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[[ファイル:YF-23 top view.jpg|thumb|350px|[[YF-23 (航空機)|YF-23 ブラック・ウィドウ II]]]]
[[ファイル:B-2 Spirit original.jpg|サムネイル|349x349ピクセル|ステルス爆撃機の[[B-2 (航空機)|B-2]]]]
'''ステルス機'''(ステルスき、stealth aircraft)とは、[[ステルス性]]を有する航空機のことである。
'''ステルス機'''(ステルスき、stealth aircraft)とは、[[ステルス性]]を有する航空機のことである。
__TOC__

== ステルス機の欠点と制限 ==
== ステルス機の欠点と制限 ==
[[ファイル:DarkStar Tier III.jpg|thumb|250px|[[RQ-3 ダークスター]]]]
; 空力的不安定性
; 空力的不安定性
: ステルス機は[[レーダー反射断面積]](RCS)を減少させるために、空力的洗練度に劣る造形とならざるを得ないので、機体制御が困難になる。れを解決するには高性能な機体制御系統や[[フライ・バイ・ワイヤ]]などが必要となる。
: ステルス機は[[レーダー反射断面積]](RCS)を減少させるために、空力的洗練度は犠牲した造形とざるを得ない。こため機体制御が困難になりやすく、解決には高性能な機体制御系統や[[フライ・バイ・ワイヤ]]などの最先端技術が必要となる<ref name=":0">{{Cite book|title=戦闘機事典|date=2017-06-30|year=|publisher=イカロス出版|isbn=4802203519|page=|pages=79-80}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=ステルス機はレーダーで見つからないのが利点だけど欠点もあった |url=https://air-line.info/stels.html |website=air-line.info |access-date=2022-11-04}}</ref>
; 電波使用制限
; 電波使用制限
: [[レーダー]]などを使用し自ら電波を発信してしまうと、それを逆探知されてしまい、せっかくのステルス性が台無しになる。このためステルス機は自分からレーダーなど使用すること出来ない。
: [[レーダー]]などを使用し自ら電波を発信すると、逆探知されてしまい、せっかくのステルス性が台無しになる。このためステルス機は、ごく短時間、必要なときだけ標的周辺にのみレーダー波を照射するに留めるなど、電子機器の使用が大きく制限される<ref>{{Cite news|title=ステルス機はなぜ見えないのか? 実は少し見えてる、レーダーをあざむく技術の基本|date=2018-09-23|author=関賢太郎|newspaper=乗りものニュース|url=https://trafficnews.jp/post/81410/3|page=3}}</ref>
; 搭載量
; 搭載量
: 爆弾や[[ミサイル]]などを機外装着すると、そのせいでRCSが増大するので、ステルス性が失われる。このため、ステルス機は基本的に搭載兵器全て爆弾倉(ウエポン・ベイ)部に搭載する必要があり、兵装搭載量が少なくなりがちである。
: 爆弾や[[ミサイル]]などを機外装着すると、RCSが増大してステルス性が失われる<ref name=":0" />。このため、ステルス性維持の為、兵器全て格納する必要があり、同じ大きさの非ステルス機に対し兵装搭載量が少なくなりがちである<ref name=":0" /><ref>{{Cite web|和書|title=ステルス戦闘機ってなに?なぜ見えないの?解説 - 独りで歩いてく人のブログ |url=https://blog.goo.ne.jp/kodoku44/e/56a3fabf60539c73c1d18b6690f4acfa |website=goo blog |access-date=2022-11-04 |language=ja}}</ref>
; 維持費
; 維持費
: [[ファイル:Rah-66 c. 2000.jpg|サムネイル|249x249ピクセル|[[RAH-66 (航空機)|RAH-66]]。ステルスヘリコプターとして開発されたが未採用に終わった。]]高度なステルス性を維持するには、常に機体表面の研磨や電波吸収性塗料による塗装<ref name=":0" />が必要不可欠である。この為、維持費・整備費が高価になる<ref>{{Cite web|和書|title=ステルス機はレーダーで見つからないのが利点だけど欠点もあった |url=https://air-line.info/stels.html |website=air-line.info |access-date=2022-11-04}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=ステルス戦闘機ってなに?なぜ見えないの?解説 - 独りで歩いてく人のブログ |url=https://blog.goo.ne.jp/kodoku44/e/56a3fabf60539c73c1d18b6690f4acfa |website=goo blog |access-date=2022-11-04 |language=ja}}</ref>。
: ステルス性を維持するためには、常に機体表面の研磨や電波吸収性塗料による塗装が必要であり、維持費・整備費が高価になる。
; 領空侵犯への対応
[[領空侵犯]]に対する[[スクランブル]]任務は、相手に自らの姿(武装を含め)を見せて警告を行うため、レーダーに映りにくい、武装を機内に収納する傾向があるステルス機には不向きである。また、スクランブル時に同世代の非ステルス機と対峙した場合には、運動性能に劣るステルス機側が[[ドッグファイト]]で後手を踏む可能性も生じる<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.businessinsider.jp/post-108736 |title=F-22の弱点、シリア上空でロシア最新鋭機と対峙して露呈 |publisher=businessinsider |date=2017-12-28 |accessdate=2022-03-25}}</ref>。


