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2018年5月、ロードレース世界選手権(MotoGP)第4戦{{仮リンク|2018年スペイングランプリ (ロードレース)|en|2018 Spanish motorcycle Grand Prix|label=スペインGP}}の[[Moto3]]クラスに[[ワイルドカード (スポーツ)|ワイルドカード]](地元推薦枠)で出場。グランプリデビュー戦を15位で完走し、初ポイントを獲得した<ref>{{Cite web |和書 |title=ロードレース世界選手権(Moto3) 第4戦 スペインGP決勝 |url=https://www.honda.co.jp/WGP/race2018/rd04/moto3.html?from=topics |website=本田技研工業 |date=2018-05-07 |accessdate=2024-08-19}}</ref>。同年はオランダGP、ドイツGP、オーストリアGPにもスポット参戦し、ランキング36位。
2018年5月、ロードレース世界選手権(MotoGP)第4戦{{仮リンク|2018年スペイングランプリ (ロードレース)|en|2018 Spanish motorcycle Grand Prix|label=スペインGP}}の[[Moto3]]クラスに[[ワイルドカード (スポーツ)|ワイルドカード]](地元推薦枠)で出場。グランプリデビュー戦を15位で完走し、初ポイントを獲得した<ref>{{Cite web |和書 |title=ロードレース世界選手権(Moto3) 第4戦 スペインGP決勝 |url=https://www.honda.co.jp/WGP/race2018/rd04/moto3.html?from=topics |website=本田技研工業 |date=2018-05-07 |accessdate=2024-08-19}}</ref>。同年はオランダGP、ドイツGP、オーストリアGPにもスポット参戦し、ランキング36位。


2019年はホンダ・チーム・アジアよりMoto3クラスにレギュラー参戦<ref>{{Cite press release |title=2019 FIMロードレース世界選手権 Moto2クラス「IDEMITSU Honda Team Asia」、Moto3クラス「Honda Team Asia」の参戦体制について |publisher=本田技研工業 |date=2018-10-15 |url=https://global.honda/jp/news/2018/2181005.html |accessdate=2024-08-19}}</ref>。第5戦[[フランスグランプリ (ロードレース)|フランスGP]]で左手を骨折し次戦を欠場したが、第14戦[[アラゴングランプリ|アラゴン]]で2位初表彰台を獲得。シリーズ19戦中14戦でポイントを獲得し、ランキング10位となった。
2019年はホンダ・チーム・アジアよりMoto3クラスにレギュラー参戦<ref>{{Cite press release |title=2019 FIMロードレース世界選手権 Moto2クラス「IDEMITSU Honda Team Asia」、Moto3クラス「Honda Team Asia」の参戦体制について |publisher=本田技研工業 |date=2018-10-15 |url=https://global.honda/jp/news/2018/2181005.html |accessdate=2024-08-19}}</ref>。第5戦[[フランスグランプリ (ロードレース)|フランスGP]]で左手を骨折し次戦を欠場したが、第14戦[[アラゴングランプリ|アラゴン]]で2位初表彰台を獲得。シリーズ19戦中14戦でポイントを獲得し、ルーキーシーズンでランキング10位となった。


2020年もホンダ・チーム・アジアよりMoto3クラスに参戦。[[新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)|新型コロナウイルス感染症の世界的流行]]により短縮されたシーズンで、フル参戦2年目にしてチャンピオン争いを演じる。優勝はなかったものの、2位2回・3位5回など15戦中14戦でポイントを獲得。[[アルベルト・アレナス]]から8差の2位につけて最終戦[[ポルトガルグランプリ (ロードレース)|ポルトガルGP]]を迎えたが逆転はならず、ランキング3位でシーズンを終えた。
2020年もホンダ・チーム・アジアよりMoto3クラスに参戦。[[新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)|新型コロナウイルス感染症の世界的流行]]により短縮されたシーズンで、フル参戦2年目にしてチャンピオン争いを演じる。優勝はなかったものの、2位2回・3位5回など15戦中14戦でポイントを獲得。[[アルベルト・アレナス]]から8ポイント差の2位につけて最終戦[[ポルトガルグランプリ (ロードレース)|ポルトガルGP]]を迎えたが逆転はならず、4ポイント差のランキング3位でシーズンを終えた<ref>{{Cite web |和書 |title=Moto3:小椋藍「最後までタイトル争いができて良かった。完璧なシーズンとは言えないが幸せ」/MotoGP第15戦ポルトガルGP |url=https://www.as-web.jp/bike/647959?all |website=autosport web |date=2020-11-23 |accessdate=2024-08-19}}</ref>

