熱海市伊豆山土石流災害のソースを表示

{{pp-vandalism|small=yes}}
{{風水害
| dates = [[2021年]][[7月3日]] 10:30（[[日本標準時|JST]]）頃
| country = 日本
| area = [[静岡県]][[熱海市]][[伊豆山 (熱海市)|伊豆山]]
| act = 静岡県：熱海市
| dead = 28<ref name=静岡新聞20230210/><!--災害関連死を含む-->
| injured = 3<!--2021年9月3日時点。その他の数値を除外-->
| factor = [[梅雨前線]]に伴う[[豪雨]]
| humeisonkai = 128<!--2021年9月3日時点。135世帯、216名-->
| data = <br>[http://www.pref.shizuoka.jp/kinkyu/documents/atamidosya0903.pdf 熱海伊豆山地区の土石流の発生について（第50報）]{{リンク切れ|date=2022年8月}}静岡県<br>[https://www.city.atami.lg.jp/1011337.html 報道発表資料]{{リンク切れ|date=2022年8月}}熱海市
| rainfalld = 819
| rainfalla = 7月1日 00:00 - 7月3日 10:00<br>静岡県[[富士市]]大渕<!--熱海市を含む静岡県東部の最大値観測点-->
| hrainfalld = 58
| hrainfalla = 富士市大渕<!--熱海市を含む静岡県東部の最大値観測点-->
| image = 2021, Atami debris flow disaster. An aerial photograph outlining the damage.jpg
| caption = 被害概要を示した[[空中写真]]<br>{{smaller|[[国土交通省]] [[国土地理院]] 地図・空中写真閲覧サービスの2017年8月7日撮影の空中写真を基に作成。}}<br>[[File:2021 July 6, Japan Standard Time morning 09 o'clock 48 minutes shooting. Aerial photograph of Atami debris flow disaster.jpg|250px]]<br>被災から3日後撮影の被災地周辺の空中写真<br>{{smaller|上記2017年撮影の画像とほぼ同一範囲。2021年7月6日09:48（[[日本標準時|JST]]）撮影の4枚を合成。<br/>{{国土航空写真}}。}}
}}
[[File:熱海土石流 被害状況視察.jpg|thumb|発生現場を視察する[[菅義偉]]]]
'''熱海市伊豆山土石流災害'''（あたみしいずさんどせきりゅうさいがい）は<ref>{{Cite web|和書|title=令和3年熱海市伊豆山土石流災害に関する取組について |url=https://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-820/izusandosekiryu/izusansaigai_top.html |website=www.pref.shizuoka.jp |accessdate=2022-03-13 |publisher=静岡県}}</ref>、[[2021年]]（[[令和]]3年）[[7月3日]]午前10時半（[[日本標準時|JST]]）頃に、[[静岡県]][[熱海市]][[伊豆山 (熱海市)|伊豆山]]地区の[[逢初川]]で発生した大規模な[[土砂災害]]である<ref>[https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/924142.html 「大雨 熱海市で土砂崩れ発生 土石流で家屋多数流されたか」]あなたの静岡新聞（2021年7月3日）2022年8月7日閲覧</ref><ref name=":0"/>。[[災害関連死]]1名を含む28名が死亡した{{efn|2023年1月18日に土砂置き場で発見された骨が、行方不明だった女性の遺骨と確認され、翌2月10日に熱海市が災害死と認定した。}}<ref name=静岡新聞20230210>[https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1191875.html 「80歳女性、市が災害死認定 熱海土石流、死者28人に」]あなたの静岡新聞（2023年2月10日）2023年2月13日閲覧</ref>。最多時は約580人が避難し、建物136棟が被害を受け、2022年6月時点で被災地は原則立ち入り禁止となっている<ref>[https://www.tokyo-np.co.jp/article/185948 【癒えぬ傷痕 熱海土石流1年】(上)今も130世帯仮住まい／復興案 不安と不満]『[[東京新聞]]』夕刊2022年6月27日7面（2022年8月7日閲覧）</ref>。

被害が拡大した原因として上流山間部の違法[[盛土]]の崩壊があり、さらにその後の調査で国や自治体のずさんな盛土規制と大量の違法盛土が全国的に存在していることが明らかになり、盛土規制の大幅強化へと発展した（「[[#事件後の動き]]」参照）。

== 呼称 ==
当災害の呼称は複数存在する。代表的なものを以下に例示する。
*'''静岡県熱海市伊豆山で発生した土石流災害'''（[[国土交通省]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mlit.go.jp/river/sabo/jirei/r3dosha/210703_aizomegawa_07091800_taioujoukyou.pdf |title=静岡県熱海市伊豆山で発生した土石流災害 |access-date=2022-08-17 |publisher=国土交通省}}</ref>、[[総務省]][[消防庁]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/post-117/01/shiryou5-2.pdf |title=警察の災害対応について |access-date=2022-08-17 |publisher=総務省消防庁}}</ref>）
*'''熱海市伊豆山地区土砂災害'''（静岡県<ref>{{Cite web|和書|title=静岡県／熱海市伊豆山地区土砂災害関連情報 |url=https://www.pref.shizuoka.jp/kinkyu/r3_atami_dosyasaigai.html |website=www.pref.shizuoka.jp |access-date=2022-08-16}}</ref>）
*'''逢初川土石流災害'''（熱海市<ref>{{Cite web|和書|title=熱海市／逢初川土石流災害に係る検証資料の公表について |url=https://www.city.atami.lg.jp/kurashi/bousai/sizusan/saigai/1012621.html |website=www.city.atami.lg.jp |access-date=2022-11-04}}</ref>）
*'''熱海土石流'''（報道等<ref>{{Cite web|和書|title=熱海土石流1年 ドローンで見た被災地のいま |url=https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00001690Y2A620C2000000/ |website=日本経済新聞 |date=2022-06-28 |access-date=2022-08-16 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=熱海土石流：来夏にも警戒区域解除へ 伊豆山地区 盛り土撤去後に ／静岡 |url=https://mainichi.jp/articles/20220809/ddl/k22/040/181000c |website=毎日新聞 |access-date=2022-08-16 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=熱海土石流 行政が防げた「人災」 住民の生命最優先せよ【残土の闇 警告・伊豆山 取材班提言】｜あなたの静岡新聞 |url=https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1087204.html |website=www.at-s.com |access-date=2022-08-16 |language=ja |last=静岡新聞社}}</ref>）

== 発生 ==
[[File:Izusan Onsen 20111008.jpg|thumb|right|300px|災害前の伊豆山地区の風景（2011年）]]
[[気象庁]]によると、当時は[[西日本]]から[[東日本]]にかけて停滞する[[前線 (気象)|前線]]に向かって暖かく湿った[[空気]]が次々と流れ込み、[[大気]]の状態が非常に不安定となったため、[[東海地方]]から[[関東地方南部]]を中心に記録的な大雨となっていた<ref name="JMA210708"/>。現場に比較的近い熱海市[[網代 (熱海市)|網代]]の観測地点では、3日15時20分までの48時間で321&nbsp;[[ミリメートル|mm]]の[[降水量]]を記録し、現地の7月の観測史上で最多となっていた。

8時20分頃、逢初川近くの[[道路]]で大量の泥水が流れる様子を住民が目撃している<ref name="nhk210709a"/>。10時28分、「向かいの家が[[地滑り]]で跡形もなく流された」という通報があり、[[熱海市消防本部|熱海市消防署]]の[[消防隊]]が出動した。伊豆山地区の[[バス (交通機関)|バス]]通りが土砂で通れず、通報現場にはたどり着けない状況で、消防隊が手前に車両を止めて周辺の[[住宅]]を調査していた最中、'''大規模な[[土石流]]'''が発生し、多くの住宅などを巻き込みながら流下した。消防隊員はかろうじて逃げて無事だった<ref name="asahi210710a"/><ref name="nhk210710a"/>。住民によって撮影された土石流の瞬間の映像が[[ソーシャル・ネットワーキング・サービス|SNS]]に投稿され、国内外の[[マスメディア]]でも大々的に報じられた。土石流は逢初川を南東方向に向かって海までおよそ1&nbsp;[[キロメートル|km]]にわたって流れ出たとみられ、これにより住宅131棟が被害を受けた<ref name=":2"/><ref name=":7">{{Cite web|和書|url=http://www.pref.shizuoka.jp/kinkyu/documents/atamidposya36.pdf|title=熱海伊豆山地区の土石流の発生について（第36報）（7月29日 17時00分現在）|accessdate=2021年7月23日|publisher=静岡県災害対策本部|date=2021年7月23日}}</ref>。小規模なものも含めて10回以上の土石流が繰り返し発生したとみられる<ref name="nhk21070301"/><ref name="sut210703a"/>。

同日12時30分、[[川勝平太]][[静岡県知事]]からの[[災害派遣]]要請を[[陸上自衛隊]][[第34普通科連隊]]が受理<ref name="jsdf210703"/>。陸上自衛隊[[板妻駐屯地]]（静岡県[[御殿場市]]）からおよそ30人、[[駒門駐屯地]]（同）からおよそ80人の隊員が行方不明者の捜索活動のために現場に派遣された<ref name="asahi210703a"/>。

熱海市は土砂災害が発生するおそれが極めて高まったとして、土石流の発生後に市内在住の2万957世帯の3万5602人に[[防災気象情報#大雨・洪水・高潮警戒レベル|気象警戒レベル]]5相当の「[[緊急安全確保]]」を発令した。また、伊豆山地内の1500戸余りで[[停電]]（一部地域を除き、当日にほぼ解消）、1100戸で[[断水]]、392戸で[[都市ガス|ガス]]が停止した。交通機関は[[熱海ビーチライン]]や[[国道135号]]が[[通行止め]]となり、鉄道では[[東海道線 (JR東日本)|JR東海道線]]の[[小田原駅]] - [[熱海駅]]間および[[伊東線]]全線で運転を見合わせた<ref name=":0" /><ref name=":1" /><ref name="yomiuri210703a"/>。

