「賭博黙示録カイジ」の版間の差分
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; 兵藤和也 |
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: 十代だが、兵藤和尊の息子である。常に大金を持ち歩いている。カイジが17歩で手持ちの金を失った時にカイジに金を貸し付け、返せないなら肉体(手足や臓器など)で返してもらうと脅す。 |
: 十代だが、兵藤和尊の息子である。常に大金を持ち歩いている。カイジが17歩で手持ちの金を失った時にカイジに金を貸し付け、返せないなら肉体(手足や臓器など)で返してもらうと脅す。 |
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: 本名は賭博堕天録第8巻で登場。村岡やカイジ達からは「坊ちゃん」と呼ばれている。 |
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== 登場ギャンブル == |
== 登場ギャンブル == |
2007年2月14日 (水) 00:22時点における版
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『賭博黙示録カイジ』(とばくもくしろくカイジ)は、週刊ヤングマガジンに連載された福本伸行の日本の漫画。続編に『賭博破戒録カイジ』と『賭博堕天録カイジ』がある。
借金の保証人になったために、負債を抱えた青年カイジが、様々なギャンブルに挑んでいく青年漫画。作品オリジナルのギャンブルと、巧みな心理描写で人気を博す。第22回講談社漫画賞を受賞した。上記の3編は、直接ストーリーが繋がっている、実質的にはひとつの作品である。
概要
福本伸行の作品で、絵の背景の手書き文字として描かれている「ざわ…ざわ…」も当然「カイジ」シリーズでも健在である。複数の人間がざわめいている様子だけでなく、焦りや緊張感を感じた際の精神的逼迫感を擬音化したものとして有名であり、特に登場人物の心理描写が重要なポイントを占めている福本作品においては欠かすことのできない表現である。
最近ではアカギ同様、連載が長期化するにつれて心理描写が過密になり、また休載を何度も繰り返すために話が進まなくなり、読者から強い反発を招いている。
発行部数は賭博黙示録カイジが380万部、賭博破戒録カイジが260万部[1]
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
登場人物
主要人物
- カイジ (伊藤開司)
- 高校卒業後に上京した後、働きもせずに自堕落な毎日を過ごしていたが、古畑の借金の保証人になったがゆえに肩代わりをする羽目となり、その返済のために危険なギャンブルの世界に足を踏み入れていく。借金まみれであるが、その第一歩は自分の借金ではなかった。初登場時は推定21歳。父親はいないがパート勤めの母親と公務員の姉がいるという設定がされている。
- 街で見かけた高級車(主にベンツ)のエンブレムを盗むことを楽しむ日々だったが、遠藤にギャンブル船エスポワール(フランス語で希望を意味する)に招待されることをきっかけに人生が変わっていく。平穏な環境ではただのダメ人間だが、命がかかった極限の状態に置かれると、人並外れた度胸とギャンブルの才能を発揮する。どんな状況であろうと、信頼した人間を裏切ることは決してしない、また非情になりきれない非常に優しい性格。45組の1人は彼のことを「マザー・テレサのようだ!」と褒めちぎった。その反面、人を見る目はあまりないようで、信頼を寄せた人間に裏切られる経験を何度も繰り返している。また、生死をかけた極限状態の勝負を繰り返すうちに、勝負せずにはいられないギャンブル中毒のような症状に陥っている。
- 吸っている煙草はマルボロのミディアム。
- 兵藤和尊 (ひょうどう かずたか)
- 日本最大規模の財閥、消費者金融グループ「帝愛」の総帥。推定70歳以上。部下からは「会長」と呼ばれている。
- 数百億円以上の預金を持ちながらも、まだ金をかき集めようとするほどの金の亡者。「賭博黙示録 絶望の城」での最終局面、ティッシュ箱くじ引きでカイジと直接対決をする。理解しがたい欲求・性癖を持つ男ではあるが、自らを「王」と称するだけあり、単純に「強運の持ち主」というだけにはとどまらずあらゆる面において常人を凌駕する力を持つ。
