-0023 東京都新宿区西新宿六丁目14番1号 新宿グリーンタワービル 15階 北緯35度41分35.6秒 東経139度41分35.3秒 / 北緯35.693222度 東経139.693139度 |
設立 | 1949年12月15日 |
業種 | 空運業 |
法人番号 | 6011101000700 |
事業内容 | |
代表者 | 代表取締役社長 畠山仁 |
資本金 |
|
発行済株式総数 |
|
売上高 |
|
営業利益 |
|
経常利益 |
|
純利益 |
|
純資産 |
|
総資産 |
|
従業員数 |
|
決算期 | 9月30日 |
会計監査人 | 有限責任あずさ監査法人[1] |
主要株主 | |
外部リンク | https://www.ajiko.co.jp/ |
特記事項:航空機使用事業免許:運輸大臣免許第25号(1956年2月27日) |
概要
編集アジア航測は、空中写真からの地図量産化技術を世界で初めて実用化(1960年:解析航空三角測量法の開発に成功[3][4][5])した会社であり「技術のアジア」と標榜される所以である。近年の主要な開発技術は、「ディジタルステレオ図化機(図化名人)」[6]、「赤色立体地図」(1枚の地図で地形を立体的に見せる表現技法:2014年グッドデザイン賞受賞)[7]、3Dモデリングサービス(複数の重複する画像から3次元モデルを生成)[8]、航空レーザ計測によって樹種を判別する「レーザー林相図」の開発等がある[9]。
航空測量
編集事業免許
編集運航所
編集機材
編集運航機材
編集ESG/CSR活動
編集アジア航測は、2012年10月、環境省よりエコ・ファースト企業の認定を受けた。この認定以降同社は、事業を推進しながらESG、CSRを重視した経営を推進[15]。
エコ・ファーストの約束
編集アジア航測は、航空測量企業として、航空機や衛星を活用した撮影・計測による情報提供、広域におけるモニタリングなど、地球規模での環境問題等に一層配慮し、持続可能で、安全・安心な社会の実現に向けて、以下の取組みを進めている。
- 低炭素社会の実現に貢献
- 自然共生社会の実現に貢献
- 環境保全に向けた人材づくり、地域づくりに努める
- 自然災害発生に伴う情報提供と環境負荷低減対策に取り組む[16]
活動状況
編集自然災害発生に伴う情報提供等の推進:アジア航測は、東日本大震災発生の翌日から被災地の空中写真撮影を実施し、データのウェブページでの公開、関係自治体への情報提供を行った。被災地モニタリングは、環境省より認定を受けたエコ・ファースト活動の一環として2020年まで実施する[16]。
歴史
編集沿革
編集- 1949年12月15日 - 梅北精機株式会社(現在のアジア航測株式会社)設立
- 1954年2月26日 - 東京都港区田村町にて、アジア航空測量株式会社を設立し、創業
- 1963年6月 - 株式の額面変更を目的として、アジア航測株式会社(梅北精機株式会社から社名変更)がアジア航空測量株式会社を吸収合併
- 1964年2月 - 東京証券取引所市場第二部上場。12月に、本店を東京都世田谷区弦巻に移転
- 1989年12月 - 本店を、東京都新宿区新宿四丁目に移転
- 1998年 - ISO 9001を認証取得
- 2008年6月16日 - 本店を、現在地の東京都新宿区西新宿の新宿グリーンタワービルに、本社を神奈川県川崎市麻生区万福寺の新百合トウェンティワンに移転
- 2011年6月 - 第三者割当により、資本金16億7,377万8千円となる
- 2012年10月29日 - 環境省よりエコファースト企業に認定[19]
- 2013年12月11日 - 西日本旅客鉄道と業務提携契約締結[20]
- 2015年12月 - 監査等委員会設置会社に移行[21]
- 2016年8月 - 三井共同建設コンサルタントと資本業務提携契約締結[22]
主要株主の推移
編集かつては三井物産の持分法適用会社(関連会社)であったが、2004年11月にアジア航測が実施した自己株式公開買い付けに応じ、保有する普通株式すべて(議決権ベース33.68%:筆頭株主)を売却、同年12月にその異動を完了した。その後、一時はトライアイズが筆頭株主となるが、2007年9月にトライアイズが保有する同社株式を全て日本アジアホールディングズに売却。さらに、2008年5月には、国際航業ホールディングスが日本アジアホールディングスから株式譲渡を受け[23]、同社が筆頭株主となった。また同年4月、国際航業ホールディングスは経営統合の申し入れを行ったが、アジア航測は「経営統合の提案を一方的に公表するなど信頼関係を醸成しようという姿勢が見られない」「経営統合により企業価値が向上すると判断するのは難しい」などとして、同提案を拒否している[24]。その後も両社の協業につき協議が行われたが、「国土情報サービスの実現に向けた検討」のみにとどまった[25]。