土石流が発生した3日の時点で2人が海上で[[遺体]]で見つかり、4日13時45分頃には負傷していた高齢女性1人が新たに死亡したことが確認された<ref name=":1"/>。5日には新たに1人の死亡が確認され、同日までに確認された死者を除いて24人が救出された<ref name="nhk210705a"/>。同日正午時点で住民ら562人が市内2か所のホテルに避難していた<ref name=":3"/><ref name=":5"/>。また、市内の小中学校も休校となっていた<ref name=":3" />。その後の捜索活動により、[[7月20日]]までに合計19人の死亡が確認された<ref name=":7" />。

熱海市が[[住民基本台帳]]をもとに、被害を受けた地域に住んでいるとみられる住民の調査を進めた結果、台帳に記載のある被災地域の住民約220人のうち、21日時点で本人や知人からの連絡などにより所在を確認できたのは約210人で、[[住民登録]]以外の者も含む5人<ref>{{Cite web|和書|url=新たに１人身元判明　熱海土石流|title=新たに1人身元判明 熱海土石流|accessdate=2021年7月29日|publisher=[[時事通信]]}}</ref>の安否はまだ分かっていない<ref name="NHK210706a"/><ref name=":7" />。ただし、現地は[[別荘]]の利用者が多いため居住実態が把握できず、確認作業は難航した<ref name=":2" />。
<gallery>
ファイル:国道135号閉鎖状況.jpg|[[国道135号]]閉鎖状況（2021年7月10日）
ファイル:熱海市道伊豆山神社線閉鎖状況.jpg|熱海市道伊豆山線閉鎖状況（2021年7月10日）
ファイル:東海バス運休告知.jpg|[[東海バス]]の運休告知（2021年7月10日）
ファイル:MOA美術館駐車場消防車両待機.jpg|臨時休館の[[MOA美術館]]は[[消防車両]]の待機場になった（2021年7月10日）
</gallery>

== 救助活動 ==
自衛隊も動員され、大規模な救助活動が展開された。動員組織は以下の通りである。
===警察===
<!--順不同-->
* [[静岡県警察]]
* [[警察庁]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.npa.go.jp/bureau/security/biki/disaster/joukyo14.pdf |title= 7月1日からの大雨に関する警察活動と被害状況（第14報）
|publisher=警察庁非常災害警備本部 |date=2021-07-14 |accessdate=2021-07-21}}</ref>
{{div col|colwidth=20em|small=yes}}
* [[宮城県警察]]広域緊急援助隊
* [[栃木県警察]]広域緊急援助隊
* [[群馬県警察]]広域緊急援助隊
* [[埼玉県警察]]広域緊急援助隊
* [[新潟県警察]]広域緊急援助隊<ref>{{Cite web|和書|url=https://mainichi.jp/articles/20210713/ddl/k15/040/136000c |title=熱海土石流 捜索活動、難航極める 県警緊急援助隊 現場の状況報告／新潟 |publisher=[[毎日新聞]] |date=2021-07-13 |accessdate=2021-07-21}}</ref>
* [[山梨県警察]]広域緊急援助隊
* [[長野県警察]]広域緊急援助隊
* [[富山県警察]]広域緊急援助隊
* [[石川県警察]]広域緊急援助隊
* [[岐阜県警察]]広域緊急援助隊
* [[三重県警察]]広域緊急援助隊<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.asahi.com/articles/ASP796T1JP79ONFB00D.html |title=過酷さ「想像以上」 熱海土石流で派遣 三重県警援助隊 |publisher=朝日新聞 |date=2021-07-10 |accessdate=2021-07-21}}</ref>
* [[滋賀県警察]]広域緊急援助隊
* [[兵庫県警察]]広域緊急援助隊
* [[愛知県警察]]広域緊急援助隊
* [[警視庁]]広域緊急援助隊、広域警察航空隊
* [[神奈川県警察]]広域緊急援助隊、広域警察航空隊
{{div col end}}

===消防===
<!--順不同-->
* [[熱海市消防本部]]、熱海市[[消防団]]
* [[静岡市消防局]]統合応援隊指揮隊（同消防局は統合応援隊として救助隊も派遣している）
* [[消防本部一覧#静岡県|静岡県内消防本部]]の統合応援隊
* [[静岡県消防防災航空隊]]
* [[消防庁]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.fdma.go.jp/pressrelease/info/items/210701baiuzennsenn26.pdf |title=令和3年7月1日からの大雨による被害 
及び消防機関等の対応状況（第26報） |publisher=消防庁 |date=2021-07-16 |accessdate=2021-07-21}}</ref>
{{div col|colwidth=20em|small=yes}}
* [[横浜市消防局]]の緊急消防援助隊指揮支援隊（同消防は神奈川県隊として救助隊も派遣している）
* [[東京消防庁]]緊急消防援助隊
* [[稲城市消防本部]]緊急消防援助隊
* [[消防本部一覧#茨城県|茨城県内消防本部]]緊急消防援助隊
* [[消防本部一覧#栃木県|栃木県内消防本部]]緊急消防援助隊<ref>{{Cite web|和書|url=https://mainichi.jp/articles/20210720/ddl/k09/040/071000c |title=県、緊急援助隊派遣 消防隊員、熱海土石流被災地へ |publisher=毎日新聞 |date=2021-07-20
|accessdate=2021-07-21}}</ref>
* [[消防本部一覧#群馬県|群馬県内消防本部]]緊急消防援助隊<ref>{{Cite web|和書|title=18日から熱海の土石流現場で捜索 群馬県6消防局・消防本部が緊急消防援助隊 21台75人を派遣|url=https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/society/311260|website=[[上毛新聞]]|accessdate=2021-08-10|date=2021-07-19}}</ref>
* [[消防本部一覧#神奈川県|神奈川県内消防本部]]緊急消防援助隊
* [[消防本部一覧#山梨県|山梨県内消防本部]]緊急消防援助隊
* [[消防本部一覧#長野県|長野県内消防本部]]緊急消防援助隊
* [[消防本部一覧#岐阜県|岐阜県内消防本部]]緊急消防援助隊
* [[消防本部一覧#愛知県|愛知県内消防本部]]緊急消防援助隊
{{div col end}}

===自衛隊===
* 陸上自衛隊[[第34普通科連隊]]、[[第32普通科連隊]]、[[第1施設大隊]]、[[第1戦車大隊]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mod.go.jp/js/Press/press2021/press_pdf/p20210719_01.pdf |title=静岡県熱海市における令和3年7月1日からの大雨に係る災害派遣について |publisher=防衛省 |date=2021-07-19 |accessdate=2021-07-21}}</ref>
* [[航空自衛隊]][[中部航空警戒管制団]]

==被害==
{{ external media
| align=right
| width  = 310px
| image1 = [https://web.archive.org/web/20210716064421/https://mainichi.jp/articles/20210716/k00/00m/040/131000c 国土地理院の写真を基に鳴沢川流域から盛り土に流れ込んだ地下水の流れを矢印で静岡県が示した図] 毎日新聞（2021年7月17日）
}}
2021年9月3日16時時点での被害状況は以下の通り<ref>{{Cite web|和書|title=熱海伊豆山地区の土石流の発生について（第50報）|url=http://www.pref.shizuoka.jp/kinkyu/documents/atamidosya0903.pdf|website=静岡県災害対策本部|accessdate=2021-09-27|date=2021-09-03}}</ref>。

===人的被害===
*死者：28名、このうち災害関連死 1名<ref name=静岡新聞20230210/>（2022年2月に認定）
*中等症：3名
*その他：25名
*避難者：153名

===物的被害===
*半壊、もしくは全壊の家屋: 128棟<!--できれば半壊、全壊という記述にしたほうがいいと思います。-->
<gallery>
File:Abandoned in after Atami landslide 04.jpg|被災地の状況（2021年12月10日撮影）
File:Landslide crash of Aizome bridge 03.jpg|欄干補修中で、献花台が置かれた逢初橋（2021年12月10日撮影）
File:Tokaido Shinkansen side stairs blocked by Atami landslide.jpg|東海道新幹線軌道脇を下る側道は閉鎖されたまま（2021年12月10日撮影）
File:熱海市土砂災害現場(2022年3月4日) 06.jpg|雨で土砂が流出するのを防ぐ土留め（2022年3月4日撮影）
File:熱海市土砂災害現場(2022年3月4日) 02.jpg|災害復旧工事重機（2022年3月4日撮影）
File:熱海市土砂災害被災建物(2022年3月4日) 02.jpg|泥が残る被災した建物（2022年3月4日撮影）
File:熱海市土砂災害被災建物(2022年3月4日) 04.jpg|支援感謝の垂れ幕を掲げる被災建物（2022年3月4日撮影）
File:熱海市土砂災害現場回収物(2022年3月4日).jpg|瓦礫の中から回収された墓石など（2022年3月4日撮影）
File:熱海市土砂災害現場献花台(2022年3月4日).jpg|現場と海を見下ろす高台に設置された献花台（2022年3月4日撮影）
</gallery>

=== 海への影響 ===
伊豆山港では流れ込んだ土砂の撤去を静岡県が進めたほか、2023年2月21日には地元の漁師やダイバーが初めて災害ごみの引揚作業を行った<ref name=東京新聞20230224>[https://www.tokyo-np.co.jp/article/23255土石流の爪痕再生の兆し：熱海・伊豆山港 災害ごみ撤去]『東京新聞』夕刊2023年2月24日6面（同日閲覧）</ref>。泥に覆われていた海底は砂地が一部見え、[[魚介類]]や[[海藻]]が現れ、数十センチメートルだった視界は5メートル以上開けるようになっていた<ref name=東京新聞20230224/>。

