任天堂スペースワールド
任天堂が開催していたコンピュータゲームの展示会
任天堂スペースワールド(にんてんどうスペースワールド、Nintendo Space World)は、任天堂が開催していたコンピュータゲームの展示会。同社と取引の有る問屋による組織・初心会が1989年より東京または千葉で開催していた会員向け展示会を前身とする。
ここでは、任天堂スペースワールドと名乗る前身に関しても記載する。
なお、「スペースワールド」と称しているが、福岡県北九州市八幡東区にかつて存在した遊園地「スペースワールド」とは一切関係ない。
沿革
編集- ファミリーコンピュータ・ゲームボーイソフト展示会[1]
- 1989年11月21日から11月22日の2日間、第1回初心会展として、東京・平和島の東京流通センターで開催
- 53社が出展
- 「ドラゴンクエストIV」などファミリーコンピュータ144タイトルを披露
- 任天堂社長の山内溥は「つまらないソフトが多いため、ユーザーが満足するためにソフトの種類を少なくしてほしい」と講演
- パネルディスカッション「ファミコンソフトウェアの今後の展望」に糸井重里、堀井雄二、中村光一、いとうせいこうが出演
- スーパーファミコン・ファミリーコンピュータ・ゲームボーイソフト展示会[2]
- 1990年8月28日から8月29日の2日間、第2回初心会展として、東京・晴海の東京国際見本市会場で開催
- 72社が出展、うちスーパーファミコンのみは13社、ゲームボーイのみは14社
- スーパーファミコンは「スーパーマリオワールド」など17タイトル、ファミコンは「ワギャンランド2」など12タイトル、ゲームボーイは「ソロモンズ倶楽部」など10タイトルを披露
- 山内は「年末商戦と来年の市場展望」について、タイトル数の厳選とユーザーが満足するための独創性が必要と講演
- ファミコン・スペースワールド[3]
- 1991年4月24日より5月6日までの13日間、第3回初心会展として、千葉・幕張メッセで開催
- 58社が出展
- 148タイトルを披露。内訳はスーパーファミコンは「ファイナルファンタジーIV」など29タイトル、ファミコンは「くにおくんの時代劇だよ全員集合」など71タイトル、ゲームボーイは「聖剣伝説」など48タイトル
- 山内による講演はなし
- ファミコン・スペースワールド92[4]
- 1992年8月26日から8月27日の2日間、第4回初心会展として、東京・晴海の東京国際見本市会場で開催
- 67社が出展
- スーパーファミコンは「ドラゴンクエストV」など137タイトル、ファミコンは「ワギャンランド3」、「ロックマン5」など50タイトル、ゲームボーイ51タイトルを披露
- 山内は「コンピューターゲーム市場展望」について、スーパーファミコンと組み合わせられるCD-ROMのゲームなどについて講演
- ファミコンスペースワールド93[5]
- 1993年8月24日から8月26日の3日間、第5回初心会展として、東京・晴海の東京国際見本市会場で開催
- 80社が出展
- スーパーファミコンは202タイトル、ファミコンは14タイトル、ゲームボーイ44タイトルを披露。26日には特設ステージで、テレビ東京「スーパーマリオクラブ」の収録も行われた[6]。
- 山内は「ビデオゲーム市場の展望と任天堂の経営戦略」で「Project Reality」構想(後のNINTENDO64)に関して講演
- 第6回初心会ソフト展示会[7]
- 1994年11月15日から11月16日の2日間、第6回初心会展として、東京・晴海の東京国際見本市会場で開催
- スペースワールドは開催されなかった
- 72社が出展
- 235タイトルを披露。内訳はスーパーファミコンは「スーパードンキーコング」など216タイトル、ファミコンは1タイトル、ゲームボーイ18タイトル
- 山内の講演はなく、代わりに挨拶状で、64ビット機は次回の初心会展で披露すること、バーチャルボーイはTVゲームとは異なる娯楽を提供するものであることを説明
- ファミコンスペースワールド95[8]
- 1995年11月24日から11月26日の3日間、第7回初心会展として、千葉・幕張メッセで開催
- 58社が出展
- NINTENDO64は30タイトル、スーパーファミコンは「ドラゴンクエストVI」など122タイトル、ゲームボーイは10タイトル、バーチャルボーイは18タイトルを披露
- 山内は「TVゲーム市場の展望」でバーチャルボーイが低迷している点、NINTENDO64は鋭意開発中な点、駄作が増えており、独創的で未体験の楽しさが求められている点などを講演
- ニンテンドウ64スペースワールド[9]
- 1996年11月22日から11月24日の3日間、第8回初心会展として、千葉・幕張メッセで開催
- 27社が出展
- NINTENDO64は37タイトル、スーパーファミコンは24タイトル、ゲームボーイは17タイトルを披露
- 64DDを披露
- 特別カンファレンス「ハード、ソフトから見た"ゲームは変わる"を考える」ではNINTENDO64に関して、カートリッジ方式であることの必要性などが語られた。出演者は宮本茂、竹田玄洋、富士本淳、長江勝也、岩田聡、平林久和
- ニンテンドウスペースワールド97[10]
- 1997年11月21日から11月23日の3日間、千葉・幕張メッセで開催
- この年の2月に初心会が解散したことから、この回より主催が任天堂となった
- 20社が出展
