山下裕二
日本の美術史家 (1958-)
来歴
編集広島県呉市生まれ。はじめ琴の演奏家をめざす[要出典]。東京大学文学部美術史学科卒業[2]。同大学院修了[3]。東京大学では辻惟雄に師事し、日本美術史を専攻し室町時代の水墨画を研究。1990年より明治学院大学文学部芸術学科で教鞭をとる[2]。現在同大学教授。
1996年、赤瀬川原平と「日本美術応援団[注釈 1]」を結成し団長を務める[2]。専門外でも様々な絵師や画家、作品を応援し、その普及と再評価に努めている。『日本美術全集』全20巻(小学館、2012年 - 2016年[4])の編集委員を務めた[5]。
人物
編集- 山下はテレビや雑誌などの様々な媒体に登場して日本美術の普及に努めているが、2017年に「(1996年の)日本美術応援団結成当時は日本美術を積極的に見ようとする人が極めて少なかったが、その後展覧会の観客動員数やテレビの美術番組の視聴率も、西洋美術より日本美術の方が上回るようになり、日本美術をめぐる状況は劇的に変わった」と述べており、日本社会において日本美術の地位が大きく向上したことを指摘している[3]。
著書
編集- 岡本太郎宣言 平凡社 2000.1
- 室町絵画の残像 中央公論美術出版 2000.3
- 水墨画発見 平凡社 別冊太陽 日本のこころ 2003.8。図版解説
- 日本美術の二〇世紀 晶文社 2003.9
- 伊藤若冲 鳥獣花木図屏風 小学館 2006.11。図版解説
- 未来の国宝・MY国宝 小学館 2019.2
- 日本美術の底力 「縄文×弥生」で解き明かす NHK出版新書 2020.4
- 日本美術・この一点への旅 集英社 2023.9
主な共著
編集- 日本美術応援団 赤瀬川原平 日経BP社 2000.2、ちくま文庫 2004
- 京都、オトナの修学旅行 赤瀬川原平 淡交社 2001.3、ちくま文庫 2008
- 岡本太郎が撮った「日本」 岡本敏子共編 毎日新聞社 2001.4
- 雪舟応援団 赤瀬川原平 中央公論新社 2002.3
- 雪舟はどう語られてきたか 編・監修 平凡社ライブラリー 2002.2
- 日本美術の発見者たち 矢島新・辻惟雄、東京大学出版会 2003.6
- 日本美術応援団-オトナの社会科見学 赤瀬川原平 中央公論新社 2003.6、中公文庫 2011
- 日本美術観光団 赤瀬川原平 朝日新聞社 2004.5
- 若冲になったアメリカ人 ジョー・D.プライス物語 小学館 2007.6。聞き手
- 実業美術館 赤瀬川原平 文藝春秋 2007.10
- 明治の細密工芸 平凡社 別冊太陽 日本のこころ 2014
- 日本美術史 美術出版ライブラリー歴史編・美術出版社 2014。高岸輝と監修
- 驚くべき日本美術 聞き手橋本麻里 集英社インターナショナル 2015
- 日本美術応援団-今度は日本美術全集だ! 聞き手井浦新 小学館セレクトムック 2016
- 血と笑いとエロスの絵師 岩佐又兵衛 辻惟雄共編 新潮社〈とんぼの本〉2019
- 初老耽美派よろめき美術鑑賞術 高橋明也・冨田章 毎日新聞出版 2019
- 雪舟 決定版 生誕六〇〇年 平凡社 別冊太陽日本のこころ 2020。島尾新と監修
その他の活動
編集- 藤子・F・不二雄大全集『オバケのQ太郎』9巻(2011年、小学館) - 解説を執筆。
- 『THE ドラえもん展 TOKYO 2017』 - 監修[7]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.350
- ^ a b c プロフィール - 九州市民大学
- ^ a b c 自著を語る - 本の窓 小学館(アーカイブ)
- ^ 「日本美術全集」は、日本の心が紡いできた比類なき“美”を受け継ぎ、未来へと開かれた全集です。 - 小学館
- ^ 日本美術全集の刊行にあたって - 小学館
- ^ 美術史家の辻惟雄さん、「奇想の系譜」展を語る 美術展ナビ 2018年11月2日
- ^ ドラえもんが現代アートに!?見どころ満載の「THE ドラえもん展 TOKYO 2017」『小学館 DIME』2017年11月8日(2023年7月6日閲覧)