=== 留守宅への無断立ち入りや空き巣被害 ===
2021年9月17日、[[共同通信]]は、同社の[[記者]]が無許可で民家の敷地内に立ち入り取材活動を行ったとして、住居侵入の疑いで[[熱海警察署]]に[[書類送検]]されたと発表。共同通信は記者を[[戒告処分]]とした<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20210917164704/https://www.jiji.com/jc/article?k=2021091700981&g=soc |title=共同記者を書類送検 熱海の土石流取材で民家に立ち入り―静岡 |publisher=共同通信社 |date=2021-09-17 |accessdate=2021-09-17}}</ref>。

災害発生直後から、伊豆山地区では[[空き巣]]被害が起きている。警察によるパトロールが強化されているが、8月1日正午時点で、避難所に身を寄せている人が300人以上おり、今もなお不審者の出没情報があり、避難者の不安な声を聞いた熱海[[商工会議所]]青年部が、空き巣などへの心配を払拭しようと、同日から夜間パトロールのボランティアを始めていた<ref>{{Cite web|和書|title=熱海土石流 夜の被災地、犯罪防げ 商議所青年部がパトロール|url=https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/938815.html|website=静岡新聞|accessdate=2021-08-14|date=2021-08-02}}</ref>。

== 支援 ==
=== 被災者の受け入れ ===
熱海市は全国でも有数の[[温泉街]]（[[熱海温泉]]）として知られていることもあり、多くの被災者・避難住民は設備が整っている市内の[[ホテル]]にて受け入れた。そのため、各地から支援物資が届いても物品が消費されず、寧ろ保管スペースを圧迫していることから、熱海市は7月7日に公式サイト上にて支援物資の受付けを一時休止することを発表した<ref>{{Cite web|和書|title=支援物資いりません...熱海市が「苦渋の決断」 背景には何が？市が明かす被災地の現状|url=https://www.j-cast.com/2021/07/07415629.html?p=all|website=[[ジェイ・キャスト|J-CASTニュース]]|date=2021-07-07|accessdate=2021-07-08}}</ref>。

=== 災害ボランティア ===
熱海市では7月5日に「災害ボランティアセンター」を開設し<ref>{{Cite web|和書|title=災害ボランティアについて|url=https://www.city.atami.lg.jp/kurashi/bousai/1011333.html|website=熱海市|accessdate=2021-07-12|date=2021-07-07}}</ref>、事前登録による災害ボランティアの募集を始めた<ref>{{Cite web|和書|title=熱海市災害ボランティアセンター|url=https://shizuokavc.jp/atami|website=熱海市社会福祉協議会|accessdate=2021-07-12|date=2021-07-05}}</ref>。流行中の[[新型コロナウイルス感染症 (2019年)|新型コロナウイルス感染症（COVID-19）]]対策の為、ボランティアは静岡県東部の住民に限定されたが、7月9日時点で2,800人を上る登録がされた。しかし、現場では警察などの捜索活動が続き、二次災害の恐れもあるため受け入れ態勢が整わず、しばらくはボランティア活動の開始が見通せない状況となっていた<ref>{{Cite web|和書|title=熱海ボランティア、活動いつ 応募2800人受け入れ整わず|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF090FS0Z00C21A7000000/|website=[[日本経済新聞]]|accessdate=2021-07-12|date=2021-07-09}}</ref>。7月21日から立ち入り禁止エリアが緩和され、災害ボランティアの活動が始まったが、活動エリアが狭いため、事前登録していた熱海市在住の15 - 20名程度に限定して行われている<ref>{{Cite web|和書|title=ボランティア活動始まりました！|url=https://shizuokavc.jp/atami|website=熱海市社会福祉協議会|accessdate=2021-07-27|date=2021-07-22}}</ref>。

== 事件前の動き ==

=== 同和団体関連企業「新幹線ビルディング」による土地開発 ===
[[2001年]]頃から、[[同和団体]]「[[自由同和会]]」神奈川県本部の幹部が経営に関わる[[新幹線ビルディング]]により、熱海市伊豆山の社有地にて宅地分譲開発が始まる<ref>[https://www.dailyshincho.jp/article/2021/07290558/?all=1 熱海土石流、土地所有者が直撃に「話すことはない!」と激昂 遺族が語る無念と怒り]『[[週刊新潮]]』2021年7月29日号／[[デイリー新潮]]（2022年7月23日閲覧）</ref><ref name="atamisigikai20070807">{{Cite web|和書|author= |url=https://ssp.kaigiroku.net/tenant/atami/MinuteView.html?council_id=63&schedule_id=6&is_search=true|title=熱海市 平成19年 建設公営企業委員会 08月07日－06号 |work= 会議録検索|publisher= 熱海市議会|date=2007-08-07|accessdate=2021-07-14}}</ref>。

[[2007年|2007]]（平成19）年、「[[建設残土]]の処分」を目的に、静岡県土採取等規制条例に基づき盛り土の工事を熱海市に届け出をした。同年、[[平成19年台風第4号|台風4号]]が発生した際に、7月15日に同地内の水道施設に土砂が流入する被害が発生。これをめぐって、所有者として土砂や[[流木]]の除去をするよう熱海市から「お願い文書」が出されたが、これに対して当該社は「これは[[自然災害]]だから我々はやる気がない」旨の回答を為し、何もしなかった<ref name="atamisigikai20070807"/>。本件に関して、同年8月7日の市議会建設公営企業委員会において、その理由を問われたのに対し、当時の熱海市水道温泉課長は「新幹線ビルディングそのものが[[同和団体|同和系列]]の会社でございまして、ちょっと普通の民間会社と違いますので、その辺でそういうふうな回答が来たんだというふうに考えております」と答弁した<ref name="atamisigikai20070807"/><ref>{{Cite web|和書|title=【熱海市 土石流】“同和系列” 天野二三男、力の原点は 秦野市にあった(前編) - 示現舎|url=https://jigensha.info/2021/07/28/hadano1/|date=2021-07-27|accessdate=2021-10-28|language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=【熱海市 土石流】“同和系列” 天野二三男、力の原点は 秦野市にあった(後編) - 示現舎|url=https://jigensha.info/2021/07/28/hadano2/|date=2021-07-28|accessdate=2021-10-28|language=ja}}</ref>。詳細は「[[新幹線ビルディング#同和団体との関係]]」「[[新幹線ビルディング#熱海市の土石流災害|熱海市の土石流災害]]」を参照。

=== 2014年に土木作業員の男性が県に警告 ===
2009年に本災害現場の盛土で土砂崩れが発生している。この時、救助に駆けつけた近くにいた土木作業員の男性は、工事が雑であると感じていた。

2014年に[[平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害]]が発生し、死者77人が出た報道を目にしたこの男性は、上記場所も同様の災害になるかもしれないと感じ、静岡県へ上申書を持ち込んだ。しかし、県の担当者は「男性の言っていることは支離滅裂」などとし、盛土を行う業者へは複数回の指導は行うものの、より強制力のある措置命令は出さなかった<ref>{{Cite web|和書|title=「ケタが違う、人災になる」盛り土崩壊“予言”はなぜ、届かなったのかー熱海土石流から1年 |url=https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/82994 |website=[[TBSテレビ|TBS]] NEWS DIG |access-date=2022-07-02 |language=ja}}</ref>。

==事件後の動き==
=== 原因調査 ===
現場は[[ハザードマップ]]で[[土石流]]や[[地滑り]]、急傾斜地の崩壊などのリスクが高いエリアに指定されている。[[河川工学|河川工学者]]の[[田代喬]]と[[土質力学|土質力学者]]の[[松岡元]]による発生当日段階での見立てでは、非常に強い雨が降り続いたことにより、雨が山間の[[斜面]]全体に浸透し、土中の水の圧力が増大し続けて一気に斜面が流れ出たと推定された。急峻な山間地の[[谷]]地形になっていて、水と土砂が相まって山腹の木々も巻き込み、相当な力で一気に流れたとみられる<ref>{{Cite web|和書|title=熱海の土石流、なぜ起きたのか？ 「強い雨と火山性のもろい地質か」専門家が分析|url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/114605|website=東京新聞 TOKYO Web|accessdate=2021-07-06|language=ja|date=2021年7月4日}}</ref>。また、近くにある[[活火山]]である[[箱根山]]の過去の[[噴火]]による[[火山噴出物]]や[[火山灰]]が[[堆積]]して崩れやすい地質であることも可能性に挙げられたが、後述の通り、土石流の土砂の大半が発生地点付近に人為的に作られた[[盛り土]]だったことが判明し、盛り土の設置状況などを中心に調査が進められることになった。

==== 盛り土 ====
静岡県の初期の調査によると、[[熱海市立伊豆山小学校]]から北西に1&nbsp;kmほど離れた山の斜面が幅およそ100&nbsp;[[メートル|m]]にわたって大きく崩れた。過去の地形データを比較した結果、山の谷間にできた開発による盛り土の大部分が崩れたと分かり、土砂が下るにつれて勢いを増し、被害を甚大化したと推定している。盛り土について川勝は7月4日の記者会見で「目的や工法を検証する決意だ」と述べた<ref name="tokyonp21070601" />。静岡県幹部は6日の[[記者会見]]で、盛り土について「現時点の調査結果として不適正な点はなく、危険な状態だったとの認識もない」と説明した<ref name="″kyodo210706a″" />。7日、工学博士号を持ち長年[[国土交通省]]で土木行政に携わった経験を有する静岡県[[副知事]]の[[難波喬司]]は、盛り土について、[[技術者]]の個人的見解として通常あるべき[[排水設備]]や、土砂の流出を防ぐ[[堰堤|えん堤]]が設置されておらず、工法は不適切であったと指摘した<ref>{{Cite web|和書|title=盛り土「工法が不適切だった」静岡県副知事が見解 排水設備など設置されておらず|url=https://www.fnn.jp/articles/-/206623|website=[[フジニュースネットワーク|FNN]]プライムオンライン|accessdate=2021-07-07|date=2021-07-07}}</ref>。

