内田利雄
内田 利雄(うちだ としお、1961年(昭和36年)10月5日 - )は、埼玉県出身[2]の騎手である。浦和競馬場藤原智行厩舎所属。
内田利雄 | |
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2011年2月22日 園田競馬場での表彰式 | |
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 埼玉県 |
生年月日 | 1961年10月5日(63歳) |
血液型 | A型 |
騎手情報 | |
所属団体 | 埼玉県浦和競馬組合 |
所属厩舎 | 藤原智行(浦和) |
勝負服 | 桃・白星散・桃袖 |
初免許年 | 1978年 |
経歴 | |
所属 |
室井康雄[1](宇都宮) →この間各地を転戦 →小嶋一郎(浦和) →藤原智行(浦和) |
勝負服の柄は「桃・白星散・桃袖」である[1]。この勝負服の色にちなみ「Mr.PINK(ミスターピンク)」[1]、「ピンクの勝負師」[3]の異名を持つ。
来歴
編集父がかつて川口オートレース場に所属したオートレース選手で、父の元同僚に地方競馬の宇都宮競馬場での関係者がおり、その縁から紹介され、当初は宇都宮競馬場で騎手となった。
1978年10月7日、宇都宮競馬場にて初騎乗し、翌10月8日に初勝利を収めると、以降、地方競馬で通算3145勝、JRAで通算3勝(2019年終了時点)を挙げる。この間、ブライアンズロマン、ベラミロードなどの名馬とともに、栃木地区のナンバーワン騎手として北関東競馬のみならずダートグレード競走でも活躍したほか、中央競馬のレースにも騎乗し、2002年のラジオたんぱ賞を人気薄のカッツミーで制し重賞制覇を果たしている。また、ゴールデンジョッキーカップを3度優勝している(2000年・2003年・2009年)。
売り上げの不振や同じ北関東競馬に属する高崎競馬場、足利競馬場の廃止により単独での興行が困難となったことなどの原因により、2005年3月14日のレースを最後に宇都宮競馬場が廃止されたため、それ以降はどこの競馬場・厩舎にも定着しない事実上のフリー騎手として、日本各地の地方競馬場および日本国外の競馬場を転戦していた。2012年4月12日、埼玉県浦和競馬組合に移籍、小嶋一郎厩舎に所属することが発表された[4]。2012年度はそのまま各地を転戦し、福山、岩手、園田、佐賀で騎乗した。
2011年1月9日、釜山競馬第1レースで海外(韓国・マカオ)通算100勝を達成した[5]。同年4月3日、KRAカップマイル(韓国GII)をメイセイオペラ産駒のSoseuldaemunで優勝し、韓国での重賞初制覇[6]。
小嶋一郎調教師の引退により、2014年8月1日付けで藤原智行厩舎所属となる[7]。
なお2013年現在、地方競馬において「内田」姓を名乗る騎手は彼のみであるが、JRA所属の「内田博幸」との混同を避けるため、予想紙上では、「内田利」と表記されている。(反対に、JRAの予想紙には、「内田博」と表記されている。)
宇都宮競馬廃止後の所属先
編集地方競馬では、2012年に騎手会所属騎手制度が制定されるまでフリーの騎手が認められていなかった。そのため、期間限定騎乗騎手制度を利用して遠征先の競馬場の厩舎所属となっての参戦となっている。多くの地区で騎手の移籍について事実上の年齢や人数などの制限を設けていることが、内田がこの形態を選ばざるを得ない要因のひとつとなっていた。
- 2005年6月25日〜8月16日 - 岩手・伊藤和厩舎[8]
- 2005年9月19日〜12月16日[9] - 笠松・南輝幸厩舎[10]
- 2006年1月1日〜3月3日 - 浦和・村田貴広厩舎[11]
- 2006年4月4日〜6月1日 - 兵庫・橋本和男厩舎[12]
- 2006年6月24日〜8月15日 - 岩手・伊藤和厩舎[13]
- 2006年9月2日・9月3日 - 高知[14]
- 2006年9月16日〜11月12日 - 佐賀・山田勇厩舎[15]
