ヒメボタル(姫蛍、Luciola parvula)は、コウチュウ目ホタル科昆虫の一つ。日本固有種で、日本本土において成虫がよく光るホタルの一つであるが、ゲンジボタルヘイケボタルに比べると知名度ははるかに低い。

ヒメボタル
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: コウチュウ目(鞘翅目) Coleoptera
亜目 : カブトムシ亜目(多食亜目) Polyphaga
上科 : ホタル上科 Elateroidea
: ホタル科 Lampyridae
: ホタル属 Luciola
: ヒメボタル L. parvula
学名
Luciola parvula
Kiesenwetter, 1874
シノニム

Hotaria parvula

形態

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体長7mmと、ゲンジボタルやヘイケボタルより一回り小さい。ただし、体のサイズに関しては、大型と小型の二型が存在することが知られている[1] [2][3]

頭部と羽根は黒く、前胸は赤くなっているが、ゲンジやヘイケのような中央の黒い筋はなく、前方が少し黒ずむ。メスはオスより一回り小さく、太っており、後翅が退化しているため飛べない。

生態

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ヒメボタル(諏訪の穴前、北房ほたる公園付近)

幼虫は陸生で、カタツムリなどの陸生貝を食べる。日本ではホタルといえば清流を連想するが、ホタル全体では、むしろ陸生の方が普通である。森林内に生息することが多い。

5-6月に羽化し、かなり強く発光するが、川辺などの開けた場所ではなく森林内などの人目につきにくい場所で光るのであまり知られていない。メスは後翅が退化しており飛行できないため分布地の移動性は小さく、地域により遺伝的特性や体長の差などが著しく、比較的大型のものが分布する地域もある。

成虫の発光は、ゲンジやヘイケに比べると弱いが、鋭く光り、色は黄色みを帯びる。オスは飛翔しながら発光するが、メスは草木につかまった状態で発光する。ゲンジやヘイケの発光は強さがゆっくりと変化するが、ヒメボタルは歯切れ良く明滅する。

保護

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名古屋城の外堀など、積極的にヒメボタルの保護を行っている地域も存在する[4][5]

1997年に第1回ヒメボタルサミットが兵庫県三田市の兵庫県立人と自然の博物館で開催された。ヒメボタルサミットは2019年で第16回目になり、豊中市で催された。

大阪府豊中市に豊中ヒメボタルを守る会がある。

脚注

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出典

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  1. ^ Iguchi, Yutaka (2023). “Allometric approach to the two male morphs in the Japanese firefly Luciola parvula”. Frontiers in Insect Science 3. doi:10.3389/finsc.2023.1230363. 
  2. ^ 大場信義 ヒメボタルの2生態型について 全国ホタル研究会誌 2016年 49号 p.25-27.
  3. ^ 三石暉弥 新しく確認されたヒメボタルの発生地とホタルの体型からみた分布の特異性Ⅲ 全国ホタル研究会誌 2007年 40号 p.35-39.
  4. ^ 大場信義・竹内重信 21年間続けた吊古屋城外堀のヒメボタルの研究と保護活動 全国ホタル研究会誌 1995年 28号 p.21-23.
  5. ^ “名古屋城外堀にヒメボタル 世代超え見守る”. 中日新聞. (2008年5月18日). オリジナルの2008年5月18日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20080518202103/http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20080518/CK2008051802012152.html 2024年1月10日閲覧。 

参考文献

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  • 竹内重信 『ヒメボタル : 名古屋城外堀 生息地保護10年の記録』 エフエー出版、1985年、ISBN 4900435171

外部リンク

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