=== Moto2 ===
2021年はMoto3からMoto2クラスへ昇格し、イデミツ・ホンダ・チーム・アジアよりレギュラー参戦した<ref>{{Cite web |和書 |title=小椋藍、2021年のMoto2クラス昇格が発表。Moto3クラス2年目でタイトル争い演じる |url=https://jp.motorsport.com/moto2/news/Ogura-announced-step-up-to-Moto2-in-2021/4912006/ |website=motorsport.com日本版 |date=2020-11-17 |accessdate=2024-08-19}}</ref>。前半戦は3度のリタイアを喫するも、第11戦オーストリアGPで2位初表彰台を獲得。第17戦[[ポルトガルグランプリ (ロードレース)|アルガルベGP]]で左足を負傷し最終戦を欠場したが、18戦中12戦でポイントを獲得(すべてシングルフィニッシュ)し、ランキング8位となった<ref>{{Cite web |和書 |title=【2021シーズン総集編】Moto2クラス初参戦の小椋藍が総合8位 |url=https://honda.racing/ja/moto-2/post/2021-moto2-compilation |website=ホンダレーシング |date=2022-01-25 |accessdate=2024-08-19}}</ref>。チーム監督の[[青山博一]]はできる限り多く周回してレースを走る中で学んでほしい、という1年目の目標をほぼ達成できたと評価し、レベルアップへの課題としてバイクの止め方やタイヤの使い方を挙げた<ref>{{Cite web |和書 |title=小椋藍、Moto2の1年目目標ほぼ達成? 青山博一監督のデビューシーズン総括前半:〈アジアから“世界”へ〉小椋藍とIDEMITSU Honda Team Asiaの挑戦 |url=https://jp.motorsport.com/moto2/news/IDEMITSU-Honda-Team-Asia-and-Ogura-challenge-2021-final-team-maneger-hiroshi-aoyama/6797706/ |website=motorsport.com日本版 |date=2021-11-28 |accessdate=2024-08-19}}</ref>。

2022年もイデミツ・ホンダ・チーム・アジアより参戦。第3戦・第4戦の連続表彰台を経て、第7戦[[スペイングランプリ (ロードレース)|スペインGP]]ではポール・ト・ウィン(全周回トップ)でグランプリ参戦60戦目で初優勝を果たした<ref>{{Cite web |和書 |title=小椋 藍が世界GP初優勝! その直後にジャーナリスト・西村 章が単独で訊いた!! |url=https://mr-bike.jp/mb/archives/29908 |website=web mr. Bike |date=2022-05-02 |accessdate=2024-08-19}}</ref>
(日本人ライダーとしては2020年[[カタールグランプリ|カタールGP]]Moto2クラスの[[長島哲太]]以来の優勝<ref>{{Cite web |和書 |title=Moto2スペイン決勝|小椋藍、ポールトゥウィンでキャリア初優勝! 先頭一度も譲らない完勝 |url=https://jp.motorsport.com/moto2/news/moto2-2022-rd6-spain-rce-report/10255477/ |website=motorsport.com日本版 |date=2022-05-01 |accessdate=2024-08-19}}</ref>)。第13戦オーストリアGPは2度目のポール・トッ・ウィンをチームメイトのチャントラとのワンツーフィニッシュで達成<ref>{{Cite web |和書 |title=Moto2オーストリア決勝|小椋藍、完璧ポール・トゥ・ウィンでランキング首位浮上! 出光ホンダがワンツー果たす |url=https://jp.motorsport.com/moto2/news/2022-moto2-rd13-race-report/10355764/ |website=motorsport.com日本版 |date=2022-08-21 |accessdate=2024-08-19}}</ref>。3年ぶりに開催された第16戦[[2022年の日本グランプリ (ロードレース)|日本GP]]では予選13位からトップに浮上し、自信初の母国優勝を果たした(日本人ライダーの母国優勝は2006年の[[青山博一]](250ccクラス)以来16年ぶり<ref>{{Cite web |和書 |title=16年ぶりの快挙。小椋藍が青山博一監督以来となる母国GPで優勝「チェッカーを受けた瞬間、ホッとした」/MotoGP第16戦日本GP |url=https://www.as-web.jp/bike/864390?all |website=autosport web |date=2022-09-25 |accessdate=2024-08-19}}</ref>)。チャンピオン争いは小椋と[[アウグスト・フェルナンデス]]の一騎打ちとなり、小椋の3.5ポイントリードで迎えた第19戦[[マレーシアグランプリ (ロードレース)|マレーシアGP]]、小椋はフェルナンデスより先行しながら最終ラップにトップを狙って転倒<ref>{{Cite web |和書 |title=Moto2:小椋藍「2位は十分ではないと考えた」最終周に痛恨のリタイアでポイントリーダー奪われる/第19戦マレーシアGP |url=https://www.as-web.jp/bike/874255?all |website=autosport web |date=2022-10-23 |accessdate=2024-08-19}}</ref>。逆に9.5ポイントのビハインドを負い、再逆転をかけた最終戦[[バレンシアグランプリ|バレンシアGP]]も転倒リタイア。20戦中ポールポジション3回、表彰台7回(優勝3回)という好成績を収めながら、Moto2チャンピオンを逃した<ref>{{Cite web |和書 |title=Moto2:小椋藍、逆転王座獲得ならず「タイトルを掴むことは出来なかったが、来シーズンまた挑戦します」/第20戦バレンシアGP |url=https://www.as-web.jp/bike/879442?all |website=autosport web |date=2022-11-07 |accessdate=2024-08-19}}</ref>。

