コンテンツにスキップ

「ロボット」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
タグ: 2017年版ソースエディター
 
(29人の利用者による、間の45版が非表示)
1行目: 1行目:
{{Otheruses}}
{{Otheruses}}
{{WikipediaPage||Wikipedia:ボット}}
{{WikipediaPage||Wikipedia:ボット}}
'''ロボット'''({{lang-cs|robot}}、{{Lang-en-short|robot}})は、現在では次のようにいくつかの意味で用いられている言葉である<ref name="Merriam_Webster">[https://www.merriam-webster.com/dictionary/robot Merriam Webster, definition of robot.]</ref>。
'''ロボット'''([[フランス語]]: robot, {{Lang-en-short|robot}})は、現在では次のようにいくつかの意味で用いられている言葉である<ref name="Merriam_Webster">[https://www.merriam-webster.com/dictionary/robot Merriam Webster, definition of robot.]</ref>。
*機械でありながら[[生き物]]に似た外見をしており、それ自体で移動でき(つまり[[歩行]]したり、あるいは[[車輪]]を用いて移動でき)、複雑な動作(たとえば「物をつかむ」や「物を移動させる」など)をできるもの<ref name="Merriam_Webster" />。
*機械でありながら[[生き物]]に似た外見をしており、それ自体で移動でき(つまり[[歩行]]したり、あるいは[[車輪]]を用いて移動でき)、複雑な動作(たとえば「物をつかむ」や「物を移動させる」など)をできるもの<ref name="Merriam_Webster" />。
*自動的に、複雑な動作、しばしば繰り返しを伴う動作を行うことができる装置<ref name="Merriam_Webster" />(たとえば産業分野の組み立てラインで使われている装置の類<ref name="Merriam_Webster" />)。
*自動的に、複雑な動作、しばしば繰り返しを伴う動作を行うことができる装置<ref name="Merriam_Webster" />(たとえば産業分野の組み立てラインで使われている装置の類<ref name="Merriam_Webster" />)。
9行目: 9行目:


== 概説 ==
== 概説 ==
=== 生物に外見や機能が似ている機械 ===
上で示した辞書の定義文のように、ロボットは主に次のように大分類できる。
{{see|アニマトロニクス|{{ill2|ヒューマロイド・ロボット|en|Humanoid robot}}}}
*(もともとフィクション類、特にSFで頻繁に登場したイメージであり)生き物(主に[[人]]や[[動物]])に似た外見をしており、生物の動作や機能を模倣できる[[機械]]。(ただしもともとはSF上の概念だったが、1960年代頃以降は技術的に一応は実現可能になり、1970年代から1990年代の[[コンピュータ]]の技術、[[メカトロニクス]]技術、[[画像認識]]技術などの向上とともにいっそう似せられるようになり、さらに2010年代からは(新世代の)[[人工知能|AI]]技術を搭載したことでますます生物的な機械が登場していて、現実的なものになっている。)
この意味の「ロボット」は、[[フィクション]]作品、特にSFではアンドロイドや[[人造人間]]として登場し、日本の[[テレビアニメ|アニメ]]では『[[鉄腕アトム]]』『[[鉄人28号]]』『[[マジンガーZ]]』などに登場した。
*自動的に複雑な作業を行う機械。自律制御、コンピュータ制御の機械。自律的に動くという機能を模倣することに重きを置いており、外見を生物に似せるために作られたわけではない。たとえば[[産業用ロボット]]、[[軍事用ロボット]]、[[掃除用ロボット]]、[[搾乳ロボット]]など。


現実に製作・製造されたロボットとしては、研究用ロボット、[[広報]]目的のロボット(テーマパークやパビリオンなどで案内係を務めるロボット)が1970年代から作られ、1999年には[[SONY]]がAIBOを発売し愛玩用の[[ペットロボット]]という分野が広まりはじめ、2000年には[[HONDA]]が[[二足歩行ロボット]]ASIMOを発表した。その他、メカ好きの間では関節部に[[サーボモータ]]を組み込んで、数十センチ程度大きさのロボットを作りコンピュータ制御で動かすということがホビーとして行われるようになった。
『「ロボット」の明確な定義は事実上存在しない』とされることもあるものの、初出の戯曲作品(後述)の意味に習い「人に代わって作業(労働)をするために作られた存在」、「人の姿を模して作られた存在」、という意味で使われるか、あるいは1930年代から用いられるようになった「自律的な動作をする機械」という意味のほうで使われ、両者の性質を兼ね備えたもの(外見も生物に似て、きわめて自律的なもの)も「ロボット」と呼ばれている。

=== 生物に外見や機能が似ている機械 ===
この意味の「ロボット」は、[[フィクション]]作品では、特にSF作品では[[アンドロイド]]や[[人造人間]]として登場し、日本の[[アニメ]]では『[[鉄腕アトム]]』『[[鉄人28号]]』『[[マジンガーZ]]』などに登場した(なお日本のアニメの後者2つは基本的には人間が操縦するという設定になっていた。「鉄人28号」は遠隔装置で操縦し、マジンガーZは「パイルダー」という航空機(今でいう[[マルチコプター]])に主人公が乗りロボット頭部にドッキングして、結局人がロボットを操縦するという設定になっていた)、そして続々と「ロボットもの」が創作された。現実に製作・製造されたロボットとしては、研究用ロボット、[[広報]]目的のロボット(テーマパークやパビリオンなどで案内係を務めるロボット)が1970年代から作られ、1999年には[[SONY]]がAIBOを発売し愛玩用の[[ペットロボット]]という分野が広まりはじめ、2000年には[[HONDA]]が[[二足歩行ロボット]]ASIMOを発表した。その他、メカ好きの人々の間では関節部に[[サーボモータ]]を組み込んで、数十センチ程度大きさのロボット(人型も、動物型のものも)を作りコンピュータ制御で動かすということがホビーとして行われるようになった。


なお、人や動物に通常以上の力を発揮させるために、身体の一部を人工物や装置で置き換えたり追加で埋め込んだ状態は「[[サイボーグ]]」とされ、ロボットとは区別されている。
なお、人や動物に通常以上の力を発揮させるために、身体の一部を人工物や装置で置き換えたり追加で埋め込んだ状態は「[[サイボーグ]]」とされ、ロボットとは区別されている。
33行目: 30行目:
|File:3d-printed-humanoid-robot-manav-mumbai-techfest-2015.jpg|[[インド]]初のヒューマノイドロボット、マナフ
|File:3d-printed-humanoid-robot-manav-mumbai-techfest-2015.jpg|[[インド]]初のヒューマノイドロボット、マナフ
|File:ICub - Festival Economia 2018 2.jpg|ICub。[[イタリア工科大学]]のロボット
|File:ICub - Festival Economia 2018 2.jpg|ICub。[[イタリア工科大学]]のロボット
|File:SONY AIBO ERS 210.jpg|SONYの[[AIBO]]
|File:SpotMini, Boston Dynamics, Robot.jpg|犬のように四肢をそなえ、眼(カメラ)もそなえ、あらかじめ教えたルートを辿り周囲を監視する四肢ロボット、[[Spot (四肢ロボット)|Spot]]。オプション部品を追加すると、ドアノブを回して部屋に出入りすることもできる。
|File:SpotMini, Boston Dynamics, Robot.jpg|犬のように四肢をそなえ、眼(カメラ)もそなえ、あらかじめ教えたルートを辿り周囲を監視する四肢ロボット、[[Spot (四肢ロボット)|Spot]]。オプション部品を追加すると、ドアノブを回して部屋に出入りすることもできる。
}}
}}


=== 自律制御の機械 ===
=== 自律制御の機械 ===
こちらの「ロボット」は、自律制御の機械という意味のロボットである。[[コンピュータ]]制御で自律的に判断して動く。こちらの「ロボット」は、外見のほうではなく機能のほうに焦点をあてて、「自律性」という機能が生物に似ているものを「ロボット」と呼んでいることになる。「動物とは自律的に動くもの」だとも言えるので、そのような自律性をそなえているかいないかで線引きして、そなえているものを「ロボット」と呼んでいるわけである。[[センサ]](物理的な状態についての情報を得る装置)および[[アクチュエータ]](物理的な運動を起こす装置)および[[コンピュータ]]とその[[コンピュータ・ソフトウェア|ソフトウェア]]で(また機種によっては[[AI]]も搭載して)「自律性」を実現している。
こちらのは、自律制御の機械という意味のロボットである。[[コンピュータ]]制御で自律的に判断して動く。[[センサ]]および[[アクチュエータ]]および[[コンピュータ]]とその[[ソフトウェア]]で(また機種によっては[[人工知能|AI]]も搭載して)「自律性」を実現している。


{{Gallery|width = 250px
{{Gallery|width = 250px
|File:Factory_Automation_Robotics_Palettizing_Bread.jpg|産業用ロボット。製造ラインで使われるロボットの例。
|File:Factory_Automation_Robotics_Palettizing_Bread.jpg|産業用ロボット。製造ラインで使われるロボットの例。
|ファイル:DeLaval_milking_station.jpg|[[搾乳ロボット]]。
|ファイル:DeLaval_milking_station.jpg|[[搾乳ロボット]]。
|File:Food delivery bot at Yangfang Shengli Original Restaurant (20200111163318).jpg | 配膳ロボット。レストランで客のテーブルに料理を届けることを行う。日本では[[ガスト]]などで導入されている。
|File:Food delivery bot at Yangfang Shengli Original Restaurant (20200111163318).jpg |[[配膳ロボット]]。レストランで客のテーブルに料理を届けることを行う。日本では[[すかいらーく|ガスト]]などで導入されている。
|File:IRobot-Roomba-Top-view-01.jpg|[[掃除ロボット]]の[[ルンバ]]。
|File:IRobot-Roomba-Top-view-01.jpg|[[掃除ロボット]]の[[ルンバ]]。
}}
}}
49行目: 45行目:
無人機「[[ドローン_(曖昧さ回避)|ドローン]]」を半ば自律化させたものもある<ref>[http://www.meti.go.jp/press/2016/01/20170112003/20170112003.html 世界初・完全自律制御ドローンでの長距離荷物配送に成功しました!~福島浜通りロボット実証区域でドローンの実証にチャレンジ!~(METI/経済産業省)、閲覧2017年12月19日]</ref>。
無人機「[[ドローン_(曖昧さ回避)|ドローン]]」を半ば自律化させたものもある<ref>[http://www.meti.go.jp/press/2016/01/20170112003/20170112003.html 世界初・完全自律制御ドローンでの長距離荷物配送に成功しました!~福島浜通りロボット実証区域でドローンの実証にチャレンジ!~(METI/経済産業省)、閲覧2017年12月19日]</ref>。


[[自動運転車]]は、かつては「SFの世界」だったが、「レベル3」のつまり「本物の自動運転車」がすでに登場している。2021年3月5日にはHonda SENSING Elite(ホンダ センシング エリート)搭載ホンダ・レジェンドとして登場。これは(高速道路で渋滞した時に限りではあるが)レベル3自動運転を実現し、車の周囲を2基の単眼カメラ、5基のミリ波レーダー、5基のLiDAR(ライダー)によって監視しハンドル・アクセル・ブレーキ類を自律的に操作するものである。そして2022年5月にはメルセデス・ベンツから、DRIVE PILOT(ドライブ・パイロット)搭載した「Sクラス」「EQSクラス」が発売された 
[[自動運転車]]は、かつては「SFの世界」だったが、現在ではすでに「レベル3」のつまり「本物の自動運転車」が登場している。たとえば2021年3月5日にはHonda SENSING Elite(ホンダ センシング エリート)搭載ホンダ・レジェンドとして登場。これは(高速道路で渋滞した時に限りではあるが)レベル3自動運転を実現し、車の周囲を2基の単眼カメラ、5基のミリ波レーダー、5基のLiDAR(ライダー)によって監視しハンドル・アクセル・ブレーキ類を自律的に操作するものである。そして2022年5月にはメルセデス・ベンツから、DRIVE PILOT(ドライブ・パイロット)搭載した「Sクラス」「EQSクラス」が発売された。



=== 語源 ===
=== 語源 ===
この言葉が初めて用いられたのは、1920年に[[チェコスロバキア]](当時)の[[小説家]][[カレル・チャペック]]が発表した[[戯曲]]『[[R.U.R.]](ロッサム万能ロボット商会)』においてであるが、この作品のロボットは<!--現在認知されている金属製の機械ではなく、-->人間とは異なる組成の肉体と人間そっくりの外見を持つものを、化学的合成で[[原形質]]を使って製作したものであった。現在のSFで言うバイオノイドである。
この言葉が初めて用いられたのは、1920年に[[チェコスロバキア]](当時)の[[小説家]][[カレル・チャペック]]が発表した[[戯曲]]『[[R.U.R.]](ロッサム万能ロボット商会)』においてであるが、この作品のロボットは人間とは異なる組成の肉体と人間そっくりの外見を持つものを、化学的合成で[[原形質]]を使って製作したものであった。現在のSFで言うバイオノイドである。


