彼方の閃光
『彼方の閃光 …』(かなたのせんこう、仏語:Éclairs sur l’Au-Delà … )は、オリヴィエ・メシアンが最後に完成した管弦楽作品。本作品に続く『四重奏と管弦楽のためのコンセール(Concert à quatre pour 4 soli: flûte, piano, hautbois, violoncelle et orchestre)』が絶筆であるとされているが、実際のところは未完で遺され、作曲家のジョージ・ベンジャミンとハインツ・ホリガー、そして未亡人イヴォンヌ・ロリオ=メシアンによって補筆されたため、真に絶筆であるとはいえない。
この作品はニューヨーク・フィルハーモニックから1992年の創立150周年を記念して委嘱され、1987年から1991年にかけて[1]作曲された。初演はメシアンの死の6ヵ月後、同年11月5日に、ズービン・メータの指揮によって行なわれた。
1995年3月22日 - 東京文化会館 - 東京都交響楽団、若杉 弘 - 日本初演。
演奏には総勢128人の演奏者が必要で、演奏時間も1時間以上を要する大作である。オーケストラ・スコアは総ページ数300を超える。
作曲中の1988年にメシアンはオーストラリアを訪れており、まるまる1楽章をオーストラリアのコトドリのために使用している[2]。
楽器編成
編集メシアンの全作品のうちでも最大の編成である。
演奏時間
編集約70分
楽曲構成
編集- 栄光あるキリストの出現 - Apparition du Christ glorieux
- 射手座 - La Constellation du Sagittaire
- コトドリと結婚の街 - L'Oiseau-lyre et la Ville-fiancée
- 刻印された選ばれし者 - Les Élus marqués du sceau
- 愛にとどまる - Demeurer dans l'Amour ...
- 7つのトランペットと7人の天使 - Les Sept Anges aux sept trompettes
- そして神はことごとく涙をぬぐい去ってくださる - Et Dieu essuiera toute larme de leurs yeux ...
- 星々と栄光 - Les Étoiles et la Gloire
- 生命の樹にやどる鳥たちの喜び - Plusieurs Oiseaux des arbres de Vie
- 神の道 - Le Chemin de l'Invisible
- キリスト、楽園の光 - Le Christ, lumière du Paradis
脚注
編集- ^ Fallon (2004), p. 796.
- ^ “Music? It's for the birds”, The Age, (2006-01-07)
参考文献
編集- Fallon, Robert (2004), “Music Reviews: Various Messiaen Editions”, Notes Second Series 60 (3): 795-801, JSTOR 4487244