2023年はMoto2クラスで3年目のシーズンとなる。前年ランキング2位の実績からチャンピオン獲得を期待されたが、シーズン前のモトクロストレーニング中に負った左手脱臼骨折の回復が遅れて開幕2戦を欠場<ref>{{Cite web |和書 |title=Moto2小椋藍、手首骨折が影響し開幕戦を欠場へ。第2戦アルゼンチンGPでの復帰を目指す |url=https://jp.motorsport.com/moto2/news/moto2-2023-ogura-missed-rd1/10447489/ |website=motorsport.com日本版 |date=2023-03-23 |accessdate=2024-08-19}}</ref>。復帰後はポールポジションも優勝もなく、タイトル争いに絡めず、ランキング9位に終わった。

2024年は育成年代から所属してきたホンダ系チームを離れ、Moto2クラスに新規参戦するMTヘルメット MSIチームへ移籍した<ref>{{Cite web |和書 |title=小椋藍、2024年はホンダ・チーム・アジアからMT Helmets - MSIに移籍してMoto2参戦。僚友はガルシア |url=https://www.as-web.jp/bike/990298?all |website=autosport web |date=2023-09-15 |accessdate=2024-08-19}}</ref>(ホンダからのライダーサポートは継続)。フレームは[[カレックス・エンジニアリング|カレックス]]から[[スピードアップ|ボスコスクーロ]]、ワンメイクタイヤは[[ダンロップ]]から[[ピレリ]]へとレース環境が大きく変わった。第6戦[[カタルーニャグランプリ|カタルーニャGP]]で2022年日本GP以来1年8ヵ月ぶりに優勝<ref>{{Cite web |和書 |title=<Moto2> 小椋藍 今シーズン初優勝! あの日本グランプリ以来の歓喜 |url=https://www.kushitani.co.jp/logs/moto2_catalunya_aiogura/|website=クシタニ |date=2024-05-27 |accessdate=2024-08-19}}</ref>。第8戦[[オランダグランプリ (ロードレース)|オランダGP]]で2勝目、第10戦[[イギリスグランプリ (ロードレース)|イギリス]]でポールポジションと完全復調した。

=== MotoGP ===
2025年は最高峰MotoGPクラスへ昇格し、[[アプリリア (会社)|アプリリア]]のサテライトチーム、[[トラックハウス・レーシング]]に所属する<ref>{{Cite web |和書 |title=MotoGPに新たな日本人ライダーが誕生へ! 2025年加入の小椋藍をアプリリア陣営トラックハウスも「粘り強い走りをする」と高評価 |url=https://jp.motorsport.com/motogp/news/trackhouse-announces-ogura-for-2025-motogp/10644579/ |website= |date=2024-08-15 |accessdate=2024-08-19}}</ref>。MotoGPクラスにレギュラー参戦する日本人ライダーとしては13人目、アプリリア機に乗るのは[[原田哲也]](1999・2000年)と[[芳賀紀行]](2003年)以来となる<ref>{{Cite web |和書 |title=小椋藍、13人目のフルエントリーライダー |url= https://www.motogp.com/ja/news/2024/08/15/nuova-luce-dal-sol-levante-ogura-si-aggiunge-alla-lista-dei-giapponesi-in-motogp/505708|website=motogp.com |date=2024-08-15 |accessdate=2024-08-19}}</ref>。


