形質細胞(けいしつさいぼう、: plasma cell)は、B細胞が分化した細胞。分泌型免疫グロブリンの合成と分泌に特化しており、膜結合型免疫グロブリンやMHC II は発現されなくなる[1]

形質細胞

は偏在し、車軸核と呼ばれる。細胞質が大きく、免疫グロブリンが大量に存在する。小胞体に富んでいる。急性炎症末期から慢性炎症の病巣に出現する炎症細胞の1つでもある。B細胞-免疫芽細胞-形質細胞系は液性免疫に関与する。 血流やリンパ系によって輸送される。他のすべての血球系細胞と同じく骨髄に由来するが、これらの細胞はB細胞として骨髄を離れ、一般的にはリンパ節で最終分化する。形質細胞の腫瘍化したものは、形質細胞腫/多発性骨髄腫(multiple myeloma)と呼ばれる[2]

1918年パンデミックインフルエンザウイルススペインかぜ)に対する高齢者の抗体産生細胞の解析から、非常に長寿命(90年以上)であることが明らかになった[3]

発生

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骨髄を離れたのち、B細胞は抗原提示細胞として働き抗原を取り込む。これらの抗原はB細胞に受容体介在性エンドサイトーシス英語版によって取り込まれ、処理される。病原体の断片(今日では抗原性ペプチドとして知られる)はMHC II に担持され、細胞表面でヘルパーT細胞に提示される。これらのT細胞はMHC II/抗原複合体に結合し、B細胞を活性化する。この時、B細胞は中心芽細胞を経て記憶B細胞、ないしは形質細胞に分化するが、TH2細胞の産生するIL-5, および-6で活性化されたものが形質細胞に分化する。この形質細胞への分化はリンパ節の髄索で起こる。

参考文献

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  • 日本獣医解剖学会編集 『獣医組織学 改訂第二版』 学窓社 2003年 ISBN 4-87362-113-5
  1. ^ Parham, Peter『エッセンシャル免疫学』笹月健彦、メディカル・サイエンス・インターナショナル、2007年。ISBN 978-4-89592-470-2 
  2. ^ Ikei menekigaku.. Yata, junichi., 矢田, 純一(1934-). ISBN 978-4-498-10606-2. OCLC 1102104752. https://www.worldcat.org/oclc/1102104752 
  3. ^ Yu, Xiaocong; Tsibane, Tshidi; McGraw, Patricia A.; House, Frances S.; Keefer, Christopher J.; Hicar, Mark D.; Tumpey, Terrence M.; Pappas, Claudia et al. (2008-09). “Neutralizing antibodies derived from the B cells of 1918 influenza pandemic survivors” (英語). Nature 455 (7212): 532–536. doi:10.1038/nature07231. ISSN 0028-0836. PMC 2848880. PMID 18716625. http://www.nature.com/articles/nature07231. 

関連項目

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