- 2006年11月20日〜2007年1月19日 - 浦和・村田貴広厩舎[16]
- 2007年2月9日〜2007年4月21日[17] - マカオ[17]・タイパ競馬場で騎乗。当初は3月11日までであったが、厩舎関係者の要望で1か月滞在を延長することになった。
- 2007年4月30日〜6月28日 - 兵庫・橋本和男厩舎[18]
- 2007年7月14日〜9月3日 - 水沢・佐々木修一厩舎[19]
- 2007年9月15日〜11月18日 - 佐賀・三小田幸人厩舎[17]
- 2007年12月9日〜2008年1月27日 - 福山・田代専二厩舎[20]
- 2008年2月10日・2月11日 - 高知[21]
- 2008年3月14日〜5月24日 - マカオ・タイパ競馬場
- 2008年6月6日〜12月28日 - 韓国・釜山慶南競馬場。当初は8月までの騎乗予定であった[22]が、競馬場からの要請と岩手競馬での騎乗ができなくなった[23]ため滞在を延長した[24]。
- 2009年1月12日〜3月13日 - 浦和・村田貴広厩舎[25]
- 2009年5月20日・5月21日 - 道営[26]・村上正和厩舎[27]
- 2009年6月27日〜8月17日 - 岩手・三野宮通厩舎[28]
- 2009年9月8日〜11月5日 - 兵庫・橋本和男厩舎[29]
- 2009年11月21日〜2010年1月11日 - 佐賀・三小田幸人厩舎[30]
- 2010年1月25日〜3月26日[31]、4月26日〜6月25日[32] - 浦和・村田貴広厩舎[31][32]
- 2010年7月24日〜10月11日 - 水沢・佐々木修一厩舎[33]
- 2010年11月1日[34]〜2011年8月31日 - 韓国・釜山慶南競馬場[34]。2月一杯で帰国する予定であったが、8月末まで延長。
- 2011年10月1日〜11月21日 - 水沢・佐藤祐司厩舎[35]
- 2011年12月6日〜2012年1月19日 - 兵庫・橋本和男厩舎[36]
- 2012年1月30日〜3月30日 - 浦和・小嶋一郎厩舎[37]
- 2012年4月12日〜 10月12日 - 浦和・小嶋一郎厩舎。
- 2012年10月31日〜 12月27日 - 兵庫・橋本和男厩舎。[38]
主な重賞勝利
編集- 1999年10月20日 - さくらんぼ記念(統一GIII)(ブライアンズロマン)
- 2000年9月27日 - 東京盃(統一GII)(ベラミロード)
- 2001年1月31日 - TCK女王盃(統一GIII)(ベラミロード)
- 2002年6月30日 - ラジオたんぱ賞(GIII)(カッツミー)
- 2007年3月17日 - マカオギニー(マカオGII)(HELION)[39]
- 2008年4月13日 - マカオホンコントロフィー(マカオGI)(SUPREME HERO、日本人初のマカオG1制覇)[40]
- 2008年11月30日 - ブリーダーズカップ(韓国GII)(POWERBOY)
- 2011年4月3日 - KRAカップマイル(韓国GII)(SOSEULDAEMUN)
受賞歴
編集この節の加筆が望まれています。 |
- 宇都宮競馬所属時代にNARグランプリ優秀騎手賞を10回受賞している[41]。
- 2004年[42]、2008年[43]にNARグランプリ特別賞を受賞。2004年は地方競馬通算3000勝、2008年はマカオホンコントロフィー優勝と韓国釜山でリーディングジョッキーを獲得した業績が讃えられたものである。
人物・エピソード
編集- 明るい人柄で人気を博している。
- 競馬ファンを大事にし、ファンサービスにも積極的なことで知られる。「桃夢走馬」という公式ファンクラブがあり、宇都宮所属当時、他地区に遠征したときにファンクラブの人達と自らチャーターしたバスで現地へ向かったこともある。
- パドックで馬に乗る前に騎手はファンに向かって一礼を行い、馬にも会釈をしてから乗る。パドックでの周回時、カメラを構えたファンに対し馬上から流し目を送っている[3]。