[[チェコ語]]で[[強制労働]](もともとは[[古代教会スラブ語]]での「隷属」の意)を意味する''robota''(ロボッタ)と<ref>カレル・チャペック『ロボット』[[千野栄一]]訳、[[岩波文庫]]、1989年、206頁。</ref>、[[スロバキア語]]で労働者を意味する''robotnik''(ロボトニーク)から創られた造語<ref name=kyukyo>[https://web.archive.org/web/20170805055905/https://www.kyukyo-u.ac.jp/graduate/img/engineering/com_no19.pdf ROBOT]九州共立大学、2007</ref>である。
[[チェコ語]]で[[強制労働]](もともとは[[古代教会スラブ語]]での「隷属」の意)を意味する''robota''(ロボッタ)と<ref>カレル・チャペック『ロボット』[[千野栄一]]訳、[[岩波文庫]]、1989年、206頁。</ref>、[[スロバキア語]]で労働者を意味する''robotnik''(ロボトニーク)から創られた造語<ref name=kyukyo>[https://web.archive.org/web/20170805055905/https://www.kyukyo-u.ac.jp/graduate/img/engineering/com_no19.pdf ROBOT]九州共立大学、2007</ref>である。
59行目: 54行目:
着想には[[ゴーレム]][[伝説]]が影響していると作者が述べており<ref>井上晴樹『日本ロボット戦争記 : 1939~1945』124頁(NTT出版,2007) ISBN 978-4757160149</ref><ref>Morris, Nicola"The Golem in Jewish American Literature: Risks and Responsibilities in the Fiction of Thane Rosenbaum" p.119</ref>、また、言葉自体も作ったのは自身ではなく、兄で画家の[[ヨゼフ・チャペック]]であるとしている。あらすじを兄に話し、どのような名前にしたらよいだろうかと聞いてみたところ、口に絵筆をくわえてもごもごとした口調で「ロボット」はどうだろうかと答えたという<ref>カレル・チャペック『ロボットという言葉の起源』[[栗栖継]]訳(『現代人の思想22 機械と人間の共生』[[平凡社]]、1968年、収録)</ref>。その後、この作品が各国で翻訳・上演されたことで広まり、一般に使用されるようになった。
着想には[[ゴーレム]][[伝説]]が影響していると作者が述べており<ref>井上晴樹『日本ロボット戦争記 : 1939~1945』124頁(NTT出版,2007) ISBN 978-4757160149</ref><ref>Morris, Nicola"The Golem in Jewish American Literature: Risks and Responsibilities in the Fiction of Thane Rosenbaum" p.119</ref>、また、言葉自体も作ったのは自身ではなく、兄で画家の[[ヨゼフ・チャペック]]であるとしている。あらすじを兄に話し、どのような名前にしたらよいだろうかと聞いてみたところ、口に絵筆をくわえてもごもごとした口調で「ロボット」はどうだろうかと答えたという<ref>カレル・チャペック『ロボットという言葉の起源』[[栗栖継]]訳(『現代人の思想22 機械と人間の共生』[[平凡社]]、1968年、収録)</ref>。その後、この作品が各国で翻訳・上演されたことで広まり、一般に使用されるようになった。


日本では同作品の[[翻訳]]本が1923年に出版された([[宇賀伊津緒]]訳、[[春秋社]])が、翻訳者の宇賀は''robot''を「人造人間」と訳し、タイトルも『人造人間』とした。原典のままカタカナ表記した「ロボット」が普及したのは、[[戦後#日本での「戦後」の位置づけ|戦後]]以降であった。
日本では同作品の[[翻訳]]本が1923年に出版された([[宇賀伊津緒]]訳、[[春秋社]])が、翻訳者の宇賀は''robot''を「人造人間」と訳し、タイトルも『人造人間』とした。原典のままカタカナ表記した「ロボット」が普及したのは、[[第二次世界大戦]]以降であった。


=== 語義の多様化 ===
=== 語義の多様化 ===
起源とされる上記作品においては「ロボット」は「人の代わりに作業(労働)をさせることを目的に」、「人(の姿と自律行動)を模して」作られたものであるとされ、同作品が広範囲に流布したことにより当初はその意味で使われたが、その後次第に、各分野においてやや違う意味でも使われるようになっていった。
起源とされる上記作品においては「ロボット」は「人の代わりに作業(労働)をさせることを目的に」、「人(の姿と自律行動)を模して」作られたものであるとされ、同作品が広範囲に流布したことにより当初はその意味で使われたが、その後次第に、各分野においてやや違う意味でも使われるようになった。


ヨーロッパでは1930年代中頃から『[[自動化]]』という意味でも使われるようになっていった。つまり高度に自動化した機械であれば、たとえ人の形をしていないものでもロボットと呼ぶようになっていった。たとえばドイツのカメラメーカーである[[オットー・ベルニング]]は1934年に発売した[[モータードライブ (カメラ)|モータードライブ]]内蔵カメラを『ROBOT』と命名した。
ヨーロッパでは1930年代中頃から『[[自動化]]』という意味で高度に自動化されていれば人の形をしていないものでもロボットと呼ぶようになった。ドイツのカメラメーカーである[[オットー・ベルニング]]は1934年に発売した[[モータードライブ (カメラ)|モータードライブ]]内蔵カメラを『ROBOT』と命名した。


工業分野では明確に定義が定められるようにもなってきた。たとえば[[日本産業規格|JIS]]の「JIS B 0134」(1998年)では<ref>{{Cite jis|B|0134}}</ref>「産業用ロボット」の定義を「自動制御によるマニピュレーション機能又は移動機能をもち,各種の作業を[[プログラム (コンピュータ)|プログラム]]によって実行できる,産業に使用される機械。」とした。さらに「JIS B 0134」では産業用マニピュレーティングロボットに関する用語も定義された。平成18年のロボット政策研究会報告書では「センサ、知能・制御系、駆動系の3つの要素技術を有する、知能化した機械システム」と定義された<ref>https://www.jara.jp/various/report/img/robot-houkokusho-set.pdf</ref>。
工業分野では明確に定義が定められるようにもなった。たとえば[[日本産業規格|JIS]]の「JIS B 0134」(1998年)では<ref>{{Cite jis|B|0134}}</ref>「産業用ロボット」の定義を「自動制御によるマニピュレーション機能又は移動機能をもち,各種の作業を[[プログラム (コンピュータ)|プログラム]]によって実行できる,産業に使用される機械。」とした。さらに「JIS B 0134」では産業用マニピュレーティングロボットに関する用語も定義された。平成18年のロボット政策研究会報告書では「センサ、知能・制御系、駆動系の3つの要素技術を有する、知能化した機械システム」と定義された<ref>https://www.jara.jp/various/report/img/robot-houkokusho-set.pdf</ref>。


=== ロボットとロボットでない機械の線引き ===
=== ロボットとロボットでない機械の線引き ===
基本的に、ある程度の工程なり手順なりを自動的かつ連続的に行うものであり、単一の動作のみを行う装置([[ベルトコンベアー]]、[[エスカレーター]]など)や、絶えず人間が操作をする必要がある装置([[パワーゲート|リフト装置]]や[[エレベーター]])、操縦者が搭乗する必要性があるもの([[ブルドーザー]]や[[油圧ショベル|ショベルカー]]など)はロボットに含めないことが多い。
基本的に、ある程度の工程なり手順なりを自動的かつ連続的に行うものであり、単一の動作のみを行う装置([[ベルトコンベアー]]、[[エスカレーター]]など)や、絶えず人間が操作をする必要がある装置([[パワーゲート|リフト装置]]や[[エレベーター]])、操縦者が搭乗する必要性があるもの([[ブルドーザー]]や[[油圧ショベル|ショベルカー]]など)はロボットに含めないことが多い。


その一方で、人の形を模した(しくは類似した)外観である機械装置であれば、まったくの手動操作・操縦であっても、範疇に含む場合があり、パワードスーツなどを含めた「人の形をした乗り物または作業用機械」についても同様に、一般的にはロボットと呼ばれている。
その一方で、人の形を模した(しくは類似した)外観である機械装置であれば、まったくの手動操作・操縦であっても、範疇に含む場合があり、パワードスーツなどを含めた「人の形をした乗り物または作業用機械」についても同様に、一般的にはロボットと呼ばれている。


[[電動機|モーター]]等の動力が内蔵され機械的または電気的に人間の操作を伝達して動作する[[マスタースレーブ|マスタースレイブ]]型の[[マニピュレーター]]も一種と見なされ、ロボットアームと呼ばれるが、これらは厳密な定義による分類ではなく、多分に[[慣用句]]的用法である。[[国際宇宙ステーション]]に設置された[[カナダアーム2]]などの貨物移動用や、手術に使われる[[da Vinci (医療ロボット)|ダ・ヴィンチ]]などの[[ロボット支援手術]]機器が実用化している。
作業用機械・装置であっても、高度な[[遠隔操作]]や自動制御技術の導入が進み、人間が操縦者から単なる作業指示・命令者に近づきつつあり、さらに、従来より[[オートパイロット]]と呼称されている、[[航空機]]や[[船舶]]など乗り物全般の自動操縦技術も、より発展し[[自動車]]にまでも及びつつあり、今後これらが更にロボット化が進む可能性があり、一層、境界が曖昧になって来ている。


人間ではなく生物の動きを模した機械もロボットに含まれる<ref name=":0">{{Cite web|和書|title=リードで巧みに人間を誘導する盲導ロボット犬 米カリフォルニア大が開発 |url=https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2110/06/news053.html |website=ITmedia NEWS |accessdate=2022-02-11 |language=ja}}</ref>。
[[マリオネット|操り人形]]の類は何かの作業を目的とした装置ではなく、ましてや自動的に動作する物でもないため含まれないことがほとんどだが、あらかじめ設計された一連の動作を、特定の操作をきっかけとして行う[[からくり]](からくり人形)の一部(もっぱら糸で繋がった手足などを人が操作するものも、からくり人形と呼ばれる場合がある)や[[オートマタ]]等に、今日あるロボットの原型を見出すことができるため、間接的にからくり人形やオートマタをロボットの一種と見なすことも可能である。

[[電動機|モーター]]等の動力が内蔵され機械的または電気的に人間の操作を伝達して動作する[[マニピュレーター]]も一種と見なされ、ロボットアームとも呼ばれる(医療ロボットの[[da Vinci (医療ロボット)|ダ・ヴィンチ]]や[[国際宇宙ステーション]]の[[カナダアーム2]]など)が、これらは厳密な定義による分類ではなく、多分に[[慣用句]]的用法である。

人間ではなく生物の動きを模した機械もロボットに含まれる<ref name=":0">{{Cite web |title=リードで巧みに人間を誘導する盲導ロボット犬 米カリフォルニア大が開発 |url=https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2110/06/news053.html |website=ITmedia NEWS |accessdate=2022-02-11 |language=ja}}</ref>。


物体としては存在しないが、「人の代わりになんらかの作業を、ある程度の工程なり手順なりを自動的かつ連続的に(かつ効率的に)行うもの」という定義から、[[コンピュータ言語]]によるプログラムや[[ソフトウェア]]も範疇に含まれる場合もある。例として[[インターネット]]の情報を自動検索するソフトウエア「[[検索エンジン]]」などはロボット検索(命令(検索ワードの入力)するだけで、さまざまな結果・情報の取得まで自動で行なう)と呼ぶ。これらは機械的ロボットとの区別のために短縮形の'''[[インターネットボット|ボット]]'''(Bot)と呼ばれる([[インターネットボット]]、[[ボットネット]]など)こともある。
物体としては存在しないが、「人の代わりになんらかの作業を、ある程度の工程なり手順なりを自動的かつ連続的に(かつ効率的に)行うもの」という定義から、[[コンピュータ言語]]によるプログラムや[[ソフトウェア]]も範疇に含まれる場合もある。例として[[インターネット]]の情報を自動検索するソフトウエア「[[検索エンジン]]」などはロボット検索(命令(検索ワードの入力)するだけで、さまざまな結果・情報の取得まで自動で行なう)と呼ぶ。これらは機械的ロボットとの区別のために短縮形の'''[[インターネットボット|ボット]]'''(Bot)と呼ばれる([[インターネットボット]]、[[ボットネット]]など)こともある。


別の用法として、「機械的」という概念を人間にあてはめ、「自分で判断をしない、指示待ち的な人間」や「自分の意志ではなく、他人に操られて動く人間」を、やや侮蔑的に比喩として呼称することもある。ただし、同様の人を指して「[[傀儡]](かいらい)」や「操り人形」という比喩は、それ以前から存在するため、新しい語をバリエーションの一つとしてあてはめたものと言える。英語においても、同様の比喩に用いるが、こちらも先に「オートマトン([[オートマタ]]、機械人形)」が比喩に用いられていた。
別の用法として、「機械的」という概念を人間にあてはめ、「自分で判断をしない、指示待ち的な人間」や「自分の意志ではなく、他人に操られて動く人間」を、やや侮蔑的に比喩として呼称することもある。英語においても、同様の比喩に用いるが、こちらも先に「オートマトン([[オートマタ]]、機械人形)」が比喩に用いられていた。


