親衛隊上級大佐
親衛隊上級大佐(しんえいたいじょうきゅうたいさ)は、国民社会主義ドイツ労働者党(ナチス党)の親衛隊(SS)の階級「SS-Oberführer」の訳語の一つである。
「Oberführer」(オーベルフューラー、直訳すると上級指導者)は親衛隊(SS)に限らず、突撃隊(SA)、国家社会主義自動車軍団(NSKK)、国家社会主義航空軍団(NSFK)といったナチス党組織に存在した階級である。ドイツ国防軍の少将(Generalmajor)と大佐(Oberst)の間に位置する階級であるため、「(SS,SA,NSKK,NSFK)上級大佐」もしくは「(SS,SA,NSKK,NSFK)准将」と訳される。
もともとは将官の最下級の階級、すなわち「准将」のような階級と見なされていたが、後に将官待遇の佐官階級、すなわち「上級大佐」のような階級とみなされるようになっていった。この階級から将官を示すコートのシルバーグレーの下襟、将官用制帽の着用が許されていた[1]。
米英では訳さず原文を用いるが、敢えて訳す場合には陸軍の階級呼称を利用して SS (もしくはSA,NSKK,NSFK)senior colonel と訳される。
親衛隊(SS)
編集親衛隊上級大佐(SS-Oberführer)は、一般親衛隊と武装親衛隊に存在した階級である。親衛隊准将とも訳される。親衛隊大佐(SS-Standartenführer)の上位、親衛隊少将(SS-Brigadeführer)の下位に位置する。
警察業務にあたる親衛隊上級大佐は警察大佐(Oberst der Polizei) の階級も併せて持っていることが多い。
階級章
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襟章
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1929年から1942年までの襟章
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肩章(武装SS)
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医療部隊の肩章(武装SS)
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迷彩服の階級章(武装SS)
主なSS上級大佐
編集- エマヌエル・シェーファー(SD将校。アインザッツグルッペン指揮官。)
- ユリアン・シェルナー(クラクフ親衛隊及び警察指導者。映画「シンドラーのリスト」の登場人物。)
- アルトゥーレ・シルガイリス(ラトビア人義勇兵部隊指揮官)
- オスカール・ディルレヴァンガー(第36SS武装擲弾兵師団の師団長)
- フリードリヒ・パンツィンガー(国家保安本部5局刑事警察局長。アインザッツグルッペン指揮官)
- エミール・モーリス(ナチ党古参党員。アドルフ・ヒトラーの初期の親しい側近。)
突撃隊(SA)
編集突撃隊上級大佐(SA-Oberführer)は突撃隊に存在した階級である。突撃隊准将とも訳される。突撃隊大佐(SA-Standartenführer)の上位、突撃隊少将(突撃隊少将)(SA-Brigadeführer)の下位に位置する階級である。
主なSA上級大佐
編集- ハンス=ヨアヒム・フォン・ファルケンハウゼン(Hans-Joachim von Falkenhausen)(「長いナイフの夜」の際に粛清)
- ハインリヒ・ヒムラー(親衛隊全国指導者。突撃隊隊員時代の階級)
- ゴットロープ・ベルガー(親衛隊大将。親衛隊本部長官。突撃隊隊員時代の階級)
国家社会主義自動車軍団(NSKK)
編集国家社会主義自動車軍団上級大佐(NSKK-Oberführer)は国家社会主義自動車軍団(NSKK)に存在した階級である。国家社会主義自動車軍団准将とも訳される。国家社会主義自動車軍団大佐(NSKK-Standartenführer)の上位、国家社会主義自動車軍団少将(NSKK-Brigadeführer)の下位に位置する階級である。
階級章
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襟章
主なNSKK上級大佐
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国家社会主義航空軍団(NSFK)
編集国家社会主義航空軍団上級大佐(NSFK-Oberführer)は国家社会主義航空軍団(NSFK)に存在した階級である。国家社会主義航空軍団准将とも訳される。国家社会主義航空軍団大佐(NSFK-Standartenführer)の上位、国家社会主義航空軍団少将(NSFK-Brigadeführer)の下位に位置する階級である。
階級章
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襟章
主なNSFK上級大佐
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脚注
編集- ^ ロビン・ラムスデン著「ナチス親衛隊軍装ハンドブック」(原書房)、71ページ。ISBN 978-4562029297
関連項目
編集下位 親衛隊大佐 SS-Standartenführer |
親衛隊階級 親衛隊上級大佐 SS-Oberführer |
上位 親衛隊少将 SS-Brigadeführer |