天壇
座標: 北緯39度52分56.1秒 東経116度24分23.7秒 / 北緯39.882250度 東経116.406583度
天壇(てんだん、簡体字中国語: 天坛、拼音: 、満洲語:ᠠᠪᡣᠠᡞ
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ᠮᡠᡴ᠋ᡩᡝᡥᡠᠨ、転写:abkai enduri mukdehun[1])は、中華人民共和国北京市東城区に位置する史跡で、明朝から清朝にかけて、皇帝が天に対して祭祀(祭天)を行った宗教的な施設(祭壇)である。敷地面積は約273ha。
天壇 | |||||||||||||||||||
繁体字 | 天壇 | ||||||||||||||||||
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簡体字 | 天坛 | ||||||||||||||||||
文字通りの意味 | "Altar of Heaven" Araceli | ||||||||||||||||||
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天壇祈年殿 | |||
英名 | Temple of Heaven: an Imperial Sacrificial Altar in Beijing | ||
仏名 | Temple du Ciel, autel sacrificiel impérial à Beijing | ||
登録区分 | 文化遺産 | ||
登録基準 | (1), (2), (3) | ||
登録年 | 1998年 | ||
公式サイト | 世界遺産センター | ||
地図 | |||
使用方法・表示 |
明の永楽18年(1420年)、永楽帝が建立したとされる。建設当時は天地壇と呼ばれていたが、嘉靖13年(1534年)、天壇と地壇に分離、天壇と呼ばれるようになった。1998年よりユネスコの世界遺産(文化遺産)に、天壇:北京の皇帝の廟壇として登録された。2024年7月27日に「北京中軸線:中華の理想的秩序を示す建造物群」の一部としてもう一つの世界遺産に登録された[2]。中国の5A級観光地(2007年認定)[3]。
天壇の周辺は天壇公園として指定され、敷地内には約3600本のイブキやコノテガシワからなる広大なヒノキ林がある[4][5]。
構成
編集皇帝が天を祭るための儀式を執り行う場所である。毎年冬至に豊作を祈る儀式を行い、雨が少ない年は雨乞いを行った。
形は天円地方の宇宙観に則り円形である。また欄干や階段などが陰陽思想でいう最大の陽数である9や、その倍数で構成されている。各壇の直径を合計すると45丈であり、これは単に9の倍数という意味だけでなく、九五之尊[7]という意味も持つ。
天壇では後述する祈年殿が有名であるが、本来的な意味では圜丘殿こそが最も重要な場所である。
皇室の皇に、大空を表す穹と、宇宙の宇という字を書く。圜丘で祭事が行なわれる時、壇の上に置かれる天の神や、歴代の皇帝の位牌をふだん安置しておく所である。
天壇でもっとも有名とされる建造物の一つで、天安門や紫禁城とともに北京のシンボル的存在とされる。祈年殿では皇帝が正月の上辛五穀豊穣を祈りを捧げた。祈年殿は直径32m、高さ38m、25本の柱に支えられる祭壇で現存する中国最大の祭壇。中国建築史上重要な建造物とされる。木造で宝頂は金メッキがなされている。屋根は瑠璃瓦葺きの三層になっており、明の時代には上から青・黄・緑となっていたが1751年にすべて青色に変えられた。1889年落雷により焼失したが、1896年に再建されている。
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圜丘壇
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皇穹宇
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祈年殿の内部
登録基準
編集この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。
- (1) 人類の創造的才能を表現する傑作。
- (2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
- (3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
脚注
編集- ^ 『欽定新清語』
- ^ ““北京中轴线——中国理想都城秩序的杰作”成功列入《世界遗产名录》”. 新華網 (2024年7月27日). 2024年7月27日閲覧。
- ^ “天坛公园”. www.mct.gov.cn. 中華人民共和国文化観光部 (2021年7月22日). 2023年2月2日閲覧。
- ^ “天坛公园:古柏林海丹青华彩”. bj.people.com.cn (2021年10月7日). 2023年5月2日閲覧。
- ^ “时光里的天坛-中青在线”. zqb.cyol.com (2019年12月3日). 2023年5月2日閲覧。
- ^ a b c 『衙署名目』
- ^ 『易経』の「乾卦」に由来する言葉であり、「飛竜天に在り」いわゆる天子を表す。