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「プランク (人工衛星)」の版間の差分

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{{宇宙機
[[Image:Planck satellite.jpg|250px|thumb|プランク]]
| 名称 = プランク
'''プランク''' は[[宇宙背景放射]]を観測するための高感度、高分解能の観測装置を備えた[[人工衛星]]である。[[欧州宇宙機関|ESA]]で[[2000年]]に3番目の中規模計画として計画された。当初COBRAS/SAMBAと呼ばれていたが後に[[1918年]]に[[ノーベル物理学賞]]を受賞したドイツの[[マックス・プランク]]に因んで改名された。
| 画像 =
| 画像の注釈 =
| 所属 = [[欧州宇宙機関]] (ESA)
| 主製造業者 =
| 公式ページ = [http://www.rssd.esa.int/index.php?project=PLANCK Planck - Home Page]
| 国際標識番号 = 2009-026B
| NORAD_NO =
| 状態 = 運用終了
| 目的 = [[宇宙望遠鏡]]
| 観測対象 = [[宇宙マイクロ波背景放射]]
| 計画の期間 =
| 設計寿命 =
| 打上げ機 = [[アリアン5]]
| 打上げ日時 = [[2009年]]5月14日13:12GMT
| 軌道投入日 =
| 最接近日 =
| ランデブー日 =
| 軟着陸日 =
| 衝突日 =
| 機能停止日 =
| 通信途絶日 =
| 運用終了日 = 2013年10月23日
| 停波日 = 2013年10月23日
| 消滅日時 =
| 物理的特長 = 物理的特長
| 本体寸法 =
| 最大寸法 =
| 質量 = 1800kg
| 発生電力 =
| 主な推進器 =
| 姿勢制御方式 =
| 軌道要素 = 軌道要素
| 周回対象 = [[太陽]]-[[地球]]系
| 軌道 = [[ラグランジュ点|L2点]]
| 静止経度 =
| 高度 =
| 近点高度 =
| 遠点高度 =
| 軌道半長径 =
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| 回帰日数 =
| サブサイクル =
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| 降交点通過地方時 =
| 搭載機器 = 観測機器
| 搭載機器名称1 = LFI
| 搭載機器説明1 = 低周波装置
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| 搭載機器説明2 = 高周波数装置
<!--15まで-->
}}
'''プランク''' (Planck) は、[[宇宙背景放射]]を観測するための高感度・高分解能の観測装置を備えた宇宙望遠鏡である。[[欧州宇宙機関|ESA]]で[[2000年]]に3番目の中規模計画として計画された。当初はCOBRAS/SAMBAと呼ばれていたが、後に[[ノーベル物理学賞]]を受賞した[[ドイツ]]の[[マックス・プランク]]にちなんで改名された。


計画は[[NASA]]の[[WMAP]]探査機が広視野、低感度であるのに対してプランクは対照的である。相補的な成果が期待される。宇宙創世記の解明が期待される。
[[NASA]]の[[WMAP]]探査機が広視野・低感度であるのに対し、プランクは対照的である。相補的な成果や宇宙創生期の解明が期待される。


2009年春に[[アリアン5]]で[[ハーシェル宇宙望遠鏡]]と共に打ちあげられる予定である。
プランクは、2009年5月14日に[[アリアン5]]で[[ハーシェル宇宙望遠鏡]]と共に打ちあげられ、7月にはL2点に投入された。2010年2月には2回目の全天サーベイを開始した。
2013年3月21日に、全天の宇宙背景放射マップが公開された。NASAのWMAPが観測したデータよりも高精度な宇宙背景放射マップが完成し、宇宙の年齢もこれまでよりやや古い約138億年であることが確認された<ref>{{cite news
| title = 「プランク」が宇宙誕生時の名残りを最高精度で観測
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| publisher = AstroArts | date = 2013-03-22 | accessdate = 2013-04-10
}}</ref>。

2012年1月14日、2つの観測装置のうちの高周波数装置 (HFI) が冷却用の液体ヘリウム枯渇のため観測を終了した。以降は低周波数装置 (LFI) のみで観測を続けていた<ref>{{cite news
| title = Planck Telescope Warms up as Planned
| url = http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2012-016&rn=news.xml&rst=3257
| publisher = NASA JPL
| date = 2012-01-17 | accessdate = 2012-01-28
}}</ref> 。LFIによる観測も2013年10月3日に終了し、10月9日にはスラスタを噴射してL2点からの移動を開始し、10月23日に送信機を停止して運用を終えた。プランクは、運用終了までにHFIとLFIの双方を使っての全天サーベイを5回実施した<ref>{{cite news
| title = Planck on course for safe retirement
| url = https://www.esa.int/Enabling_Support/Operations/Planck_on_course_for_safe_retirement
| publisher = ESA
| date = 2013-10-21 | accessdate = 2013-10-26
}}</ref> <ref>{{cite news
| title = Last command sent to ESA’s Planck space telescope
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| publisher = ESA
| date = 2013-10-23 | accessdate = 2013-10-26}}</ref>。