2008年10月に、アジア航測の第2位株主(12.52%)であったアイディーユー(IDU、現・日本アセットマーケティング)[26]が計画した第三者割当増資について、国際航業ホールディングスが応じてIDUの筆頭株主になり、アジア航測に対する影響も強めようとしたが、増資実施直前になり前提条件不成就を理由として、国際航業ホールディングスは引受を中止している。2009年4月、アジア航測はアイディーユーとの資本提携を解消し、ロケーションビューをアイディーユーの完全子会社に、ロケーションビューが所有していたアジア航測の全株式を売却した。
2009年8月には日本国土開発との資本業務提携を発表している[27]。
2011年6月、以前より約3.3%の株式を保有する株主であった復建調査設計に対し、第三者割当増資を実施。復建調査設計は約21.1%の株式を保有する第2位の株主となった[28]。さらに2012年3月、復建調査設計は株式を追加取得し、国際航業ホールディングスを抜いて筆頭株主となった[29]。 2013年12月11日、第4位株主(4.0%)であった西日本旅客鉄道(JR西日本)が国際航業ホールディングスの保有する株式の全部を約15億円で取得し、筆頭株主となると同時に、業務提携契約を締結した[30][31]。
技術力
編集グッドデザイン賞
編集単独受賞
編集共同受賞
編集- 長崎水辺の森公園 長崎市常盤町[33]
関係会社
編集連結子会社
編集- 株式会社ユニテック(札幌市東区)[34]
- 株式会社タックエンジニアリング(岩手県盛岡市)
- 株式会社アドテック(仙台市宮城野区)
- 株式会社プライムプラン(群馬県前橋市)
- サンジオテック株式会社(千葉市中央区)
- 株式会社中部テクノス(名古屋市名東区)
- 株式会社ジオテクノ関西(兵庫県西宮市)
- 株式会社四航コンサルタント(香川県高松市)
持分法適用関連会社
編集- 株式会社大設(兵庫県姫路市)
- 三井共同建設コンサルタント株式会社(東京都品川区)[35]
持分法非適用非連結子会社
編集- Asia Air Survey Myanmar Co.,Ltd.[36]
持分法非適用非関連会社
編集- Beijing East Map Information Technology Inc.
その他関連会社
編集映画・ドラマ・アニメ
編集関連項目
編集脚注
編集- ^ a b c d e f g h i j k アジア航測株式会社『第75期(2021年10月1日 - 2022年9月30日)有価証券報告書』(レポート)2022年12月15日。
- ^ アジア航測株式会社 定款 第1章第1条
- ^ 上谷良吉「解析空中三角測量の一方法」『測地学会誌』第3巻第6号、日本測地学会、1960年12月、252-256頁、NAID 40018007799。
- ^ “解析航空三角測量の実用化とその意義について”. 土木学会論文集 (土木学会) (72): 31-39. (1961-01). NAID 40018160592.
- ^ “鳥瞰散歩(読み物)|アジア航測|空間情報コンサルタント”. アジア航測. 2015年5月5日閲覧。
- ^ “ディジタルステレオ図化機の精度検証” (PDF). 国土地理院. 2015年5月5日閲覧。
- ^ a b “地図 [赤色立体地図] 受賞対象一覧 Good Design Award”. 日本デザイン振興会. 2020年2月7日閲覧。
- ^ “難易度の壁を超えて誕生した不動産テック「IESHIL CONNECT」の狙い - CNET Japan”. 朝日インタラクティブ. (2017年10月26日)
- ^ “航空レーザ計測を活用した森林資源情報の解析技術”. 国土交通省. 2020年2月7日閲覧。
- ^ “東京航空局管轄の航空運送事業者・航空機使用事業者一覧”. 国土交通省. 2020年2月7日閲覧。
- ^ “航空機レーザ計測システムo”. 国土交通省. 2020年2月7日閲覧。
- ^ “アジア航測、8月に退役したガルフストリームコマンダーの見学会を実施 FlyTeam ニュース”. FlyTeam. 2020年2月7日閲覧。
- ^ アジア航測 (28 November 2019). 航空法にかかる「安全報告書(72期)」 (PDF) (Report).