== 歴史 ==
== 歴史 ==
=== 第二次大戦 ===
=== 第二次大戦 ===
[[ファイル:Mosquito 600pix.jpg|thumb|250px| 英空軍戦闘機デ・ハビランド モスキート]]
[[ファイル:Mosquito 600pix.jpg|thumb|250px| 英空軍戦闘機デ・ハビランド モスキート]]
ステルス技術は、レーダーが使われ始めた[[第二次世界大戦]]の頃から研究され始めた。レーダーと言う「目」の研究・実用化と共に、その目から逃れる技術を研究するのもまた、当然の流れであった。
ステルス技術は、レーダーが使われ始めた[[第二次世界大戦]]の頃から研究され始めた。


この時代のステルス機と言われているのが、大戦中に英空軍で使用された[[デ・ハビランド モスキート]]であろう。当時[[イギリス]]では資源の不足が心配されていたため、この木製フレームに[[合板]]を張り合わせた[[爆撃機]]が開発された。だが、木材を使用したことでレーダーから探知されにくいという副次的な効果を生んだ。同時期のソ連軍戦闘機・双発爆撃機にも木製機が多かったが、ステルス性については明確に記録されていない。同様の理由(資源不足)から[[日本]]や[[ドイツ]]でも木製航空機試作が行われたが、組み立てに用いられる接着材の問題などから事故も発生しまたジュラルミン製の機体設計を元に木製化すると重量が増加したため、ごく一部を除いて実用化はされなかった。
当時[[イギリス]]では鉱物資源の不足が心配されていたため、木製フレームに[[合板]]を張り合わせた[[爆撃機]]、[[デ・ハビランド モスキート]]が開発された。だが、木材を使用したことでレーダーから探知されにくいという副次効果を生んだ。同時期のソ連軍戦闘機・双発爆撃機にも木製機が多かったが、ステルス性については明確に記録されていない。同様の理由(資源不足)から[[日本]]や[[ドイツ]]でも木製航空機試作れたが、組み立てに用いる接着材の問題などから事故も発生した。た当時すでに主流だったジュラルミン製の機体設計を元に木製化すると重量が増加したため、ごく一部を除いて実用化はされなかった。


また実用化には至らなかったが、ドイツが開発した[[全翼機]]の[[ホルテン Ho229]]は、主翼前縁にレーダー波吸収を企図してカーボン塗料を塗布し、エンジンを上面配置して排熱抑制する初めて意図してステルス対策を施された飛行機として関係者に知られるところである。本機は後に[[F-117]]の開発に際しても参考とされた<ref>『ミリタリー・エアクラフト』(デルタ出版)1991年11月号より</ref>。
実用化には至らなかったが、ドイツが開発した[[全翼機]]の[[ホルテン Ho229]]は、主翼前縁にレーダー波吸収を企図してカーボン塗料を塗布し、エンジンを上面配置して排熱抑制するなど、意図してステルス対策を施された初の飛行機だったこのため本機は、ステルス機[[F-117]]の開発に際しても参考とされた<ref>『ミリタリー・エアクラフト』(デルタ出版)1991年11月号より</ref>。


