B型インフルエンザウイルス
B型インフルエンザウイルス(ビーがたインフルエンザウイルス、Influenzavirus B)とはオルソミクソウイルス科のB型インフルエンザウイルス属に属する唯一の種である。
B型インフルエンザウイルス | ||||||||||||
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分類 | ||||||||||||
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歴史
編集1940年、アメリカで新たなインフルエンザウイルスが発見され、B型インフルエンザウイルスと命名された[1]。
1987年にオーストラリアのビクトリア州で分離されたビクトリア系統、1988年に日本の山形県で分離された山形系統の2系統が存在する[2]。
アメリカでは、1990年代に山形系統が猛威を振るったが、21世紀に入ると次第に患者が減少。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行に入った2020年3月以降、自然流行株の検出例は無くなった。これを受け2024年、アメリカ食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は、山形系統を除いたインフルエンザワクチンを全会一致で推奨した[3]。
解説
編集B型インフルエンザはヒトとアシカ亜目のみに感染して[4]、インフルエンザを引き起こす。構造的に類似して共に抗原連続変異と遺伝子再集合が認められるA型インフルエンザと比較してB型インフルエンザのパンデミックが発生しない理由としては宿主域が狭いためであると考えられている[5][6][7]。
脚注
編集- ^ 「新型カゼが流行」『日本経済新聞』昭和25年12月13日3面
- ^ “「山形系統」の名の由来”. ウェザーニュース. 2020年2月4日閲覧。
- ^ “インフルB型「山形系統」コロナ禍で消滅か、米で3価ワクチンに切り替え”. CNN (2024年3月6日). 2024年3月11日閲覧。
- ^ Osterhaus AD, Rimmelzwaan GF, Martina BE, Bestebroer TM, Fouchier RA (2000). “Influenza B virus in seals”. Science 288 (5468): 1051–3. PMID 10807575.
- ^ Hay AJ, Gregory V, Douglas AR, Lin YP (2001). “The evolution of human influenza viruses”. Philos. Trans. R. Soc. Lond., B, Biol. Sci. 356 (1416): 1861–70. doi:10.1098/rstb.2001.0999. PMID 11779385.
- ^ Matsuzaki Y, Sugawara K, Takashita E, Muraki Y, Hongo S, Katsushima N, Mizuta K, Nishimura H (2004). “Genetic diversity of influenza B virus: the frequent reassortment and cocirculation of the genetically distinct reassortant viruses in a community”. J. Med. Virol. 74 (1): 132–40. doi:10.1002/jmv.20156. PMID 15258979.
- ^ Lindstrom SE, Hiromoto Y, Nishimura H, Saito T, Nerome R, Nerome K (1999). “Comparative analysis of evolutionary mechanisms of the hemagglutinin and three internal protein genes of influenza B virus: multiple cocirculating lineages and frequent reassortment of the NP, M, and NS genes”. J. Virol. 73 (5): 4413–26. PMID 10196339.