トレバー・ローレンス
ウィリアム・トレバー・ローレンス(William Trevor Lawrence, 1999年10月6日 - )は、アメリカ合衆国テネシー州ノックスビル出身のプロアメリカンフットボール選手。NFLのジャクソンビル・ジャガーズに所属している。ポジションはクォーターバック。
Trevor Lawrence | |||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ジャクソンビル・ジャガーズでのローレンス (2022年) | |||||||||||||||||||
ジャクソンビル・ジャガーズ #16 | |||||||||||||||||||
ポジション | クォーターバック | ||||||||||||||||||
生年月日 | 1999年10月6日(25歳) | ||||||||||||||||||
出身地 |
アメリカ合衆国 テネシー州ノックスビル | ||||||||||||||||||
身長: | 6' 6" =約198.1cm | ||||||||||||||||||
体重: | 220 lb =約99.8kg | ||||||||||||||||||
経歴 | |||||||||||||||||||
高校 | カーターズビル高等学校 | ||||||||||||||||||
大学 | クレムソン大学 | ||||||||||||||||||
NFLドラフト | 2021年 / 1巡目全体1位 | ||||||||||||||||||
所属歴 | |||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||
受賞歴・記録 | |||||||||||||||||||
プロボウル選出(1回) | |||||||||||||||||||
2022 | |||||||||||||||||||
その他受賞・記録 | |||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||
NFL 通算成績 (2022年終了時点) | |||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||
Player stats at PFR |
経歴
編集大学時代
編集2018年にクレムソン大学に入学する。先発QBケリー・ブライアントの控えとして1年目のシーズンをスタートさせたが、シーズン最初の試合では彼と同等の出場機会を与えられた。その後先発の座を定着させ、この年のレギュラーシーズンを無敗で終えた。ACCチャンピオンシップゲームでピッツバーグ大学を42-10で破り、プレイオフへの出場権を獲得した。クレムソン大学はプレイオフで2位となり、同年のコットンボウル・クラシックでは3位のノートルダム大学を30-3で破った[1]。 2019年の全米王者決定戦に進出し、アラバマ大学を44-16で破った。 [2] ローレンスはこの試合のオフェンスMVPに選ばれた。全米王者決定戦で先発した1年生QBとしては、1985年にオクラホマ大学で活躍したジャメル・ホリウェイ以来である[3]。 このシーズン、全米最優秀新人賞とアーチー・グリフィン賞、ACCの最優秀新人賞といった数々の賞を受賞した[4] 。
2020年シーズン、最初の6試合で1,833ヤードを投げ、17タッチダウン、2インターセプトを記録した。しかし2020年10月30日、COVID-19の陽性反応が出たことにより、ACCのプロトコルに従い10日間の隔離を受けた。復帰までに2試合を欠場したが[5]、チームに復帰後、2020年シーズンから採用されたディビジョンレス方式において2位となり、クレムソン大学を再びACCチャンピオンシップに導いた。その後プレイオフの出場権を獲得したが、準決勝であるシュガーボウルでオハイオ州立大学に敗れた。 しかし、この年のACCの年間最優秀選手に選ばれ、さらにハイズマン賞の投票では、アラバマ大学のWR、デヴォンタ・スミスに次いで2位となった。
Clemson Tigers | |||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
年度 | 試合 | パス | ラン | ||||||||||||
出場 | 先発 | 結果 | 成功 | 試投 | 獲得ヤード | 成功確率 | TD | Int | レイティング | 回数 | 獲得ヤード | 平均獲得ヤード | TD | ||
2018 | 15 | 11 | 11−0 | 259 | 398 | 3,280 | 65.2 | 30 | 4 | 157.6 | 60 | 177 | 3.0 | 1 | |