- 1998年、ダービーグランプリの騎乗を終えた後、帰りの東北新幹線の車内で同じレースに騎乗したマイケル・ロバーツと遭遇。二人は意気投合し、周囲の座席にいた競馬ファンにビールを振舞うなどして盛り上がった[44]。
- 仲の良い騎手は岩手所属で現在は調教師の菅原勲や同姓でJRA所属の内田博幸、同じくJRA所属であった青木芳之などがいる。博幸に関しては『サラブレ』のコラムでは利雄が博幸を「弟」と呼び、逆に博幸が利雄を「アニキ」と呼び合う仲である[45]。
- 小学生のころ、岩手県の軽米町で暮らしていたことがある[2]。
- 2020年、新型コロナウイルスの流行の下施行される、第25回クラスターカップ(JpnIII)に岩手競馬所属のスティンライクビーで参戦するために[46]、埼玉県から東北新幹線を利用し遠征。盛岡競馬場付近の盛岡駅に到着したところ[47]、NHK盛岡放送局に取材を受けた[48]。報道では「競馬のレースに出走するために訪れた騎手の男性」と紹介され、新型コロナウイルスへの感染対策としてフェイスシールドと不織布マスクを使用した姿で登場した[48]。
歌手活動
編集2000年8月から「ひまわる」というインディーズバンドに「リチャード・ピンク」という芸名で参加している[49]。楽曲は自身が唄う「あかね」や、ひまわるによる内田の応援歌「PINKY PINKY」などがある。フリーになってからも騎乗した先(大井・盛岡・笠松[50]・高知[14]福山)で「内田大賞典」と題するミニライブを行っている。2007年3月25日に大井競馬場で行われた第6回のときには遠征先のマカオから一時帰国して出演した[49]。楽曲はその他に「エンゲージ」「Still love」「ダートファンタジー」「百年星」「薄紅」などがある。
執筆活動
編集- 競馬雑誌『サラブレ』でコラム「さすらいジョッキーが行く!!」を執筆している。
- 携帯サイト<競馬総合チャンネル>の<地方競馬コース>で、「ちょっとピンクな話」を連載している。
脚注
編集- ^ a b c 「ミスターピンク」が東京でトークショー(11/23)(地方競馬全国協会、2004年11月19日)
- ^ a b 内田利雄騎手が母校で特別課外授業!「内田先生」になりました(岩手県競馬組合、2009年7月7日)
- ^ a b “『ピンク対談』内田利雄&岡部誠(netkeiba.com、2005年)”. 2007年1月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年4月19日閲覧。
- ^ 内田 利雄騎手の移籍について(浦和競馬、2012年4月12日)
- ^ 内田利雄騎手 海外通算100勝を達成(地方競馬全国協会、2011年1月11日)
- ^ 内田利雄騎手、メイセイオペラ産駒で韓国版皐月賞を制覇! - netkeiba.com
- ^ “浦和競馬場所属騎手の所属調教師の変更について”. 浦和競馬 (2014年7月28日). 2014年8月5日閲覧。
- ^ Mr. Pink(内田利雄騎手)が水沢で騎乗開始!(6/25〜)(地方競馬全国協会、2005年6月20日)
- ^ 内田利雄騎手が笠松での騎乗を延長(地方競馬全国協会、2005年11月22日)
- ^ Mr. Pink(内田利雄騎手)次は笠松で騎乗開始!(地方競馬全国協会、2005年8月30日)
- ^ 内田利雄・安藤光彰騎手が南関東で騎乗へ(地方競馬全国協会、2005年12月20日)
- ^ 内田利雄騎手が兵庫で期間限定騎乗へ(4/4〜)(地方競馬全国協会、2006年3月22日)
- ^ 内田利雄騎手が短期所属替で再び岩手へ(6/24〜)(地方競馬全国協会、2006年6月14日)
- ^ a b Mr.PINK 内田利雄騎手の高知来場記(地方競馬全国協会、2006年9月5日)
- ^ 内田利雄騎手、次は佐賀で期間限定騎乗(9/16〜)(地方競馬全国協会、2006年8月17日)
- ^ 内田利雄騎手が浦和で2度目の期間限定騎乗へ(地方競馬全国協会、2006年11月8日)
- ^ a b c 内田利雄騎手が佐賀で2度目の期間限定騎乗(地方競馬全国協会、2007年9月7日)
