S・S・ラージャマウリ(S. S. Rajamouli[1]1973年10月10日[2] - )は、インドテルグ語映画で活動する映画監督脚本家カルナータカ州ライチュール出身で、父親は脚本家のV・ヴィジャエーンドラ・プラサード、妻は美術デザイナーのラーマ・ラージャマウリ英語版で、彼女との間に2人の子供がいる[3]

S・S・ラージャマウリ
S. S. Rajamouli
S. S. Rajamouli
『RRR』プロモーション活動中のS・S・ラージャマウリ(2021年)
本名 Koduri Srisaila Sri Rajamouli
生年月日 (1973-10-10) 1973年10月10日(51歳)
出生地 インドの旗 インド カルナータカ州ライチュール
職業 映画監督脚本家
ジャンル テルグ語映画
配偶者 ラーマ・ラージャマウリ英語版(2001年 - 現在)
著名な家族 V・ヴィジャエーンドラ・プラサード(父)
M・M・キーラヴァーニ(従兄)
M・M・スリレーカ(従姉妹)
カリヤーン・コドゥリ英語版(従兄弟)
主な作品
マガディーラ 勇者転生
マッキー
バーフバリシリーズ
RRR
受賞
ニューヨーク映画批評家協会賞
監督賞
2022年『RRR』
放送映画批評家協会賞
外国語映画賞
2022年『RRR』
フィルムフェア賞
テルグ語映画部門
監督賞
2010年英語版『マガディーラ 勇者転生』
2013年英語版『マッキー』
2016年英語版バーフバリ 伝説誕生
2018年英語版バーフバリ 王の凱旋
2023年『RRR』
その他の賞
国家映画賞
長編映画賞英語版
2016年英語版『バーフバリ 伝説誕生』
テルグ語長編映画賞英語版
2013年英語版『マッキー』
健全な娯楽を提供する大衆映画賞
2018年英語版『バーフバリ 王の凱旋』
2023年『RRR』
栄典
パドマ・シュリー勲章
2016年
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人物

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ハイ・ファンタジー作品を多く手掛けており、代表作に『マガディーラ 勇者転生』『マッキー』があり、全2部作で製作された『バーフバリ 伝説誕生』『バーフバリ 王の凱旋』はそれぞれブリュッセル国際ファンタスティック映画祭英国映画協会のプレミア上映に招待されるなど国際的にも高い評価を得ている[4][5]。『バーフバリ 伝説誕生』は国家映画賞 長編映画賞英語版を受賞し、サターンファンタジー映画賞にノミネートされている[6]。その他の作品として、スポーツ映画『Sye』や社会問題を題材にした『Vikramarkudu』などが知られ、インド国際映画祭で上映されている[7]。また、『あなたがいてこそ』『Vikramarkudu』『チャトラパティ英語版』はインド国内の様々な言語でリメイクされている[8][9]

ラージャマウリは国家映画賞で2つの賞、フィルムフェア賞 南インド映画部門で3つの賞、ナンディ賞で3つの賞、IIFAウトサヴァム第5回南インド国際映画祭英語版でそれぞれ1つの賞、スター・ワールド・インディア英語版の「2012エンターテイナー・オブ・ザ・イヤー」、CNNニュース18英語版の「2015インディアン・オブ・ザ・イヤー・イン・エンターテインメント」を受賞している[10][11][12]。2016年にはインド芸術分野における貢献を讃えられ、民間人に与えられる勲章の中で第4級に当たるパドマ・シュリー勲章を授与された[13][14]。2017年には『バーフバリ 王の凱旋』がインディアン・フィルム・フェスティバル・メルボルンのテルストラ・ピープルズ・チョイス・アワードを受賞した[15]

キャリア

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監督デビュー

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『マッキー』の撮影現場(左からスディープナーニ英語版、ラージャマウリ)