2019 | 15 | 15 | 14−1 | 268 | 407 | 3,665 | 65.8 | 36 | 8 | 166.7 | 103 | 563 | 5.5 | 9 | |
2020 | 10 | 10 | 9−1 | 231 | 334 | 3,153 | 69.2 | 24 | 5 | 169.2 | 68 | 203 | 3.0 | 8 | |
通算[6] | 40 | 36 | 34−2 | 758 | 1,138 | 10,098 | 66.6 | 90 | 17 | 164.3 | 231 | 943 | 4.1 | 18 |
ジャクソンビル・ジャガーズ
編集ローレンスは大学4年生には進学せず、2021年のNFLドラフトにアーリーエントリー。2021年4月29日(日本時間30日)に行われたドラフトではフロリダ州ジャクソンビルに本拠を置く、ジャクソンビル・ジャガーズに全体1位で指名された[7]。
ローレンスはヒューストン・テキサンズとの開幕戦のQBに指名され[8]、プロデビューを果たした。試合は3TDを挙げるも3インターセプトを喫し、21-37で敗れた。第4週のシンシナティ・ベンガルズ戦では、2020年1月に行われたカレッジフットボール全米王座決定戦以来となる相手QBジョー・バロウとのマッチアップとなったが、21-24で敗れた[9]。第6週のトッテナム・ホットスパー・スタジアムで行われたマイアミ・ドルフィンズ戦でプロ初勝利を挙げた[10]。
このシーズンはルーキーQBとしてはニューイングランド・ペイトリオッツ所属のマック・ジョーンズに次ぐパス3,641ヤードを獲得するも、リーグワーストとなる17インターセプトを喫した[11]。チームも開幕5連敗のあと第10週から8連敗を喫するなど3勝14敗でNFL全体で最下位であった。
2年目の2022年シーズン、第3週のロサンゼルス・チャージャーズ戦ではタッチダウンパス3回・パス262ヤード・39回中29回パス成功でQBレーティングを115.5という成績でキャリア初の週間MVPを受賞した[12]。しかしこの翌週から5連敗を喫し、バイウィークまでの序盤は3勝7敗と苦しんだ。4勝8敗で迎えた第14週のテネシー・タイタンズ戦ではパス42回中30回成功・368ヤード・4タッチダウン・パサーレーティング121.9を記録し、2度目の週間MVPに輝いた[13]。翌週のダラス・カウボーイズ戦では10-27からの逆転勝利を演出、さらに続く2試合にも連勝し4連勝を達成した。プレーオフ進出を賭けたシーズン最終戦のタイタンズ戦ではパス212ヤード・1タッチダウンの内容でチームも20–16で勝利。チームのポストシーズン進出と5年振りの地区優勝を決めた[14]。このシーズンは全試合に先発し、パス4,113ヤード獲得・25タッチダウン・8インターセプト・レイティング95.2、9勝8敗という成績でチームを地区優勝に導いた。
自身初のポストシーズン試合となったワイルドカードゲームではチャージャーズと対戦。前半では4つのインターセプトを喫し、一時27点のビハインドを負う苦しい展開となった。しかし前半終了間際にタッチダウンをあげると、一転して後半は調子を取り戻しパス211ヤード・3タッチダウンを獲得。チームもラスト3秒でKのライリー・パターソンが決勝フィールドゴールを成功させ、31-30で逆転勝利を収めた[15]。次戦・ディビジョナルラウンドのカンザスシティ・チーフス戦ではパス39回中24回成功・217ヤード・タッチダウン1回・インターセプト1回という成績を残したが20-27で敗れた[16]。
シーズン終了後、スーパーボウルに出場するパトリック・マホームズの代替としてプロボウルに選出された。
3年目の2023年シーズンは怪我がちとなり、チームもプレーオフ出場を逃した。
詳細情報
編集年度別成績
編集レギュラーシーズン
編集年度 | チーム | 背 番 号 |
試合 | パス | ラン | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
出場 | 先発 | 成功 回数 |
試投 回数 |
成功 確率 |
獲得 ヤード |
平均 獲得 ヤード |
TD | Int | レイテ ィング |
試行 回数 |
獲得 ヤード |
獲得 ヤード |
TD | |||
2021 | JAX | 16 | 17 | 17 | 359 | 602 | 59.6 | 3,641 | 6.0 | 12 | 17 | 71.9 | 73 | 334 | 4.3 | 2 |
2022 | 17 | 17 | 387 | 584 | 66.3 | 4,113 | 7.0 | 25 | 8 | 95.2 | 62 | 291 | 4.7 | 5 | ||