== 主なレース戦績 ==
== 主なレース戦績 ==

2024年8月20日 (火) 21:14時点における版

小椋藍
2018年
生年月日 (2001-01-26) 2001年1月26日(23歳)
東京都清瀬市
現在のチーム MT Helmets MSI
ゼッケン 79
レースでの経歴
ロードレース世界選手権 Moto2クラス
活動期間2021年
マニファクチャラーカレックス
2023年 順位9位(137.5pts)
出走回数 勝利数 表彰台 PP FL 総ポイント
55 3 11 3 2 380.5
ロードレース世界選手権 Moto3クラス
活動期間2018年2020年
マニファクチャラーホンダ
チャンピオン0
2020年 順位3位 (170pts)
出走回数 勝利数 表彰台 PP FL 総ポイント
37 0 8 1 2 280

小椋 藍(おぐら あい、2001年1月26日 - )は、東京都清瀬市生まれ、埼玉県出身のオートバイレーサーである。

経歴

初期

バイクレーサーだった父親の影響で2歳上の姉がレースを始め、弟の藍も3歳の頃からポケバイに乗り始めた。ミニバイクを経て2014年にロードレースデビューし、つくばやもてぎの地方選手権に参戦した。

2015年、アジア人ライダー育成シリーズ、アジア・タレント・カップに参戦し、1勝と2位2回でランキング7位。2016年は3勝を挙げランキング2位(1位はソムキアット・チャントラ)。同年はレッドブルMotoGPルーキーズカップにも参戦し、ランキング11位。

2017年、MotoGPへの登竜門であるCEVレプソル Moto3ジュニア世界選手権にアジア・タレント・チームより参戦。第5戦エストリルで3位表彰台、第6戦ヘレス(レース2)で初優勝し、ランキング8位[1]。ルーキーズカップでは2勝を挙げランキング5位。

2018年、Moto3ジュニア世界選手権では最終戦バレンシア(レース1)で優勝、2位1回・3位2回でランキング5位[2]

Moto3

2018年5月、ロードレース世界選手権(MotoGP)第4戦スペインGP英語版Moto3クラスにワイルドカード(地元推薦枠)で出場。グランプリデビュー戦を15位で完走し、初ポイントを獲得した[3]。同年はオランダGP、ドイツGP、オーストリアGPにもスポット参戦し、ランキング36位。

2019年はホンダ・チーム・アジアよりMoto3クラスにレギュラー参戦[4]。第5戦フランスGPで左手を骨折し次戦を欠場したが、第14戦アラゴンで2位初表彰台を獲得。シリーズ19戦中14戦でポイントを獲得し、ルーキーシーズンでランキング10位となった。

2020年もホンダ・チーム・アジアよりMoto3クラスに参戦。新型コロナウイルス感染症の世界的流行により短縮されたシーズンで、フル参戦2年目にしてチャンピオン争いを演じる。優勝はなかったものの、2位2回・3位5回など15戦中14戦でポイントを獲得。アルベルト・アレナスから8ポイント差の2位につけて最終戦ポルトガルGPを迎えたが逆転はならず、4ポイント差のランキング3位でシーズンを終えた[5]

Moto2

2021年はMoto3からMoto2クラスへ昇格し、イデミツ・ホンダ・チーム・アジアよりレギュラー参戦した[6]。前半戦は3度のリタイアを喫するも、第11戦オーストリアGPで2位初表彰台を獲得。第17戦アルガルベGPで左足を負傷し最終戦を欠場したが、18戦中12戦でポイントを獲得(すべてシングルフィニッシュ)し、ランキング8位となった[7]。チーム監督の青山博一はできる限り多く周回してレースを走る中で学んでほしい、という1年目の目標をほぼ達成できたと評価し、レベルアップへの課題としてバイクの止め方やタイヤの使い方を挙げた[8]

