不耐
ウィキメディアの曖昧さ回避ページ
不耐(ふたい、あるいは不耐性、intolerance)とは、その生物が生まれつき抵抗力を持っているものに対して、その抵抗力が失われて弱くなっている現象のこと。特に医学上では、本来ならば代謝することが可能な物質に対する代謝能力が弱いため、その物質に対する抵抗性が弱くなっている現象のことを指す。
ヒトの不耐
編集ヒトでは、しばしば遺伝的要因による不耐が見られ、例えば、乳糖に対する不耐症(これを乳糖不耐症と呼ぶ)、エタノールに対する不耐症(これをアルコール不耐症と呼ぶ)などが知られている。これらはそれぞれ乳糖、エタノール(およびアセトアルデヒド)の分解に関わる酵素の活性が、遺伝的に低いことによると考えられており、乳糖不耐者では乳製品(正確には乳糖を含む食品)を摂取した後で下痢などを起こしやすいなどの症状、アルコール不耐者では酒に弱かったり注射時などの消毒に用いられる消毒用アルコールで皮膚が発赤するなどの症状となって現れる。
なお、ヒトの乳糖不耐症の場合はごく少量の乳糖を摂取していくことで改善が見られる場合もあるが、それでも一度に多量に摂取した場合などには下痢や腹痛などの強い症状を伴う場合があるため、注意が必要となる。
混同
編集不耐は、しばしばアレルギーと混同される場合もあるが、基本的にアレルギーとは別の問題である。例えば乳糖不耐者であれば、乳製品と同時にラクターゼ製剤を経口投与すると症状が現れなかったりする。また、アレルギーが生命に関わるほどの重症になり得ることと比較すると、その症状の激しさの程度は一般に低い。