2023 | 16 | 16 | 370 | 564 | 65.6 | 4,016 | 7.1 | 21 | 14 | 88.5 | 70 | 339 | 4.8 | 4 | ||
NFL:3年 | 50 | 50 | 1,116 | 1,750 | 63.8 | 11,770 | 6.7 | 58 | 39 | 85.0 | 205 | 964 | 4.7 | 11 |
- 2023年度シーズン終了時
- 太字は自身最高記録
- ■は各年度のリーグ最高記録
脚注
編集- ^ “Clemson crushes Notre Dame 30-3 in Cotton Bowl” (英語). WGN-TV (December 30, 2018). May 4, 2021閲覧。
- ^ “Clemson wins college football championship, routs Alabama 44-16” (英語). CBS News. May 4, 2021閲覧。
- ^ Brown, Matt (November 5, 2015). “Best True Freshman QB Seasons” (英語). SportsOnEarth.com May 4, 2021閲覧。.
- ^ “Tigers' Lawrence Named ACC Rookie of the Year”. Atlantic Coast Conference (November 27, 2018). January 16, 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。May 4, 2021閲覧。
- ^ “Star Clemson quarterback Trevor Lawrence tests positive for COVID-19”. CBS News. May 4, 2021閲覧。
- ^ “Trevor Lawrence College Stats | College Football at Sports-Reference.com” (英語). College Football at Sports-Reference.com. 2020年12月28日閲覧。
- ^ “Jacksonville Jaguars select former Clemson QB Trevor Lawrence with No. 1 overall pick in NFL draft” (英語) (2021年4月29日). 2021年4月30日閲覧。
- ^ “ジャガーズ新人QBトレバー・ローレンスがシーズン初戦の先発に”. NFL JAPAN. (2021年8月26日) 2022年2月3日閲覧。
- ^ “【NFL】「ドラ1対決」バロウvsローレンス、勝ったのはバロウ 第3週サーズデーナイトゲーム”. BBM JAPAN. (2021年10月1日) 2022年2月3日閲覧。
- ^ “【2021年第6週】1勝4敗のドルフィンズに未勝利のジャガーズが挑んだロンドンゲーム”. NFL JAPAN. (2021年10月18日) 2022年2月3日閲覧。
- ^ “NFL 2021 Player Stats”. NFL. 3 February 2022閲覧。
- ^ “ジャガーズQBローレンス、ファルコンズRBパターソンらが第3週最優秀選手に選出”. NFL JAPAN. (2022年9月25日) 2023年1月15日閲覧。
- ^ “ジャガーズQBローレンス、ラムズQBメイフィールドらが第14週の最優秀選手に”. NFL JAPAN. (2022年9月25日) 2023年1月15日閲覧。
- ^ “AFC南地区優勝決定戦! タイタンズとジャガーズの直接対決の結末は・・・(試合結果情報あり)”. NFL JAPAN. (2023年1月8日) 2023年1月15日閲覧。
- ^ “チャージャーズとジャガーズの対決は劇的な結末・・・!(試合結果情報あり)”. NFL JAPAN. (2023年1月15日) 2023年1月15日閲覧。
- ^ “ジャガーズに明るい未来、「これは終わりじゃなくて始まり」とQBローレンス”. NFL JAPAN. (2023年1月23日) 2023年2月25日閲覧。
外部リンク
編集- Jacksonville Jaguars profile
- Clemson Tigers profile
- Trevor Lawrence (@Trevorlawrencee) - X(旧Twitter)
- トレバー・ローレンス - IMDb