日本の地域
日本の地域(にほんのちいき、にっぽんのちいき)とは、日本における地域のこと。本項では日本の地域ブロック(地方区分)についても述べる。
概要
編集日本国内には、歴史的な経緯・交通機関の発達・経済の変化・文化や住民の帰属意識などにより、様々な地域的まとまりが存在する。多くの場合、歴史・経済・文化的繋がりは都道府県等の行政区域とは一致しないため、これらのまとまりに名称を与える場合、複数の都道府県に跨ったり、地域名の指す範囲どうしが重複したりする。
一方、選挙区やスポーツ、道州制などによる地方区分の場合、重複が許されないため、明確な線引きを伴う定義が各機関によってなされている(次節を参照)。
一方、国の出先機関や全国展開する企業の支店は、主に支店経済都市と呼ばれる都市に拠点を置いてその周囲を管轄する形がとられ、機関や企業によって管轄範囲は様々である。
主な地域ブロック
編集国土や地域をいくつかに区分した場合の、それぞれのまとまりを地域ブロックという。日本においては都道府県の上位の地方公共団体が存在しないため、統一的な定義は存在せず、選挙区やスポーツ、各省庁の管轄区域などによって様々な分け方がある。
現代の日本の初等教育では、国内を都道府県単位で「北海道」「東北」「関東」「中部」「近畿」「中国・四国」「九州[1][2]」に分ける「七地方区分」、または中国と四国を分離した「八地方区分」が用いられることが多い。しかしながら、いずれも法的根拠は明確ではなく、「そもそも『〜地方』といわれる範囲に、法律上の明確な定義はない(総務省)」とされる[3]。国の出先機関である地方支分部局も、この区分に従わないものがほとんどである(地方整備局、地方農政局など)。
なお、明治期の教育では関東八州甲信越地方、奥羽地方、本州中部地方、北州地方などの名称、中国地方に兵庫県が含まれていたり、台湾地方が存在しているなど、現在とは名称も地方区分の範囲も異なる9地方区分が用いられる例もあった[4]。
主な地域ブロックの一覧を以下に示す。
- 北海道地方には、一度は3県が置かれたが廃止された。表では例外的に、北海道庁の(総合)振興局および同所在地を他の都府県および同所在地と同列にして表にした。
- 東北地方は、歴史などでは旧陸奥国と旧出羽国の2分割、気候・交通などでは太平洋側と日本海側の2分割が主だった分け方だった。ただし、太平洋側・日本海側の分け方では、青森県と福島県において奥羽山脈の東西に県が分割されてしまう。近年、陸上交通の再編と政治・経済情勢から、県単位の南北2分割が多用されるようになっている。
- 関東地方では、日本の首都であり、人口や経済力が突出している東京都を東京地方として単独扱いする場合もある。また、関東地方に周辺地域(山梨・長野・新潟・静岡など)を含めた「広域関東圏」とする事例もある(詳細は広域関東圏を参照)。
- 中部地方には中央高地が広がっているため、交通・文化・経済・政治など様々な結び付きの違いにより地域区分が多様である。以下に示す以外にも東山地方、信越地方などの区分もある。
- 近畿地方は、隣県を含んだり含まなかったりなどにより範囲が異なる場合がある。近畿地方#範囲などを参照。関西地方と呼ばれることもある(関西と呼ぶ場合は、三重県を含まないことが多い)。
- 九州では以下のほかに、九州と山口県をまとめて九州・山口、沖縄県単独で沖縄地方、沖縄県および奄美群島で南西諸島などと呼ばれたり、中九州・東九州・西九州といった区分もある。
「七地方区分」より大きな区分
編集二区分
編集- 東日本(東北日本)・西日本(西南日本)
- 地理的な分類の他、東京と大阪の二大都市圏、または歴史的に首都や中央政権が置かれてきた畿内または南関東を中心にした経済圏や文化圏としての分類でもある。
- 太平洋側・日本海側
- 気候や海運に関する区分。瀬戸内や内陸部の扱いはまちまちである。
- 表日本・裏日本
- 国内での経済格差が大きかった高度経済成長時代に頻繁に用いられた。
三区分
編集- 東日本・中日本・西日本
- 交通、または三大都市圏の経済圏を基にした分類。
- 北日本・東日本・西日本
- 気象情報で用いられる分類。北日本は北海道・東北、東日本は関東・中部(三重含む)、西日本は近畿(三重除く(=関西))から九州までを指す。奄美地方・沖縄県は除く。
補助的な用法
編集他の区分の補助的に用いられるもの。日本国内における方角、または、畿内や東京から見た方角での命名による。
物流と地域
編集物流業界においては、物流網に応じて様々なエリア定義がなされており、「○○地方限定」と称した販促キャンペーン等が必ずしも同じ地域を指すとは限らない[注 1]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 谷岡武雄・山口恵一郎監修・三省堂編集所編『コンサイス日本地名事典 第3版』(三省堂、1989年12月発行)の「九州地方」の項目によれば「本来,福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島の7県。実質的に1972(昭和47)復帰の沖縄を加え8県。」と記されている。
- ^ 『広辞苑』の「九州」の項目の①によると「現在は福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島の7県の総称。沖縄を含めていう場合もある。」と記されている。
- ^ 「首都圏と関東地方・山梨県を含むか含まないか」『日本経済新聞』(2012年6月16日付、S3面)
- ^ 『女子日本地理教科書. 明治34年2月』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
- ^ 地域区分 セブン-イレブンジャパン
- ^ 地区・価格表記について ファミリーマート
- ^ 地域区分について ローソン