== 歴史 ==
== 歴史 ==
95行目: 86行目:
* [[12世紀]]、鎌倉時代の仏教説話集『[[撰集抄]]』に人間そっくりの生物的ロボットと言えるものの記述が登場し、これが日本のロボット史の最初とされる<ref name=kyukyo/>が、これは人骨を集めて作った人形に魂を宿す魔術によって蘇るという話でありロボットと言えるのか意見の分かれるところである。
* [[12世紀]]、鎌倉時代の仏教説話集『[[撰集抄]]』に人間そっくりの生物的ロボットと言えるものの記述が登場し、これが日本のロボット史の最初とされる<ref name=kyukyo/>が、これは人骨を集めて作った人形に魂を宿す魔術によって蘇るという話でありロボットと言えるのか意見の分かれるところである。
* [[12世紀]]、[[アルベルトゥス・マグヌス]]がアンドロイドを作ったと記録されている。
* [[12世紀]]、[[アルベルトゥス・マグヌス]]がアンドロイドを作ったと記録されている。
* [[13世紀]]、[[:en:Robert II, Count of Artois|Robert II, Count of Artois]]は数々の人型、動物型の機械人形を作製した。
* [[13世紀]]、[[:en:Robert II, Count of Artois|アルトワ伯ロベール2世]]は数々の人型、動物型の機械人形を作製した。
* [[1495年]]、[[レオナルド・ダヴィンチ]]が現代で言えばヒューマノイドとして捉えられる、詳細な設計図も含んだ一群のスケッチを作成する([[レオナルドのロボット|ダヴィンチのロボット]])。
* [[1495年]]、[[レオナルド・ダヴィンチ]]が現代で言えばヒューマノイドとして捉えられる、詳細な設計図も含んだ一群のスケッチを作成する([[レオナルドのロボット|ダヴィンチのロボット]])。
* [[1533年]]、[[レギオモンタヌス]]は鷲型の空飛ぶ機械を製作した<ref name=BBC>{{cite web|url=http://www.bbc.co.uk/history/historic_figures/arkwright_richard.shtml|title=Sir Richard Arkwright (1732–1792)|accessdate=18 March 2008|publisher=BBC}}</ref>。また、[[ジョン・ディー]]は空飛ぶカブトムシの機械を製作した。
* [[1533年]]、[[レギオモンタヌス]]は鷲型の空飛ぶ機械を製作した<ref name=BBC>{{cite web|url=http://www.bbc.co.uk/history/historic_figures/arkwright_richard.shtml|title=Sir Richard Arkwright (1732–1792)|accessdate=18 March 2008|publisher=BBC}}</ref>。また、[[ジョン・ディー]]は空飛ぶカブトムシの機械を製作した。
* [[1622年]]、[[竹田近江 (初代)|からくり人形の竹田座]]が大阪に開業([[1768年]]まで)<ref name=kyukyo/>。
* [[1622年]]、[[竹田近江 (初代)|からくり人形の竹田座]]が大阪に開業([[1768年]]まで)<ref name=kyukyo/>。
103行目: 94行目:
* [[1773年]]、[[ピエール・ジャケ・ドロー]]による文字を書く人形が作製される。
* [[1773年]]、[[ピエール・ジャケ・ドロー]]による文字を書く人形が作製される。
* [[1796年]]、[[細川半蔵]]が茶運人形などの構造を図解した「[[機巧図彙]]」(からくりずい、きこうずい)を著す。
* [[1796年]]、[[細川半蔵]]が茶運人形などの構造を図解した「[[機巧図彙]]」(からくりずい、きこうずい)を著す。
* [[1886年]]、[[ヴィリエ・ド・リラダン]]が「[[未来のイヴ]]」という小説で[[アンドロイド]]という語を初めて使ったとされる。
* [[1886年]]、[[ヴィリエ・ド・リラダン]]が「[[未来のイヴ]]」という小説でアンドロイドという語を初めて使ったとされる。
* [[1921年]]、[[カレル・チャペック]]が「ロボット」の造語を使用し、その概念が広まった。
* [[1921年]]、[[カレル・チャペック]]が「ロボット」の造語を使用し、その概念が広まった。
[[File:Televox and R. J. Wensley 1928.jpg|thumb|right|Televox and creator R. J. Wensley, 1928]]
[[File:Televox and R. J. Wensley 1928.jpg|thumb|right|テレヴォックスとRJ・ウェンズリー(1928年)]]
* [[1926年]]、[[ウェスティングハウス・エレクトリック]]が3つの音程に反応して[[継電器|リレー]]の操作を行い、電話での遠隔操作も可能な装置「[[テレヴォックス]]」(Televox)を開発する。のち(1927年にニューヨークで開催された世界博覧会に展示されに筐体表面に人型に切り抜いたボール紙を貼り付けたことで、これが人型ロボット第一号とみなされることもある<ref>[https://hackaday.com/2019/04/12/televox-the-pasts-robot-of-the-future/ Televox: The Past’s Robot Of The Future | Hackaday]</ref>。
* [[1926年]]、[[ウェスティングハウス・エレクトリック]]のR・J・ウェンズリー3つの音程に反応して[[継電器|リレー]]の操作を行い、電話での遠隔操作も可能な装置「[[テレヴォックス]]」(Televox)を開発する。のち、1927年に[[ニューヨーク]]で開催された[[世界博覧会]]に展示され折に筐体表面に人型に切り抜いたボール紙を貼り付けたことで、これが人型ロボット第一号とみなされることもある<ref>[https://hackaday.com/2019/04/12/televox-the-pasts-robot-of-the-future/ Televox: The Past’s Robot Of The Future | Hackaday]</ref>。
* [[1927年]]、アンドロイドが登場する有名な映画[[メトロポリス (1927年の映画)|メトロポリス]]映される。
* [[1927年]]、アンドロイドが登場する有名なSF映画[[メトロポリス (1927年の映画)|メトロポリス]]映される。
* [[1928年]]、世界初のヒューマノイドとされる「[[エリック (ロボット)|エリック]]」が作製される。
* [[1928年]]、世界初のヒューマノイドとされる「[[エリック (ロボット)|エリック]]」が作製される。
* [[1928年]]、日本初のロボット<ref name=kyukyo/>と認識されている「[[學天則]]」(がくてんそく)を、生物学者の[[西村真琴]]が製作した。その後、翻訳上演された外国演劇にロボットが登場したことをきっかけに関心が高まるも、[[第二次世界大戦|第二次大戦]]勃発により日本のロボット開発は中断する<ref name=kyukyo/>。
* [[1928年]]、日本初のロボット<ref name=kyukyo/>と認識されている「[[學天則]]」を、生物学者の[[西村真琴]]が製作した。その後、翻訳上演された外国演劇にロボットが登場したことをきっかけに関心が高まるも、[[第二次世界大戦]]勃発により日本のロボット開発は中断する<ref name=kyukyo/>。
* [[1947年]][[9月25日]]、[[アメリカ空軍]]の[[ダグラス DC-4|C-54輸送機]]が[[オートパイロット]]で[[大西洋]]を渡り、[[ブライズ・ノートン空軍基地|イングランド]]への着陸に成功する。
* [[1947年]][[9月25日]]、[[アメリカ空軍]]の[[ダグラス DC-4|C-54輸送機]]が[[オートパイロット]]で[[大西洋]]を渡り、[[ブライズ・ノートン空軍基地|イングランド]]への着陸に成功する。
* [[1948年]]、[[:en:William Grey Walter|William Grey Walter]]が「Elmer and Elsie」と呼ばれる初期の自律式ロボットを作成する。
* [[1948年]]、[[:en:William Grey Walter|ウィリアム・グレイ・ウォルター]]がエルマー&エルジー(Elmer and Elsie)」と呼ばれる初期の自律式ロボットを作成する。
* [[1950年]]、[[SF作家]]の[[アイザック・アシモフ]]が、『われはロボット』作中で[[ロボット工学三原則]]を発表、人間との共存に関する議論の的となる。
* [[1950年]]、[[SF作家]]の[[アイザック・アシモフ]]が、『われはロボット』作中で[[ロボット工学三原則]]を発表、人間との共存に関する議論の的となる。
* [[1950年]]、[[手塚治虫]]が漫画『鉄腕アトム』発表<ref name=kyukyo/>。
* [[1950年]]、[[手塚治虫]]が漫画『[[鉄腕アトム]]』発表<ref name=kyukyo/>。
* [[1961年]]、アメリカのジョージ・デボルが世界初の実用的産業用ロボットである「[[ユニメート]]」を発売した。すぐに[[ゼネラルモーターズ]]の工場に納入され、[[ダイカスト]]作業に投入された<ref name="#1">「図説 世界史を変えた50の機械」p172 エリック・シャリーン著 柴田譲治訳 原書房 2013年9月30日第1刷</ref>。
* [[1961年]]、アメリカ合衆国のジョージ・デボルが世界初の実用的産業用ロボットである「[[ユニメート]]」を開発・発売した。すぐに[[ゼネラルモーターズ]]の工場に納入され、[[ダイカスト]]作業に投入された<ref name="名前なし-1">「図説 世界史を変えた50の機械」p172 エリック・シャリーン著 柴田譲治訳 原書房 2013年9月30日第1刷</ref>。
* [[1963年]]、日本初の[[テレビアニメ|TVアニメ]]「鉄腕アトム」が人気となり、劇中のロボット「アトム」は、のちの日本でのロボット開発において一つの目標となる。
* [[1963年]]、日本初の[[テレビアニメ|TVアニメ]]「鉄腕アトム」が人気となり、劇中のロボット「アトム」は、のちの日本でのロボット開発において一つの目標となる。
* [[1969年]]、[[川崎重工]]がユニメートのライセンス生産を開始する<ref name="#1"/>。
* [[1969年]]、[[川崎重工]]がユニメートのライセンス生産を開始する<ref name="名前なし-1"/>。
* [[1970年]]、[[日本万国博覧会|大阪万国博覧会]]が開催され、ロボットを中心にしたパビリオン「[[フジパン]]ロボット館」が出展された。
* [[1970年]]、[[日本万国博覧会|大阪万国博覧会]]が開催され、ロボットを中心にしたパビリオン「[[フジパン]]ロボット館」が出展された。
* [[1973年]]、[[早稲田大学]]の[[加藤一郎 (ロボット研究者)|加藤一郎]]研究室が世界初となる独立歩行可能なヒューマノイド型ロボット「WABOT-1」を開発。
* [[1970年代]]末、日本の多くの企業が産業用ロボット市場に進出する。
* [[1970年代]]末、日本の多くの企業が産業用ロボット市場に進出する。
* [[1980年代]]、自動車などの[[ライン生産方式|生産ライン]]に、[[溶接]]や部品の組み付けなどの作業を行う産業用ロボットが導入され始める。また同時期、[[マイクロコントローラ|マイコン]]制御による自律自走式の[[マイクロマウス]]競技が流行し、様々な企業や個人が、優れた迷路脱出能力をもつものを開発・発表する。さらに[[アメリカ合衆国|アメリカ]]等の国々で、マイコン制御の家庭用ロボットが複数市販された。これらは[[ROM]]チップに焼き付けたプログラムをStepByStepで実行する関係で扱いが難しく、また高価であることからあまり普及しなかったものの[[消費者]]の関心を集めた。そのブームに乗り、[[パソコン]]や[[ゲーム機]]で制御する(人形やフィギュアとは別の意味の)「ロボット玩具」が普及し、テレビアニメ等で様々な[[ロボットアニメ|ロボット物]]の番組が提供された。
* [[1980年代]]、自動車などの[[ライン生産方式|生産ライン]]に、[[溶接]]や部品の組み付けなどの作業を行う産業用ロボットが導入され始める。また同時期、[[マイクロコントローラ|マイコン]]制御による自律自走式の[[マイクロマウス]]競技が流行し、様々な企業や個人が、優れた迷路脱出能力をもつものを開発・発表する。さらにアメリカ等の国々で、マイコン制御の家庭用ロボットが複数市販された。これらは[[Read only memory|ROM]]チップに焼き付けたプログラムをStepByStepで実行する関係で扱いが難しく、また高価であることからあまり普及しなかったものの[[消費者]]の関心を集めた。そのブームに乗り、[[パソコン]]や[[ゲーム機]]で制御する(人形やフィギュアとは別の意味の)「ロボット玩具」が普及し、テレビアニメ等で様々な[[ロボットアニメ|ロボット物]]の番組が提供された。
* [[1985年]]、[[筑波研究学園都市]]で[[国際科学技術博覧会]](つくば科学博)が開催され、「[[芙蓉グループ|芙蓉]]ロボットシアター」などで様々な種類が展示された。
* [[1985年]]、[[筑波研究学園都市]]で[[国際科学技術博覧会]](つくば科学博)が開催され、「[[芙蓉グループ|芙蓉]]ロボットシアター」などで様々な種類が展示された。
* [[1996年]]、単体で完全な[[二足歩行]]を行う人型ロボット「[[ASIMO#開発史|P2]]」を[[本田技研工業]]が発表する。
* [[1996年]]、単体で完全な[[二足歩行]]を行う人型ロボット「[[ASIMO#開発史|P2]]」を[[本田技研工業]]が発表する。
128行目: 120行目:
* [[2005年]]、[[2005年日本国際博覧会|愛・地球博]]開催。多種多様なロボットが発表され、展示だけでなく会場案内や楽器演奏、ミュージカル出演など活躍。
* [[2005年]]、[[2005年日本国際博覧会|愛・地球博]]開催。多種多様なロボットが発表され、展示だけでなく会場案内や楽器演奏、ミュージカル出演など活躍。
* [[2008年]]、ロボットスーツ[[HAL (パワードスーツ)|HAL]]製品化。
* [[2008年]]、ロボットスーツ[[HAL (パワードスーツ)|HAL]]製品化。
* [[2017年]]、[[香港]]の{{仮リンク|ハンソン・ロボティクス|en|Hanson Robotics}}の人型ロボット「{{仮リンク|ソフィア (ロボット)|en|Sophia (robot)|label=ソフィア}}」がロボットでは世界初の[[市民権]]を[[サウジアラビア]]で取得<ref>{{cite web|url=https://gigazine.net/news/20171027-citizenship-humanoid-robot/|title=人型ロボットに市民権を与えた最初の国家が登場|accessdate=2018-11-30|publisher=[[GIGAZINE]]}}</ref>、ロボットで史上初めて[[国際連合|国連]]から[[称号]]を与えられる<ref>{{cite web |title=Sophia the Robot takes part in the Fifth OGP Global Summit in Georgia |url=http://www.ge.undp.org/content/georgia/en/home/presscenter/pressreleases/2018/sophia-the-robot-joins-the-fifth-ogp-global-summit-in-georgia.html |website=UNDP Georgia |accessdate=2019-01-14}}</ref>。
* [[2017年]]、[[香港]]の{{仮リンク|ハンソン・ロボティクス|en|Hanson Robotics}}の人型ロボット「[[ソフィア (ロボット)|ソフィア]]」がロボットでは世界初の[[市民権]]を[[サウジアラビア]]で取得<ref>{{Cite web|和書|url=https://gigazine.net/news/20171027-citizenship-humanoid-robot/|title=人型ロボットに市民権を与えた最初の国家が登場|accessdate=2018-11-30|publisher=[[GIGAZINE]]}}</ref>、ロボットで史上初めて[[国際連合|国連]]から[[称号]]を与えられる<ref>{{cite web |title=Sophia the Robot takes part in the Fifth OGP Global Summit in Georgia |url=http://www.ge.undp.org/content/georgia/en/home/presscenter/pressreleases/2018/sophia-the-robot-joins-the-fifth-ogp-global-summit-in-georgia.html |website=UNDP Georgia |accessdate=2019-01-14}}</ref>。
* [[2021年]]、[[イーロン・マスク]]が[[Tesla Bot]]制作を発表。
* [[2021年]]、[[イーロン・マスク]]が[[Tesla Bot]]を発表。


== 実在のロボット概略 ==
== 実在のロボット概略 ==
[[ファイル:Application field automotive.jpg|代替文=|サムネイル|200x200ピクセル|自動車製造ラインに配備された[[KUKA]]製産業用ロボット。]]
以下は現実世界におけるロボットの研究・開発状況について解説する。
以下は現実世界におけるロボットの研究・開発状況について解説する。