7月9日、静岡県は[[レーザー]]で計測した[[地形]]データを使い調査した結果、土石流の土砂の総量が約5万55&nbsp;[[立方メートル|m<sup>3</sup>]]で、そのうち大半が土石流の起点にある盛り土とみられると発表した。土砂は途中の[[砂防ダム]]で約0.75万&nbsp;m<sup>3</sup>がせき止められたが、残りの約4.8万&nbsp;m<sup>3</sup>が下流部の[[住宅地]]に押し寄せた。なお、静岡県は当初、土砂の総量を約10万&nbsp;m<sup>3</sup>と推定していた<ref name="yomiuri210709">{{Cite web|和書|title=土石流不明者20人、捜索続く…流れ出た土砂のほとんどが起点付近の「盛り土」|url=https://www.yomiuri.co.jp/national/20210709-OYT1T50251/|website=[[読売新聞]]|accessdate=2021-07-09|date=2021-07-09}}</ref>。同日、静岡県の[[地質構造]]・[[水資源]]専門部会委員を務め、[[中央新幹線]]建設の水資源への影響などに詳しい[[地質学者]]の[[塩坂邦雄]]は[[静岡県庁]]で記者会見をし、災害後に[[無人飛行機|ドローン]]などで現場を調査したことにより、盛り土が崩落したのは周辺の[[宅地開発]]で[[尾根]]が削られて人為的な[[河川争奪]]が起こり、従来は盛り土の上にある約4万&nbsp;[[平方メートル|m<sup>2</sup>]]の逢初川の[[流域|集水域]]から雨水が流れ込んでいたが、水の流れが変わったことで北隣の約20万&nbsp;m<sup>2</sup>の[[鳴沢川 (静岡県)|鳴沢川]]の集水域から数年かけて水が集まったため、盛り土に大量の水がたまって地盤が滑りやすくなり、今回の大雨が崩落の引き金となったとの見方を示した<ref>{{Cite web|和書|title=熱海土石流 造成が誘発した人為的な「河川争奪」地質学者が指摘|url=https://mainichi.jp/articles/20210709/k00/00m/040/373000c|website=毎日新聞|accessdate=2021-07-09|language=ja|date=2021-07-09}}</ref><ref name=":8">{{Cite web|和書|title=盛り土崩落、宅地開発影響か 現地調査の地質学者―副知事は否定・熱海土石流|url=https://web.archive.org/web/20210709090910/https://www.jiji.com/jc/article?k=2021070900969&g=soc|website=時事ドットコム|accessdate=2021-07-09|language=ja|date=2021-07-09}}</ref>。一方、副知事の難波は同日の記者会見で、「そんなに広い地域の水が集まっていれば[[洪水|大洪水]]になっているはずだ」と塩坂の見解を否定し、盛り土には適切な排水設備がなかった可能性が高いとして、1日から降り続いた雨水がたまって盛り土が崩落し、土石流につながったとの見方を示した<ref name=":8" />。

崩落した盛り土の所有者である不動産実業家の[[麦島善光]]は後述の[[太陽光発電]]施設の場所を含めて約130万&nbsp;m<sup>2</sup>の土地を持っており、2011年に別の[[新幹線ビルディング|不動産会社]]から一帯の土地を買ったが、その後に盛り土はしておらず、そもそも崩壊箇所が盛り土だとも知らなかったとしている<ref name=":4" />。元の所有者である[[神奈川県]][[小田原市]]の不動産会社は2007年に「[[建設残土]]の処分」を目的に、静岡県土採取等規制[[条例]]に基づき盛り土の工事を熱海市に[[届出制|届け出た]]。しかし、造成段階で対象面積が施工計画より拡大し、[[コンクリート]]、[[レンガ]]、[[ビニール]]、[[プラスチック]]、[[ガラス]]などの[[産業廃棄物]]を含む[[残土]]や[[廃自動車]]も埋まっていたため、静岡県と熱海市が[[廃棄物]]の撤去や土砂搬入の中止を繰り返して要請したが、[[土地所有者]]が変わるまでに従わなかった<ref>{{Cite web|和書|title=盛り土、届け出量を超過か 産廃混入など「手続き違反 |url=https://www.asahi.com/articles/ASP7774CHP77UTIL02C.html?iref=ogimage_rek |website=朝日新聞デジタル |access-date=2022-04-25 |language=ja |date=2021年7月7日}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=熱海土石流：熱海土石流 盛り土、実体は産廃 安全対策なく基準も守られず |url=https://mainichi.jp/articles/20210802/k00/00m/040/300000c |website=毎日新聞 |access-date=2022-04-25 |language=ja |date=2021/8/2}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=盛り土に廃棄物混入 分別せず違法性認識か 熱海土石流起点 |url=https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/976627.html |website=www.at-s.com |access-date=2022-04-25 |language=ja |last= |publisher=あなたの静岡新聞（静岡新聞社） |date=2021.10.24}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=熱海土石流 崩落面に人工物露出、産廃か 残存盛り土には亀裂 |url=https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/928511.html |website=www.at-s.com |access-date=2022-04-25 |language=ja |last= |date=2021.7.13 |publisher=あなたの静岡新聞（静岡新聞社）}}</ref>。2021年時点でこの会社は[[倒産]]となっているが、その会社の元幹部は[[共同通信]]の取材に応じ、「熱海市に届け出て盛り土をした。豪雨はこれまでもあったが、崩れなかった」と責任を否定した<ref name="kyodo210705a" /><ref name="news24210706a" />。しかし、7月7日に難波は、盛り土に関わった業者が林地の開発をめぐり違反があったなどとして、過去に県と市が是正を求めていたことを明らかにした<ref>{{Cite web|和書|title=難波副知事 林地の開発で過去に県と市が是正を求めていた｜NHK 静岡県のニュース|url=https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20210707/3030012275.html|website=NHK NEWS WEB|accessdate=2021-07-07|last=日本放送協会|date=2021-07-07|deadlinkdate=2021-07-29|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210707043821/https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20210707/3030012275.html|archivedate=2021-07-07}}</ref>。また、静岡県は7日、盛り土の高さが法令基準の3倍以上の約50&nbsp;mに達するなど不適切な造成だったと発表し、計画では「土地の面積は約0.9&nbsp;[[ヘクタール|ha]]、盛り土の量は約3.6万&nbsp;m<sup>3</sup>」<ref name="yomiuri210708">{{Cite web|和書|title=盛り土造成、何度も違反…市の中止要請従わず|url=https://www.yomiuri.co.jp/national/20210708-OYT1T50081/|website=読売新聞|accessdate=2021-07-08|date=2021-07-08}}</ref>のはずだが、実際の量はその1.5倍以上となっていた。国土地理院の測量によると、2009年6月 - 2019年12月間に実施された盛り土量は推計約5.6万&nbsp;m<sup>3</sup>である<ref name="yomiuri210707">{{Cite web|和書|title=土石流起点に届け出量の1.5倍の盛り土、産廃も混入…県や市が指導繰り返す|url=https://www.yomiuri.co.jp/national/20210707-OYT1T50247/|website=読売新聞|accessdate=2021-07-07|date=2021-07-08}}</ref>。

その後、盛土内から[[放射性セシウム]]が検出された。これは2011年3月以降も盛土を継続していたことを意味する<ref>[https://www.47news.jp/9071910.html 熱海盛り土、内部から放射性物質　福島由来か、大規模土石流の起点|47NEWS（よんななニュース）：47都道府県52参加新聞社と共同通信のニュース・情報・速報を束ねた総合サイト ]</ref>。

工事の法的根拠となる静岡県土採取等規制条例では災害防止を目的に、盛り土の高さを15&nbsp;m以内とすることなどが定められている。また、崩壊箇所は[[宅地造成等規制法]]で、より強い安全対策や自治体による工事完了検査が義務づけられた指定区域だが、工事目的が[[宅地造成]]でなかったことから、同法の規制対象外であった。なお、建設残土は[[再利用]]できる[[資源]]とみなされているため、産業廃棄物と違って処分を規制する[[法律]]はない<ref name="yomiuri210706" />。塩坂の調査によれば、現地で崩落せずに残った盛り土は約3万&nbsp;m<sup>3</sup>程度とみており、目視では[[コンクリート]]の破片なども含まれていたという<ref name=":8" />。また、静岡県の調査によれば、神奈川県の不動産会社は盛り土を造成した際に、熱海市に工法変更計画書を提出した。そこに[[雨水排水]]用の地中排水設備や砂防ダムを設置するなどの対策が明記されていたため、市は計画書を受理した。しかし、災害後に県が過去の記録を調べた時、排水設備などの対策が行われたかの確認ができず、現場の目視調査でも排水設備の痕跡が見当たらなかった<ref name="yomiuri210710">{{Cite web|和書|title=盛り土 排水未整備か 静岡県調査…業者、対策怠った可能性|url=https://www.yomiuri.co.jp/national/20210710-OYT1T50115/|website=読売新聞|accessdate=2021-07-10|date=2021-07-10}}</ref>。

