AMD FX
AMD FX(エフエックス)は、AMDのx86系Bulldozerアーキテクチャのマイクロプロセッサ。
生産時期 | 2011年から |
---|---|
販売者 | AMD |
設計者 | AMD |
生産者 | GlobalFoundries |
CPU周波数 | 2.8 GHz から 4.7 (Turbo 5.0) GHz |
プロセスルール | 32 nm から 28 nm |
マイクロアーキテクチャ | |
命令セット | AMD64 |
拡張命令 |
|
コア数 | 4, 6, 8 |
ソケット | Socket AM3+ |
コードネーム |
|
前世代プロセッサ | Phenom II(K10) |
次世代プロセッサ | Ryzen(Zen系) |
概要
編集32nm SOIを用いて製造される。前のPhenom IIの45nm SOIに比べ劣るものの小さなコアで多コアを実現できるとして開発された[1]。ただし、これは後述する簡略化によって達成されている。
2基の整数演算ユニットが1基のFPUを共有する構成になっているため、Phenom II X6やインテルCPUに比べ、浮動小数点演算に劣るとの評がある[2]。
登場までの経緯
編集FXは新しく開発されたBulldozerアーキテクチャを採用したCPUである。世界初の4モジュール8コアプロセッサーの触れ込みで発売された[3]。しかしながら、シングルスレッド性能、マルチスレッド性能ともインテルのCore i7には全く太刀打ちできず、価格で勝負することになる。最終モデルはFX-9590である。
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登場から現在まで
編集Phenom IIと比べ、簡略化のため整数演算等のシステムを変えたことによりコアごとのパフォーマンスが劣ることにより見劣りするとの評が出ている[4][5]。これは開発者が語っている通り、デュアルコア以上動作のソフトに対するものによるもので、Phenom IIとFXのCPUとソフトウェアの関係に対するアプローチの違いに拠っている。また、開発者側はCPUの進化が早くソフトウェア側が追いついていないとも、容易にFXに最適化された環境がすぐには整わないとも語っている。しかし、簡略化は容易な性能アップ方法のクロックアップが出来ると主張されている[6]。その他はTDPが上がり気味だったAMD CPUであるが、Phenom IIの第1世代Turbo COREに対し、改良された第2世代でクロックアップが容易になったとされている[7]。
これらの状況に対してAMD側はマイクロソフトに働きかけ、FPUの共有時におけるクセ改善のため、Win7でFXに対応するパッチを公開した。後継のWin8では初めから組み込まれている。
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ラインナップ
編集8コア(4モジュール)のFX-8xxxシリーズ、6コア(3モジュール)のFX-6xxxシリーズ、4コア(2モジュール)のFX-4xxxシリーズの製品が発売される。これらとは別にサーバ向けとしてBulldozerベースのOpteron(16コアモデルなど)も販売を開始している。
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Bulldozer
編集モデル | [モジュール/FPU]コア/スレッド | 動作周波数 (GHz) | キャッシュ (MB) | ソケット | 製造プロセス | TDP (W) | 発売時期 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Base | ターボ | L2 | L3 | ||||||||
全コア | Max | ||||||||||
FX-8xxxシリーズ | FX-8170 | [4]8 | 3.9 | - | 4.5 | 2.0 x 4 | 8.0 | AM3+ | 32nmSOI | 140 | 発売中止 |
FX-8150 | 3.6 | 3.9 | 4.2 | 125 | 2011年11月4日 | ||||||
FX-8120 | 3.1 | 3.4 | 4.0 | ||||||||
FX-8100 | 2.8 | 3.1 | 3.7 | 95 | 2011年Q4 | ||||||