139行目: 130行目:
{{See also|産業用ロボット}}
{{See also|産業用ロボット}}


すでに一部では、歩行する人間型の物ではないが、自動的に建物内を巡回・[[警備]]するロボットの[[レンタル]]事業が開始されており、[[病院]]内の物資運搬におけるロボット[[カート]]の採用、また自動車の自動運転という意味の[[ロボットカー]]など、非人間型ロボットを中心に、移動する自動機械が人間社会の中で実際に活動を始めている。据え置き型の製造機械である産業用ロボットは、それらが動かない限り、ロボットと呼ばれる自動機械であり、人間社会に与える影響も旧来の自動機械と同等と考えられたが、これからの人間社会は移動するロボットからの影響を受けることが想像される。
すでに一部では、自動的に建物内を巡回・[[警備]]するロボットの[[レンタル]]事業が開始されており、[[病院]]内の物資運搬におけるロボット[[カート]]の採用、また自動車の自動運転という意味の[[ロボットカー]]など、非人間型ロボットを中心に、移動する自動機械が人間社会の中で実際に活動を始めている。


[[福島第一原子力発電所事故]]の発災後に日本製の原発ロボット(調査ロボット)の投入が遅れたことや、その後、投入されたものの目覚しい活躍を示していない現状<ref>[[レスキューロボット#東日本大震災とレスキューロボット|レスキューロボット]]を参照</ref><ref>[http://www.techno-con.co.jp/info/back9_1107a.html 新技術開発センターHP、テクノビジョン ダイジェスト、【連載:世界一の品質を取り戻す36】検証・日本の品質力 原発事故から浮かび上がった 「ロボット大国・日本」の弱点 閲覧2017年3月28日]</ref>や、[[掃除用ロボット]]などの分野で日本企業が主役から外れていることなどを背景に、実用性の高いロボットの研究開発の重要性が指摘されている。しかしそのようなロボットは未だ完成しておらず日本の技術では不可能と思われている。
[[福島第一原子力発電所事故]]の発災後に日本製の原発ロボット(調査ロボット)の投入が遅れたことや、その後、投入されたものの目覚しい活躍を示していない現状<ref>[[レスキューロボット#東日本大震災とレスキューロボット|レスキューロボット]]を参照</ref><ref>[http://www.techno-con.co.jp/info/back9_1107a.html 新技術開発センターHP、テクノビジョン ダイジェスト、【連載:世界一の品質を取り戻す36】検証・日本の品質力 原発事故から浮かび上がった 「ロボット大国・日本」の弱点 閲覧2017年3月28日]</ref>や、[[掃除用ロボット]]などの分野で日本企業が主役から外れていることなどを背景に、実用性の高いロボットの研究開発の重要性が指摘されている。


=== 分類 ===
用途別と構造別による分類が行える<ref name="25_robot.pdf">{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20171101042649/https://www.jpo.go.jp/shiryou/pdf/gidou-houkoku/25_robot.pdf |title=平成25年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)ロボット |publisher=特許庁 |format=PDF |date=2014-2 |accessdate=2017-1-4}}</ref>。

;用途別による分類<ref>特許庁の資料をもとに作成</ref><ref name="25_robot.pdf" />
*産業用ロボット分野
**[[産業用ロボット]]
***製造業
****[[溶接ロボット]]、塗装や組み立て・搬送ロボットなど
***3品産業
****食品、化粧品、医薬品 に関わるロボット
*サービスロボット分野
**[[サービスロボット]]
***[[家庭用ロボット]]、[[医療用ロボット]]、[[介護ロボット]]、[[宅配ロボット]]、[[パワードスーツ]]、[[エンタテインメントロボット]](娯楽・家庭向けと展示用を含む)、[[警備ロボット]]、[[掃除用ロボット]]
**特殊環境用ロボット
***[[探査ロボット]]、[[宇宙ロボット]]、[[レスキューロボット]]、[[軍事用ロボット]]

;構造による分類
*[[マスタースレーブ]]型ロボット
*[[マニピュレーター]]装置付き小室
*プログラム制御型ロボット
::[[直交ロボット]]、円筒・極座標型、[[垂直多関節ロボット]]、[[水平多関節ロボット]]、[[パラレルリンクロボット]]など
*移動型ロボット
::二足歩行ロボット、多脚、車輪、クローラ、飛行など
*[[ヒューマノイド]]
*人体装着型ロボット(パワードスーツ)
*[[マイクロロボット]]


=== 人型 ===
=== 人型 ===
[[File:Toyota Robot at Toyota Kaikan.jpg|thumb|right|150px|二足歩行型「トヨタ・パートナーロボット」]]
[[File:Toyota Robot at Toyota Kaikan.jpg|thumb|right|150px|二足歩行型「トヨタ・パートナーロボット」]]
{{Main|二足歩行ロボット}}
{{Main|二足歩行ロボット}}
1980年代後半以降、[[ASIMO]](本田技研工業)・[[HRP-2]]/[[HRP-3]]([[川田工業]]・[[産業技術総合研究所]]・[[川崎重工業]])・[[SDR-4X]]/[[QRIO]](ソニー)・[[PALRO]]([[富士ソフト]])等の二足歩行可能な人型ロボットが開発・発表されており、ROBO-ONEのような企画向けに個人で製作されるものにも高度なものが現れ、[[オーケストラ]]の[[指揮者|指揮]]したり<ref>[https://mechatro-life.com/0046/8a5b22f0-b646-4fa9-8603-418e415c738e 大阪工業技術専門学校ロボット研究部、指揮者ロボット「フクマス」、メカトロライフ閲覧2017年2月9日]</ref>、[[トヨタ・パートナーロボット|TPR]]([[トヨタ]])等の実際に楽器演奏ができる(従来のものは「フリ」をして[[カラオケ]]を流していただけであるが、[[トランペット]](実際に「息」で吹く)や、[[太鼓|ドラム]]を操作して音を出す)ものも登場している。
1980年代後半以降、[[ASIMO]](本田技研工業)・[[HRP-2]]/[[HRP-3]]([[川田工業]]・[[産業技術総合研究所]]・[[川崎重工業]])・[[SDR-4X]]/[[QRIO]](ソニー)・[[PALRO]]([[富士ソフト]])等の二足歩行可能な人型ロボットが開発・発表されており、ROBO-ONEのような企画向けに個人で製作されるものにも高度なものが現れ、[[オーケストラ]]の[[指揮者|指揮]]したり<ref>[https://mechatro-life.com/0046/8a5b22f0-b646-4fa9-8603-418e415c738e 大阪工業技術専門学校ロボット研究部、指揮者ロボット「フクマス」、メカトロライフ閲覧2017年2月9日]</ref>、[[トヨタ・パートナーロボット|TPR]]([[トヨタ]])等の実際に楽器演奏ができるものも登場している。
2018年10月11日には、[[ボストン・ダイナミクス]]社の最新型[[アトラス (ロボット)|アトラス]]が「[[パルクール]]」を軽々とやってのける動作を撮影した新映像が公開された<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=LikxFZZO2sk Parkour Atlas - YouTube]</ref><ref>[https://www.wired.com/story/watch-boston-dynamics-humanoid-robot-do-parkour/ Watch Boston Dynamics' Humanoid Robot Do Parkour WIRED] wired.com |2018年10月11日閲覧 </ref>。
2018年10月11日には、[[ボストン・ダイナミクス]]社の最新型[[アトラス (ロボット)|アトラス]]が「[[パルクール]]」を軽々とやってのける動作を撮影した新映像が公開された<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=LikxFZZO2sk Parkour Atlas - YouTube]</ref><ref>[https://www.wired.com/story/watch-boston-dynamics-humanoid-robot-do-parkour/ Watch Boston Dynamics' Humanoid Robot Do Parkour WIRED] wired.com |2018年10月11日閲覧 </ref>。


いずれもこれら人の形をした(もしくは目指した)ロボット開発は、古くからのSF作品で描かれた「[[人間社会]]に溶け込み、人間との共同作業や共に生活するロボット」というイメージに沿ったものでもあり、日本においては『[[鉄腕アトム]]』の影響が少なからず二足歩行ロボット開発者の発言に示されている一方、若い世代では一連の巨大ロボットもののアニメーション(→ロボットアニメ)が言及される。たとえば、ASIMOでは前述の『鉄腕アトム』を、HRP-2/HRP-3開発者の一部は『[[機動警察パトレイバー]]』の影響を受けていることを公言しており、同シリーズは実動機のデザインをアニメのメカデザインで活躍する[[出渕裕]]に依頼<ref group="注釈">出渕はパトレイバーシリーズのメカデザイナーでもあるので、同シリーズは出渕構想の概念に基づくこととなる。</ref>したことでも知られる。しかし完全な人間に似たロボットは未だ完成しておらず技術的に不可能と思われている。
いずれもこれら人の形をした(もしくは目指した)ロボット開発は、古くからのSF作品で描かれた「[[人間社会]]に溶け込み、人間との共同作業や共に生活するロボット」というイメージに沿ったものでもあり、日本においては『[[鉄腕アトム]]』の影響が少なからず二足歩行ロボット開発者の発言に示されている一方、若い世代では一連の巨大ロボットもののアニメーション(→ロボットアニメ)が言及される。たとえば、ASIMOでは前述の『鉄腕アトム』を、HRP-2/HRP-3開発者の一部は『[[機動警察パトレイバー]]』の影響を受けていることを公言しており、同シリーズは実動機のデザインをアニメのメカデザインで活躍する[[出渕裕]]に依頼<ref group="注釈">出渕はパトレイバーシリーズのメカデザイナーでもあるので、同シリーズは出渕構想の概念に基づくこととなる。</ref>したことでも知られる。


=== 家庭用ロボット、個人用ロボット ===
=== 一般社会への普及 ===
{{See also|エンターテイメントロボット|家庭用ロボット|サービスロボット|掃除用ロボット}}
{{See also|家庭用ロボット|エンターテイメントロボット|サービスロボット|掃除用ロボット}}
古くはリモートコントロールや簡単な[[マイクロコンピュータ]]で制御された物が、博覧会や展示施設で訪れた者の目を楽しませていたが、近年では[[コンピュータ]]の高度化に伴い、施設案内業務等の実質的な「仕事」を果たすロボットが登場している。
古くはリモートコントロールや簡単な[[マイクロコンピュータ]]で制御された物が、博覧会や展示施設で訪れた者の目を楽しませていたが、近年では家庭で使われるロボットも増えている。


2022年時点で一番普及率が高くなっているのは、'''[[掃除用ロボット]]'''である。家事の中でも比較的「好きでない」「やりたくない」ものである掃除を自動化できるので購入の動機が強く、普及が進んだ。最初は、単純に壁にぶつかってから方向を変更して動き回る装置だったが、やがて高級機種では上部にカメラを備えて天井の形から部屋のマッピング(地図作成)を行うものまで登場した。曜日・日時などを設定しておけば、勤務や授業で自宅にいない時に自動的に掃除して充電ステーションに戻るを繰り返す。
前出のASIMOは、イベント会場にレンタルされ集客に一役買っていたり、2002年には[[ニューヨーク証券取引所]]で、史上初の「人間以外では初めて」取引開始の鐘を鳴らす役目を担うなどの役目を果たした。最近では[[日本科学未来館]]・[[ツインリンクもてぎ]]・[[鈴鹿サーキット]]ホールメープル・Hondaウエルカムプラザ青山に常設され、訪れた人々の間を歩き回ったりもしている。

[[ビタクラフト]]のRFIQ自動調理システムは「世界初の調理ロボット」といわれた。


[[File:Aibo ERS-7.PNG|thumb|right|220px|AIBO]]
[[File:Aibo ERS-7.PNG|thumb|right|220px|AIBO]]
ソニーの[[AIBO]]は[[エンターテイメントロボット]]という分野を開拓し、シリーズ化し、大人気となった。さまざまな意味でかなり「生物的」になっているので、人々はロボットとしてというより最初から「ペット」として購入する傾向が強まっている。Youtubeなどでもアメリカ人YoutuberたちがERS-1000をすっかりペットとして扱っている様子が多数投稿されている。
近年では、ソニーの[[AIBO]]に代表される[[エンターテイメントロボット]]の登場により、一般家庭に愛玩品や娯楽品、果ては「家族」という位置付けで様々な[[家庭用ロボット]]が発売されている。これらは人間とコミュニケーションを取ったり、自由に動き回って目を和ませたり、更には「ロボットの居る生活」という「近未来的な暮らしをしたい」というニーズに応えている。これらは主に、[[ペット]]という性格付けが強いことから、動物型の物が多く市場投入される傾向にある。ただし、感情移入のしやすい動物や人の姿などをしていなくても「愛玩」する層は居る模様であり、中には掃除用ロボットが「かわいい」「健気」と愛着や感情移入している人々もいる<ref>[http://top.tsite.jp/news/technology/i/23069707/ ロボット掃除機“ルンバさん”が愛される理由って? [T-SITE]、閲覧2017年3月28日]</ref>。


家庭用ロボットは、人間とコミュニケーションを取ったり、自由に動き回って目を和ませたり、更には「ロボットの居る生活」という「近未来的な暮らしをしたい」というニーズに応えている。これらは主に、[[ペット]]という性格付けが強いことから、動物型の物が多く市場投入される傾向にある。ただし、感情移入のしやすい動物や人の姿などをしていなくても、ロボットをかわいがる人々はおり、中には掃除用ロボットが「かわいい」「健気」と愛着や感情移入している人々もいる<ref>[http://top.tsite.jp/news/technology/i/23069707/ ロボット掃除機“ルンバさん”が愛される理由って? [T-SITE]、閲覧2017年3月28日]</ref>。
また人型・非人型を含め、巡回・警備・清掃するロボット事業は始まっており、物資移動用のロボット[[カート]]など、非人間型ロボットを中心に労働源として人間社会に浸透しつつある。