なお、不動産管理会社の小田原市内の関係先を訪ねた経験がある熱海市の男性によると、盛土を造成した会社の元幹部は、地元住民や行政とのやりとりで[[指定暴力団]]の関係者であることをちらつかせていた<ref>{{Cite web|和書|title=盛り土造成会社元幹部、暴力団との関係強調 熱海土石流 |url=https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/979079.html |website=www.at-s.com |access-date=2022-04-25 |language=ja |last= |publisher=あなたの静岡新聞（静岡新聞社） |date=2021.10.29}}</ref>。また、2009年の時点で盛土に不備があることを確認しており<ref>{{Cite web|和書|title=違法な盛り土 ずさんな埋め立て 09年確認 県調査、熱海市は業者に指導 |url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/129827 |website=東京新聞 TOKYO Web |access-date=2022-04-25 |language=ja |date=2021年9月9日}}</ref>、盛土の工事変更届は図面無しや空欄があるものでも受理されたことが発覚した<ref>{{Cite web|和書|title=専門家「かなり問題がある」熱海市 盛り土の重要図面なしで変更届受理（静岡県） |url=https://www.at-s.com/dogas/https%3A%2F%2Fbackend.710302.xyz%3A443%2Fhttps%2Fwww.at-s.com%2Fdogas%2Fdetails.html%3Farticle_id%3D1047390 |website=Dogas |access-date=2022-04-25 |language=ja |last= |date=2022/03/31 |author=DoGAS（ドガス）｜静岡新聞SBS動画プラットフォーム／静岡新聞社・[[静岡放送]]}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=熱海土石流 市が盛り土の工事変更届を計画図なしで受理していたこと認める（静岡県）（静岡放送（SBS）） |url=https://news.yahoo.co.jp/articles/76c4e9213deefe2104795e286cb4665ef2b64e8b |website=Yahoo!ニュース |access-date=2022-04-25 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=土石流盛り土、空欄の届け出受理 熱海市「検証する必要ある |url=https://web.archive.org/web/20211105123832/https://nordot.app/829258328042487808?c=39546741839462401 |website=共同通信 |date=2021-11-05 |access-date=2022-04-25 |language=ja-JP |last=共同通信}}</ref>。

==== 太陽光発電施設 ====
崩落起点から南西に20 - 30&nbsp;m離れた所に太陽光発電施設がある。静岡県知事の川勝平太は4日、「近くには[[メガソーラー]]もあるが、直接の関係はいまのところみられない」と報告した<ref name="nhk21070501" />。一方、[[自由民主党 (日本)|自民党]]の党災害対策特別委員会や静岡県選出[[衆議院議員]]の[[細野豪志]]は土石流との関連性について調査・検証を求めていくとした<ref name="sankei210705a" /><ref name=":4" />。塩坂邦雄は、開発で[[森林]]が[[伐採]]されたことにより保水力が低下し、太陽光発電所の建設で土中に浸透できなくなった大量の雨水が、進入路伝いに盛り土部分に流入した可能性も指摘したが<ref name="shizuoka210706a" /><ref name=":8" />、太陽光発電所は尾根部を削った場所に建設されており、[[地盤]]は安定し、両側の森も崩壊しなかったため、「直接的に災害に関係していることはない」とも述べた<ref name="ronza21070701">{{Cite web|和書|title=熱海土石流はなぜ発生したのか？{{～}}伊豆山のドローン動画を地質学者・塩坂邦雄氏が読み解く|url=https://webronza.asahi.com/national/articles/2021070600007.html|website=[[論座]]|accessdate=2021-07-07|date=2021-07-07}}</ref>。

[[2022年]][[5月2日]]の『[[静岡新聞]]』の報道によると、'''土石流が発生した場所と太陽光発電施設の土地所有者が同一であり'''、太陽光発電施設、隣の平地と近辺の別の盛り土を整地した時に無届けで森林を伐採したため、[[森林法]]の[[林地開発許可制度|林地開発許可]]違反に当たる可能性があるとして、静岡県は是正に向けて現所有者側と協議している<ref name="″sbs20220502″">{{Cite news|author=編集局 熱海土石流取材班|title=相次ぐ無届け開発 行政指導は再び後手に【残土の闇 警告・伊豆山⑰／第3章 放置された10年④】|newspaper=静岡新聞|archiveurl=https://archive.ph/KS52Q|archivedate=2022-05-13|date=2022-05-02|url=https://www.at-s.com/sp/news/article/shizuoka/1061247.html|accessdate=2022-05-13}}</ref>。

また、災害の直後に[[インターネット|ネット]]上では近隣の「メガソーラー犯人説」という憶測が流れた<ref name=":4" />。[[Twitter]]や[[Yahoo!ニュース]]の[[コメント (コンピュータ)|コメント]]欄ではさらに「[[大韓民国|韓国]]企業のメガソーラーが土砂災害の原因だ」という情報が拡散したが、『[[韓国日報]]』の取材によれば、韓国企業による静岡県内の太陽光発電事業は住民の反対により進んでおらず、さらに予定地は[[伊東市]]であって熱海市の土砂災害とは関連がない<ref>{{Cite web|和書|url=http://hecj.jp/information/2021/07/130|title=熱海市土砂災害について|accessdate=2021年7月15日|publisher=ハンファエナジージャパン}}</ref><ref name="hankookilbo210705" />。

=== 行政・立法機関の対応 ===

==== 国の対応 ====
[[国土交通省]]は日本全国の盛り土の総点検を始めた<ref>{{Cite web|和書|title=国土交通省｜報道資料｜盛土の可能性のある箇所の概略的な抽出について～デジタルマップの2時期比較で抽出します～|url=https://www.mlit.go.jp/report/press/sabo01_hh_000112.html|website=国土交通省|accessdate=2021-09-21|language=ja|date=2021-07-09}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=国交相「全国の盛り土、総点検を」 熱海の土石流うけ：|url=https://www.asahi.com/articles/ASP764SHRP76UTIL00Q.html|website=朝日新聞デジタル|accessdate=2021-09-21|language=ja|date=2021年7月6日}}</ref>。その結果、1089箇所で不備があることが判明した。崩落の危険があるため、各自治体による追加の対処を求めている。結果内訳は、「必要な災害防止措置が確認できない」が516箇所、「廃棄物の投棄などが確認された」が142箇所、「許可、届け出の手続きが取られていない」が728箇所、「手続内容と現地の状況に相違がある」が515箇所であった<ref>{{Cite web|和書|title=盛り土、1000カ所で不備 全国総点検の最終結果 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE289CF0Y2A320C2000000/ |website=日本経済新聞 |date=2022-03-28 |access-date=2022-04-25 |language=ja}}</ref>。

現行法では対処できないものも含まれているため、2022年3月1日、[[日本政府]]は「宅地造成等規制法の一部を改正する法律案」を[[閣議決定]]した。同改正案は同法の題名を「[[宅地造成及び特定盛土等規制法]]」に改正する上、盛り土を[[都道府県知事]]の許可制とし、[[罰金刑]]および[[懲役刑]]を定め、全国一律の規制を行うようと規定するもので、同月29日に[[衆議院]]に付託された<ref>{{Cite web|和書|title=●宅地造成等規制法の一部を改正する法律案 第二〇八回 閣第四五号 |url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g20809045.htm |website=衆議院 |access-date=2022-04-25}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=全国一律で盛土をすきまなく規制 盛土規制法案 「宅地造成等規制法」を「盛土規制法」に改称 {{!}} お知らせ {{!}} ニュース |url=https://www.jimin.jp/news/information/203106.html |website=自由民主党 |access-date=2022-04-25 |language=ja |date=2022年3月29日}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=危険な盛り土、全国一律で規制へ 政府が改正法案閣議決定 |url=https://www.asahi.com/articles/ASQ313PSYQ31UTIL003.html?iref=ogimage_rek |website=朝日新聞デジタル |access-date=2022-04-25 |language=ja |date=2022年3月1日}}</ref>。衆議院と[[参議院]]での可決を経って、2022年5月20日に成立した<ref>{{Cite web|和書|title=閣法 第208回国会 45 宅地造成等規制法の一部を改正する法律案 |url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DD55BE.htm |website=www.shugiin.go.jp |access-date=2022-05-24}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=盛り土対策強化へ改正法成立 知事許可制、厳罰化 |url=https://web.archive.org/web/20220520031447/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022052000144&g=pol |website=時事ドットコム |access-date=2022-05-24 |language=ja |date=2022年05月20日}}</ref>。同年5月27日に令和4年法律第55号として公布、2023年（令和5年）5月27日施行予定。

==== 静岡県・熱海市の対応 ====
静岡県による点検と結果、盛土193箇所に不備があることが確認された<ref>{{Cite web|和書|title=盛り土 不備・不具合、県内は193カ所 県東部が目立つ結果に |url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/168860 |website=東京新聞 TOKYO Web |access-date=2022-04-25 |language=ja |date=2022年3月31日}}</ref>。2022年3月、[[沼津警察署|静岡県沼津警察署]]は、事件後も[[沼津市]][[宮本 (沼津市)|宮本]]で無許可で盛土を続け、10年以上に及んでいた84歳の建設業の男を逮捕した。男は条例とそれに基づく市の指導を無視し違法盛土を続けたため、現地では住宅の庭に大岩が落ちてくるなどの被害が報告されていた。ただ、市は当時注意しかできず、強制力のある対処が取れないでいた<ref>{{Cite web|和書|title=無許可で盛り土10年以上 沼津署、容疑の男逮捕 県内外から残土 |url=https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1043169.html |website=www.at-s.com |access-date=2022-04-25 |language=ja |last=あなたの静岡新聞（静岡新聞社） |date=2022.3.23}}</ref>。

