サラミ
サラミ(イタリア語: saláme、複数形: salami)とは、イタリアで発祥したドライソーセージの1種である。語源はイタリア語の「sale(食塩)」である。サラミソーセージと呼ばれる場合もある。
製法
編集元来はブタのひき肉に食塩やラード、ラム酒などを混ぜ、腸詰してから、温度10 ℃程度・湿度70パーセントから75パーセントの条件で、60日から90日間かけて乾燥熟成を行った物をサラミと呼んでいた。
しかし、今では牛肉で作られたサラミや、牛と豚の合いびき肉のサラミも製造されている。なお、肉の挽き具合によって、食感などに違いが出る。また、干す前に予め燻したり、茹でたりと、下ごしらえも行われる場合がある。加えて味付けも、今では食塩だけでなく、様々なハーブやスパイスを混ぜて作ったドライソーセージも、サラミと呼ぶようになった。ただ、地域ごとに使われる調味料や香辛料には違いが見られ、イタリアのサラミはニンニク、ドイツでは食塩のみ、スペインではパプリカや赤唐辛子、そしてハンガリーではパプリカやニンニクを加えたりする。
種類
編集サラミ発祥の地であるイタリアには、ミラノサラミ、ソプレッサなど数多くの種類があり、食文化の1つとして古来より親しまれてきた。以下は代表的な物である。
- ミラノサラミ
- イタリアで最も一般的なサラミ。細かく挽いた豚肉が使われ、米粒大の脂肪が霜降りになっているのが特徴。
- ソプレッサ
- ポー河流域の低地が発祥の地と言われ、粗挽きの豚肉を曲がった腸管に詰め、ニンニクと白ワインで味付けされる。
これ以外のサラミにも、作られている地方や国の地名が付けられる場合がある。フランスのアルル(Arles)、イタリアのジェノヴァ、ミラノ、それにハンガリーはサラミの製造を行っている地域として有名である。特に、ハンガリーにおいてはハンガリーサラミと呼ばれる多種のサラミが製造され、独特の風味を有する事で知られる。ハンガリーにおけるサラミ製造のリーディングカンパニーであるピックセゲド社は、EU圏はもちろん、世界的に見ても、伝統ある大規模なサラミ製造会社の1つとして名が知られており、中でも「白カビ付きサラミ」として有名な「ピック・ウィンターサラミ」は、EUの原産地名称保護制度で守られている。
関連項目
編集- カルパス (ソーセージ) - 日本で付けられた名称。
- キウバサ・クラコフスカ - ポーランドのドライソーセージ。クラコウ・ソーセージ。
- ブレザオラ - 主にイタリア北部で作られてきた。
- ンドゥイヤ - イタリアの辛みが強い香辛料入りペースト状のサラミ。
- フィノッキオーナ - トスカーナのソーセージ。
- サラメ・コット - イタリア北西部のサラミ。
- サラミの一覧
- サラミ法 - 不正行為の手法。
- サラミ戦術 - 敵対する勢力を、サラミを薄く切るように少しずつ削っていく戦術。