'''[[介護ロボット]]'''の需要も高まっている。「高齢化社会」が進展する日本では、介護者の不足も問題になっており、ロボットは有力な解決策のひとつになっている。ベッドから抱き上げて車椅子に乗せる作業や、入浴の介護などの重労働に需要がある。また食事の介護をしたり、高齢者に話しかけたり高齢者が話せば反応して会話するコミュニケーション機能も求められている。
更に世界初の調理ロボットといわれている[[ビタクラフト]]のRFIQ自動調理システムや、掃除用ロボットなど、[[家事]]の手助けをするロボットも普及している。要介護者の[[介護]]作業を助けさせたり、[[ホームセキュリティ]]の一環で、家庭内を巡回・警邏させる試みなども始まっている。家事を手助けするロボットの中でもアイロボットから発売された[[ロボット掃除機]](ルンバ)は吸引力が強く、複数の部屋の掃除やマッピングのほか、家具を認識して効率よく掃除を行う。こうしたロボットの発売により掃除をロボット掃除機に任せたいというヤングファミリーが一気に増加した。


2021年には、トヨタから家事を他種類行うロボットが公開された<ref>[https://japan.cnet.com/article/35172698/ 「トヨタの最新ロボット、家事をしながら自撮りを披露」]</ref>。
=== 搭乗型 ===

ロボットアニメにおいて、主人公らが乗って操る、搭乗型二足歩行ロボットは、もはや定番であり、これらに対するあこがれは根強いものがある。現実的に、これに近い存在のロボットも実際に出現しつつある。
富裕層の広い邸宅などでは、人が不在の時に住宅内を巡回し、不審な状況があれば外にいるネット経由で外にいる主人に連絡したり、自動的に警察に通報してくれるロボット、[[ホームセキュリティ]]ロボットの需要も一定程度ある。
*[[テムザック]]社の[http://www.enryu.jp/ T-52「援竜」]<ref group="注釈">移動はクローラで、先端にカニ爪状の手がついた巨大な二本のマニピュレータが装備されており、元々は建設機械であるため人型ではないが、頭部(カメラ装備)もあり、巨大ロボット然としている。</ref>は、[[災害]]現場における大型[[レスキューロボット]]で、全高3.45m、重量5tで、遠隔操縦もしくは有人で操縦できる。マニピュレータは操縦者の腕の動きにあわせて稼動し、巨大さの割にはきめ細かく動作する。
*[[トヨタ・i-foot|i-foot]](トヨタ)は、人型ではあるものの、下半身のみの搭乗型二足歩行ロボットで、[[肢体不自由者#下肢不自由|歩行障害者]]の使用する[[車いす]]の代替をめざし開発され、[[2005年日本国際博覧会]](愛・地球博)で実際に活躍している。高さは2.36mと、[[歩行#静歩行と動歩行|動歩行]]の二足歩行ロボットとしては最大級のサイズを実現し、階段の昇降も可能という。
*[[LAND WALKER]]([[榊原機械]])は、すり足のため擬似的なものではあるが、有人での二足歩行を再現している。


=== 兵器 ===
=== 兵器 ===
177行目: 194行目:
=== 警備 ===
=== 警備 ===
{{Main|警備ロボット}}
{{Main|警備ロボット}}
治安活動やそれに付随する危険物処理などでは、人手不足を減らすための導入や、様々な活動の機械化が進められている。中でも交通違反の取り締まり、証拠収集、[[顔認識]]による犯罪者の特定<ref>{{Cite web|url=http://j.people.com.cn/n3/2017/0218/c94638-9179755.html|title=警察ロボットが高速鉄道鄭州東駅に登場 中国初|publisher=[[人民網]]|date=2017-02-18|accessdate=2019-01-01}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://j.people.com.cn/n3/2016/0923/c95952-9119163.html|title=中国初の警備ロボット、深圳の空港をパトロール|publisher=[[人民網]]|date=2016-09-23|accessdate=2019-11-17}}</ref>、さらに爆弾<ref>{{cite web|url=https://wired.jp/2016/07/10/is-it-ok-to-send/|title=ダラス警察の「爆弾ロボット」が銃撃犯を爆殺するまで|date=2016-07-10|accessdate=2019-03-03|publisher=[[WIRED]]}}</ref>や[[テーザー銃]]<ref>{{Cite web|url=https://www.gizmodo.jp/2016/09/anbot-chinese-robocop.html|title=フシンシャハッケン…中国空港に「ロボコップ」が誕生しました|publisher=[[ギズモード]]|date=2016-09-30|accessdate=2019-01-01}}</ref><ref>{{cite web|url=https://www.sankeibiz.jp/macro/news/160807/mcb1608070722001-n1.htm|title=中国ロボは縦長の「R2-D2」か? 米国「殺人ロボ」の先行くスグレモノ|accessdate=2019-01-01|publisher=[[フジサンケイ ビジネスアイ]]}}</ref><ref>{{cite web|url=https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00503521|title=【電子版】中国・鉄道警察、AI巡視ロボ導入 捕獲網やスタンガン装備|date=2019-01-22|accessdate=2019-03-03|publisher=[[日刊工業新聞]]}}</ref>などで武装化させて法執行活動に採用する国もあり、[[2016年]]に[[中華人民共和国|中国]]では非人型の<ref>{{Cite web|url=https://www.popsci.com/china-debuts-anbot-police-robot|title=China Debuts Anbot, The Police Robot|publisher=Popular Science|language=英語|date=April 27, 2016|accessdate=2019-01-01}}</ref><ref>{{cite web|url=https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-44434720|title=未来の街はロボットが運営? ドバイや中国では現実に|accessdate=2018-11-30|publisher=[[BBC]]}}</ref>、[[2017年]]には[[アラブ首長国連邦]]の[[ドバイ]]では人型のロボットの[[警察]]への配備が報じられた<ref>{{Cite web|url=https://gigazine.net/news/20170525-dubai-robot-police/|title=ドバイが世界で初めて導入した「ロボコップ」、カンファレンスに初出動|publisher=[[GIGAZINE]]|date=2017-05-25|accessdate=2019-01-01}}</ref>。
治安活動やそれに付随する危険物処理などでは、人手不足を減らすための導入や、様々な活動の機械化が進められている。中でも交通違反の取り締まり、証拠収集、[[顔認識]]による犯罪者の特定<ref>{{Cite web|url=http://j.people.com.cn/n3/2017/0218/c94638-9179755.html|title=警察ロボットが高速鉄道鄭州東駅に登場 中国初|publisher=[[人民網]]|date=2017-02-18|accessdate=2019-01-01}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://j.people.com.cn/n3/2016/0923/c95952-9119163.html|title=中国初の警備ロボット、深圳の空港をパトロール|publisher=[[人民網]]|date=2016-09-23|accessdate=2019-11-17}}</ref>、さらに爆弾<ref>{{Cite web|和書|url=https://wired.jp/2016/07/10/is-it-ok-to-send/|title=ダラス警察の「爆弾ロボット」が銃撃犯を爆殺するまで|date=2016-07-10|accessdate=2019-03-03|publisher=[[WIRED]]}}</ref>や[[テーザー銃]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.gizmodo.jp/2016/09/anbot-chinese-robocop.html|title=フシンシャハッケン…中国空港に「ロボコップ」が誕生しました|publisher=[[ギズモード]]|date=2016-09-30|accessdate=2019-01-01}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20160808163706/https://www.sankeibiz.jp/macro/news/160807/mcb1608070722001-n1.htm|title=中国ロボは縦長の「R2-D2」か? 米国「殺人ロボ」の先行くスグレモノ|accessdate=2019-01-01|publisher=[[フジサンケイ ビジネスアイ]]}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00503521|title=【電子版】中国・鉄道警察、AI巡視ロボ導入 捕獲網やスタンガン装備|date=2019-01-22|accessdate=2019-03-03|publisher=[[日刊工業新聞]]}}</ref>などで武装化させて法執行活動に採用する国もあり、[[2016年]]に[[中華人民共和国|中国]]では非人型の<ref>{{Cite web|url=https://www.popsci.com/china-debuts-anbot-police-robot|title=China Debuts Anbot, The Police Robot|publisher=Popular Science|language=英語|date=April 27, 2016|accessdate=2019-01-01}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-44434720|title=未来の街はロボットが運営? ドバイや中国では現実に|accessdate=2018-11-30|publisher=[[BBC]]}}</ref>、[[2017年]]には[[アラブ首長国連邦]]の[[ドバイ]]では人型のロボットの[[警察]]への配備が報じられた<ref>{{Cite web|和書|url=https://gigazine.net/news/20170525-dubai-robot-police/|title=ドバイが世界で初めて導入した「ロボコップ」、カンファレンスに初出動|publisher=[[GIGAZINE]]|date=2017-05-25|accessdate=2019-01-01}}</ref>。


=== 特殊環境用 ===
=== 特殊環境用 ===
'''原子力事故'''
: 日本で2011年に[[福島第一原子力発電所事故]]が発生してからは、原子力事故下の発電所内で作業をしてくれるロボットの必要性が非常に高まっている。
: 過去にも日本国内で原発ロボットの開発や研究が進められていたが、原発事故に対応できるロボットの実用化には至らなかった<ref>[https://www.techno-con.co.jp/info/back9_1107a.html]</ref>。
: アメリカ空軍は開発中だった[[原子力飛行機]]の墜落に備え「[[ビートル (ロボット)|ビートル]]」を試作、原子力飛行機の計画が中止された後は放射性物質を含む瓦礫の除去に用途変更された。

'''宇宙空間'''
'''宇宙空間'''
: [[宇宙開発]]においては、苛酷な環境や生命が失われるリスクの高さから、的に状況を判断して行動するロボットの重要性は高まっている。た[[火星]][[月]]の裏側など[[ラジコン|無線操縦]]が出来ない環境ある程度自己判断能力のある[[探査機|無人探査機]]の開発が求められていた。その結果近年では無人火星探査車[[マーズ・エクスプロレーション・ローバー|ローバー]]のように、自分で移動経路判断して探査任務行うロボットが実用化されている
: 宇宙開発は、周囲状況をセンサで感じ取り的に判断して行動するロボットの重要性は高まっている。たとえば[[火星]]探査では、地球-火星間で通信をしようとしても信号がたった1往復するのにも5分〜20分もかかってしまい<ref>[https://mars.nasa.gov/mars2020/spacecraft/rover/communications/ NASA公式サイト、2020 mission perseverance rover.]</ref>人間が地球から操縦するラジコン方式ではまともな操縦はできないで、自己判断能力をそなえた[[探査機|無人探査機]]の開発が求められ、無人火星探査車[[マーズ・エクスプロレーション・ローバー]]が開発された。これはあらかじめ装置どこのエリアを探査すべきなのか命令を与えるとそのエリアへ移動する途中は装置自体が各種センサやカメラ駆使して周囲の状況理解し、岩や穴などを避け、適切な経路を選ぶ
: 日本では、自国製[[ロケット]]の運搬能力が(生命維持装置を含めた)人間を軌道上に打ち上げるのが難しいこともあり、[[国際宇宙ステーション]](ISS)への物資輸送においては、自動的に軌道修正を行ったりできるロボット宇宙船(無人の[[スペースシャトル]])の構想が、国内での宇宙開発における主要方針となっている。他にも国際宇宙ステーションからの緊急脱出機材として一時アメリカで開発が進められていた[[乗員帰還機]](CRV)の[[X-38 (航空機)|X-38]]([[Xプレーン|Xプレーンシリーズ]])は国際宇宙ステーションからパイロット無しで脱出・地球への帰還ができるよう、完全自動化する構想であった。開発中止になったが、一種のロボット宇宙船といえる。
: 日本では、自国製[[ロケット]]の運搬能力が(生命維持装置を含めた)人間を軌道上に打ち上げるのが難しいこともあり、[[国際宇宙ステーション]](ISS)への物資輸送においては、自動的に軌道修正などを行るロボット宇宙船(無人の[[スペースシャトル]])の構想が、国内での宇宙開発における主要方針となっている。他にも国際宇宙ステーションからの緊急脱出機材として一時アメリカで開発が進められていた[[乗員帰還機]](CRV)の[[X-38 (航空機)|X-38]]([[Xプレーン|Xプレーンシリーズ]])は国際宇宙ステーションからパイロット無しで脱出・地球への帰還ができるよう、完全自動化する構想であった。開発中止になったが、一種のロボット宇宙船といえる。


'''水中探査'''
'''水中探査'''
191行目: 213行目:
'''火山探査'''
'''火山探査'''
: [[千葉工業大学]],[[東北大学]],[[筑波大学]],[[岡山大学]],[[情報通信研究機構]](NICT),[[産業技術総合研究所]](AIST)が火山探査を目的にクローラ型移動ロボット「[[Kenaf]]」を開発している。
: [[千葉工業大学]],[[東北大学]],[[筑波大学]],[[岡山大学]],[[情報通信研究機構]](NICT),[[産業技術総合研究所]](AIST)が火山探査を目的にクローラ型移動ロボット「[[Kenaf]]」を開発している。

'''原子力事故'''
: アメリカ空軍は開発中だった[[原子力飛行機]]の墜落に備え「[[ビートル (ロボット)|ビートル]]」を試作、原子力飛行機の計画が中止された後は放射性物質を含む瓦礫の除去に用途変更された。

=== 動作補助 ===
パワードスーツ、ロボットスーツ、強化外骨格等ともいう。現在の医療での回復が見込まれない、脊髄損傷により歩行ができない人や、それ以外に病気などで歩行が困難な人を対象に、歩く動作を補助する目的で「ロボットスーツ」が開発されている。開発は、[[筑波大学]]大学院システム情報工学研究科の[[山海嘉之]]教授が中心となって行っており、ロボットベンチャー[[サイバーダイン]]が設立され、「[[HAL (パワードスーツ)|HAL]]」を製造している。イメージとしては小説「[[宇宙の戦士]]」などに登場する架空の兵器であるパワードスーツといったらわかりやすいかもしれない。福島第一原発事故後、「HAL」を原発作業員のために改良したロボットスーツを公開している<ref>2011年11月7日AFP「原発作業にロボットスーツを、サイバーダインが公開」[http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2839313/8043705]</ref>。

また、[[パナソニック|松下電器産業]]が[[神戸学院大学]]総合リハビリテーション学部の[[中川昭夫]]教授らのチームと共同開発した半身麻痺患者のリハビリテーション用ロボットスーツは、健常な半身の筋肉の動きをセンサーで検知し、麻痺した側に装着した人工筋に伝えることで左右同じ動きを実現するもので、2008年の実用化が計画されている。