2022年3月18日、静岡県は新たな盛土規制条例を制定した。[[静岡県議会]]で可決され、同年7月から発効されるようになった。盛土は許可制となり、違反があった場合は懲役刑が課されるという内容だった<ref>{{Cite web|和書|title=盛り土規制条例可決 許可制、懲役刑も 静岡県議会、7月施行 |url=https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1040913.html |website=www.at-s.com |access-date=2022-04-25 |language=ja |last=あなたの静岡新聞（静岡新聞社） |date=2022.3.18}}</ref>。2022年4月、静岡県には新たに盛土対策課が設置された。同課は[[土木]]、[[農業]]、[[林業]]、[[警察]]、[[教育委員会]]など複数の領域の職員13人で構成され、さらに「盛土監視機動班」が設定される。これまでは対策を行う部署が一定しておらず、複数の部署にわかれて対応していたが、盛土対策課は盛土問題に特化した専門部署となる。巡回監視を行う、盛土の通報があったら迅速に現場確認し、原状回復まで一貫した指導を徹底して行うようになった<ref>{{Cite web|和書|title=静岡県庁に「盛土対策課」“県の決意がかかっている” |url=https://www.nhk.jp/p/ts/5MN78XKQYX/blog/bl/p4Lwr2bg9Z/bp/pEAX7qb1ny/ |website=NHKニュース たっぷり静岡 - NHK |access-date=2022-04-25 |language=ja |last=日本放送協会 |date=2022年4月1日}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=盛土対策課が始動 静岡県、規制・監視体制強化 |url=https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1047701.html |website=www.at-s.com |access-date=2022-04-25 |language=ja |last= |publisher=あなたの静岡新聞（静岡新聞社） |date=2022.4.1}}</ref>。

静岡県は[[人工衛星]]を使って宇宙から違法盛り土を監視する実証実験を行った。静岡県の違法盛土は、人間による監視が行き届きにくい富士山周辺の森林に集中していることが調査により判明している。そのため軌道衛星から撮影した画像をAIに解析させ、迅速な発見と対処を達成することが計画されている。用いられる衛星には既存の民間衛星に撮影を依頼し、それを買い取る形で行われる。また国産ロケットである「[[H3ロケット]]」から投入される予定だった地球観測衛星 「[[だいち3号]]」も活用する計画だった<ref>[https://www.nhk.or.jp/shizuoka/lreport/article/000/70/ 静岡 宇宙から“違法盛り土”を監視へ！全国初の実証実験 | NHK ]</ref>。
さらに市民全体からの監視を強化する考えのもと、県内200件の違法盛土の住所、規模といった情報を県のホームページ上で公開した<ref>[https://web.archive.org/web/20230308120732/https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20230308/3030019495.html 約２００の全不適切盛り土　県が住所など公開へ｜NHK 静岡県のニュース ]</ref>。

==== 検証委員会 ====
[[熱海市議会]]の[[百条委員会]]による[[参考人招致]]では、仲介業者が、盛土の施工には市の指導があったなどと主張し、現場責任者は「名義だけ貸したのであって関与していない」などと主張していた。一方、産廃不法投棄問題で取材していた[[ジャーナリスト]]は「不法投棄を見たことを警察に伝えたが、動かなかった」と証言し、地元住民は「現場が緩い土砂」のほか、「履いていた[[靴]]が溶けた」などとして何らかの[[有害物質]]が含まれていた可能性を示唆した<ref>{{Cite web|和書|title=盛り土造成の「現場責任者」、関与を否定 熱海土石流百条委 |url=https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1040909.html |website=www.at-s.com |access-date=2022-04-25 |language=ja |last= |date=2022.3.18 |publisher=あなたの静岡新聞（静岡新聞社）}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=熱海土石流 百条委参考人招致 仲介業者「盛り土整形は市が指導」 地元住民「現場はゆるい土砂」 |url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/163780 |website=東京新聞 TOKYO Web |access-date=2022-04-25 |language=ja |date=2022年3月5日}}</ref>。熱海市議会百条委員会（調査特別委員会）は2023年3月15日、熱海市は「最善の対応となるための手続きを行う余地は十分にあった」など市にも責任があるとする最終報告書を全会一致で可決したが、[[齊藤栄]]市長は「改善すべき点はあった」としつつ、「市に法的責任はない」という2022年11月に示した公式見解に「変わりはない」と報道陣に述べた<ref>[https://www.sankei.com/article/20230315-TAYTOTANZFNEPAHEAGEVFMYEV4/ 土石流「熱海市 責任を」市議会、百条委報告書を可決]『産経新聞』朝刊2023年3月16日26面（同日閲覧）</ref>。

土石流起点に残った盛り土（推計約2万立方メートル）について、静岡県は2022年8月1日に撤去を求める措置命令を新幹線ビルディングに出したが、期限だった翌9月5日までに同社が着工しなかったため、静岡県は翌6日の対策会議で[[行政代執行]]による撤去を決めた<ref>「熱海盛り土撤去 県が代執行決定」『読売新聞』朝刊2022年9月7日（社会面）</ref>。

静岡県は2021年9月7日に発生原因調査検証委員会、同年12月22日に行政対応検証委員会の初会合をそれぞれ開き、後者は翌2022年5月13日の最終報告書で行政の対応を「失敗」と結論付けた<ref>[https://www.tokyo-np.co.jp/article/186621 【癒えぬ傷痕 熱海土石流1年】(下)「行政失敗」教訓から改革]『東京新聞』夕刊2022年6月30日面（2022年8月15日閲覧）</ref>。[[難波喬司]]静岡県副知事は同月17日の記者会見で、県は熱海市と連携して対応したが、「結果として甚大な災害が発生した。行政対応の不十分さを深く反省する」と述べ報告書の内容を全面的に受け入れるとしたものの、法的な[[瑕疵]]や[[不作為]]は否定した<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60875140X10C22A5CT0000/ 静岡副知事「行政の対応、深く反省」熱海土石流 第三者委報告受け]『日本経済新聞』朝刊2022年5月18日（社会面）2022年11月24日閲覧</ref>。

百条委員会は最終報告書を全会一致で可決した。盛土手続きの不備や土地所有者への措置命令を出さなかったことを問題視し、その責任を負うべきであるとの内容である<ref>[https://www.tokyo-np.co.jp/article/235715 熱海土石流　市議会百条委「市は責任負うべきだ」　報告書案、全会一致で可決：東京新聞 TOKYO Web ]</ref>。

=== 被災者、遺族 ===
==== 追悼 ====
伊豆山地区では月[[命日]]の3日、[[伊豆山神社]]と[[日本の仏教|仏教]][[寺院]]の般若院で、慰霊の[[神事]]と仏式[[法要]]が交互に行なわれている<ref>[https://sizkk-net.or.jp/magazine/288/intro/ 熱海伊豆山で心をつなぐ集い「御霊の安寧と地域のつながりを」]『けんせつ静岡』No.288（2022年夏）静岡県建設業協会／2023年7月17日閲覧</ref>。

土砂崩れが起きた7月3日は静岡県や熱海市を含めた追悼式が開催されている<ref>[https://www.yomiuri.co.jp/national/20230703-OYT1T50081/ 熱海土石流2年、伊豆山小で追悼式…遺族「この場所にいた母のことを思うと苦しい」]読売新聞オンライン（2023年7月3日）2023年7月17日閲覧</ref>。

==== ダメージおよびケア ====
被災から1年半を過ぎても避難所生活を続けている被災者が200人以上に及んでおり、日常生活を取り戻すことはまだ出来ていない。被災による[[PTSD]]や[[アルコール依存]]など、精神面への被害も報告されている。被災者のケアを目的とした支え合いセンターが解説されているが、被災者の参加は少ないという<ref>「[https://www.tokyo-np.co.jp/article/234330 熱海土石流 熱海市が住民のサポート拠点設け活動 野菜販売などイベントも]」東京新聞 TOKYO Web（2023年3月3日）2023年7月17日閲覧</ref><ref>[https://news.yahoo.co.jp/articles/00d1d7efe0e7636d031ed8ccc99b0043eab7e979 熱海土石流 235人が今も避難生活…自宅に戻れる？ 警戒区域解除の目標期限まであと半年（テレビ静岡NEWS） - Yahoo!ニュース ]</ref><ref>[https://www.tokyo-np.co.jp/article/234331 熱海土石流1年8カ月 「メンタルは限界だ」 被災者や遺族の継続的ケア、課題に] 東京新聞 TOKYO Web（2023年3月3日）2023年7月17日閲覧</ref>。

==== 被害者の会の結成および裁判 ====
2021年8月8日、「熱海市盛り土流出事故被害者の会」が結成された<ref name="東京新聞20220628">[https://www.tokyo-np.co.jp/article/186188 【癒えぬ傷痕 熱海土石流1年】(中)怒りや悲しみ 訴訟に]『東京新聞』夕刊2022年6月28日6面（2022年8月7日閲覧）</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/955878.html |title=新たに遺族4人が告訴へ 損賠提訴は原告60人に 熱海土石流 |publisher=あなたの静岡新聞 |date=2021-09-06 |accessdate=2021-09-17}}</ref>。被害者の会は、盛り土のあった土地の旧所有者を[[業務上過失致死]]容疑で、現所有者を[[重過失]]致死容疑で同年8月17日に刑事告訴し、熱海警察署が同月27日に正式に受理した<ref name="東京新聞20220628"/>。さらに同年11月10日、犠牲者6人の遺族5人が現旧土地所有者を[[殺人罪|殺人]]容疑で刑事告訴し、翌12月6日に受理された<ref name="東京新聞20220628"/><ref>{{Cite web|和書|title=「許せぬ」「盛り土さえなければ」殺人罪告訴の遺族 |url=https://www.sankei.かcom/article/20211110-UM6QS2QYJNODTPTUP2626KYSKU/ |website=[[産経新聞|産経ニュース]] |date=2021-11-10 |access-date=2022-04-25 |language=ja |first=SANKEI DIGITAL |last=INC}}</ref>。

