パリは燃えているか
『パリは燃えているか』(パリはもえているか、仏: Paris brûle-t-il?、英: Is Paris Burning?)は、1966年のアメリカ合衆国・フランス合作のオールスターキャストによる戦争映画。
パリは燃えているか | |
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Paris brûle-t-il ? Is Paris Burning? | |
監督 | ルネ・クレマン |
脚本 |
ゴア・ヴィダル フランシス・フォード・コッポラ |
原作 |
ラリー・コリンズ ドミニク・ラピエール |
製作 | ポール・グレッツ |
出演者 |
カーク・ダグラス グレン・フォード ゲルト・フレーベ イヴ・モンタン ジャン=ポール・ベルモンド ロバート・スタック アラン・ドロン |
音楽 | モーリス・ジャール |
撮影 | マルセル・グリニヨン |
編集 | ロバート・ローレンス |
製作会社 | パラマウント映画 |
配給 | パラマウント映画 |
公開 |
フランスの旗 1966年10月26日 1966年11月10日 1966年12月21日 |
上映時間 | 173分 |
製作国 |
アメリカ合衆国 フランスの旗 フランス |
言語 |
英語 フランス語 |
配給収入 | 1億8683万円[1] |
ラリー・コリンズ、ドミニク・ラピエールによるレジスタンス(共産主義者とドゴール派)と自由フランス軍によるパリの解放を描いたノンフィクション作品の原作[2]をルネ・クレマンが監督した。脚本はゴア・ヴィダルとフランシス・フォード・コッポラが担当している。
概要
編集1944年8月7日から、8月19日のレジスタンスの蜂起開始、アメリカ軍の援護を受けて、8月25日のフランスの首都パリの解放に至るまでを描く。
物語はドイツ軍の降伏に貢献したレジスタンス運動を中心にしている。主な登場人物は、レジスタンスのアンリ・ロル=タンギー大佐やジャック・シャバン・デルマス大佐、ドイツ軍のディートリヒ・フォン・コルティッツ将軍、アメリカ軍のジョージ・パットン将軍、自由フランス軍のフィリップ・ルクレール将軍などである。
映画の終盤、降伏前にパリを破壊しろというアドルフ・ヒトラー総統の命令が下ったが、最終的にコルティッツ将軍は命令に従わずに連合国に無条件降伏し、パリを破壊から守った。パリ側のドイツ軍本部内でうち捨てられた電話機からヒトラーの「パリは燃えているか?(命令通りに破壊したか?)」との声が聞こえていた。
ストーリー
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キャスト
編集役名 | 俳優 | 日本語吹替 |
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日本テレビ版 | ||
イヴォン・モランダ | ジャン=ポール・ベルモンド | 山田康雄 |
モノー博士 | シャルル・ボワイエ | 大木民夫 |
ロジャー・ガロア少佐 | ピエール・ヴァネック | 堀勝之祐 |
ジャック・シャバン=デルマス | アラン・ドロン | 久富惟晴 |
ディートリヒ・フォン・コルティッツ将軍 | ゲルト・フレーベ | 田中明夫 |
ラウル・ノルドリンク領事 | オーソン・ウェルズ | 金田龍之介 |
オマー・ブラッドレー将軍 | グレン・フォード | 木村幌 |
ジョージ・パットン将軍 | カーク・ダグラス | 西田昭市 |
フランソワーズ・ラベ | レスリー・キャロン | 平井道子 |
カフェの女主人 | シモーヌ・シニョレ | 遠藤晴 |
クレール | マリー・ヴェルシニ | 信沢三恵子 |
ウィリアム・L・シーバート将軍 | ロバート・スタック | 仁内達之 |
マルセル・ビジアン軍曹 | イヴ・モンタン | 家弓家正 |
アンリ・カルチャー中尉 | ジャン=ピエール・カッセル | 阪脩 |
タンクのGI | ジョージ・チャキリス | 曽我部和行 |
ワレンGI | アンソニー・パーキンス | 津嘉山正種 |
チャーリー | スキップ・ワード | 野島昭生 |
アンリ・ロル=タンギー大佐 | ブリュノ・クレメール | |
レーベル大佐 | クロード・ドーファン | |
アレクサンドル・パロディ | ピエール・デュクス | |
イヴ・バイエット | ダニエル・ジェラン | |
ザ・ベイカー | ジョルジュ・ジェレ | |
アルフレート・ヨードル | ハンネス・メッセマー | |
フォン・アルニム少佐 | ハリー・マイエン | |
エドガー・ピザーニ | ミシェル・ピコリ | |
エーベルナッハ大尉 | ヴォルフガング・プライス | |
フィリップ・ルクレール将軍 | クロード・リッシュ | |
サージ大尉 | ジャン=ルイ・トランティニャン | |
ルイゼ知事 | ミシェル・エチェベリ | |
アドルフ・ヒトラー | ビリー・フリック | |
フォン・ヴォインブルク将軍 | エルンスト・F・フュアブリンガー | |
パンタンの指揮官 | ギュンター・マイスナー | |
