2022年オーストラリアグランプリ
2022年オーストラリアグランプリ(英: 2022 Australian Grand Prix)は、2022年のF1世界選手権の第3戦として、2022年4月10日にアルバート・パーク・サーキットにて開催。
レース詳細 | |||
---|---|---|---|
日程 | 2022年シーズン第3戦 | ||
決勝開催日 | 4月10日 | ||
開催地 |
アルバート・パーク・サーキット オーストラリア・メルボルン | ||
コース長 | 5.278km | ||
レース距離 | 58周 (306.124km) | ||
決勝日天候 | 晴れ | ||
ポールポジション | |||
ドライバー | |||
タイム | 1:17.868 | ||
ファステストラップ | |||
ドライバー | シャルル・ルクレール | ||
タイム | 1:20.260 | ||
決勝順位 | |||
優勝 | |||
2位 | |||
3位 |
正式名称は「Formula 1 Heineken Australian Grand Prix 2022」[1]。
背景
編集- サーキット
- アルバート・パーク・サーキットでの1996年の初開催以来、初めて路面の再舗装とレイアウトの変更が行われた。ターン1や3など各所のコース幅の拡張のほか、セクター2のターン9,10が廃止されたことでターン8からターン11(旧ターン13)まで高速コーナーが続くことになり、それに合わせてDRS区間が追加された(FP3前に取り除かれた)。予想では従来よりも平均速度が15km/hほど上がり、ラップタイムも5秒速くなると見られていた[2][3]。
- タイヤ
- 本レースでピレリが持ち込むドライ用タイヤのコンパウンドはハード(白):C2、ミディアム(黄):C3、ソフト(赤):C5の組み合わせで[4]、不連続のコンパウンドが供給されるのは2018年ロシアGP以来[5]。不連続の組合せの理由としてピレリ側は、C3とC4のパフォーマンス差が小さかったからと説明した[6]。
当初は4箇所設置されていたが、安全上の理由からターン8から9にかけて設置された旧DRS1がFP3開始前に取り除かれた[8]。
- DRS1:ターン10より100m先から(ターン9より130m手前)
- DRS2:ターン14より30m先から(ターン13より90m手前)
- DRS3:ターン2より30m先から(DRS2と同様)
エントリーリスト
編集セバスチャン・ベッテルが本戦から復帰した[9]。
チーム | No. | ドライバー | コンストラクター | シャシー | パワーユニット |
---|---|---|---|---|---|
メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム | 63 | ジョージ・ラッセル | メルセデス | F1 W13 | メルセデス M13 E Performance |
44 | ルイス・ハミルトン | ||||
オラクル・レッドブル・レーシング | 1 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル | RB18 | レッドブル・パワートレインズ RBPTH001 |
11 | セルジオ・ペレス | ||||
スクーデリア・フェラーリ | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | F1-75 | フェラーリ 066/7 |
55 | カルロス・サインツ | ||||
マクラーレンF1チーム | 3 | ダニエル・リカルド | マクラーレン | MCL36 | メルセデス M13 E Performance |
4 | ランド・ノリス | ||||
BWT・アルピーヌF1チーム | 14 | フェルナンド・アロンソ | アルピーヌ | A522 | ルノー E-Tech RE22 |
31 | エステバン・オコン | ||||
スクーデリア・アルファタウリ | 10 | ピエール・ガスリー | アルファタウリ | AT03 | レッドブル・パワートレインズ RBPTH001 |
22 | 角田裕毅 | ||||
アストンマーティン・アラムコ・コグニザント・フォーミュラワン・チーム | 18 | ランス・ストロール | アストンマーティン | AMR22 | メルセデス M13 E Performance |
5 | セバスチャン・ベッテル | ||||
ウィリアムズ・レーシング | 23 | アレクサンダー・アルボン | ウィリアムズ | FW44 | メルセデス M13 E Performance |
6 | ニコラス・ラティフィ | ||||
アルファロメオF1チーム・オーレン | 77 | バルテリ・ボッタス | アルファロメオ | C42 | フェラーリ 066/7 |
24 | 周冠宇 | ||||
ハースF1チーム | 20 | ケビン・マグヌッセン | ハース | VF-22 | フェラーリ 066/7 |
47 | ミック・シューマッハ | ||||
ソース: [10] |
フリー走行
編集- FP1[11]
- 2022年4月8日 13:00 AEST(UTC+10)
- トップはカルロス・サインツ。デブリとトラブルで停車したマシンの回収のために2度赤旗中断となった。セッション終了後にはセバスチャン・ベッテルがスクーターで許可無くコースに進入したとして罰金が科された。