=== ステルス黎明期 ===
=== ステルス黎明期 ===
[[1957年]]、[[ソビエト連邦]]の科学者[[ピョートル・ウフィムツェフ]]によって、ステルス機開発での重要論文が発表された。これにより従来、電波反射が解析不能だった部分の計算が可能となった。これ以前は、機体形状については「実際に作って飛ばしてみたらレーダーに映りにくかった」というケースがほとんどであ
[[1957年]]から[[1961年]]にかけて、[[ソビエト連邦]]の科学者[[ピョートル・ウフィムツェフ]]によって物理光学的回折理論が開発され、[[1962年]]にはそれまでの仕事をまとめた「回折理論による鋭角面の電波の解析」という論文が発表された<ref name=":1">{{Cite news|title=【コラム】航空機とIT 第74回 実機拝見(8)F-117Aナイトホーク|date=2015-12-21|url=https://news.livedoor.com/article/detail/10980091/|author=井上孝司|newspaper=マイナビニュース}}</ref>。これが米空軍により英訳され、電波反射が解析不能だった部分の計算が可能となった。これ以前は、機体形状については「実際に作って飛ばしてみたらレーダーに映りにくかった」というケースがほとんどであった


また、アメリカ軍では入手したソ連製輸送機[[An-2 (航空機)|An-2]]を演習場内で飛ばしレーダーがどの程度探知できるかを調べたり、[[繊維強化プラスチック]]を多用した軽飛行機で電波反射特性の調査を行った。
また、アメリカ軍では入手したソ連製輸送機[[An-2 (航空機)|An-2]]を実際に演習場内で飛ばして自軍のレーダーがどの程度探知できるかを調べたり、[[繊維強化プラスチック]]製の[[YE-5 (航空)|YE-5]]で電波反射特性の調査を行った<ref name=NASM>{{citeweb|url=http://airandspace.si.edu/collections/artifact.cfm?id=A19850619000|title=Windecker Eagle I|publisher=[[国立航空宇宙博物館]]|accessdate=2013-04-20}}</ref>


[[ベトナム戦争]]や[[第四次中東戦争]]で、ソ連製[[地対空ミサイル]]によって多くの航空機を損失した事も、アメリカ軍のステルス機開発を後押しした。敵がその存在を探知できないステルス機が実現すれば、[[対空ミサイル]]や[[迎撃戦闘機]]を管制する対空レーダーは無力化し、その存在意義はなくなる。ステルス機は従来の[[戦術]]思想を覆す革命的なシステムと期待された。
[[ベトナム戦争]]や[[第四次中東戦争]]で、ソ連製[[地対空ミサイル]]によって多くの航空機を損失した事も、アメリカ軍のステルス機開発を後押しした。敵がその存在を探知できないステルス機が実現すれば、[[対空ミサイル]]や[[迎撃戦闘機]]を管制する対空レーダーは無力化し、その存在意義はなくなる。ステルス機は従来の[[戦術]]思想を覆す革命的なシステムと期待された。


=== 本格的なステルス機の登場 ===
=== 本格的なステルス機の登場 ===
[[ファイル:Rah-66.jpg|thumb|250px|[[RAH-66 (航空機)|RAH-66 コマンチ]]]]
[[ファイル:F-117 Nighthawk Front.jpg|サムネイル|249x249ピクセル|[[F-117 (航空機)|F-117]](2002年)]]
そしてアメリカでは、[[ロッキード]]社の[[スカンクワークス]]が開発したステルス実験機「ハブ・ブルー」をもとに、[[1981年]]に世界初の本格実用ステルス機、[[F-117_(航空機)|F-117]]が開発された。以降、[[F-22 (戦闘機)|F-22]]や[[YF-23 (航空機)|YF-23]]、[[B-2 (航空機)|B-2]]といったステルス戦闘機や[[爆撃機]]が生み出された。
そしてアメリカでは、[[ロッキード]]社の[[スカンクワークス]]が開発したステルス実験機「ハブ・ブルー」<ref name=":1" />をもとに、[[1981年]]に世界初の本格的な実用ステルス機、[[F-117_(航空機)|F-117]]が開発された。これ以降、[[F-22 (戦闘機)|F-22]]や[[Su-57 (航空機)|Su-57]]といったステルス戦闘機、[[B-2 (航空機)|B-2]]や[[PAK DA (航空機)|PAK DA]]といったステルス[[爆撃機]]が開発されるに至った。


