田﨑竜太

日本の映画・テレビドラマ監督

田﨑 竜太(たさき りゅうた、1964年4月19日[1] - )は、日本の映画監督。主に特撮テレビドラマ作品の監督演出家

たさき りゅうた
田﨑 竜太
生年月日 (1964-04-19) 1964年4月19日(60歳)
出生地 日本の旗 日本東京都[1]
民族 日本人
血液型 AB型[2]
職業 映画監督演出家
ジャンル テレビドラマ映画
活動期間 1987年 - 現在
公式サイト 田﨑竜太 (@tasaki4158) - X(旧Twitter)
主な作品
テレビドラマ
仮面ライダーシリーズ
星獣戦隊ギンガマン
Sh15uya
非公認戦隊アキバレンジャー
科捜研の女
暴太郎戦隊ドンブラザーズ
映画
小さき勇者たち〜ガメラ〜
サルベージ・マイス
忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段
テンプレートを表示

東京都出身。早稲田大学第一文学部卒業。

来歴

編集

1987年、『仮面ライダーBLACK』の主役オーディションに書類整理のアルバイトで参加した際に、東映プロデューサーの堀長文に助監督をやりたいと相談し、大学在籍中に『仮面ライダーBLACK』にてサード助監督として関わり、キャリアをスタート[3][4]。その続編となる『仮面ライダーBLACK RX』ではセカンド助監督、テレビドラマシリーズ『HOTEL』でも助監督を務める[4]。それらの作品では松井昇や岩原直樹がチーフの助監督を務めており、以降松井や岩原の下で東映特撮作品の現場で助監督として長く師事する。

1993年よりスーパー戦隊シリーズの『五星戦隊ダイレンジャー』の現場に参加し渡辺勝也竹本昇と各話交代でチーフ助監督を担当[4]。その翌年の『忍者戦隊カクレンジャー』よりほぼ単独でチーフ助監督とキャリアを重ねていき、1995年、早稲田大学の先輩である東映プロデューサーの髙寺成紀の推挙により『超力戦隊オーレンジャー』の第39話「皇子決闘に死す」で本編の監督デビュー[1][4]。その翌年には寺がチーフプロデューサーを務める『激走戦隊カーレンジャー』で早くもローテーション監督に定着[4]。続く『電磁戦隊メガレンジャー』でも重要回を数多く采配したのち、1998年スタート『星獣戦隊ギンガマン』で初のメイン監督を務める[3][4]。その後、同シリーズの英語版ローカライズ作品であるパワーレンジャーシリーズの制作側が、東映に監督の貸し出しを要望していることを知り、参加を希望[5]。同シリーズのプロデューサー、ジョナサン・ヅァクワーの招聘で[6]、1999年1月に渡米[1]。同シリーズに2年携わったあと2000年10月に帰国[1]。2001年、『仮面ライダーアギト』より仮面ライダーシリーズに監督として復帰、『仮面ライダー555』まで3年連続でメイン監督としてシリーズに関わり劇場版の演出も手掛けた。その後『美少女戦士セーラームーン』を経て、子供向け特撮番組から離れ、オリジナルのSFドラマ『Sh15uya』を監督した。

2006年、初めて東映の手を離れて手がけた監督作品『小さき勇者たち〜ガメラ〜』が公開[4]。その後『仮面ライダーカブト』でOP演出&サード監督として仮面ライダーシリーズに3年ぶりに復帰、『仮面ライダー電王』から2010年スタートの『仮面ライダーオーズ/OOO』まで5作連続でパイロット演出を担当。また2010年には『星屑たちのfootage(フッテージ)』で舞台の初演出を務めた。2012年には『非公認戦隊アキバレンジャー』のメイン監督を経て、スペシャルドラマ『特捜最前線×プレイガール 2012』シリーズの演出を一手に担当した。2013年は『非公認戦隊アキバレンジャーシーズン痛』『仮面ライダー鎧武/ガイム』の2作品でパイロットを手掛ける傍ら、『科捜研の女』や舞台演出、映画を2本手掛ける。

2016年石田秀範金田治(シーズン1のみ)らと共にテレビシリーズを離れ『仮面ライダーアマゾンズ』に参加した。

2018年は『仮面ライダージオウ』にて前年の『仮面ライダービルド』から引き続きパイロットを手掛け、平成仮面ライダーシリーズでは最後のパイロット監督を務めた人物となった。翌年には1年間のレギュラー放送が決まった『科捜研の女』へ参加のため第28話を最後にテレビシリーズを離れたが、その傍らで同年夏に公開された『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』で監督を務めた。