ラージャマウリは映画監督K・ラーガヴェンドラ・ラーウの下で、Eenaduテレビのテルグ語連続ホームドラマの撮影に参加するようになる。2001年にN・T・ラーマ・ラオ・ジュニア主演の映画『Student No.1』で映画監督としてデビューし、2年後の2003年に2作目の映画『Simhadri』を製作した。この2年間に自身初となるマラヤーラム語映画モーハンラール英語版主演で企画するが、この企画は途中で没になってしまった[16]。この企画に美術助監督として参加していたマヌ・ジャガスは、映画用に描いたスケッチを2015年に販売している[17]。2004年に第3作となるラグビーを題材にした映画『Sye』をニティーン英語版ジェネリア・デソウザ英語版主演で製作した。この映画では撮影監督としてK・K・センティル・クマールが初めてラージャマウリ作品に参加し、その後も自身の作品に頻繁に起用するようになった[18]。2005年の映画『チャトラパティ英語版』では、クマールと同様にラージャマウリ作品の常連となるM・M・キーラヴァーニ(ラージャマウリの従兄)が音楽を担当している。

2006年にラヴィ・テージャ英語版主演の映画『Vikramarkudu』を製作した。映画は興行的に成功を収め、それぞれヒンドゥー語映画Rowdy Rathore』、タミル語映画Siruthai』としてリメイクされている[19]。2007年にはファンタジー映画ヤマドンガ』を製作し、批評家から絶賛された。2009年に製作した映画『マガディーラ 勇者転生』は、テルグ語映画の中で最も大きな商業的成功を収めた映画の一つとなっている。ラージャマウリは、この映画でナンディ賞 監督賞フィルムフェア賞 テルグ語映画部門監督賞を受賞し、さらに映画は国家映画賞 振付賞英語版を受賞している[20]。2010年製作のコメディ・スリラー映画『あなたがいてこそ』は、ヒンディー語映画『ターバン魂英語版』としてリメイクされている[21][22]。ラージャマウリはテレビ番組で、自身の監督作品の中で『あなたがいてこそ』を最も気に入っている作品に挙げている[23]

国際的知名度の上昇

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『バーフバリ 伝説誕生』の予告編発表会見(左からアヌシュカ・シェッティタマンナー・バティア、ラージャマウリ、カラン・ジョーハルプラバースラーナー・ダッグバーティ

2012年にラージャマウリはファンタジー映画『マッキー』を製作し、フランスの国際映画祭で上映された[24][25][26]。また、タミル語版は第10回チェンナイ国際映画祭英語版で上映された[27][28]。『マッキー』は第8回トロント・アフター・ダーク映画祭英語版でアクション映画賞、特殊効果賞など9つの賞[29]ブラジルのファンタスポア映画祭美術賞を受賞[30]マドリード国際映画祭の作品賞など6つの賞にノミネートされ[31]第66回カンヌ国際映画祭、第16回上海国際映画祭富川国際ファンタスティック映画祭で上映されるなど国際的にも評価されている[32][33][34]

2015年に全2部作の前編となる叙事詩的映画バーフバリ 伝説誕生』を製作し、同作はインド映画の歴代国際興行記録第2位となった[35][36][37][38]。同作はサンジーヴ・バスカール英語版によってBBCの番組で取り上げられ[39][40][41]、ラージャマウリの活動はハリウッド・リポーターガーディアンハフィントン・ポストなどで取り上げられた[42][43]。映画はインド国内で数多くの映画賞を受賞したほか、サターン賞で5つの賞にノミネートされている[44]。また、釜山国際映画祭シッチェス・カタロニア国際映画祭ユートピアル金馬奨タリン・ブラックナイト映画祭L'Étrange Festivalフランス語版ポーランドの5つの映画祭、ハワイ国際映画祭英語版ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭カンヌ国際映画祭など各地の映画祭で上映された[45][46][47][48][49][50][51][52][53][54][55]。後編『バーフバリ 王の凱旋』は英国映画協会モスクワ国際映画祭に招待されプレミア上映された[56][57][58]

作風

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ラージャマウリと従兄弟たち

幼少期からインド神話のコミックを読み、自身の作品に大きく影響を受けている[59]。また、人生において母親や義姉、妻などの女性から大きな影響を受けているとも語っている[60]

映画を製作する際には、父ヴィジャエーンドラ・プラサードや従兄キーラヴァーニなど同じスタッフを起用することが多く、その理由として自身のビジョンを的確に伝えやすく、スピーディに具現化してくれるためと語っている[59]。脚本については、10分ごとに観客の心拍数を上げるような場面を緻密な計算に基づいて構成していくと語っている[61]

影響を受けた監督、尊敬する監督としてシャンカールラージクマール・ヒラーニクリストファー・ノーラン黒澤明メル・ギブソンを挙げている[59][62]。また、好きな俳優にはブルース・リー[62]、好きな映画には『幻想市場』『英語版』『ベン・ハー』『ライオン・キング』『隠し砦の三悪人』『七人の侍』『羅生門』を挙げている[59]