だが、ステルス性重視の機体設計と[[空気力学]]的に優秀な機体形状の要求は背反することが多い。電波吸収材の使用にも限度がある。2000年代末の今では、ステルス性を求めた為に空気力学的に不安定になった機体を、[[運動能力向上機|CCV技術]]や[[フライ・バイ・ワイヤ]]などの[[電子工学|エレクトロニクス]]によって操縦安定性を確保する事が必須となっている。
だが、ステルス性重視の機体設計と[[空気力学]]的に優秀な機体形状の要求は背反することが多い<ref name=":1" />また、電波吸収材のやその性能にも限度がある。2000年代末の今では、ステルス性を求めた為に空気力学的に不安定になった機体を、[[運動能力向上機|CCV技術]]や[[フライ・バイ・ワイヤ]]などの高度な[[電子工学|エレクトロニクス]]によって補い<ref name=":1" /><ref>{{Cite web|和書|title=世界初の実用ステルス機 F-117「ナイトホーク」初飛行-1981.6.18 退役と思ったらまた飛んでる!? |url=https://trafficnews.jp/post/119779 |website=乗りものニュース |access-date=2022-11-04 |language=ja}}</ref>、操縦安定性を確保する事が必須となっている。


被発見率を下げる設計を指した言葉としてステルスという言葉が使われたのは、F-117の広報リリースが最初だと思われる。ただしF-117が登場した当時は[[情報公開]]などもあまりなく、都合のいいスペックや戦果だけが伝えられたため、レーダーへの被発見率低下だけを指してステルスとか、ステルスであれば全然レーダーに引っかからない、またそうでなければステルスではない、などという誤解が広まることになった。
被発見率を下げる設計を指した言葉としてステルスという言葉が使われたのは、F-117の広報リリースが最初だと思われる。ただしF-117が登場した当時は[[情報公開]]などもあまりなく、都合のいいスペックや戦果が頻繁に誇張して伝えられた。そのせいで、レーダーへの被発見率低下だけを指してステルスとか、ステルスであれば全然レーダーに引っかからない、またそうでなければステルスではない、などという非現実的な誤解が広まることになった。
{{-}}


=== 古典的複葉の利用 ===
== ステルス一覧 ==
=== 純粋ステルス型 ===
[[ファイル:An-2 RB1.jpg|thumb|250px|ソ連製輸送機「[[An-2 (航空機)|An-2]]」]]
第二次世界大戦時のモスキートがレーダーに映りにくかったように、古典的な複葉機が現代戦においてもステルス機として使用されるのではないかという話がある。


==== 現在実用化されている有人戦闘機と無人機 ====
[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]にも配備されているソ連製の旧式輸送機 [[An-2 (航空機)|An-2]]は、[[有事]]の際は[[大韓民国国軍|韓国軍]]とアメリカ軍のレーダー網をすり抜けて、[[特殊部隊]]を韓国国内に送り込もうとしているのではないかと言われている。道路沿いを超低空・低速度で飛行すれば、[[早期警戒管制機]]でも陸上の走行車輌と判断する可能性がある。
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{{-}}
ファイル:RNLAF F-35 F-001 01.jpg|[[F-35 (戦闘機)|F-35]]
ファイル:1 FW F-22 Raptor participates in Red Flag.jpg|[[F-22 (戦闘機)|F-22]]
ファイル:J-20 at Airshow China 2016.jpg|[[J-20 (戦闘機)|J-20]]
ファイル:Sukhoi Design Bureau, 054, Sukhoi Su-57 (49581303977).jpg|[[Su-57 (航空機)|Su-57]]
ファイル:Unveiling ceremony of Qaher-313 fighter (24).jpg|[[ガーヘル 313]]
ファイル:RQ-170 art impression.jpg|[[RQ-170 (航空機)|RQ-170]]
ファイル:GJ-11 at Airshow China Zhuhai 2021.jpg|[[利剣 (航空機)|利剣]]
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==== 現在開発中のもの ====
== ステルス機一覧 ==
{{col|{{USA}}
[[ファイル:B-2 spirit bombing.jpg|thumb|250px|カリフォルニア沖の演習でMk.82爆弾を投下するB-2 スピリット爆撃機(1994年)]]
* [[F/A-XX]]
[[ファイル:F22 Training.jpg|thumb|250px|世界最高水準の戦闘能力を有するF-22 ラプター戦闘機]]
* [[:jp: 次世代航空支配 |次世代制空戦闘機]]