これらは通常「ロボット」と呼ばれる物と異なり単体での動作はなく、人間が装着することで機能し、医療・福祉関係のほかに、物流関係、工事現場など広く民生用への応用が期待される。軍事用に米軍がマサチューセッツ工科大学と共同で強化外骨格の研究をしているといわれる。また、人間の力を拡大するのではなく、手術などの微細な作業の際に人間の動きを縮小するマイクロサージェリー用のロボットも医療用に開発されている。


=== 動物の代替 ===
=== 動物の代替 ===
211行目: 223行目:
レスキューロボットは[[地震]]や[[噴火]]・[[津波]]などによる被災地に投入して、いち早く被災者を発見・保護することで、救命率の向上と[[二次災害]]による被害を防ぐことを目的とする。これらのロボットは、[[センサー]]や移動能力を持ち倒壊建物に取り残された被災者の発見に役立てるほか、テムザックの「援竜」のように従来からある[[建設機械]]を発展させて二本のアームを備えロボット化し、瓦礫撤去を効率よくこなすことが期待される。
レスキューロボットは[[地震]]や[[噴火]]・[[津波]]などによる被災地に投入して、いち早く被災者を発見・保護することで、救命率の向上と[[二次災害]]による被害を防ぐことを目的とする。これらのロボットは、[[センサー]]や移動能力を持ち倒壊建物に取り残された被災者の発見に役立てるほか、テムザックの「援竜」のように従来からある[[建設機械]]を発展させて二本のアームを備えロボット化し、瓦礫撤去を効率よくこなすことが期待される。


[[火災]]の場合では、[[コンビナート]]火災など危険すぎて[[消防]]隊が突入できない個所にも侵入できる放水銃を備えた無人走行放水車や、危険のともなう火災現場に突入して状況を調べるための偵察ロボット、水中を捜索する水中検索装置・マニピュレーターを備え、要救助者を回収する救出ロボットが、[[東京消防庁]]に配備されている([https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/ts/soubi/robo/])。これらは[[遠隔操作|リモートコントロール]]式の装置であるが、危険個所の消防と被災者の救出に威力を発揮することが期待される。
[[火災]]の場合では、[[コンビナート]]火災など危険すぎて[[消防]]隊が突入できない個所にも侵入できる放水銃を備えた無人走行放水車や、危険のともなう火災現場に突入して状況を調べるための偵察ロボット、水中を捜索する水中検索装置・マニピュレーターを備え、要救助者を回収する救出ロボットが、[[東京消防庁]]に配備されている<ref>{{Cite web|和書|title=東京消防庁<組織・施設><消防装備><消防ロボット:水中検索装置> |url=https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/ts/soubi/robo/02.htm |website=www.tfd.metro.tokyo.lg.jp |access-date=2022-09-06}}</ref>。これらは[[遠隔操作|リモートコントロール]]式の装置であるが、危険個所の消防と被災者の救出に威力を発揮することが期待される。また、2019年には[[消防庁|総務省消防庁]]が[[市原市消防局]]に消防ロボットシステム「スクラムフォース」を無償貸与した


2011年3月11日[[東北地方太平洋沖地震]]による東日本大震災や福島第一原発事故後には、ロボットを使った人命救助や、[[レスキューロボット#原子力災害ロボット|原子力災害ロボット]]の役割の重要性が改めて認識された。現在、多くの研究者や企業が原発災害用ロボットの開発に力を入れているが実用段階のものは1つもない
2011年3月11日[[東北地方太平洋沖地震]]による東日本大震災や福島第一原発事故後には、ロボットを使った人命救助や、[[レスキューロボット#原子力災害ロボット|原子力災害ロボット]]の役割の重要性が改めて認識され、研究開発が行われている、多くの研究者や企業が原発災害用ロボットの開発に力を入れている。

[[テムザック]]社の T-52「援竜」のように建設機械を改造したロボットも登場している<ref>{{Cite web|和書|title=巨体がうなるぞ、ドアとるぞ。その名は「援竜」 |url=https://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0403/26/news001.html |website=ITmedia NEWS |access-date=2022-09-06 |language=ja}}</ref>。

瓦礫の隙間に入り被災者を探索するロボットの開発も行われているが、[[昆虫]]サイズの場合はロボットよりも実際の昆虫をサイボーグ化し遠隔制御した方が省エネルギーとされる<ref>{{Cite web|和書|title=“サイボーグ昆虫” 理研など開発 昆虫に電子部品付け遠隔操作 {{!}} NHK |url=https://web.archive.org/web/20220905093543/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220905/k10013804421000.html |website=NHKニュース |access-date=2022-09-06 |last=日本放送協会}}</ref>。


=== 研究用 ===
=== 研究用 ===
動物の動作を制御する仕組みを理解するにあたって、脳や脊髄の動的な相互作用を記録することは困難なため、[[神経科学]]の研究道具として動物の動作を模したロボットを作り、理解に役立てることがある<ref>{{Cite web |url=https://www.ted.com/talks/auke_ijspeert_a_robot_that_runs_and_swims_like_a_salamander/transcript?language=ja |title=イモリの様に走り、泳ぐことのできるロボット |publisher=[[TED (カンファレンス)|TED]] |date=2016-1 |accessdate=2017-1-10}}</ref>。しかしそれをフィードバックして新技術を得た例は全くみられない
動物の動作を制御する仕組みを理解するにあたって、脳や脊髄の動的な相互作用を記録することは困難なため、[[神経科学]]の研究道具として動物の動作を模したロボットを作り、理解に役立てることがある<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.ted.com/talks/auke_ijspeert_a_robot_that_runs_and_swims_like_a_salamander/transcript?language=ja |title=イモリの様に走り、泳ぐことのできるロボット |publisher=[[TED (カンファレンス)|TED]] |date=2016-1 |accessdate=2017-1-10}}</ref>。


=== 競技・興行用 ===
=== 競技・興行用 ===
224行目: 240行目:
多くは無人機によるものだが、2017年には有人機同士による格闘がイベントとして行われた<ref>[http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1710/18/news098.html「ぶん殴って倒して勝った」クラタス “日米巨大ロボ対決”は引き分け] - [[ITmedia]]</ref>。
多くは無人機によるものだが、2017年には有人機同士による格闘がイベントとして行われた<ref>[http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1710/18/news098.html「ぶん殴って倒して勝った」クラタス “日米巨大ロボ対決”は引き分け] - [[ITmedia]]</ref>。


[[LAND WALKER]]は、すり足のため擬似的なものではあるが、人が乗り込んで操縦する二足歩行ロボットである。
=== 分類 ===
用途別と構造別による分類が行える<ref name="25_robot.pdf">{{Cite web |url=https://web.archive.org/web/20171101042649/https://www.jpo.go.jp/shiryou/pdf/gidou-houkoku/25_robot.pdf |title=平成25年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)ロボット |publisher=特許庁 |format=PDF |date=2014-2 |accessdate=2017-1-4}}</ref>。


前出のASIMOは、宣伝のためにイベント会場にレンタルされている。
;用途別による分類<ref>特許庁の資料をもとに作成</ref><ref name="25_robot.pdf" />
*産業用ロボット分野
:*[[産業用ロボット]]
::*製造業
::::[[溶接ロボット]]、塗装や組み立て・搬送ロボットなど
::*3品産業
::::食品、化粧品、医薬品 に関わるロボット
*サービスロボット分野
:*[[サービスロボット]]
:::[[家庭用ロボット]]、[[医療用ロボット]]、[[介護ロボット]]、[[パワードスーツ]]、[[エンタテインメントロボット]](娯楽・家庭向けと展示用を含む)、[[警備ロボット]]、[[掃除用ロボット]]
:*特殊環境用ロボット
:::[[探査ロボット]]、[[宇宙ロボット]]、[[レスキューロボット]]、[[軍事用ロボット]]


2023年には受注生産であるが、継続して販売される製品として全高4mの搭乗型ロボットの販売が開始された<ref>{{Cite web|和書|title=人が乗って操作できる4m級ロボット「アーカックス」、ついにお披露目。4億円で国内先行販売 |url=https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1524844.html |website=PC Watch |date=2023-08-21 |access-date=2023-08-21 |language=ja |last=株式会社インプレス}}</ref>。
;構造による分類

*[[マスタースレーブ]]型ロボット
=== 人間の動作の援助装置、自立援助装置 ===
*[[マニピュレーター]]装置付き小室
通常「ロボット」と呼ばれるものとは異なり、単体での動作はなく、人間が装着することで機能を強化する装置もある。筋力を補う装置は「パワードスーツ」「強化外骨格」などと呼ぶ。カテゴリーとしてはロボットではなく、「人間の身体に装着する装置」である。
*プログラム制御型ロボット

::[[直交ロボット]]、円筒・極座標型、[[垂直多関節ロボット]]、[[水平多関節ロボット]]、[[パラレルリンクロボット]]など
医療・福祉関係のほかに、物流関係、工事現場など広く民生用への応用が期待される。軍事用に米軍がマサチューセッツ工科大学と共同で強化外骨格の研究をしているといわれる。
*移動型ロボット

::二足歩行ロボット、多脚、車輪、クローラ、飛行など
また、人間の力を拡大するのではなく、手術などの微細な作業の際に人間の動きを縮小するマイクロサージャリー用の装置も医療用に開発されている。
*[[ヒューマノイド]]

*人体装着型ロボット(パワードスーツ)
「ロボット」といっても自律的に動くのではなく、あくまで人間の動作ひとつひとつに反応して動く動作補助用の装置である。
*[[マイクロロボット]]

*サイバーダイン社のHAL - [[筑波大学]]大学院システム情報工学研究科の[[山海嘉之]]教授が中心となりロボットベンチャー[[サイバーダイン]]が設立され、「[[HAL (パワードスーツ)|HAL]]」を製造しているが、これは現在の医療での回復が見込まれない、脊髄損傷により歩行ができない人や、それ以外に病気などで歩行が困難な人を対象に、歩く動作を補助する目的の装置である。イメージとしては小説「[[宇宙の戦士]]」などに登場する架空の兵器であるパワードスーツといったらわかりやすいかもしれない。福島第一原発事故後、「HAL」を原発作業員のために改良したロボットスーツを公開している<ref>2011年11月7日AFP「原発作業にロボットスーツを、サイバーダインが公開」[https://www.afpbb.com/articles/-/2839313?pid=8043705]</ref>。

*[[トヨタ・i-foot|i-foot]](トヨタ)は、[[肢体不自由者#下肢不自由|歩行障害者]]の使用する[[車いす]]の代替をめざし開発された、人の下半身のみを模倣した二足歩行装置(パーソナルモビリティー)であり、[[2005年日本国際博覧会]](愛・地球博)で実際に使われた。高さは2.36mと、[[歩行#静歩行と動歩行|動歩行]]の二足歩行ロボットとしては最大級のサイズを実現し、階段の昇降も可能という。

*[[パナソニック|松下電器産業]]が[[神戸学院大学]]総合リハビリテーション学部の[[中川昭夫]]教授らのチームと共同開発した半身麻痺患者のリハビリテーション用ロボットスーツは、健常な半身の筋肉の動きをセンサーで検知し、麻痺した側に装着した人工筋に伝えることで左右同じ動きを実現するもので、2008年の実用化が計画された。


== ロボットを題材とした作品 ==
== ロボットを題材とした作品 ==
350行目: 360行目:


* {{Kotobank}}
* {{Kotobank}}
{{ロボティクス}}

{{ヒューマノイドロボット}}
{{新技術|topics=yes|robotics=yes|manufacture=yes|materials=yes}}
{{無人機}}
{{Normdaten}}
{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:ろほつと}}
{{DEFAULTSORT:ろほつと}}

2024年9月4日 (水) 09:53時点における最新版

ロボットフランス語: robot, : robot)は、現在では次のようにいくつかの意味で用いられている言葉である[1]

  • 機械でありながら生き物に似た外見をしており、それ自体で移動でき(つまり歩行したり、あるいは車輪を用いて移動でき)、複雑な動作(たとえば「物をつかむ」や「物を移動させる」など)をできるもの[1]
  • 自動的に、複雑な動作、しばしば繰り返しを伴う動作を行うことができる装置[1](たとえば産業分野の組み立てラインで使われている装置の類[1])。
  • 自律制御のメカニズム機構[1]
  • 比喩的用法)まるで自動的に機能しているように見える、あるいは普通の感覚や感情を欠いていることにより、機械に似ている人[1]

概説

[編集]

生物に外見や機能が似ている機械

[編集]

この意味の「ロボット」は、フィクション作品、特にSFではアンドロイドや人造人間として登場し、日本のアニメでは『鉄腕アトム』『鉄人28号』『マジンガーZ』などに登場した。

現実に製作・製造されたロボットとしては、研究用ロボット、広報目的のロボット(テーマパークやパビリオンなどで案内係を務めるロボット)が1970年代から作られ、1999年にはSONYがAIBOを発売し愛玩用のペットロボットという分野が広まりはじめ、2000年にはHONDA二足歩行ロボットASIMOを発表した。その他、メカ好きの間では関節部にサーボモータを組み込んで、数十センチ程度大きさのロボットを作りコンピュータ制御で動かすということがホビーとして行われるようになった。

なお、人や動物に通常以上の力を発揮させるために、身体の一部を人工物や装置で置き換えたり追加で埋め込んだ状態は「サイボーグ」とされ、ロボットとは区別されている。

自律制御の機械

[編集]

こちらのは、自律制御の機械という意味のロボットである。コンピュータ制御で自律的に判断して動く。センサおよびアクチュエータおよびコンピュータとそのソフトウェアで(また機種によってはAIも搭載して)「自律性」を実現している。

無人機「ドローン」を半ば自律化させたものもある[2]