2022年もイデミツ・ホンダ・チーム・アジアより参戦。第3戦・第4戦の連続表彰台を経て、第7戦スペインGPではポール・ト・ウィン(全周回トップ)でグランプリ参戦60戦目で初優勝を果たした[9] (日本人ライダーとしては2020年カタールGPMoto2クラスの長島哲太以来の優勝[10])。第13戦オーストリアGPは2度目のポール・トッ・ウィンをチームメイトのチャントラとのワンツーフィニッシュで達成[11]。3年ぶりに開催された第16戦日本GPでは予選13位からトップに浮上し、自信初の母国優勝を果たした(日本人ライダーの母国優勝は2006年の青山博一(250ccクラス)以来16年ぶり[12])。チャンピオン争いは小椋とアウグスト・フェルナンデスの一騎打ちとなり、小椋の3.5ポイントリードで迎えた第19戦マレーシアGP、小椋はフェルナンデスより先行しながら最終ラップにトップを狙って転倒[13]。逆に9.5ポイントのビハインドを負い、再逆転をかけた最終戦バレンシアGPも転倒リタイア。20戦中ポールポジション3回、表彰台7回(優勝3回)という好成績を収めながら、Moto2チャンピオンを逃した[14]

2023年はMoto2クラスで3年目のシーズンとなる。前年ランキング2位の実績からチャンピオン獲得を期待されたが、シーズン前のモトクロストレーニング中に負った左手脱臼骨折の回復が遅れて開幕2戦を欠場[15]。復帰後はポールポジションも優勝もなく、タイトル争いに絡めず、ランキング9位に終わった。

2024年は育成年代から所属してきたホンダ系チームを離れ、Moto2クラスに新規参戦するMTヘルメット MSIチームへ移籍した[16](ホンダからのライダーサポートは継続)。フレームはカレックスからボスコスクーロ、ワンメイクタイヤはダンロップからピレリへとレース環境が大きく変わった。第6戦カタルーニャGPで2022年日本GP以来1年8ヵ月ぶりに優勝[17]。第8戦オランダGPで2勝目、第10戦イギリスでポールポジションと完全復調した。

MotoGP

2025年は最高峰MotoGPクラスへ昇格し、アプリリアのサテライトチーム、トラックハウス・レーシングに所属する[18]。MotoGPクラスにレギュラー参戦する日本人ライダーとしては13人目、アプリリア機に乗るのは原田哲也(1999・2000年)と芳賀紀行(2003年)以来となる[19]

主なレース戦績

  • 2017年 - RedBull MotoGPルーキーズカップ ランキング5位
  • 2017年 - CEV Moto3ジュニア世界選手権 アジア・タレント・チーム ランキング8位
  • 2018年 - CEV Moto3ジュニア世界選手権 アジア・タレント・チーム ランキング5位
  • 2018年 - ロードレース世界選手権Moto3 アジア・タレント・チーム ランキング36位
  • 2019年 - ロードレース世界選手権Moto3 ホンダ・チーム・アジア ランキング10位
  • 2020年 - ロードレース世界選手権Moto3 ホンダ・チーム・アジア ランキング3位
  • 2021年 - ロードレース世界選手権Moto2 出光・ホンダ・チーム・アジア ランキング8位
  • 2022年 - ロードレース世界選手権Moto2 出光・ホンダ・チーム・アジア ランキング2位
  • 2023年 - ロードレース世界選手権Moto2 出光・ホンダ・チーム・アジア ランキング9位

ロードレース世界選手権

シーズン クラス バイク チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 順位 ポイント
2018年 Moto3 ホンダ アジア タレント チーム QAT
ARG
AME
SPA
15
FRA
ITA
CAT
NED
23
GER
Ret
CZE
AUT
20
GBR
RSM
ARA
THA
JPN
AUS
MAL
VAL
36位 1
2019年 Moto3 ホンダ ホンダ チーム アジア QAT
11
ARG
17
AME
11
SPA
9
FRA
Ret
ITA
INJ
CAT
6
NED
6
GER
7
CZE
6
AUT
12
GBR
10
RSM
Ret
ARA
2
THA
Ret
JPN
14
AUS
14
MAL
4
VAL
10
10位 109
2020年 Moto3 ホンダ ホンダ チーム アジア QAT
3
SPA
2
ANC
Ret
CZE
3
AUT
4
STY
3
RSM
2
EMI
3
CAT
11
FRA
9
ARA
14
TER
9
EUR
3
VAL
8
POR
8
3位 170
2021年 Moto2 カレックス 出光 ホンダ チーム アジア QAT
17
DOH
5
POR
Ret
SPA
7
FRA
7
ITA
6
CAT
Ret
GER
Ret
NED
6
STY
5
AUT
2
GBR
9
ARA
8
RSM
7
AME
7
EMI
9
ALG
Ret
VAL
INJ
8位 120
2022年 Moto2 カレックス 出光 ホンダ チーム アジア QAT
6
IDN
6
ARG
3
AME
2
POR
NC
SPA
1
FRA
5
ITA
3
CAT
7
GER
8
NED
2
GBR
4
AUT
1
RSM
5
ARA
4
JPN
1
THA
6
AUS
11
MAL
Ret
VAL
Ret
2位 242
2023年 Moto2 カレックス 出光 ホンダ チーム アジア POR
ARG
DNS
AME
15
SPA
Ret
FRA
9
ITA
15
GER
14
NED
2
GBR
8
AUT
3
CAT
7
RSM
5
IND
21
JAP
2
INE
17
AUS
15
THA
5
MAL
4
QAT
4
VAL
11
9位 137.5
2024年 Moto2 KTM MT Helmets MSI QAT
4
POR
5
AME
9
SPA
6
FRA
2
CAT
1
ITA
5
NED
1
GER
3
GBR
14
AUT
ARA
RSM
KAZ
INE
JAP
AUS
THA
MAL
VAL
2位 142