予選
編集2022年4月9日 16:00 AEST(UTC+10)(文章の出典[14])
ポールはシャルル・ルクレールで今季2度目。2番手に0.286秒差でマックス・フェルスタッペン、3番手にセルジオ・ペレスが続いた。Q1の残り2分でニコラス・ラティフィとランス・ストロールが接触し赤旗中断となった。さらに終了後にはアレクサンダー・アルボンがコース上にマシンを止めたことによりQ2開始が遅れた。
予選結果
編集順位 | No. | ドライバー | コンストラクター | Q1 | Q2 | Q3 | Grid |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 1:18.881 | 1:18.606 | 1:17.868 | 1 |
2 | 1 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル-RBPT | 1:18.580 | 1:18.611 | 1:18.154 | 2 |
3 | 11 | セルジオ・ペレス | レッドブル-RBPT | 1:18.834 | 1:18.340 | 1:18.240 | 3 |
4 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン-メルセデス | 1:19.280 | 1:19.066 | 1:18.703 | 4 |
5 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 1:19.401 | 1:19.106 | 1:18.825 | 5 |
6 | 63 | ジョージ・ラッセル | メルセデス | 1:19.405 | 1:19.076 | 1:18.933 | 6 |
7 | 3 | ダニエル・リカルド | マクラーレン-メルセデス | 1:19.665 | 1:19.130 | 1:19.032 | 7 |
8 | 31 | エステバン・オコン | アルピーヌ-ルノー | 1:19.605 | 1:19.136 | 1:19.061 | 8 |
9 | 55 | カルロス・サインツ | フェラーリ | 1:18.983 | 1:18.469 | 1:19.408 | 9 |
10 | 14 | フェルナンド・アロンソ | アルピーヌ-ルノー | 1:19.192 | 1:18.815 | No Time | 10 |
11 | 10 | ピエール・ガスリー | アルファタウリ-RBPT | 1:19.580 | 1:19.226 | 11 | |
12 | 77 | バルテリ・ボッタス | アルファロメオ-フェラーリ | 1:19.251 | 1:19.410 | 12 | |
13 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ-RBPT | 1:19.742 | 1:19.424 | 13 | |
14 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ-フェラーリ | 1:19.910 | 1:20.155 | 14 | |
15 | 47 | ミック・シューマッハ | ハース-フェラーリ | 1:20.104 | 1:20.465 | 15 | |
16 | 20 | ケビン・マグヌッセン | ハース-フェラーリ | 1:20.254 | 16 | ||
17 | 5 | セバスチャン・ベッテル | アストンマーティン・アラムコ-メルセデス | 1:21.149 | 17 | ||
18 | 6 | ニコラス・ラティフィ | ウィリアムズ-メルセデス | 1:21.372 | 18 | ||
DSQ | 23 | アレクサンダー・アルボン | ウィリアムズ-メルセデス | 1:20.135 | 201 | ||
107% time: 1:24.080 | |||||||
NC | 18 | ランス・ストロール | アストンマーティン・アラムコ-メルセデス | No Time | 192 | ||
ソース:[15][16] |
決勝
編集2022年4月10日 15:00 AEST(UTC+10)(文章の出典[20])
優勝はシャルル・ルクレール。2位にセルジオ・ペレス、3位にジョージ・ラッセルとなった。
オープニングラップは接触も無くスムーズなスタートとなった。9番手スタートのカルロス・サインツはハードタイヤでのスタートだったが蹴り出しが悪く、ポジションを5つも落としたうえ、2周目にはターン9で姿勢を乱しターン10のアウト側のグラベルに捕まりリタイア。サインツのマシン回収の為にSCが導入され、7周目にレースは再開した。20周目前後からシャルル・ルクレールなど上位勢がピットインをした直後にセバスチャン・ベッテルがターン4の立ち上がりで姿勢を乱しクラッシュ。再びSCが導入された。ジョージ・ラッセルはこのタイミングでピット作業を行い、3位まで順位を上げた。39周目には2位を走行していたマックス・フェルスタッペンがコース脇にマシンを停めてリタイア。マシンの処理の間はVSCが導入され、ハードタイヤでスタートしたフェルナンド・アロンソなどはピット作業を行ったが、アレクサンダー・アルボンはステイアウトを選択した。アルボンは57周目までハードタイヤで走り続け、ラストラップのみソフトタイヤで走り10位で完走し1ポイントを獲得した。なお、優勝したルクレールはファステストラップと全周回ラップリーダーも記録し、自身初のグランドスラムを達成した[21]。