自動運転車は、かつては「SFの世界」だったが、現在ではすでに「レベル3」のつまり「本物の自動運転車」が登場している。たとえば2021年3月5日にはHonda SENSING Elite(ホンダ センシング エリート)搭載ホンダ・レジェンドとして登場。これは(高速道路で渋滞した時に限りではあるが)レベル3自動運転を実現し、車の周囲を2基の単眼カメラ、5基のミリ波レーダー、5基のLiDAR(ライダー)によって監視しハンドル・アクセル・ブレーキ類を自律的に操作するものである。そして2022年5月にはメルセデス・ベンツから、DRIVE PILOT(ドライブ・パイロット)搭載した「Sクラス」「EQSクラス」が発売された。

語源

[編集]

この言葉が初めて用いられたのは、1920年にチェコスロバキア(当時)の小説家カレル・チャペックが発表した戯曲R.U.R.(ロッサム万能ロボット商会)』においてであるが、この作品のロボットは人間とは異なる組成の肉体と人間そっくりの外見を持つものを、化学的合成で原形質を使って製作したものであった。現在のSFで言うバイオノイドである。

チェコ語強制労働(もともとは古代教会スラブ語での「隷属」の意)を意味するrobota(ロボッタ)と[3]スロバキア語で労働者を意味するrobotnik(ロボトニーク)から創られた造語[4]である。

着想にはゴーレム伝説が影響していると作者が述べており[5][6]、また、言葉自体も作ったのは自身ではなく、兄で画家のヨゼフ・チャペックであるとしている。あらすじを兄に話し、どのような名前にしたらよいだろうかと聞いてみたところ、口に絵筆をくわえてもごもごとした口調で「ロボット」はどうだろうかと答えたという[7]。その後、この作品が各国で翻訳・上演されたことで広まり、一般に使用されるようになった。

日本では同作品の翻訳本が1923年に出版された(宇賀伊津緒訳、春秋社)が、翻訳者の宇賀はrobotを「人造人間」と訳し、タイトルも『人造人間』とした。原典のままカタカナ表記した「ロボット」が普及したのは、第二次世界大戦以降であった。

語義の多様化

[編集]

起源とされる上記作品においては「ロボット」は「人の代わりに作業(労働)をさせることを目的に」、「人(の姿と自律行動)を模して」作られたものであるとされ、同作品が広範囲に流布したことにより当初はその意味で使われたが、その後次第に、各分野においてやや違う意味でも使われるようになった。

ヨーロッパでは1930年代中頃から『自動化』という意味で、高度に自動化されていれば人の形をしていないものでもロボットと呼ぶようになった。ドイツのカメラメーカーであるオットー・ベルニングは1934年に発売したモータードライブ内蔵カメラを『ROBOT』と命名した。

工業分野では明確に定義が定められるようにもなった。たとえばJISの「JIS B 0134」(1998年)では[8]「産業用ロボット」の定義を「自動制御によるマニピュレーション機能又は移動機能をもち,各種の作業をプログラムによって実行できる,産業に使用される機械。」とした。さらに「JIS B 0134」では産業用マニピュレーティングロボットに関する用語も定義された。平成18年のロボット政策研究会報告書では「センサ、知能・制御系、駆動系の3つの要素技術を有する、知能化した機械システム」と定義された[9]

ロボットとロボットでない機械の線引き

[編集]

基本的に、ある程度の工程なり手順なりを自動的かつ連続的に行うものであり、単一の動作のみを行う装置(ベルトコンベアーエスカレーターなど)や、絶えず人間が操作をする必要がある装置(リフト装置エレベーター)、操縦者が搭乗する必要性があるもの(ブルドーザーショベルカーなど)はロボットに含めないことが多い。

その一方で、人の形を模した(もしくは類似した)外観である機械装置であれば、まったくの手動操作・操縦であっても、範疇に含む場合があり、パワードスーツなどを含めた「人の形をした乗り物または作業用機械」についても同様に、一般的にはロボットと呼ばれている。

モーター等の動力が内蔵され機械的または電気的に人間の操作を伝達して動作するマスタースレイブ型のマニピュレーターも一種と見なされ、ロボットアームと呼ばれるが、これらは厳密な定義による分類ではなく、多分に慣用句的用法である。国際宇宙ステーションに設置されたカナダアーム2などの貨物移動用や、手術に使われるダ・ヴィンチなどのロボット支援手術機器が実用化している。

人間ではなく生物の動きを模した機械もロボットに含まれる[10]

物体としては存在しないが、「人の代わりになんらかの作業を、ある程度の工程なり手順なりを自動的かつ連続的に(かつ効率的に)行うもの」という定義から、コンピュータ言語によるプログラムやソフトウェアも範疇に含まれる場合もある。例としてインターネットの情報を自動検索するソフトウエア「検索エンジン」などはロボット検索(命令(検索ワードの入力)するだけで、さまざまな結果・情報の取得まで自動で行なう)と呼ぶ。これらは機械的ロボットとの区別のために短縮形のボット(Bot)と呼ばれる(インターネットボットボットネットなど)こともある。

別の用法として、「機械的」という概念を人間にあてはめ、「自分で判断をしない、指示待ち的な人間」や「自分の意志ではなく、他人に操られて動く人間」を、やや侮蔑的に比喩として呼称することもある。英語においても、同様の比喩に用いるが、こちらも先に「オートマトン(オートマタ、機械人形)」が比喩に用いられていた。

歴史

[編集]
テレヴォックスとR・J・ウェンズリー(1928年)

実在のロボット概略

[編集]

以下は現実世界におけるロボットの研究・開発状況について解説する。

ロボットは長い間フィクションの中だけに登場する存在であったが、主に工場などの生産ラインで腕力の必要な作業や、高温など危険な環境下での機械関係の点検・保守作業などで、自律的に人間の代行ができる機械が産業用ロボットと呼ばれ活躍している(自動車組み立てロボットなど)。

すでに一部では、自動的に建物内を巡回・警備するロボットのレンタル事業が開始されており、病院内の物資運搬におけるロボットカートの採用、また自動車の自動運転という意味のロボットカーなど、非人間型ロボットを中心に、移動する自動機械が人間社会の中で実際に活動を始めている。

福島第一原子力発電所事故の発災後に日本製の原発ロボット(調査ロボット)の投入が遅れたことや、その後、投入されたものの目覚しい活躍を示していない現状[18][19]や、掃除用ロボットなどの分野で日本企業が主役から外れていることなどを背景に、実用性の高いロボットの研究開発の重要性が指摘されている。

分類

[編集]

用途別と構造別による分類が行える[20]

用途別による分類[21][20]
構造による分類
直交ロボット、円筒・極座標型、垂直多関節ロボット水平多関節ロボットパラレルリンクロボットなど
  • 移動型ロボット
二足歩行ロボット、多脚、車輪、クローラ、飛行など

人型

[編集]
二足歩行型「トヨタ・パートナーロボット」

1980年代後半以降、ASIMO(本田技研工業)・HRP-2/HRP-3川田工業産業技術総合研究所川崎重工業)・SDR-4X/QRIO(ソニー)・PALRO富士ソフト)等の二足歩行可能な人型ロボットが開発・発表されており、ROBO-ONEのような企画向けに個人で製作されるものにも高度なものが現れ、オーケストラ指揮したり[22]TPRトヨタ)等の実際に楽器演奏ができるものも登場している。 2018年10月11日には、ボストン・ダイナミクス社の最新型アトラスが「パルクール」を軽々とやってのける動作を撮影した新映像が公開された[23][24]

いずれもこれら人の形をした(もしくは目指した)ロボット開発は、古くからのSF作品で描かれた「人間社会に溶け込み、人間との共同作業や共に生活するロボット」というイメージに沿ったものでもあり、日本においては『鉄腕アトム』の影響が少なからず二足歩行ロボット開発者の発言に示されている一方、若い世代では一連の巨大ロボットもののアニメーション(→ロボットアニメ)が言及される。たとえば、ASIMOでは前述の『鉄腕アトム』を、HRP-2/HRP-3開発者の一部は『機動警察パトレイバー』の影響を受けていることを公言しており、同シリーズは実動機のデザインをアニメのメカデザインで活躍する出渕裕に依頼[注釈 1]したことでも知られる。

家庭用ロボット、個人用ロボット

[編集]

古くはリモートコントロールや簡単なマイクロコンピュータで制御された物が、博覧会や展示施設で訪れた者の目を楽しませていたが、近年では家庭で使われるロボットも増えている。

2022年時点で一番普及率が高くなっているのは、掃除用ロボットである。家事の中でも比較的「好きでない」「やりたくない」ものである掃除を自動化できるので購入の動機が強く、普及が進んだ。最初は、単純に壁にぶつかってから方向を変更して動き回る装置だったが、やがて高級機種では上部にカメラを備えて天井の形から部屋のマッピング(地図作成)を行うものまで登場した。曜日・日時などを設定しておけば、勤務や授業で自宅にいない時に自動的に掃除して充電ステーションに戻るを繰り返す。

ビタクラフトのRFIQ自動調理システムは「世界初の調理ロボット」といわれた。

AIBO

ソニーのAIBOエンターテイメントロボットという分野を開拓し、シリーズ化し、大人気となった。さまざまな意味でかなり「生物的」になっているので、人々はロボットとしてというより最初から「ペット」として購入する傾向が強まっている。Youtubeなどでもアメリカ人YoutuberたちがERS-1000をすっかりペットとして扱っている様子が多数投稿されている。

家庭用ロボットは、人間とコミュニケーションを取ったり、自由に動き回って目を和ませたり、更には「ロボットの居る生活」という「近未来的な暮らしをしたい」というニーズに応えている。これらは主に、ペットという性格付けが強いことから、動物型の物が多く市場投入される傾向にある。ただし、感情移入のしやすい動物や人の姿などをしていなくても、ロボットをかわいがる人々はおり、中には掃除用ロボットが「かわいい」「健気」と愛着や感情移入している人々もいる[25]

介護ロボットの需要も高まっている。「高齢化社会」が進展する日本では、介護者の不足も問題になっており、ロボットは有力な解決策のひとつになっている。ベッドから抱き上げて車椅子に乗せる作業や、入浴の介護などの重労働に需要がある。また食事の介護をしたり、高齢者に話しかけたり高齢者が話せば反応して会話するコミュニケーション機能も求められている。

2021年には、トヨタから家事を他種類行うロボットが公開された[26]

富裕層の広い邸宅などでは、人が不在の時に住宅内を巡回し、不審な状況があれば外にいるネット経由で外にいる主人に連絡したり、自動的に警察に通報してくれるロボット、ホームセキュリティロボットの需要も一定程度ある。

兵器

[編集]

軍事活動やそれに付随する危険物処理などでは、人的被害(→戦死)を減らすための導入や、様々な活動の機械化が進められている。米国では偵察輸送など不意な接触にともない戦闘に巻き込まれやすい分野で、日本では地雷処理など戦後処理の分野での開発が進められている。将来的には高度な人工知能により人間の介在無しに敵味方を識別し攻撃を行う殺人ロボット兵器『自律型致死兵器システム(LAWS)』の登場が予想され、2017年11月から国際連合でLAWSの規制を議論する公式専門家会議が特定通常兵器使用禁止制限条約の枠組みで行われている[27][28]

警備

[編集]

治安活動やそれに付随する危険物処理などでは、人手不足を減らすための導入や、様々な活動の機械化が進められている。中でも交通違反の取り締まり、証拠収集、顔認識による犯罪者の特定[29][30]、さらに爆弾[31]テーザー銃[32][33][34]などで武装化させて法執行活動に採用する国もあり、2016年中国では非人型の[35][36]2017年にはアラブ首長国連邦ドバイでは人型のロボットの警察への配備が報じられた[37]

特殊環境用

[編集]

原子力事故

日本で2011年に福島第一原子力発電所事故が発生してからは、原子力事故下の発電所内で作業をしてくれるロボットの必要性が非常に高まっている。
過去にも日本国内で原発ロボットの開発や研究が進められていたが、原発事故に対応できるロボットの実用化には至らなかった[38]
アメリカ空軍は開発中だった原子力飛行機の墜落に備え「ビートル」を試作、原子力飛行機の計画が中止された後は放射性物質を含む瓦礫の除去に用途変更された。

宇宙空間

宇宙開発では、周囲の状況をセンサで感じ取り自律的に判断して行動するロボットの重要性は高まっている。たとえば火星探査では、地球-火星間で通信をしようとしても信号がたった1往復するのにも5分〜20分もかかってしまい[39]、人間が地球から操縦するラジコン方式ではまともな操縦はできないので、自己判断能力をそなえた無人探査機の開発が求められ、無人火星探査車マーズ・エクスプロレーション・ローバーが開発された。これはあらかじめ装置にどこのエリアを探査すべきなのか命令を与えると、そのエリアへ移動する途中は装置自体が各種センサやカメラを駆使して周囲の状況を理解し、岩や穴などを避け、適切な経路を選ぶ。
日本では、自国製ロケットの運搬能力が(生命維持装置を含めた)人間を軌道上に打ち上げるのが難しいこともあり、国際宇宙ステーション(ISS)への物資輸送においては、自動的に軌道修正などを行えるロボット宇宙船(無人のスペースシャトル)の構想が、国内での宇宙開発における主要方針となっている。他にも国際宇宙ステーションからの緊急脱出機材として一時アメリカで開発が進められていた乗員帰還機(CRV)のX-38Xプレーンシリーズ)は国際宇宙ステーションからパイロット無しで脱出・地球への帰還ができるよう、完全自動化する構想であった。開発中止になったが、一種のロボット宇宙船といえる。

水中探査

未踏破領域である深海探査には、多くの国が乗り出している。日本には、最大潜航深度7000メートルで世界一の無人潜水船「かいこう7000」が開発されている。また、小型で安価な大量のロボット潜水艦を投入しようという計画もあり、海洋資源開発に期待が持たれている。
深海対応型を含め、水中探査ロボットの研究・開発は多くの企業や研究者が取り組んでおり、東日本大震災時は、東工大などが開発した「Anchor Diver 3」、三井造船の「RTV」、米Seamor Marine「seamor-ROV」、米SeaBotix「SARbot」などが遺体や瓦礫の捜索、地形の調査などのために使われた。

火山探査

千葉工業大学東北大学筑波大学岡山大学情報通信研究機構(NICT),産業技術総合研究所(AIST)が火山探査を目的にクローラ型移動ロボット「Kenaf」を開発している。