* [[B-21 (航空機)|B-21]]
=== 純粋ステルス型 ===
* [[F-117 (航空機)|F-117]]
* [[:en:Northrop Grumman RQ-180|RQ-180]]
* [[ファントム・レイ]]
* [[B-2 (航空機)|B-2]]
* [[F-22 (戦闘機)|F-22]]
* [[アヴェンジャー (航空機)|MQ-20]]
* [[F-35 (戦闘機)|F-35]]
* [[MQ-25 (航空機)|MQ-25]]
* [[MQ-28 ゴーストバット]]
* [[PAK FA (航空機)|I-21 (T-50)]]
{{RUS}}
* [[A-12_(攻撃機)|A-12]]
* [[YF-23 (航空機)|YF-23]]
* [[Su-75 (航空機)|Su-75]]
* [[FB-22 (航空機)|FB-22]]
* [[PAK DA (航空機)|PAK DA]]
* [[X-32 (航空機)|X-32]]
* [[スキャット (航空機)|スキャット]]
* [[X-36 (航空機)|X-36]]
* [[FGFA (航空機)|FGFA]]
* [[S70 オホートニク-B]]|{{CHN}}
* [[X-44 (航空機)|X-44]]
* [[X-45 (航空機)|X-45]]
* [[X-47_(航空機)|X-47]]
* [[ダッソー_nEUROn|nEUROn]]
* [[EADS_バラクーダ|バラクーダ]]
* [[ファントム・レイ|ファントム・レイ]]
* [[RAH-66 (航空機)|RAH-66 コマンチ]]
* [[心神 (航空機)|ATD-X 心神]]
* [[i3 FIGHTER]]
* [[RQ-3 ダークスター]]
* [[RQ-170 (航空機)|RQ-170 センチネル]]
* [[J-20 (戦闘機)|J-20]]
* [[J-31 (航空機)|J-31]]
* [[J-31 (航空機)|J-31]]
* [[H-20 (航空機)|H-20]]
* [[暗剣]]
* [[暗剣]]
{{UK}}
* [[FS2020 (戦闘機)|FS2020]]
* [[:en:BAE Systems Taranis|タラニス]]
* [[KFX_(航空機)|KFX]]
* [[BAE システムズ・テンペスト|テンペスト]]
* [[FGFA_(航空機)|FGFA]]
{{IRN}}
* [[ガーヘル 313]]
* [[:en:HESA Shafaq|シャファグ]]
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* [[AMCA (航空機)|AMCA]]|{{SWE}}
* [[フリューグシステーム 2020]]
{{TUR}}
* [[TFX (航空機)|TFX]]
{{FRA}}
* [[ダッソー nEUROn]]
{{KOR}}
* [[KF-21 (航空機)|KF-21]]
{{JPN}}
* [[次期戦闘機 (F-2後継機)|次期戦闘機]]
{{GER}}/{{SPA}}
* [[EADS バラクーダ]]}}


=== RCS低減型 ===
=== RCS低減型 ===
<gallery mode="packed" height="180">
* [[デ・ハビランド モスキート]]
ファイル:Boeing F-A-18F Super Hornet, USA - Navy AN0322978.jpg|[[F/A-18E/F (航空機)|F/A-18F]](2003年)
* [[ホルテン Ho229|Ho 229]]
ファイル:MiG-29K at MAKS-2007 airshow (altered).jpg|[[MiG-29K (航空機)|MiG-29K]](2017年)
* [[YB-35 (航空機)|YB-35]]
* [[YB-49 (航空機)|YB-49]]
ファイル:PLAAF J-16 - 2.jpg|[[J-16 (航空機)|J-16]](2021年)
</gallery>{{col-begin}}
* [[SR-71 (航空機)|SR-71]]
{{col-break|width = 25%}}
* [[Tu-160 (航空機)|Tu-160]]
*正式採用
* [[B-1 (航空機)|B-1]]
* [[F/A-18E/F (航空機)|F/A-18E/F]]
** {{Flagicon|USA}} [[F/A-18E/F (航空機)|F/A-18E/F]]
* [[F-2 (航空機)|F-2]]
** {{Flagicon|USA}} [[EA-18G (航空機)|EA-18G]]
* [[ラファール (航空機)|ラファール]]
** {{Flagicon|USA}} [[B-1 (航空機)|B-1]]
** {{Flagicon|GBR}} [[デ・ハビランド モスキート]]
* [[ユーロファイター タイフーン]]
* [[F-15SE (航空機)|F-15SE]]
** {{Flagicon|RUS}} [[Tu-160 (航空機)|Tu-160]]
* [[Su-47 (航空機)|Su-47]]
** {{Flagicon|RUS}} [[MiG-29K (航空機)|MiG-29K]]
* [[1.44 (航空機)|1.44]]
** {{Flagicon|RUS}} [[Su-35 (航空機)|Su-35]]
** {{Flagicon|CHN}} [[J-10 (航空機)|J-10B]]
** {{Flagicon|CHN}} [[J-16 (航空機)|J-16]]
** {{Flagicon|JPN}} [[F-2 (航空機)|F-2]]
** {{Flagicon|FRA}} [[ラファール (航空機)|ラファール]]
** {{Flagicon|GBR}}{{Flagicon|GER}}{{Flagicon|ITA}}{{Flagicon|ESP}} [[ユーロファイター タイフーン]]
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*試作機のみ
** {{Flagicon|DEU1935}} [[ホルテン Ho229|Ho 229]]
** {{Flagicon|USA}} [[YB-35 (航空機)|YB-35]]
** {{Flagicon|USA}} [[YB-49 (航空機)|YB-49]]
** {{Flagicon|RUS}} [[Su-47 (航空機)|Su-47]]
** {{Flagicon|RUS}} [[1.44 (航空機)|1.44]]
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*計画のみ
** {{Flagicon|USA}} [[F-15SE (航空機)|F-15SE]]
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== 脚注 ==
== 脚注 ==
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* [[ステルス性]]
* [[ステルス性]]
* [[ステルス艦]]
* [[ステルス艦]]
* [[F-19]]