== 観測装置 ==
== 観測装置 ==
2台の装置が搭載される;低周波数装置(LFI)高周波数装置(HFI)である。<ref name="bluebook_c1">''Blue Book'', Chapter 1</ref>両方とも30から857GHzの偏波と光子を検出する。
低周波数装置 (LFI) と高周波数装置 (HFI) <ref name="bluebook_c1">''Blue Book'', Chapter 1</ref>から成る2台の装置が搭載されており、両方とも30GHzから857GHzの偏波と光子を検出する。


=== 低周波数装置 ===
=== 低周波数装置 ===
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! 周波数<br />(GHz) || 帯域<br />(<math>\Delta \nu / \nu</math>) || 分解能<br />(角度分) || 感度 (total intensity)<br /><math>\Delta T / T</math>, 14 ヶ月観測<br />(10<sup>-6</sup>) || 感度(polarization)<br /><math>\Delta T / T</math>, 14 ヶ月観測<br />(10<sup>-6</sup>)
! 周波数<br />(GHz) || 帯域<br />(<math>\Delta \nu / \nu</math>) || 分解能<br />(角度分) || 感度 (total intensity)<br /><math>\Delta T / T</math>, 14か月観測<br />(10<sup>-6</sup>) || 感度 (polarization)<br /><math>\Delta T / T</math>, 14か月観測<br />(10<sup>-6</sup>)
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LFI は3つの帯域があり30-70GHzをカバーする。検出器は[[HEMT]]である。<ref name="bluebook_c1">''Blue Book'', Chapter 1</ref>
LFIは3つの帯域があり、30GHzから70GHzをカバーする。検出器は[[HEMT]]である<ref name="bluebook_c1">''Blue Book'', Chapter 1</ref>。


=== 高周波数装置 ===
=== 高周波数装置 ===
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HFIは100 ～ 857GHzの間で6つの周波数帯を持つ。ボロメータで光子を検出する。4台の低周波帯では感度は線形であるが2つの高周波帯では違う。<ref name="bluebook_c1">''Blue Book'', Chapter 1</ref>
HFIは100GHzから857GHzの間で6つの周波数帯を持つ。[[ボロメータ]]で光子を検出する。4台の低周波帯では感度は線形であるが、2つの高周波帯では違う<ref name="bluebook_c1">''Blue Book'', Chapter 1</ref>。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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* ''[http://www.rssd.esa.int/SA/PLANCK/docs/Bluebook-ESA-SCI%282005%291_V2.pdf Planck: The Scientific Programme]'' (also known as the ''Blue Book''). [[欧州宇宙機関|European Space Agency]]. ESA-SCI(2005)-1. Version 2.
* ''[http://www.rssd.esa.int/SA/PLANCK/docs/Bluebook-ESA-SCI%282005%291_V2.pdf Planck: The Scientific Programme]'' (also known as the ''Blue Book''). [[欧州宇宙機関|European Space Agency]]. ESA-SCI(2005)-1. Version 2.


== 関連 ==
== 外部リンク ==
* [http://www.rssd.esa.int/index.php?project=Planck Planck Surveyor Homepage]
*[[宇宙背景放射の実験]]
* [http://www.esa.int/SPECIALS/Operations/SEM45HZTIVE_0.html ESA Planck operations page]
*[[観測的宇宙論]]

==外部リンク==
*[http://www.rssd.esa.int/index.php?project=Planck Planck Surveyor Homepage]
*[http://www.esa.int/SPECIALS/Operations/SEM45HZTIVE_0.html ESA Planck operations page]


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[[de:Planck (Teleskop)]]
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[[Category:エポニム]]
[[es:Planck Surveyor]]
[[fa:ماهواره پلانک]]
[[fi:Planck]]
[[fr:Planck (satellite)]]
[[hu:Planck műhold]]
[[it:Planck Surveyor]]
[[pt:Sonda Planck]]
[[sv:Planckteleskopet]]
[[zh:普郎克巡天者]]