- ^ 内田利雄騎手が兵庫で2度目の期間限定騎乗(地方競馬全国協会、2007年4月25日)
- ^ 内田利雄騎手が岩手で3度目の期間限定騎乗(地方競馬全国協会、2007年7月4日)
- ^ 内田利雄騎手が福山競馬で期間限定騎乗(地方競馬全国協会、2007年11月27日)
- ^ 内田利雄騎手が高知で騎乗 - netkeiba.com
- ^ 内田利雄騎手が韓国で期間限定騎乗(6月〜)(地方競馬全国協会、2008年4月24日)
- ^ 岩手競馬は短期騎乗を1シーズンに1人と定めており、荒尾の牧野孝光がこれを行使した。
- ^ 内田利雄騎手が韓国での期間限定騎乗を延長(地方競馬全国協会、2008年9月16日)
- ^ 内田利雄騎手の期間限定騎乗について(南関東4競馬場、2009年1月9日)
- ^ 内田利雄騎手が門別で騎乗(5/20・21) - 地方競馬情報サイト
- ^ 内田利雄騎手 期間限定騎乗(ホッカイドウ競馬、2009年5月17日)
- ^ 内田利雄騎手が岩手で期間限定騎乗(6/27〜) - 地方競馬情報サイト
- ^ 内田利雄騎手の期間限定騎乗について - 園田・姫路競馬場
- ^ 内田利雄騎手が佐賀で期間限定騎乗 - Best Play!鷹馬日記 [出典無効]
- ^ a b 平成21年度期間限定騎乗騎手が決定 - nankankeiba.com
- ^ a b 平成22年度期間限定騎乗騎手が決定! - nankankeiba.com
- ^ “ミスターピンク”内田利雄騎手 今年も7月24日(土)より参戦決定! - 岩手競馬
- ^ a b 内田利雄騎手が韓国・釜山で騎乗(11月〜) - 地方競馬情報サイト
- ^ 内田利雄騎手今年も岩手での騎乗決定!10月1日より4開催のべ24日間 - 岩手競馬
- ^ 内田利雄ウエルカムセレモニーの模様 Archived 2011年9月26日, at the Wayback Machine. - 園田・姫路競馬場
- ^ 内田利雄騎手は1月30日から浦和競馬場で期間限定騎乗 - 競馬ラボ
- ^ 内田 利雄騎手の期間限定騎乗について Archived 2011年9月26日, at the Wayback Machine.(園田・姫路競馬場、2012年9月19日)
- ^ Mr.PINK 内田利雄騎手がマカオの重賞を制す!(地方競馬全国協会、2007年3月19日)
- ^ Mr.PINK内田利雄騎手がマカオG1制覇(地方競馬全国協会、2008年4月14日)
- ^ 『NARグランプリ2010』表彰馬・表彰者決定!(地方競馬全国協会、2011年1月11日)
- ^ 『NARグランプリ2004』年度代表馬はコスモバルク!(地方競馬全国協会、2005年1月12日)
- ^ 『NARグランプリ2008』表彰馬・表彰者決定!(地方競馬全国協会、2009年1月8日)
- ^ 『別冊宝島』より。[出典無効]
- ^ 『サラブレ』2010年7月号コラム
- ^ “クラスターカップ|2020年08月10日 | 競馬データベース - netkeiba.com”. db.netkeiba.com. 2020年8月13日閲覧。
- ^ “時の人、内田利雄騎手。 | 南関魂 高橋華代子の南関東競馬ブログ”. nankandamasii.jugem.jp. 2020年8月13日閲覧。
- ^ a b c “3連休の盛岡駅前の人出は低調”. NHK. NHK NEWS WEB 岩手NEWS WEB. 2020年8月14日閲覧。
- ^ a b 「トゥインクルレース オープニング DAY」 (特別区競馬組合、2007年2月26日)
- ^ Mr.PINKスペシャルライヴin笠松(11/25)(地方競馬全国協会、2005年11月14日)
関連項目
編集外部リンク
編集- 騎手登録情報 - 地方競馬情報サイト
- 騎手詳細データ - nankankeiba.com
- 公式ファンクラブ「桃夢走馬」
- ブログ「ピンクなBlog」
- バンド「ひまわる」