2020年には『魔進戦隊キラメイジャー』にて『星獣戦隊ギンガマン』以来、約22年ぶりにスーパー戦隊シリーズに参加。翌年の『機界戦隊ゼンカイジャー』においてはテレビシリーズでは仮面ライダーシリーズを含めて初のセカンドパイロットを担当し、同年夏に公開された仮面ライダー50周年とスーパー戦隊45周年を記念したクロスオーバー映画『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』で監督を務め、2022年には『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』のパイロット監督を務める。

エピソード

編集
  • 早稲田大学在学中には特撮ファンサークル「怪獣同盟」に所属し、髙寺成紀は先輩、塚田英明は後輩に当たる。
  • メイン監督を初めて務めたのは『星獣戦隊ギンガマン』だが、前年度の『電磁戦隊メガレンジャー』においても、通常パイロット監督が手掛けることの多いオープニング・エンディング演出を代行しつつ、新ロボ・新戦士登場編や地方ロケ編を担当するなどメイン監督に近い役割を担っている。[独自研究?]
  • 東條昭平諸田敏ほどではないが田自身もカメオ出演したことがある。『美少女戦士セーラームーン』の「Special Act」編で主人公の父親役として登場している。テレビシリーズでは父親の姿はなかったものの、その回での終盤のみに登場し、主人公の結婚式場で泣きながら感激する姿が確認できる。
  • 特撮ヒーロー作品の世界観の違いを「ウルトラマンはきれいな箱に入った上質なお菓子、仮面ライダーは人工甘味料や着色料の入った駄菓子」と例えている[7]

作風

編集
  • 撮影プランの立て方は、事前にイメージを固めてもコンテの画に引っ張られてしまい、撮影の状況も日を追う毎に変わってくるため、なるべくギリギリに決めるという形を心掛けている[8]
  • 平成仮面ライダーシリーズでは切断描写や流血描写が禁じられているが、『仮面ライダー電王』では砂、『仮面ライダーオーズ/OOO』ではメダル、『仮面ライダー鎧武/ガイム』では果汁など代替となるものが飛び散る描写を取り入れている[9]

パイロット監督として

編集

「年間を通じて第3・4話を演出するのが一番難しい」とまで主張している。そのため『仮面ライダーW』で諸田敏が演出した第3・4話を見て「見事な第3-4話を作り上げた諸田さんはすごい。パイロットを崩して、さらに面白くした[10]」と感服したという。

  • 小笠原猛も「第3・4話はいろんな皺寄せがくるから面倒なんだよ」と田と同じような意見を雑誌インタビューで述べている[要文献特定詳細情報]。しかし反面辻野正人監督のように「第3・4話よりそりゃパイロットのほうが難しいですよ」と答える監督もおり、この問題に関しては各人によって見解は分かれる模様である。因みに田はテレビシリーズではセカンドパイロットを担当したことは1度もないが[注釈 1]、ネット配信の『仮面ライダーアマゾンズ』シーズン1、2共に3・4話を担当している。

作品

編集

テレビドラマ

編集

連続

編集

太字はパイロット担当作品。

単発

編集

映画

編集

オリジナルビデオ

編集

ネットムービー

編集
  • 仮面ライダーアマゾンズ(2016年、東映・Amazonプライム・ビデオ)
    • 仮面ライダーアマゾンズ シーズン2(2017年、東映・Amazonプライム・ビデオ)
  • ネット版 仮面ライダーオーズ 復活のコアメダル・序章(2022年、東映特撮ファンクラブ)
    • ネット版 仮面ライダーオーズ バースX誕生・序章(2022年、東映特撮ファンクラブ)

ミュージックビデオ

編集

脚本

編集
  • スワッピング・スクール(1996年、ピンクパイナップル)松井昇との共同脚本

舞台

編集

参加作品

編集

脚注

編集

注釈

編集
  1. ^ なお、スーパー戦隊シリーズでは『機界戦隊ゼンカイジャー』にてセカンドパイロットを担当した。
  2. ^ 監督デビュー
  3. ^ 助監督兼任(1、2話の小林義明監督組ではチーフ助監督を担当)
  4. ^ OPED演出も担当。
  5. ^ a b OP演出も担当。
  6. ^ 総監督も担当。