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2024年8月24日 (土) 13:23時点における版

ステルス爆撃機のB-2

ステルス機(ステルスき、stealth aircraft)とは、ステルス性を有する航空機のことである。

ステルス機の欠点と制限

空力的不安定性
ステルス機はレーダー反射断面積(RCS)を減少させるために、空力的洗練度は犠牲にした造形とせざるを得ない。このため機体制御が困難になりやすく、この解決には高性能な機体制御系統やフライ・バイ・ワイヤなどの最先端技術が必要となる[1][2]
電波使用制限
レーダーなどを使用し自ら電波を発信すると、逆探知されてしまい、せっかくのステルス性が台無しになる。このためステルス機は、ごく短時間、必要なときだけ標的周辺にのみレーダー波を照射するに留めるなど、電子機器の使用が大きく制限される[3]
搭載量
爆弾やミサイルなどを機外装着すると、RCSが増大してステルス性が失われる[1]。このため、ステルス性維持の為、兵器を全て機内格納する必要があり、同じ大きさの非ステルス機に対し兵装搭載量が少なくなりがちである[1][4]
維持費
RAH-66。ステルスヘリコプターとして開発されたが未採用に終わった。
高度なステルス性を維持するには、常に機体表面の研磨や電波吸収性塗料による塗装[1]が必要不可欠である。この為、維持費・整備費が高価になる[5][6]
領空侵犯への対応

領空侵犯に対するスクランブル任務は、相手に自らの姿(武装を含め)を見せて警告を行うため、レーダーに映りにくい、武装を機内に収納する傾向があるステルス機には不向きである。また、スクランブル時に同世代の非ステルス機と対峙した場合には、運動性能に劣るステルス機側がドッグファイトで後手を踏む可能性も生じる[7]

歴史

第二次大戦

英空軍戦闘機デ・ハビランド モスキート

ステルス技術は、レーダーが使われ始めた第二次世界大戦の頃から研究され始めた。

当時イギリスでは鉱物資源の不足が心配されていたため、木製フレームに合板を張り合わせた爆撃機デ・ハビランド モスキートが開発された。だが、木材を使用したことでレーダーから探知されにくいという副次効果を生んだ。同時期のソ連軍戦闘機・双発爆撃機にも木製機が多かったが、ステルス性については明確に記録されていない。同様の理由(資源不足)から日本ドイツでも木製航空機が試作されたが、組み立てに用いる接着材の問題などから事故も発生した。また当時すでに主流だったジュラルミン製の機体設計を元に木製化すると重量が増加したため、ごく一部を除いて実用化はされなかった。

実用化には至らなかったが、ドイツが開発した全翼機ホルテン Ho229は、主翼前縁にレーダー波吸収を企図してカーボン塗料を塗布し、エンジンを上面に配置して排熱を抑制するなど、意図してステルス対策を施された初の飛行機だった。このため本機は、ステルス機F-117の開発に際しても参考とされた[8]