レース結果
編集順位 | No. | ドライバー | コンストラクター | 周回数 | タイム/リタイア原因 | Grid | Pts. |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 58 | 1:27:46.548 | 1 | 26FL |
2 | 11 | セルジオ・ペレス | レッドブル-RBPT | 58 | +20.524 | 3 | 18 |
3 | 63 | ジョージ・ラッセル | メルセデス | 58 | +25.593 | 6 | 15 |
4 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 58 | +28.543 | 5 | 12 |
5 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン-メルセデス | 58 | +53.303 | 4 | 10 |
6 | 3 | ダニエル・リカルド | マクラーレン-メルセデス | 58 | +53.737 | 7 | 8 |
7 | 31 | エステバン・オコン | アルピーヌ-ルノー | 58 | +61.683 | 8 | 6 |
8 | 77 | バルテリ・ボッタス | アルファロメオ-フェラーリ | 58 | +68.439 | 12 | 4 |
9 | 10 | ピエール・ガスリー | アルファタウリ-RBPT | 58 | +76.221 | 11 | 2 |
10 | 23 | アレクサンダー・アルボン | ウィリアムズ-メルセデス | 58 | +79.382 | 20 | 1 |
11 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ-フェラーリ | 58 | +81.695 | 14 | |
12 | 18 | ランス・ストロール | アストンマーティン・アラムコ-メルセデス | 58 | +88.5981 | 19 | |
13 | 47 | ミック・シューマッハ | ハース-フェラーリ | 57 | +1 Lap | 15 | |
14 | 20 | ケビン・マグヌッセン | ハース-フェラーリ | 57 | +1 Lap | 16 | |
15 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ-RBPT | 57 | +1 Lap | 13 | |
16 | 6 | ニコラス・ラティフィ | ウィリアムズ-メルセデス | 57 | +1 Lap | 18 | |
17 | 14 | フェルナンド・アロンソ | アルピーヌ-ルノー | 57 | +1 Lap | 10 | |
Ret | 1 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル-RBPT | 38 | DNF | 2 | |
Ret | 5 | セバスチャン・ベッテル | アストンマーティン・アラムコ-メルセデス | 22 | DNF | 17 | |
Ret | 55 | カルロス・サインツ | フェラーリ | 1 | DNF | 9 | |
ソース:[22][23] |
達成された主な記録
編集- グランドスラム:シャルル・ルクレール(F1史上26人目)[21]
第3戦終了時点のランキング
編集ワールド・チャンピオンシップ
編集
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- 注:いずれもトップ5まで掲載。
順位 | ドライバー | 獲得数 | |
---|---|---|---|
1 | シャルル・ルクレール | 3 | |
ソース:[26] |
- 注:いずれもトップ5まで掲載。
- 注:ファストテストラップアワードは同数の場合、カウントバック方式がとられている。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ “Australian Grand Prix 2022 - F1 Race”. The Official F1 Website. 2022年4月4日閲覧。
- ^ “F1オーストラリアGPの予選タイムが5秒速くなる? アルバートパークの改修工事が進行中”. jp.motorsport.com (2022年4月2日). 2022年4月6日閲覧。
- ^ “F1オーストラリアGP、史上最多のDRSゾーン…初のレイアウト変更を経て”. Fomula1-Data (2022年4月5日). 2022年4月6日閲覧。
- ^ “ピレリF1、2022年シーズン開幕3戦で使用するタイヤコンパウンドを発表。メルボルンはひとつ飛ばしの選択に”. auto sport Web (2022年3月9日). 2022年3月16日閲覧。
- ^ “オーストラリアGPに異例構成…ピレリ、2022年F1序盤3戦のタイヤ選択を発表”. Fomula1-Data (2022年3月8日). 2022年4月4日閲覧。
- ^ “「C3とC4のパフォーマンス差が小さかった」ピレリ、F1オーストラリアGPでのひとつ飛ばしのタイヤ選択について説明”. auto sport Web (2022年4月7日). 2022年4月7日閲覧。