出典

編集
  1. ^ a b c d e 「21世紀をもっと面白くする映像クリエーターたち」『宇宙船』Vol.95、朝日ソノラマ、2001年3月1日、46頁、雑誌コード:01843-03。 
  2. ^ 仮面ライダー555 第8話”. 仮面ライダー555(東映公式). 東映. 2013年11月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月15日閲覧。
  3. ^ a b 「Special Interview MainStaff & SuitsActor 田竜太」『星獣戦隊ギンガマン アースの戦士たち SPECIAL PHOTO BOOK』発行:メディアワークス 発売:主婦の友社〈Dセレクション〉、1999年2月5日、84頁。ISBN 4-07-311071-3 
  4. ^ a b c d e f g 「スーパー戦隊制作の裏舞台 田竜太」『スーパー戦隊 Official Mook 20世紀』《1997 電磁戦隊メガレンジャー講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2018年6月25日、33頁。ISBN 978-4-06-509610-9 
  5. ^ 大前京太郎(構成・文)、NIRDY(構成・文)、ヤス(構成・文)「ガオレンジャーVSパワーレンジャー」『フィギュア王』No.44、ワールドフォトプレス、2001年、20頁、ISBN 978-4846523183 
  6. ^ 製作現場について”. 東映マイスター. 2009年8月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年8月23日閲覧。
  7. ^ 集英社『週刊プレイボーイ』2022年4月4日No.14 145頁
  8. ^ 「監督・田﨑竜太インタビュー」『宇宙船』Vol.106(2003年5月号)、朝日ソノラマ、2003年5月1日、12-13頁、雑誌コード:01843-05。 
  9. ^ 『OFFICIAL PERFECT BOOK GAIM WARNING FRUIT COCKTAIL [仮面ライダー鎧武/ガイム 公式完全読本]』(第1版)ホビージャパン、東京〈公式完全読本シリーズ〉、2014年12月13日、pp.68、96頁。ISBN 978-4-7986-0933-1 
  10. ^ 高田洋一 編「『仮面ライダーW座談会』監督 田﨑竜太×監督 諸田 敏×プロデューサー 塚田英明」『仮面ライダーマガジン Winter'09-'10』講談社〈講談社MOOK〉、2009年12月12日、58頁。ISBN 978-4-06-379395-6。雑誌 64201-69。 
  11. ^ 機界戦隊ゼンカイジャー 第3カイ! マジでぬぬぬな魔法使い!”. 東映. 2021年3月14日閲覧。
  12. ^ 『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』2022年のスーパー戦隊はいまだかつて見たことのないヒ-ローが誕生!”. スーパーせんたい公式ファミリーサイト スーパーせんたいフレンズ. 東映. 2021年12月22日閲覧。
  13. ^ 新たな仮面ライダーが判明、カードを多彩に操る錬金術師「仮面ライダーガッチャード」”. 映画ナタリー. ナターシャ (2023年7月21日). 2024年8月25日閲覧。
  14. ^ “劇場版 仮面ライダーアマゾンズ Season1 覚醒 : 作品情報 - 映画.com” (日本語). 映画.com. https://eiga.com/movie/88937/ 2018年5月31日閲覧。 
  15. ^ “劇場版 仮面ライダーアマゾンズ Season2 輪廻 : 作品情報 - 映画.com” (日本語). 映画.com. https://eiga.com/movie/88938/ 2018年5月31日閲覧。 
  16. ^ 「ブンブンジャー」「ガッチャード」夏映画の予告解禁、入場者特典情報も”. 映画ナタリー. ナターシャ (2024年6月23日). 2024年6月23日閲覧。
  17. ^ 「セイバー+ゼンカイジャー」本ビジュアル公開、メインキャストとスタッフも解禁”. 映画ナタリー (2021年6月20日). 2021年6月20日閲覧。
  18. ^ 「仮面ライダーオーズ」10年後を描く新作Vシネ、特報で「おかえり、アンク」”. 映画ナタリー (2021年11月5日). 2021年11月5日閲覧。
  19. ^ 星屑たちのfootage(フッテージ)take2 | 劇団 球
  20. ^ あうるすぽっと 公演情報 おれの舞台

外部リンク

編集