FX-6xxxシリーズ | FX-6200 | [3]6 | 3.8 | - | 4.1 | 2.0 x 3 | 8.0 | AM3+ | 32nmSOI | 125 | 2012年Q1 |
FX-6120 | 3.6 | 4.2 | 95 | ||||||||
FX-6100 | 3.3 | 3.6 | 3.9 | 2011年Q4 | |||||||
FX-4xxxシリーズ | FX-4170 | [2]4 | 4.2 | - | 4.3 | 2.0 x 2 | 8.0 | AM3+ | 32nmSOI | 125 | 2012年Q1 |
FX-B4150 | 3.8 | 3.9 | 4.0 | 95 | 2011年Q4 | ||||||
FX-4100 | 3.6 | 3.7 | 3.8 |
Piledriver
編集モデル | [モジュール/FPU]コア/スレッド | 動作周波数 (GHz) | キャッシュ (MB) | ソケット | 製造プロセス | TDP (W) | 発売時期 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Base | ターボ | L2 | L3 | ||||||||
全コア | Max | ||||||||||
FX-9xxxシリーズ | FX-9590 | [4]8 | 4.7 | - | 5.0 | 2.0 x 4 | 8.0 | AM3+ | 32nmSOI | 220 | 2013年6月11日 |
FX-9370 | 4.4 | 4.7 | |||||||||
FX-8xxxシリーズ | FX-8370 | [4]8 | 4.0 | - | 4.3 | 2.0 x 4 | 8.0 | AM3+ | 32nmSOI | 125 | 2014年09月02日 |
FX-8350 | 4.1 | 4.2 | 2012年10月23日 | ||||||||
FX-8320 | 3.5 | 3.8 | 4.0 | ||||||||
FX-8310 | 3.4 | 3.6 | 4.3 | 未定 | |||||||
FX-8300 | 3.3 | 3.8 | 4.2 | 95 | 2012年12月29日[8] | ||||||
FX-8370E | 3.3 | 3.6 | 4.3 | 95 | 2014年09月02日 | ||||||
FX-8320E | 3.2 | 3.5 | 4.0 | ||||||||
FX-6xxxシリーズ | FX-6350 | [3]6 | 3.9 | - | 4.2 | 2.0 x 3 | 8.0 | AM3+ | 32nmSOI | 125 | 2013年04月30日 |
FX-6300 | 3.5 | 3.8 | 4.1 | 95 | 2012年11月10日 | ||||||
FX-4xxxシリーズ | FX-4350 | [2]4 | 4.2 | - | 4.3 | 2.0 x 2 | 8.0 | AM3+ | 32nmSOI | 125 | 2013年04月30日 |
FX-4320 | 4.0 | 4.1 | 4.2 | 4.0 | 95 | 未定 | |||||
FX-4300 | 3.8 | - | 4.0 | 2012年10月27日 |
脚注
編集- ^ “AMD FXの性能が発揮されない理由をAMD担当者に聞く。性能向上のカギはOSやソフトウェアの最適化か”. 4Gamer.net. 2013年3月20日閲覧。
- ^ “Piledriver世代のAMD FXは,競合と戦えるようになったか”. 4Gamer.net. 2013年3月20日閲覧。
- ^ 一般ユーザー用としてである。FXが登場する以前に8コア以上はすでにサーバー用のOpteronシリーズが存在する。
- ^ “AMD FXの性能が発揮されない理由をAMD担当者に聞く。性能向上のカギはOSやソフトウェアの最適化か”. 4Gamer.net. 2013年3月20日閲覧。
- ^ “Bulldozer世代の8コアCPU「AMD FX」"Zambezi"徹底攻略 - 性能ベンチマーク編”. 2013年3月20日閲覧。
- ^ “AMD,Bulldozerアーキテクチャ採用の新世代CPU「FX」を正式発表。発売は10月下旬以降に”. 4Gamer.net. 2013年3月20日閲覧。
- ^ “「AMD FX」の謎を探る基礎検証レポート。FXはなぜ「ゲーマー向けでない」のか”. 4Gamer.net. 2013年3月20日閲覧。
- ^ 発売されているが、なぜか公式HPではアナウンスされていない