- ^ “2022 Australian Grand Prix - Race Director's Note - Circuit Map V2.pdf” (英語). FIA.com (2022年4月9日). 2022年4月12日閲覧。
- ^ “F1オーストラリアGP、FP3を前に急きょDRSゾーンを1つ撤去”. Fomula1-Data (2022年4月9日). 2022年4月11日閲覧。
- ^ “アストンマーティンF1、第3戦オーストラリアGPからのセバスチャン・ベッテル復帰を発表”. auto sport Web (2022年3月31日). 2022年4月4日閲覧。
- ^ “2022 Australian Grand Prix - Entry List.pdf”. FIA.com (2022年4月8日). 2022年4月8日閲覧。
- ^ “最速サインツ、前回ポールを0.7秒上回る! ベッテルはPU交換…更には罰金処分 / F1オーストラリアGP《FP1》結果とダイジェスト”. Fomula1-Data (2022年4月8日). 2022年4月12日閲覧。
- ^ “フェラーリ対レッドブルの最速争いにアルピーヌが参戦、ベッテルは初日水の泡 / F1オーストラリアGP《FP2》結果とダイジェスト”. Fomula1-Data (2022年4月8日). 2022年4月12日閲覧。
- ^ “四つ巴? ノリスが予選を前に最速! ベッテルの悪夢終わらずアストンW事故 / F1オーストラリアGP《FP3》結果とダイジェスト”. Fomula1-Data (2022年4月9日). 2022年4月12日閲覧。
- ^ “2度の赤旗、ルクレールが今季2度目のPP!フェルスタッペンは落胆 / F1オーストラリアGP《予選》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2022年4月9日). 2022年4月13日閲覧。
- ^ “FORMULA 1 HEINEKEN AUSTRALIAN GRAND PRIX 2022 - QUALIFYING”. formula1.com (2022年4月9日). 2022年4月12日閲覧。
- ^ “FORMULA 1 HEINEKEN AUSTRALIAN GRAND PRIX 2022 - STARTING GRID”. formula1.com (2022年4月9日). 2022年4月12日閲覧。
- ^ “2022 Australian Grand Prix - Offence - Car 23 - Fuel sample.pdf” (英語). FIA.com (2022年4月9日). 2022年4月11日閲覧。
- ^ “Document 51 - FIA Document Management System” (英語). FIA.com (2022年4月9日). 2022年4月11日閲覧。
- ^ “Document 48 - FIA Document Management System” (英語). FIA.com (2022年4月9日). 2022年4月11日閲覧。
- ^ “ルクレール圧勝!フェルスタッペン、今季2度目DNF「許されない」PU無関係か / F1オーストラリアGP《決勝》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2022年4月10日). 2022年4月13日閲覧。
- ^ a b “F1史上26人目の完全無欠試合…死角なきルクレール、”成熟”の背後にあるマインドセットの変化”. Fomula1-Data (2022年4月11日). 2022年4月13日閲覧。
- ^ “FORMULA 1 HEINEKEN AUSTRALIAN GRAND PRIX 2022 - RACE RESULT”. Formula1.com (2022年4月10日). 2022年4月13日閲覧。
- ^ “FORMULA 1 HEINEKEN AUSTRALIAN GRAND PRIX 2022 - FASTEST LAPS”. Formula1.com (2022年4月10日). 2022年4月13日閲覧。
- ^ “2022 Australian Grand Prix - Offence - Car 18 - More than one change of direction.pdf” (英語). FIA.com (2022年4月10日). 2022年4月13日閲覧。
- ^ a b “Formula One 2022 Australian Grand Prix Standings”. Motorsport Stats (2022年4月10日). 2022年10月11日閲覧。
- ^ “2022 DHL FASTEST LAP AWARD”. Formula1.com (2022年4月10日). 2022年4月13日閲覧。
前戦 2022年サウジアラビアグランプリ |
FIA F1世界選手権 2022年シーズン |
次戦 2022年エミリア・ロマーニャグランプリ |
前回開催 2019年オーストラリアグランプリ 2020年, 2021年は中止。 |
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