ステルス黎明期

1957年から1961年にかけて、ソビエト連邦の科学者ピョートル・ウフィムツェフによって物理光学的回折理論が開発され、1962年にはそれまでの仕事をまとめた「回折理論による鋭角面の電波の解析」という論文が発表された[9]。これが米空軍により英訳され、電波反射が解析不能だった部分の計算が可能となった。これ以前は、機体形状については「実際に作って飛ばしてみたらレーダーに映りにくかった」というケースがほとんどであった。

また、アメリカ軍では入手したソ連製輸送機An-2を実際に演習場内で飛ばして自軍のレーダーがどの程度探知できるかを調べたり、繊維強化プラスチック製のYE-5で電波反射特性の調査を行った[10]

ベトナム戦争第四次中東戦争で、ソ連製地対空ミサイルによって多くの航空機を損失した事も、アメリカ軍のステルス機開発を後押しした。敵がその存在を探知できないステルス機が実現すれば、対空ミサイル迎撃戦闘機を管制する対空レーダーは無力化し、その存在意義はなくなる。ステルス機は従来の戦術思想を覆す革命的なシステムと期待された。

本格的なステルス機の登場

F-117(2002年)

そしてアメリカでは、ロッキード社のスカンクワークスが開発したステルス実験機「ハブ・ブルー」[9]をもとに、1981年に世界初の本格的な実用ステルス機、F-117が開発された。これ以降、F-22Su-57といったステルス戦闘機、B-2PAK DAといったステルス爆撃機が開発されるに至った。

だが、ステルス性重視の機体設計と空気力学的に優秀な機体形状の要求は背反することが多い[9]。また、電波吸収材の利用やその性能にも限度がある。2000年代末の今では、ステルス性を求めた為に空気力学的に不安定になった機体を、CCV技術フライ・バイ・ワイヤなどの高度なエレクトロニクスによって補い[9][11]、操縦安定性を確保する事が必須となっている。

被発見率を下げる設計を指した言葉としてステルスという言葉が使われたのは、F-117の広報リリースが最初だと思われる。ただしF-117が登場した当時は情報公開などもあまりなく、都合のいいスペックや戦果が頻繁に誇張して伝えられた。そのせいで、レーダーへの被発見率低下だけを指してステルスとか、ステルスであれば全然レーダーに引っかからない、またそうでなければステルスではない、などという非現実的な誤解が広まることになった。

ステルス機一覧

純粋ステルス型

現在実用化されている有人戦闘機と無人機

現在開発中のもの

RCS低減型

脚注

  1. ^ a b c d 戦闘機事典. イカロス出版. (2017-06-30). pp. 79-80. ISBN 4802203519 
  2. ^ ステルス機はレーダーで見つからないのが利点だけど欠点もあった”. air-line.info. 2022年11月4日閲覧。
  3. ^ 関賢太郎 (2018年9月23日). “ステルス機はなぜ見えないのか? 実は少し見えてる、レーダーをあざむく技術の基本”. 乗りものニュース: p. 3. https://trafficnews.jp/post/81410/3 
  4. ^ ステルス戦闘機ってなに?なぜ見えないの?解説 - 独りで歩いてく人のブログ”. goo blog. 2022年11月4日閲覧。
  5. ^ ステルス機はレーダーで見つからないのが利点だけど欠点もあった”. air-line.info. 2022年11月4日閲覧。
  6. ^ ステルス戦闘機ってなに?なぜ見えないの?解説 - 独りで歩いてく人のブログ”. goo blog. 2022年11月4日閲覧。
  7. ^ F-22の弱点、シリア上空でロシア最新鋭機と対峙して露呈”. businessinsider (2017年12月28日). 2022年3月25日閲覧。
  8. ^ 『ミリタリー・エアクラフト』(デルタ出版)1991年11月号より
  9. ^ a b c d 井上孝司 (2015年12月21日). “【コラム】航空機とIT 第74回 実機拝見(8)F-117Aナイトホーク”. マイナビニュース. https://news.livedoor.com/article/detail/10980091/ 
  10. ^ Windecker Eagle I”. 国立航空宇宙博物館. 2013年4月20日閲覧。
  11. ^ 世界初の実用ステルス機 F-117「ナイトホーク」初飛行-1981.6.18 退役と思ったらまた飛んでる!?”. 乗りものニュース. 2022年11月4日閲覧。

関連項目