同年9月28日、被害者遺族ら70人が土地の現旧所有者らを相手取り、約32億6800万円の損害賠償を求める訴訟を[[静岡地方裁判所]]沼津支部に起こした<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20210928004921/https://www.jiji.com/jc/article?k=2021092800146&g=soc|title=熱海土石流で集団提訴 遺族ら32億円賠償請求―地裁沼津支部|date=2021年9月28日|accessdate=2022-09-07|publisher=時事通信}}</ref>。

2022年5月18日、崩落した時の土地の元・現所有者ら8人と5社を相手どり、遺族、被災者84人が総額85億1900万円の損害賠償を求めた訴訟を起こした。元・現所有者はいずれも争う姿勢である<ref>{{Cite web|和書|title=崩落地所有者ら争う姿勢＝熱海土石流賠償訴訟―静岡地裁支部 |url=https://news.goo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-220518X029.html |website=[[goo]]ニュース |access-date=2022-05-24 |language=ja |date=2022/05/18}}{{リンク切れ|date=2022年9月}}</ref>。

2022年8月16日、遺族4人が業務上過失致死の容疑で熱海市長を刑事告訴した。盛土とその危険性を把握していたにもかかわらず対策を取らなかったことが土石流の一因であるとしている<ref>[https://web.archive.org/web/20220816120710/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022081600944&g=soc 「熱海市長への告訴状提出 土石流災害の遺族ら」]時事ドットコム（2022年8月16日）2022年9月7日閲覧</ref><ref>[https://www.nikkansports.com/general/news/202208160000597.html 熱海土石流遺族、業務上過失致死容疑で斉藤栄市長を告訴・告発「盛り土危険除去せず」][[日刊スポーツ]]（2022年8月17日）2022年9月7日閲覧</ref>。11月17日、静岡県警察は被疑者不詳のまま静岡県庁と熱海市役所を業務上過失致死の疑いで家宅捜索し、県市間の協議内容や崩落の起点となった土地の現旧所有者とのやりとりを記録した行政文書の原本など計約400点を押収した<ref>{{Cite news|url=https://www.sankei.com/article/20221130-HO6E5DEWSZOKXK3XBIPYQIEI24/?outputType=amp|title=熱海土石流資料400点押収 静岡県警、県市20カ所捜索|newspaper=産経新聞|date=2022-11-30|accessdate=2022-12-04}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://www.at-s.com/sp/news/article/shizuoka/1157700.html|title=公文書原本中心に押収 熱海土石流 市と県への家宅捜索|newspaper=静岡新聞|date=2022-11-30|accessdate=2022-12-04}}</ref>。

2022年9月5日、犠牲者遺族ら110と被災した3[[法人]]が、違法な盛り土を黙認したとして静岡県と熱海市に合計で約64億円の損害賠償を求める訴訟を静岡地方裁判所沼津支部に起こした<ref>[https://www.tokyo-np.co.jp/article/200574 熱海土石流 県市を提訴 遺族ら「違法な盛り土黙認」地裁支部]『東京新聞』朝刊2022年9月6日（社会面）2022年9月7日閲覧</ref>。

2023年1月11日の弁論準備手続きでは、市側が所有する盛土関連資料の開示を拒否し争う姿勢を見せたため、遺族側と土地所有者側双方から批判の声が上がっている。一方、県は3月までに開示するとした<ref>{{Cite web|和書|title=熱海土石流裁判で市は盛り土資料の開示を拒否 「なるべく隠ぺいする姿勢」土地所有者側が非難（テレビ静岡NEWS） |url=https://news.yahoo.co.jp/articles/736b6ff7d786e5f5c7e03809ffa8417ac7b7ef93 |website=Yahoo!ニュース |access-date=2023-02-10 |language=}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=土石流裁判 黒塗りない公文書 熱海市 任意提出応じない考え｜NHK 静岡県のニュース |url=https://web.archive.org/web/20230111094445/https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20230111/3030018896.html |website=NHK NEWS WEB |access-date=2023-02-10 |last=日本放送協会}}</ref>。

=== その他、各方面への影響 ===
==== 宿泊施設 ====
伊豆山地区にある[[大江戸温泉物語]]ホテル水葉亭では、施設本体への被害はなかったものの、前を走る国道135号の通行止め区間に含まれていた上、温泉の配管が土石流で破損したため、9月15日まで休業していた<ref>[https://news.yahoo.co.jp/articles/129e77d805596efa8597668685504a42b4110b9b 熱海・伊豆山の「大江戸温泉物語 ホテル水葉亭」が営業再開 土石流災害で休館（みんなの経済新聞ネットワーク） - Yahoo!ニュース]{{リンク切れ|date=2022年8月}}</ref>。

伊豆山地区住民の避難生活が長期化していることから、[[伊東園ホテルズ]]（[[熱海ニューフジヤホテル]]：7月4日-19日、熱海金城館：7月20日-9月14日<ref>[https://www.itoenhotel.com/news/detail/1144/ 【熱海金城館】「令和3年7月熱海豪雨災害」被災者受け入れ期間延長について] 伊東園ホテルズ公式サイト</ref>、ウオミサキホテル：7月20日-8月6日）と[[ホテルニューアカオ]]が宿泊予約をキャンセルして、避難者を受け入れている<ref>{{Cite web|和書|title=観光ホテルを避難所に 長期化で先行き不安も 熱海土石流|url=http://www.at-s.com/news/article/shizuoka/925764.html|website=静岡新聞|accessdate=2021-08-10|date=2021-07-07}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=静岡・熱海市の土石流災害 さらに1人の死亡確認、死者12人に 避難者は全館貸し切りで別のホテルに移動へ|url=https://look.satv.co.jp/_ct/17467491|website=静岡朝日テレビ|accessdate=2021-08-10|date=2021-07-15}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=【熱海金城館・ウオミサキホテル】「令和3年7月熱海豪雨災害」被災者受け入れについて|url=https://www.itoenhotel.com/news/detail/974/|website=伊東園ホテルズ公式サイト|accessdate=2021-08-10|date=2021-07-16}}</ref>。

一方で、土石流の被害は伊豆山地区の一部に留まり、市内中心部での被害は無かったが、伊豆山地区以外を含む[[宿泊施設]]へのキャンセルが相次ぎ、基幹産業である観光業を始めとする市内経済への著しい打撃が懸念されている<ref>{{Cite web|和書|title=熱海市内の旅館 予約キャンセル相次ぐ 「夏休み前なのに…」|url=https://mainichi.jp/articles/20210708/k00/00m/040/100000c|website=毎日新聞|accessdate=2021-07-10|date=2021-07-08}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=相次ぐ予約キャンセル 観光のまち覆う暗い影|url=https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/926781.html|website=静岡新聞|accessdate=2021-07-10|date=2021-07-09}}</ref>。

==== 観光イベント ====
熱海市は7月17日から順次予定していた市内3箇所（[[熱海サンビーチ]]、[[長浜海水浴場]]、[[網代温泉海水浴場]]）の[[海開き]]について、行方不明者の捜索活動が続けられていることや海岸近くの[[駐車場]]を災害復旧作業目的で使用することを受けて、被災者や市民感情に配慮し中止を決定した<ref>{{Cite web|和書|title=熱海市、海水浴の場開設を中止 「適当ではない」|url=https://www.asahi.com/articles/ASP7F5FPFP7FUTIL03M.html|website=朝日新聞|accessdate=2021-07-15|date=2021-07-13}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=熱海市土石流 発生から12日目…捜索続く|url=https://news.ntv.co.jp/category/society/905735|website=日テレNEWS24|accessdate=2021-07-15|author=日本テレビ|date=2021-07-14}}</ref>。また、[[熱海海上花火大会]]を主催する[[熱海温泉]]ホテル旅館[[協同組合]]は、7月30日、8月5日、8月9日に予定していた海上花火大会を中止すると発表した<ref>{{Cite web|和書|title=熱海海上花火大会|url=https://www.ataminews.gr.jp/event/8/|website=熱海市観光協会|accessdate=2021-07-14|date=2021-07-12}}</ref>。

==== パラリンピック聖火リレー ====
8月24日開幕の[[2020年東京パラリンピック|東京パラリンピック]]の[[2020年東京パラリンピックの聖火リレー|聖火リレー]]では熱海市が静岡県区間における出発地となり、8月17日に行われる予定だったが、災害対応に追われる同市から中止要請があったことを受けて、同市区間での実施を取り止めることを7月21日に[[東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会|組織委員会]]と静岡県、熱海市が連名で発表した<ref>{{Cite web|和書|title=熱海市でのパラ聖火リレー中止 土石流受け市が要請|url=https://www.sankei.com/article/20210721-F76HFNDEXNIQ3HSRGDGKL54BBA/|website=産経新聞|date=2021-07-21|accessdate=2021-07-22}}</ref>。なお、熱海市内で走行予定だったランナーについては、[[静岡市]]内の区間に組み入れる方針としていたが、COVID-19による[[緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置|まん延防止等重点措置]]が適用されたことを受けて、公道での開催を断念し、[[浜松市]][[中区 (浜松市)|中区]]（現・[[中央区 (浜松市)|中央区]]）の[[四ツ池公園]]陸上競技場での走行に変更することになった<ref>{{Cite web|和書|title=東京パラ県内聖火リレー　緊急事態宣言なら公道実施は取りやめ|url=https://web.archive.org/web/20210803204535/https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20210803/3030012744.html|website=ＮＨＫ|date=2021-08-03|accessdate=2021-08-04}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=東京パラ聖火リレー 静岡市区間の公道走行中止 正式決定|url=https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/944482.html|website=静岡新聞|accessdate=2021-08-17|date=2021-08-13}}</ref>。