ヘルメットの話題

一時期、アライヘルメットで他の選手の物を含めてヘルメットの塗装を行っていたことがある[1]。 2024年シーズンを前に、「ホンダ・チーム・アジア」からヘルメットメーカーがスポンサードする「MTヘルメット-MSI」に移籍。移籍の契約交渉の中でスポンサーのヘルメットではなく「アライヘルメットをかぶれること」を条件として提示し、これを認めさせた[20]

脚注

  1. ^ CEVレプソルインターナショナル選手権(CEV) 2017総集編”. 本田技研工業 (2017年12月25日). 2024年8月19日閲覧。
  2. ^ CEVレプソルインターナショナル選手権(CEV) 2018総集編”. 本田技研工業 (2018年12月8日). 2024年8月19日閲覧。
  3. ^ ロードレース世界選手権(Moto3) 第4戦 スペインGP決勝”. 本田技研工業 (2018年5月7日). 2024年8月19日閲覧。
  4. ^ "2019 FIMロードレース世界選手権 Moto2クラス「IDEMITSU Honda Team Asia」、Moto3クラス「Honda Team Asia」の参戦体制について" (Press release). 本田技研工業. 15 October 2018. 2024年8月19日閲覧
  5. ^ Moto3:小椋藍「最後までタイトル争いができて良かった。完璧なシーズンとは言えないが幸せ」/MotoGP第15戦ポルトガルGP”. autosport web (2020年11月23日). 2024年8月19日閲覧。
  6. ^ 小椋藍、2021年のMoto2クラス昇格が発表。Moto3クラス2年目でタイトル争い演じる”. motorsport.com日本版 (2020年11月17日). 2024年8月19日閲覧。
  7. ^ 【2021シーズン総集編】Moto2クラス初参戦の小椋藍が総合8位”. ホンダレーシング (2022年1月25日). 2024年8月19日閲覧。
  8. ^ 小椋藍、Moto2の1年目目標ほぼ達成? 青山博一監督のデビューシーズン総括前半:〈アジアから“世界”へ〉小椋藍とIDEMITSU Honda Team Asiaの挑戦”. motorsport.com日本版 (2021年11月28日). 2024年8月19日閲覧。
  9. ^ 小椋 藍が世界GP初優勝! その直後にジャーナリスト・西村 章が単独で訊いた!!”. web mr. Bike (2022年5月2日). 2024年8月19日閲覧。
  10. ^ Moto2スペイン決勝|小椋藍、ポールトゥウィンでキャリア初優勝! 先頭一度も譲らない完勝”. motorsport.com日本版 (2022年5月1日). 2024年8月19日閲覧。
  11. ^ Moto2オーストリア決勝|小椋藍、完璧ポール・トゥ・ウィンでランキング首位浮上! 出光ホンダがワンツー果たす”. motorsport.com日本版 (2022年8月21日). 2024年8月19日閲覧。
  12. ^ 16年ぶりの快挙。小椋藍が青山博一監督以来となる母国GPで優勝「チェッカーを受けた瞬間、ホッとした」/MotoGP第16戦日本GP”. autosport web (2022年9月25日). 2024年8月19日閲覧。
  13. ^ Moto2:小椋藍「2位は十分ではないと考えた」最終周に痛恨のリタイアでポイントリーダー奪われる/第19戦マレーシアGP”. autosport web (2022年10月23日). 2024年8月19日閲覧。
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外部リンク