動物の代替

[編集]

盲導犬軍馬など生物を利用していた分野においては、育成や維持にコストがかかることからロボットで代替する研究が行われている[10]

人命救助

[編集]

危険な場所に、人間に代わって導入するロボットをレスキューロボットという。既述の地雷撤去ロボットや、災害などにおける被災者の救護活動を担うロボットなどがある。

レスキューロボットは地震噴火津波などによる被災地に投入して、いち早く被災者を発見・保護することで、救命率の向上と二次災害による被害を防ぐことを目的とする。これらのロボットは、センサーや移動能力を持ち倒壊建物に取り残された被災者の発見に役立てるほか、テムザックの「援竜」のように従来からある建設機械を発展させて二本のアームを備えロボット化し、瓦礫撤去を効率よくこなすことが期待される。

火災の場合では、コンビナート火災など危険すぎて消防隊が突入できない個所にも侵入できる放水銃を備えた無人走行放水車や、危険のともなう火災現場に突入して状況を調べるための偵察ロボット、水中を捜索する水中検索装置・マニピュレーターを備え、要救助者を回収する救出ロボットが、東京消防庁に配備されている[40]。これらはリモートコントロール式の装置であるが、危険個所の消防と被災者の救出に威力を発揮することが期待される。また、2019年には総務省消防庁市原市消防局に消防ロボットシステム「スクラムフォース」を無償貸与した。

2011年3月11日東北地方太平洋沖地震による東日本大震災や福島第一原発事故後には、ロボットを使った人命救助や、原子力災害ロボットの役割の重要性が改めて認識され、研究開発が行われている、多くの研究者や企業が原発災害用ロボットの開発に力を入れている。

テムザック社の T-52「援竜」のように建設機械を改造したロボットも登場している[41]

瓦礫の隙間に入り被災者を探索するロボットの開発も行われているが、昆虫サイズの場合はロボットよりも実際の昆虫をサイボーグ化し遠隔制御した方が省エネルギーとされる[42]

研究用

[編集]

動物の動作を制御する仕組みを理解するにあたって、脳や脊髄の動的な相互作用を記録することは困難なため、神経科学の研究道具として動物の動作を模したロボットを作り、理解に役立てることがある[43]

競技・興行用

[編集]

迷路探索から格闘まで様々な競技が行われている。黎明期には技術の実証など研究的側面が強く、DARPAグランド・チャレンジのように公的機関が資金を拠出する競技も多かったが、現代では見た目のインパクトを重視した興行型や純粋に成績を競うスポーツ型の競技も行われ、相撲ロボットのようなルールに特化したロボットが多数開発されている。

多くは無人機によるものだが、2017年には有人機同士による格闘がイベントとして行われた[44]

LAND WALKERは、すり足のため擬似的なものではあるが、人が乗り込んで操縦する二足歩行ロボットである。

前出のASIMOは、宣伝のためにイベント会場にレンタルされている。

2023年には受注生産であるが、継続して販売される製品として全高4mの搭乗型ロボットの販売が開始された[45]

人間の動作の援助装置、自立援助装置

[編集]

通常「ロボット」と呼ばれるものとは異なり、単体での動作はなく、人間が装着することで機能を強化する装置もある。筋力を補う装置は「パワードスーツ」「強化外骨格」などと呼ぶ。カテゴリーとしてはロボットではなく、「人間の身体に装着する装置」である。

医療・福祉関係のほかに、物流関係、工事現場など広く民生用への応用が期待される。軍事用に米軍がマサチューセッツ工科大学と共同で強化外骨格の研究をしているといわれる。

また、人間の力を拡大するのではなく、手術などの微細な作業の際に人間の動きを縮小するマイクロサージャリー用の装置も医療用に開発されている。

「ロボット」といっても自律的に動くのではなく、あくまで人間の動作ひとつひとつに反応して動く動作補助用の装置である。

  • サイバーダイン社のHAL - 筑波大学大学院システム情報工学研究科の山海嘉之教授が中心となりロボットベンチャーサイバーダインが設立され、「HAL」を製造しているが、これは現在の医療での回復が見込まれない、脊髄損傷により歩行ができない人や、それ以外に病気などで歩行が困難な人を対象に、歩く動作を補助する目的の装置である。イメージとしては小説「宇宙の戦士」などに登場する架空の兵器であるパワードスーツといったらわかりやすいかもしれない。福島第一原発事故後、「HAL」を原発作業員のために改良したロボットスーツを公開している[46]
  • i-foot(トヨタ)は、歩行障害者の使用する車いすの代替をめざし開発された、人の下半身のみを模倣した二足歩行装置(パーソナルモビリティー)であり、2005年日本国際博覧会(愛・地球博)で実際に使われた。高さは2.36mと、動歩行の二足歩行ロボットとしては最大級のサイズを実現し、階段の昇降も可能という。
  • 松下電器産業神戸学院大学総合リハビリテーション学部の中川昭夫教授らのチームと共同開発した半身麻痺患者のリハビリテーション用ロボットスーツは、健常な半身の筋肉の動きをセンサーで検知し、麻痺した側に装着した人工筋に伝えることで左右同じ動きを実現するもので、2008年の実用化が計画された。

ロボットを題材とした作品

[編集]

ギリシア神話には青銅で出来た自動人形タロース』が登場する。これは自然発生したものではなく、鍛冶の神であるヘーパイストス(あるいはダイダロス)によってクレタ島を警備するために作り出されたとされ、現代の定義では警備ロボット軍事用ロボットに該当する。

複雑な機械装置が登場すると、工学的に精巧な装置を組み合わせていけば最終的には人間に限りなく近い物ができあがるだろうという予測から、古今東西・様々な架空のロボットが想像され、ロボットアニメロボット漫画などジャンルが形成されている。またロボット工学三原則スーパーロボットリアルロボットなどの用語も登場している。

ロボットの研究者

[編集]

当初は機械工学や制御工学など機械系の研究者が多かったが、認知科学などの分野からのアプローチも増えている。

実在のロボット

[編集]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 出渕はパトレイバーシリーズのメカデザイナーでもあるので、同シリーズは出渕構想の概念に基づくこととなる。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f Merriam Webster, definition of robot.
  2. ^ 世界初・完全自律制御ドローンでの長距離荷物配送に成功しました!~福島浜通りロボット実証区域でドローンの実証にチャレンジ!~(METI/経済産業省)、閲覧2017年12月19日
  3. ^ カレル・チャペック『ロボット』千野栄一訳、岩波文庫、1989年、206頁。
  4. ^ a b c d e f ROBOT九州共立大学、2007
  5. ^ 井上晴樹『日本ロボット戦争記 : 1939~1945』124頁(NTT出版,2007) ISBN 978-4757160149
  6. ^ Morris, Nicola"The Golem in Jewish American Literature: Risks and Responsibilities in the Fiction of Thane Rosenbaum" p.119
  7. ^ カレル・チャペック『ロボットという言葉の起源』栗栖継訳(『現代人の思想22 機械と人間の共生』平凡社、1968年、収録)
  8. ^ JIS B 0134日本産業標準調査会経済産業省
  9. ^ https://www.jara.jp/various/report/img/robot-houkokusho-set.pdf
  10. ^ a b リードで巧みに人間を誘導する盲導ロボット犬 米カリフォルニア大が開発”. ITmedia NEWS. 2022年2月11日閲覧。
  11. ^ Su Song's Clock: 1088”. 26 August 2007閲覧。
  12. ^ Earliest Clocks”. A Walk Through Time. NIST Physics Laboratory. 31 May 2008時点のオリジナルよりアーカイブ。11 August 2008閲覧。
  13. ^ Sir Richard Arkwright (1732–1792)”. BBC. 18 March 2008閲覧。
  14. ^ Televox: The Past’s Robot Of The Future | Hackaday
  15. ^ a b 「図説 世界史を変えた50の機械」p172 エリック・シャリーン著 柴田譲治訳 原書房 2013年9月30日第1刷
  16. ^ 人型ロボットに市民権を与えた最初の国家が登場”. GIGAZINE. 2018年11月30日閲覧。
  17. ^ Sophia the Robot takes part in the Fifth OGP Global Summit in Georgia”. UNDP Georgia. 2019年1月14日閲覧。
  18. ^ レスキューロボットを参照
  19. ^ 新技術開発センターHP、テクノビジョン ダイジェスト、【連載:世界一の品質を取り戻す36】検証・日本の品質力 原発事故から浮かび上がった 「ロボット大国・日本」の弱点 閲覧2017年3月28日
  20. ^ a b 平成25年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)ロボット” (PDF). 特許庁 (2014年2月). 2017年1月4日閲覧。
  21. ^ 特許庁の資料をもとに作成
  22. ^ 大阪工業技術専門学校ロボット研究部、指揮者ロボット「フクマス」、メカトロライフ閲覧2017年2月9日
  23. ^ Parkour Atlas - YouTube
  24. ^ Watch Boston Dynamics' Humanoid Robot Do Parkour WIRED wired.com |2018年10月11日閲覧
  25. ^ ロボット掃除機“ルンバさん”が愛される理由って? [T-SITE、閲覧2017年3月28日]
  26. ^ 「トヨタの最新ロボット、家事をしながら自撮りを披露」
  27. ^ “殺人ロボット兵器、規制めぐる議論継続へ 国連、初の専門家会議終了”. 産経ニュース. (2017年11月18日). https://www.sankei.com/world/news/171118/wor1711180027-n1.html 2019年11月19日閲覧。 
  28. ^ 『「AI兵器」国際ルール合意も法的拘束力なく懸念』NHK2019年8月22日
  29. ^ 警察ロボットが高速鉄道鄭州東駅に登場 中国初”. 人民網 (2017年2月18日). 2019年1月1日閲覧。
  30. ^ 中国初の警備ロボット、深圳の空港をパトロール”. 人民網 (2016年9月23日). 2019年11月17日閲覧。
  31. ^ ダラス警察の「爆弾ロボット」が銃撃犯を爆殺するまで”. WIRED (2016年7月10日). 2019年3月3日閲覧。
  32. ^ フシンシャハッケン…中国空港に「ロボコップ」が誕生しました”. ギズモード (2016年9月30日). 2019年1月1日閲覧。
  33. ^ 中国ロボは縦長の「R2-D2」か? 米国「殺人ロボ」の先行くスグレモノ”. フジサンケイ ビジネスアイ. 2019年1月1日閲覧。
  34. ^ 【電子版】中国・鉄道警察、AI巡視ロボ導入 捕獲網やスタンガン装備”. 日刊工業新聞 (2019年1月22日). 2019年3月3日閲覧。
  35. ^ China Debuts Anbot, The Police Robot” (英語). Popular Science (April 27, 2016). 2019年1月1日閲覧。
  36. ^ 未来の街はロボットが運営? ドバイや中国では現実に”. BBC. 2018年11月30日閲覧。
  37. ^ ドバイが世界で初めて導入した「ロボコップ」、カンファレンスに初出動”. GIGAZINE (2017年5月25日). 2019年1月1日閲覧。
  38. ^ [1]
  39. ^ NASA公式サイト、2020 mission perseverance rover.
  40. ^ 東京消防庁<組織・施設><消防装備><消防ロボット:水中検索装置>”. www.tfd.metro.tokyo.lg.jp. 2022年9月6日閲覧。
  41. ^ 巨体がうなるぞ、ドアとるぞ。その名は「援竜」”. ITmedia NEWS. 2022年9月6日閲覧。
  42. ^ 日本放送協会. ““サイボーグ昆虫” 理研など開発 昆虫に電子部品付け遠隔操作 | NHK”. NHKニュース. 2022年9月6日閲覧。
  43. ^ イモリの様に走り、泳ぐことのできるロボット”. TED (2016年1月). 2017年1月10日閲覧。
  44. ^ “日米巨大ロボ対決”は引き分け - ITmedia
  45. ^ 株式会社インプレス (2023年8月21日). “人が乗って操作できる4m級ロボット「アーカックス」、ついにお披露目。4億円で国内先行販売”. PC Watch. 2023年8月21日閲覧。
  46. ^ 2011年11月7日AFP「原発作業にロボットスーツを、サイバーダインが公開」[2]

参考文献

[編集]
  • 『ブルックスの知能ロボット論 なぜMITのロボットは前進し続けるのか?』-ロドニー・ブルックス〈五味隆志訳〉(2006年、オーム社 ISBN 4274500330
  • 『アンドロイドの脳 人工知能ロボット"ルーシー"を誕生させるまでの簡単な20のステップ』-スティーヴ・グランド〈高橋則明訳〉(2005年、アスペクト ISBN 4757211015
  • 『ロボットのこころ 想像力をもつロボットをめざして』-月本洋(2002年、森北出版 ISBN 4627827814
  • 『ロボットフロンティア』(『岩波講座ロボット学 6』)-下山勲ほか(2005年、岩波書店 ISBN 4000112465
  • 『ロボットインフォマティクス』(『岩波講座ロボット学 5』)-安西祐一郎ほか(2005年、岩波書店 ISBN 4000112457
  • 『ロボットモーション』(『岩波講座ロボット学 2』)-内山勝、中村仁彦(2004年、岩波書店 ISBN 4000112422
  • 『ロボット学創成』(『岩波講座ロボット学 1』)-井上博允ほか(2004年、岩波書店 ISBN 4000112414
  • 『脳・身体性・ロボット 知能の創発をめざして』(『インテリジェンス・ダイナミクス 1』)-土井利忠、藤田雅博、下村秀樹編(2005年、シュプリンガー・フェアラーク東京 ISBN 4431711597
  • 『ロボット21世紀』(『文春新書』)-瀬名秀明(2001年、文藝春秋 ISBN 4166601792
  • 『ロボットは人間になれるか』(『PHP新書』)-長田正(2005年、PHP研究所 ISBN 4569641555
  • 『コミュニケーションロボット 人と関わるロボットを開発するための技術』(『知の科学』)-石黒浩、神田崇行、宮下敬(2005年、オーム社 ISBN 4274200655
  • 『アイロボット、ルンバi3+―高機能でも価格抑える(目利きが斬る)』-(2021年5月20日 日経産業新聞)

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]