- ^ 『最新の双発航空機を導入 日本初登録「JA81AJ」』(プレスリリース)アジア航測、2019年1月21日 。2020年2月7日閲覧。
- ^ アジア航測 (2019). CSRレポート2019 (PDF) (Report).
- ^ a b “ECO FIRST”. エコファースト協議会. 2020年2月7日閲覧。
- ^ 林野庁. 平成24年度:「学校林・遊々の森」全国子どもサミットin京都の報告書 (PDF) (Report).
- ^ 林野庁. 平成25年度:「学校林・遊々の森」全国子どもサミットin北海道の報告書 (PDF) (Report).
- ^ 『「エコ・ファースト」認定式(第12回)について(お知らせ)』(プレスリリース)環境省、2012年10月25日 。2017年8月6日閲覧。
- ^ 『アジア航測株式会社の株式取得と業務提携に関するお知らせ』(プレスリリース)西日本旅客鉄道株式会社、2013年12月11日 。2017年8月6日閲覧。
- ^ “平成27年9月期 有価証券報告書”. アジア航測. 2016年9月11日閲覧。
- ^ “2017年9月期 有価証券報告書”. アジア航測. 2017年12月22日閲覧。
- ^ “アジア航測株式会社の株式取得完了について”. 国際航業ホールディングス. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月10日閲覧。
- ^ “国際航業ホールディングス株式会社からの提案に関する弊社の見解”. アジア航測. 2016年9月10日閲覧。
- ^ “国際航業ホールディングス株式会社との協業に向けた検討の結果について”. アジア航測. 2016年9月10日閲覧。
- ^ 厳密には、当時第2位株主だったのはIDUとアジア航測の合弁会社であったロケーションビューであるが、アイディーユーは同社の議決権の80%を保有していた。
- ^ “日本国土開発株式会社との業務提携及び第三者割当による自己株式の処分に関するお知らせ”. アジア航測. 2016年9月10日閲覧。
- ^ 『復建調査設計株式会社との資本業務提携、第三者割当による新株式発行並びに主要株主の異動及びその他の関係会社の異動に関するお知らせ』(プレスリリース)アジア航測、2013年6月10日 。
- ^ 『主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ(2012/3/2)』(プレスリリース)アジア航測、2013年12月11日 。2016年9月10日閲覧。
- ^ “株式の売出し、主要株主及び主要株主である筆頭株主の異動ならびにその他の関係会社の異動に関するお知らせ”. アジア航測. 2016年9月10日閲覧。
- ^ 『アジア航測株式会社の株式取得と業務提携に関するお知らせ:JR西日本』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道株式会社、2013年12月11日 。2015年5月5日閲覧。
- ^ 『パノラマ画像 [ライブビュー]』(プレスリリース)日本デザイン振興会、2010年 。2012年2月28日閲覧。
- ^ 『長崎水辺の森公園 長崎市常盤町』(プレスリリース)日本デザイン振興会、2004年 。2020年2月7日閲覧。
- ^ 『有価証券報告書-第67期(平成25年10月1日-平成26年9月30日)』(プレスリリース)アジア航測、2014年12月18日 。2015年5月6日閲覧。
- ^ “アジア航測〈9233〉、三井共同建設コンサルタントを持分法適用関連会社化 山田コンサルティンググループ株式会社 M&Aアドバイザリー専門サイト”. 山田コンサルティンググループ. 2020年2月7日閲覧。
- ^ 『ミャンマー連邦共和国における子会社設立に関するお知らせ』(プレスリリース)アジア航測、2013年9月30日 。2015年5月6日閲覧。
- ^ “2016年3月期 有価証券報告書”. 西日本旅客鉄道. 2016年9月11日閲覧。
- ^ “映画「シン・ゴジラ」制作に協力“リアルな東京”再現-アジア航測(9面)-電気新聞-”. 電気新聞. 2016年9月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月11日閲覧。