2024年9月2日 (月) 16:45時点における最新版

プランク
所属 欧州宇宙機関 (ESA)
公式ページ Planck - Home Page
国際標識番号 2009-026B
カタログ番号 34938
状態 運用終了
目的 宇宙望遠鏡
観測対象 宇宙マイクロ波背景放射
打上げ機 アリアン5
打上げ日時 2009年5月14日13:12GMT
運用終了日 2013年10月23日
停波日 2013年10月23日
物理的特長
質量 1800kg
軌道要素
周回対象 太陽-地球系
軌道 L2点
観測機器
LFI 低周波装置
HFI 高周波数装置
テンプレートを表示

プランク (Planck) は、宇宙背景放射を観測するための高感度・高分解能の観測装置を備えた宇宙望遠鏡である。ESAで2000年に3番目の中規模計画として計画された。当初はCOBRAS/SAMBAと呼ばれていたが、後にノーベル物理学賞を受賞したドイツのマックス・プランクにちなんで改名された。

NASAのWMAP探査機が広視野・低感度であるのに対し、プランクは対照的である。相補的な成果や宇宙創生期の解明が期待される。

プランクは、2009年5月14日にアリアン5でハーシェル宇宙望遠鏡と共に打ちあげられ、7月にはL2点に投入された。2010年2月には2回目の全天サーベイを開始した。 2013年3月21日に、全天の宇宙背景放射マップが公開された。NASAのWMAPが観測したデータよりも高精度な宇宙背景放射マップが完成し、宇宙の年齢もこれまでよりやや古い約138億年であることが確認された[1]。

2012年1月14日、2つの観測装置のうちの高周波数装置 (HFI) が冷却用の液体ヘリウム枯渇のため観測を終了した。以降は低周波数装置 (LFI) のみで観測を続けていた[2] 。LFIによる観測も2013年10月3日に終了し、10月9日にはスラスタを噴射してL2点からの移動を開始し、10月23日に送信機を停止して運用を終えた。プランクは、運用終了までにHFIとLFIの双方を使っての全天サーベイを5回実施した[3] [4]。

観測装置

[編集]

低周波数装置 (LFI) と高周波数装置 (HFI) [5]から成る2台の装置が搭載されており、両方とも30GHzから857GHzの偏波と光子を検出する。

低周波数装置

[編集]
周波数
(GHz)		 帯域
()		 分解能
(角度分)		 感度 (total intensity)
, 14か月観測
(10-6)		 感度 (polarization)
, 14か月観測
(10-6)
30GHz 0.2 33 2.0 2.8
44GHz 0.2 24 2.7 3.9
70GHz 0.2 14 4.7 6.7

LFIは3つの帯域があり、30GHzから70GHzをカバーする。検出器はHEMTである[5]。

高周波数装置

[編集]
周波数
(GHz)		 帯域
()		 分解能
(arcmin)		 感度 (total intensity)
, 14か月観測
(10-6)		 感度 (polarization)
, 14か月観測
(10-6)
100GHz 0.33 10 2.5 4.0
143GHz 0.33 7.1 2.2 4.2
217GHz 0.33 5.0 4.8 9.8
353GHz 0.33 5.0 14.7 29.8
545GHz 0.33 5.0 147 N/A
857GHz 0.33 5.0 6700 N/A

HFIは100GHzから857GHzの間で6つの周波数帯を持つ。ボロメータで光子を検出する。4台の低周波帯では感度は線形であるが、2つの高周波帯では違う[5]。

脚注

[編集]
  1. ^ “「プランク」が宇宙誕生時の名残りを最高精度で観測”. AstroArts. (2013年3月22日). https://www.astroarts.co.jp/news/2013/03/22planck/index-j.shtml 2013年4月10日閲覧。 
  2. ^ “Planck Telescope Warms up as Planned”. NASA JPL. (2012年1月17日). http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2012-016&rn=news.xml&rst=3257 2012年1月28日閲覧。 
  3. ^ “Planck on course for safe retirement”. ESA. (2013年10月21日). https://www.esa.int/Enabling_Support/Operations/Planck_on_course_for_safe_retirement 2013年10月26日閲覧。 
  4. ^ “Last command sent to ESA’s Planck space telescope”. ESA. (2013年10月23日). https://www.esa.int/Science_Exploration/Space_Science/Planck/Last_command_sent_to_ESA_s_Planck_space_telescope 2013年10月26日閲覧。 
  5. ^ a b c Blue Book, Chapter 1

外部リンク

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