フィルモグラフィー

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映画

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作品 監督 脚本 原案 備考
2001 Student No.1 Yes No No
2003 Simhadri Yes Yes No
2004 Sye Yes Yes No カメオ出演
2005 チャトラパティ英語版 Yes Yes No
2006 Vikramarkudu Yes Yes No
2007 ヤマドンガ Yes Yes No
2008 Rainbow No No No カメオ出演
2009 マガディーラ 勇者転生 Yes Yes No
2010 あなたがいてこそ Yes Yes No
2011 Rajanna No No No アクションシーン監督
2012 Andala Rakshasi No No No 製作
マッキー Yes Yes Yes
2015 バーフバリ 伝説誕生 Yes Yes No
2016 Majnu No No No カメオ出演
2017 バーフバリ 王の凱旋 Yes Yes No
2022 RRR Yes Yes No
Radhe Shyam No No No テルグ語版ナレーター
2024 カルキ 2898-AD英語版 No No No カメオ出演

テレビ/ウェブシリーズ

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作品 クレジット 放送局 備考 出典
2002 Santhi Nivasam 監督 ETV [63]
2008 Yuva 出演 MAA TV英語版 [64]
2010 Come on India 司会 HMTV [65]
2015 Bollywood and Beyond: A Century of Indian Cinema 出演 BBC Four ドキュメンタリー [66]
2017-2020 バーフバリ 失われた伝説英語版 製作総指揮 Netflix [67]
2024 モダン・マスターズ:S・S・ラージャマウリ英語版 出演 Netflix ドキュメンタリー [68]
Baahubali: Crown of Blood クリエイター Disney+ Hotstar英語版 [69]

出典

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  1. ^ “SS Rajamouli on Baahubali 2: Sreemukhi is a big fan of Punch Power A.V.S.R Pandu Ranga RaoThe Conclusion, being an atheist and his love for cinema”. Firstpost. (27 April 2017). http://www.firstpost.com/entertainment/ss-rajamouli-on-baahubali-2-the-conclusion-being-an-atheist-and-his-love-for-cinema-3408524.html 1 May 2017閲覧。 
  2. ^ S.s. Rajamouli: Movies, Photos, Videos, News, Biography & Birthday”. eTimes. 2019年6月12日閲覧。
  3. ^ SS Rajamouli on Baahubali 2: The Conclusion, being Hindu and his love for cinema” (27 April 2017). 2018年1月30日閲覧。
  4. ^ Bahubali-2 To Be Screened At British Film Institute” (1 March 2017). 2018年1月30日閲覧。
  5. ^ Baahubali 2 premiere: Queen Elizabeth II will watch it before anybody else in India?” (28 February 2017). 2018年1月30日閲覧。
  6. ^ "63rd National Film Awards" (PDF) (Press release). Directorate of Film Festivals. 28 March 2016. 2016年3月28日閲覧
  7. ^ Directorate of Film Festival”. iffi.nic.in. 2018年1月30日閲覧。
  8. ^ South director SS Rajamouli wants to direct Aamir Khan – Express India Archived 15 October 2014 at the Wayback Machine.
  9. ^ 'SOS' director wants SS Rajamouli to see his film – The Times of India. Articles.timesofindia.indiatimes.com (17 November 2012). Retrieved on 2015-10-21.
  10. ^ Winner of Indian of the Year 2015 in the Entertainment category: SS Rajamouli”. 2018年1月30日閲覧。
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  13. ^ Baahubali director SS Rajamouli to receive Padma Shri Award”. 2018年1月30日閲覧。
  14. ^ Padma Awards 2016: Rajinikanth, Priyanka Chopra, Ujjwal Nikam, Saina Nehwal, Sania Mirzia, SS Rajamouli and others honoured”. International Business Times, India Edition (25 January 2016). 2018年1月30日閲覧。
  15. ^ IFFM 2017: Aishwarya Rai looks gorgeous; Sushant Singh wins Best Actor award [PHOTOS]”. International Business Times (2017年8月12日). 2018年12月2日閲覧。
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  29. ^ Rajamouli's Eega continues to win awards”. The Times of India (3 November 2013). 4 November 2013閲覧。
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外部リンク

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