フレデリック・ジョリオ=キュリー | サッシャ・ピトエフ | |
ディビュ・ブライデル | マイケル・ロンズデール[3] | |
パウエル諜報員 | E・G・マーシャル[3] | |
ナレーション | — | 山内雅人 |
不明 その他 |
藤本譲 納谷六朗 宮川洋一 村松康雄 藤城裕士 増岡弘 寺島幹夫 飯塚昭三 | |
日本語版スタッフ | ||
演出 | 佐藤敏夫 | |
翻訳 | 木原たけし | |
効果 | 赤塚不二夫 | |
調整 | ||
制作 | 東北新社 | |
解説 | 水野晴郎 | |
初回放送 | 1975年8月20日・27日 『水曜ロードショー』 ※ノーカット |
日本語吹替音声はニューラインから2021年3月3日に発売のBDに収録[4]。当初は2時間枠での再放送時の音源を収録する予定だったが一般から初回放送のテープ録音の提供がありノーカット版の収録が実現した[5]。
スタッフ
編集- 監督:ルネ・クレマン
- 脚本:ゴア・ヴィダル、フランシス・フォード・コッポラ
- 原作:ラリー・コリンズ、ドミニク・ラピエール
- 製作:ポール・グレッツ
- 音楽:モーリス・ジャール
- 撮影:マルセル・グリニヨン
- 編集:ロバート・ローレンス
制作
編集本作は主に白黒で撮影された。これは、撮影のためナチスの卍旗を公共の建物に掲げることにフランス当局からの許可が出ず、本来の赤い部分を緑に変色させたものを使用したことをごまかすためである。なお、クロージングクレジットでのパリの空中ショットはカラーで撮影された。
映画の制作は当時、存命であったイヴォン・モランダ、公的機関(パリ警視庁と内務省)の両方から多数の承認が必要となった[6]。また、シャルル・ド・ゴールによって厳しい監修が行われ、ド・ゴールは手紙に書いた規則に従うことを条件にパリでのロケ撮影を許可したという。特にド・ゴールはフランス共産党による解放で果たした活躍の描写を最小限に抑えることを切望しており、脚本のフランシス・フォード・コッポラは後に「露骨な政治的検閲だった」と発言している。その他、制作はフランス共産党とフランス労働総同盟の二重の支配があり、ド・ゴールまたは共産主義者のいずれかを怒らせるリスクなしに原作本のすべての要素を使用することができなかったとゴア・ヴィダルは感じたという[7]。
撮影は、オテル・デ・ザンヴァリッドやコンコルド広場、ノートルダム大聖堂、カルナヴァレ博物館など、パリ全土の180か所で行われた[8]。
クロード・リッシュはフィリップ・ルクレール役以外にピエール・ド・ラ・フシャルディエール中尉も演じているが、最終的にクレジットされたのはルクレール役のみであった[9]。
カーク・ダグラスは、ジャン=ポール・ベルモンドがキャスティングされていることを知り本作への参加を決めたが、最終的に一緒に写る場面は無かった[10]。
主な受賞歴
編集年 | 賞 | 結果 | 部門 | 受賞者 |
---|---|---|---|---|
1967 | 第39回アカデミー賞 | ノミネート | 撮影賞 (白黒部門) | マルセル・グリニヨン |
美術賞 (白黒部門) | ウィリー・ホルト マーク・フレデリクス ピエール・ギュフロワ | |||
第24回ゴールデングローブ賞 | 作曲賞 | モーリス・ジャール |
脚注
編集- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)241頁
- ^ 訳書は『パリは燃えているか?』(志摩隆訳、早川書房(上下)、新版2005年)
- ^ a b クレジットなし
- ^ “RELEASE INFORMATION パリは燃えているか-HDリマスター版-”. ハピネット. 2021年1月31日閲覧。
- ^ @newline_maniacs (2020年12月2日). "『パリは燃えているか』がほぼノーカットの吹替で放送されたのは1975年8月の初回のみ。放送時期的に初回版の入手は諦め、Blu-rayには約2時間の再放送の吹替を収録する予定でしたが、幸運にも初回放送をテープ録音した方より音源の提供を受けることができました。ご尽力下さった方々に深謝いたします。". X(旧Twitter)より2023年5月12日閲覧。
- ^ Sylvie Lindeperg, "La Résistance rejouée. Usages gaullistes du cinéma", Politix, volume 6, no 24, 1993, p. 144 à 152.
- ^ Cité par René Chateau dans Lui, mai 1966.
- ^ Paris brûle-t-il ?
- ^ "Pierre de la Fouchardière, libérateur de Paris, vit désormais aux Marquises", La Voix du Nord, 21 juin 2010.
- ^ Philippe Durant, Destins croisés : Delon - Belmondo, éditions Carnot, 2004, 351 pages, p.59.