==== テレビ番組 ====
熱海市で収録が行われたテレビ番組については、被災住民への配慮として内容変更・放送見合わせとするケースが発生している。
* 7月7日に放送された『[[有吉の壁]]』（[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]）では、市内にある「[[星野リゾート]] リゾナーレ熱海」で収録が行われた内容を放送した。その際、被災住民への配慮として、当初のサブタイトルを「星野リゾート リゾナーレ熱海に潜んで有吉を笑わせろ!」としていたところを、「星野リゾート リゾナーレに潜んで有吉を笑わせろ!」として、熱海の文言を削除する配慮を行った<ref>{{Cite news |title=日本テレビ「有吉の壁」の内容一部変更、タイトルから「熱海」を消す|newspaper=[[日刊スポーツ]]|date=2021年7月6日|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202107060000322.html|accessdate=2021-07-19}}</ref>。
* 『[[ラヴィット!]]』（[[TBSテレビ]]）では、金曜日のコーナーとして「ラヴィット! HOUSE」があった。このコーナーは、太田博久（[[ジャングルポケット (お笑いトリオ)|ジャングルポケット]]）・[[近藤千尋]]夫妻が熱海市内で購入した中古住宅を[[DIY]]でリフォームする内容だったが、災害発生後は当面放送を見合わせ、別のDIY企画に変更されていた。その後、10月15日放送で再開した。

==== 伊豆湘南道路の実現へ向けた動き ====
通行止めとなった[[国道135号]]は土砂災害だけでなく台風や高波などによる被害が多発しており、今回の長期間封鎖によって大規模な新道路建設を求める声が強まっている<ref name=":6">{{Cite web|和書|title=「伊豆湘南道路」実現に向けて本腰 神奈川県西部の3市町が官民協議会立ち上げ|url=https://nordot.app/790187069421207552?c=62479058578587648|website=[[神奈川新聞]]|date=2021-07-20|accessdate=2021-07-22}}</ref>。

その一つである「[[伊豆湘南道路]]」は[[伊豆半島]]と神奈川県西部を結ぶ国道135号の代替ルートとして[[1963年]]（[[昭和]]38年）頃から検討されてきた構想である。

2021年7月19日には神奈川県側の1市2町により[[西湘バイパス]]延伸を目的に[[1981年]]（昭和56年）に結成された「小田原真鶴道路建設促進協議会」の名称を「伊豆湘南道路神奈川県西湘地区建設促進協議会」と改め、長期間封鎖されることとなった国道135号の代替道路建設を国や県へ要望していくこととなった<ref name=":6" />。

== 国際社会の反応 ==
* [[中華民国|台湾]][[中華民国総統|総統]]の[[蔡英文]]は土砂災害の発生した7月3日の夜に[[Twitter]]に[[日本語]]で投稿し、日本の必要な援助を何時でも提供できるように用意があることを伝えた<ref name="nhk210706b"/>。
* [[オーストラリア]]駐日[[大使]]の{{仮リンク|ジャン・エリザベス・アダムズ|en|Jan Adams (diplomat)}}も3日夜に哀悼の意を表する旨を投稿した<ref name="nhk210706b"/>。
* [[ウクライナ]]駐日大使の[[セルギー・コルスンスキー]]は4日、Twitterに犠牲者を悼む投稿をした<ref name="asahi210704a"/>。
* [[トルコ]]外務省は早期の復興を願う声明を出し、[[エストニア]]や[[インド]]の[[駐日大使館|在日大使館]]もそれぞれの公式Twitterアカウントで見舞いの言葉を寄せた<ref name="asahi210704a"/>。
* [[駐日大韓民国大使|韓国駐日大使]]の[[姜昌一]]は5日、静岡県の川勝知事宛に見舞いの書簡を送り「微力ながらできる限りのことをさせていただきます」と伝えた<ref name="yna210705"/>。
* [[7月5日]]午後の記者会見で[[内閣官房長官|官房長官]]の[[加藤勝信]]は、土砂災害を受けて14の国と地域と[[国際機関]]{{efn|中華民国（台湾）、オーストラリア、韓国、[[カナダ]]、エストニア、[[モルディブ]]、[[コスタリカ]]、トルコ、[[イスラエル]]、インド、[[イギリス]]、[[キューバ]]、[[欧州連合]]、[[国際連合広報センター|国連広報センター]]。}}から見舞いのメッセージや支援の申し出があったことを明らかにし「日本国民、[[日本政府]]に心温まるメッセージ、また支援の姿勢を示していただいたことに日本政府として心から感謝申し上げたい」と述べた<ref name=″sankei210705b″/>。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Notelist}}

=== 出典 ===
<references>
<!-- 公的機関 -->
<ref name="jsdf210703">{{Cite press release |和書| title = 07/03［公表］静岡県熱海市における土砂災害に係る災害派遣について | publisher = [[防衛省]][[統合幕僚監部]] | date = 2021-07-03 | url = https://www.mod.go.jp/js/Press/press2021/press_pdf/p20210703_01.pdf | format = pdf | accessdate = 2021-07-07 | archiveurl = https://archive.vn/WVXSN | archivedate = 2021-07-07 }}</ref>
<ref name="JMA210708">{{Cite web|和書|title=7月1日から3日の東海地方・関東地方南部を中心とした大雨 令和3年(2021年)7月1日{{～}}7月3日（速報） |url=https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/2021/20210708/20210708.html|website=気象庁|accessdate=2021-07-11|language=ja|date=2021-07-08}}</ref>

<!-- NHKニュース -->
<ref name=":0">{{Cite web|和書|title=静岡 熱海市 土石流が発生 20人安否不明 2人が心肺停止|url=https://web.archive.org/web/20210703034429/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210703/k10013117711000.html|website=NHKニュース|accessdate=2021-07-03|last=日本放送協会}}</ref>
<ref name=":1">{{Cite web|和書|title=静岡 熱海の土石流 死者3人 所在不明住民は80人 確認急ぐ|url=https://web.archive.org/web/20210704193032/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210705/k10013119961000.html|website=NHKニュース|accessdate=2021-07-05|last=日本放送協会|date=2021年7月5日}}</ref>
<ref name="nhk21070301">{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20210703034429/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210703/k10013117711000.html|title=静岡 熱海市 土砂崩れ発生 20人程度が安否不明|website=NHKニュース|date=2021-07-03|accessdate=2021-07-03}}</ref>
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<ref name="kyodo210705a">{{Cite web|和書|title=盛り土の不動産管理会社元幹部、責任を否定|url=https://web.archive.org/web/20210705113216/https://nordot.app/784739481264685056?c=39546741839462401|website=共同通信|date=2021-07-05|accessdate=2021-07-05|language=ja|last=共同通信}}</ref>
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<ref name="asahi210703a">{{Cite web|和書|title=【速報中】迫る土石流 夢中でアクセル踏み込んだ：|url=https://www.asahi.com/articles/ASP735WV9P73UTIL037.html|website=朝日新聞デジタル|accessdate=2021-07-03|language=ja|date=2021-07-03}}</ref>
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<ref name="asahi210710a">{{Cite web|和書|title=埋まるバス通り、突然の轟音…あの消防隊員は何を見た|website=朝日新聞デジタル||date=2021-07-10|url=https://digital.asahi.com/articles/ASP7B66W3P7BUTIL03H.html|accessdate=2021-07-11}}</ref>

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<ref name="yomiuri210703a">{{Cite web|和書|title=静岡県熱海市で土石流、住宅など流され約20人安否不明…近くの女性「爆撃のような音」：社会：ニュース|url=https://www.yomiuri.co.jp/national/20210703-OYT1T50151/|website=読売新聞オンライン|date=2021-07-03|accessdate=2021-07-03|language=ja}}</ref>
<ref name="yomiuri210706">{{Cite web|和書|url=https://www.yomiuri.co.jp/national/20210706-OYT1T50005/|title=土石流起点の盛り土、規制対象外の残土処分で届け出…全国で崩落事故相次ぐ|newspaper=|date=2021-07-06|accessdate=2021-07-06|publisher=[[読売新聞]]}}</ref>

<!-- 産経新聞 -->
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<ref name="hankookilbo210705">{{Cite web|title=日 산사태가 한국기업 태양광 때문? '가짜뉴스' 확산|url=https://hankookilbo.com/News/Read/A2021070512090000656?t=20210705172910|website=한국일보|date=2021-07-05|accessdate=2021-07-06|language=ko-KR}}</ref>
<ref name="yna210705">{{Cite web|title=駐日韓国大使 静岡県知事にお見舞いの書簡=熱海の土石流で|url=https://jp.yna.co.kr/view/AJP20210705004200882|website=聯合ニュース|date=2021-07-05|accessdate=2021-07-06|language=ja|last=사이토}}</ref>。

</references>

== 外部リンク ==
{{Commonscat|2021 Atami landslide}}
{{Wikinews|関東から東海にかけて広く大雨、熱海では土石流が発生}}
* [https://www.mlit.go.jp/river/sabo/jirei/r3dosha/r3_0701ooame.html 令和3年7月1日からの大雨による土砂災害発生状況] - [[国土交通省]]
* [https://www.gsi.go.jp/BOUSAI/R3_0701_heavyrain.html 令和3年(2021年)7月1日からの大雨に関する情報] - [[国土地理院]]
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* [https://www.asahi.com/national/atami-dosekiryu/ 「空から見た熱海土石流」朝日新聞社撮影の空撮写真を合成] - [[朝日新聞]]、2021年7月8日
* {{YouTube|IiXYKT3KgCY|熱海市の住民が撮影した土石流の動画 【landslide】}}（朝日新聞デジタル）
* {{NHK放送史|D0009030864_00000|熱海市で大規模土石流　28人死亡}}
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[[Category:2021年7月]]
[[Category:2021年の日本における災害]]
[[Category:日本の土砂災害]]
[[Category:熱海市の歴史]]
[[Category:2021年の静岡県]]