- NINTENDO64は40タイトル、海外から6タイトルが披露、ゲームボーイは「ポケットモンスター」関係のソフトなど、64DDは4タイトルを披露
- 64DDの発売延期を発表
- 「ポケットモンスター」の幻のポケモン・ミュウのデータ配布が人気を集め、10万9千人が集まったとされる。
- 山内は「エンタテインメント市場の展望」でNINTENDO64は海外で評価高く、国内で評価低いのはTVゲームの市場の低迷が問題であり、質の低いゲームが多く、質の高いゲームを増やす必要がある点、これからのゲームは育成・交換・収集・追加がキーワードになる点、映画のようなグラフィック・大容量などは前途がない点を講演
1998年は開催されず
- ニンテンドウスペースワールド99
- 1999年8月27日から8月29日の3日間、千葉・幕張メッセで開催
- スペースワールド2000
- 2000年8月25日から8月27日の3日間、千葉・幕張メッセで開催
- 8月24に任天堂新製品発表会レポート[11]でニンテンドーゲームキューブを発表を2001年7月に、ゲームボーイアドバンスを2001年3月21日に出荷することを発表
- ゲームボーイアドバンス、ゲームボーイカラー、NINTENDO64用のソフトを披露
- ニンテンドウスペースワールド
- 2001年8月24日から8月26日の3日間、千葉・幕張メッセで開催
- 8月23日にゲームキューブに関する記者会見を行う[12]
- ゲームキューブ、ゲームボーイアドバンス、ゲームボーイカラー用のソフトを披露
2002年以降は開催されていない。
2004年11月に名古屋・大阪・東京・札幌・福岡の順で開催されたニンテンドーDS体験イベント「ニンテンドーワールド Touch! DS」及び2006年11月に名古屋・大阪・千葉で開催されたWii体験イベント「Nintendo World 2006 Wii体験会」が事実上の後継イベントとなった。
脚注
編集- ^ 「初の「FC/GB用ソフト展で」山内社長 "タイトル数よりも面白いソフト開発" CES任天堂ゾーンをモデルした展示構成 講演に引き続きパネルディスカッションも」『ゲームマシン』(PDF)、第371号(アミューズメント通信社)1990年1月1日、13面。2021年3月14日閲覧。
- ^ 「「スーパーファミコン」発売間近で 関心高めるソフト 初心会のSFC/FC/GB展」『ゲームマシン』(PDF)、第389号(アミューズメント通信社)1990年10月1日、3面。2021年3月14日閲覧。
- ^ 「22万人が入場した第3回初心会展 初日は業者だけ 未発売のSFC、FC、GBソフト展示」『ゲームマシン』(PDF)、第404号(アミューズメント通信社)1991年6月1日、4面。2021年3月14日閲覧。
- ^ 「晴海で開かれた第4回初心会展 山内社長が講演 CD-ROMはソフト次第、強調」『ゲームマシン』(PDF)、第436号(アミューズメント通信社)1992年10月15日、3面。2021年3月14日閲覧。
- ^ 「第5回初心会展で新FC披露 山内社長が講演 ゲーム場には興味ない、断言」『ゲームマシン』(PDF)、第459号(アミューズメント通信社)1993年10月15日、3面。2021年3月14日閲覧。
- ^ 『電撃王』通巻10号、メディアワークス、1993年11月1日、53頁。
- ^ 「「バーチャルボーイ」を披露した 第6回初心会展 64ビット機は95年8月に紹介」『ゲームマシン』(PDF)、第487号(アミューズメント通信社)1995年1月1日、13面。2021年3月14日閲覧。
- ^ 「第7回初心会展 64ビット機展示に集中 SFC用などサードパーティ58社出展」『ゲームマシン』(PDF)、第510号(アミューズメント通信社)1996年1月1日、11面。2021年3月14日閲覧。
- ^ 「第8回初心会展 N64用新作ソフト展示 サードパーティは半減の27社が出展」『ゲームマシン』(PDF)、第533号(アミューズメント通信社)1997年1月1日、11面。2021年3月14日閲覧。
- ^ 「ニンテンドウスペースワールド97 GB用デジカメも披露 「64DD」の発売はさらに延期に」『ゲームマシン』(PDF)、第557号(アミューズメント通信社)1998年2月1日、4面。2021年3月14日閲覧。
- ^ 「任天堂、次世代機の「ゲームキューブ」発表 「GBアドバンス」は来年3月出荷へ」『ゲームマシン』(PDF)、第619号(アミューズメント通信社)2000年10月1日、6面。2021年3月14日閲覧。
- ^ 「任天堂「ゲームキューブ」年度内4百万台 国内9月、米国11月発売で」『ゲームマシン』(PDF)、第643号(アミューズメント通信社)2001年10月1日、5面。2021年3月14日閲覧。
関連項目
編集- Electronic Entertainment Expo(E3)
- 次世代ワールドホビーフェア
- ポケモンフェスタ:ポケットモンスターを参照のこと。
- Nintendo World 2006 Wii体験会
外部リンク
編集- NINTENDO SPACEWORLD'97 - ウェイバックマシン(2019年6月21日アーカイブ分)
- NINTENDOスペースワールド'99 - ウェイバックマシン(2019年3月2日アーカイブ分)
- NINTENDO スペースワールド 2000 - ウェイバックマシン(2019年3月2日アーカイブ分)
- 任天堂スペースワールド 2001 - ウェイバックマシン(2019年3月2日アーカイブ分)