- 名前の「兵藤和尊」は「賭博黙示録」13巻で初登場。それまではカイジ対利根川での手を叩くシーンの擬音「バンッ バンッ」が「バニッ バニッ」に見えることから一部で「バニ会長」と呼ばれていた。(初出は最古のファンサイトである「とどのつまり」HP上の掲示板であり、そこから「サードニックス」のHP→「マンガ夜話」というルートで広がっていった。)
- 遠藤勇次 (えんどうゆうじ)
- 帝愛グループ「遠藤金融」社長のヤクザ。
- 兵藤グループに属している。借金を取り立てにカイジの前に現れ、彼を規格外の危険なギャンブルへと誘う。カイジに愛車のBMWを破壊されたり、自分が属する利根川が失脚したりとあまり運がない男ではあるが、金融のことに関してはかなりのやり手。ギャンブル船「エスポワール」における限定ジャンケンや人間競馬をカイジに紹介する。と共にその後カイジを地下労働施設に送り込む。自らも利根川失脚によりかなりの負債を背負い込んでおり「沼」では地下労働施設から一時的生還を果たしたカイジに誘われ共闘をした。「沼」で資金が無くなった際、自分の逃亡用の資金をカイジの説得で貸し付けたりする人情味もみせるが、そこはやり手の金融ヤクザ。「沼」勝利後、途中貸し付けた極めて悪質な金利(カイジは緊急時ということもあり気づいていなかった)によりカイジから数億円をせしめ、姿を消した。
賭博黙示録
- 利根川幸雄
- 巨大財閥、帝愛グループの大幹部。
- ギャンブル船エスポワール、人間競馬の元締めであり、兵藤会長の命でカイジとEカードでの直接対決も行った。Eカードでのカイジとの対戦を経験し、そのカイジの策略・戦略を味わうことになり、カイジを「兵(つわもの)だ」との認識を示している。
- だが、仕掛けたイカサマをカイジに見破られたうえ、最後の真剣勝負の際カイジに裏の裏の裏を取られてしまい、完璧な敗北を喫してしまう。敗戦後、兵藤の怒りに触れ、究極の誠意表現方法である拷問「焼き土下座」に掛けられる。自身の参加するゲームには常にイカサマを用い、橋を渡りきったカイジに彼の途中の言動から賞金無効とするなど卑劣漢であるが、自身が焼き土下座にかけられる際、それを耐えるために誰の力も借りないと宣言し実際耐えきったことから、プライドが高く、口だけの人間ではないことが窺える。
- カイジに敗れ兵藤の怒りを買った後、失脚させられてしまい、以降作中から姿を完全に消した。遠藤曰く失脚さえなければ黒崎を抜き帝愛ナンバー2であったかもとさえいわれる地位、実力であった。
- 利根川が発した「金は命より重い」「大人は質問に答えたりしない。それが基本だ」「勝ちもせず生きようとすることがそもそも論外なのだ」「勝ったらいいな・・・・じゃない……! 勝たなきゃダメなんだ……! 」などの台詞は屈指の名言として有名である。これらの名言に加えて劇中で「利根川先生」と呼ばれていたことからネット上でもよく「利根川先生」と呼ばれる。
希望の船編
- 古畑武志
- 以前のカイジのバイト仲間。しかし借金取りにそそのかされ、カイジに借金を背負わせた男。
- エスポワールでカイジと再会し、ともに限定ジャンケンで共闘する。根っからの悪人ではないが流されやすい性格ゆえ、最後は安藤にそそのかされてカイジを裏切った。
- 安藤守
- エスポワールでカイジ、古畑と共闘した肥満体型の男。
- 3人でチームを結成すると、すぐに古畑を騙して抜け駆けしようとした。さらに「限定ジャンケン」最終局面でカイジは古畑と安藤を信じ彼らに自分の「星」を託したが、最終的にはカイジを決定的な形で裏切った。さらに古畑までそそのかし、「カイジさんを犠牲にすれば5人が助かる」と言い放ち、カイジを地獄送りにした。自分一人では何も出来ないくせに、隙あらば自分を救った恩人でも平気で裏切り、さらにそれを正当化しようとする言動から、「カイジ」シリーズに登場する様々なクズの中でも最低のクズとして多くの読者に認知されている。
- 船井譲次
- エスポワールの参加者。狡猾な男でリピーターであることを利用しカイジに何度も煮え湯を飲ませた。
- 限定ジャンケンが始まる前に限度額の1000万円を借り、カイジもそれを見習った。ゲームが始まると12回連続あいこで終わらせようとカイジに話を持ちかけるが、実際にはカイジを引っ掛けて星2つを奪った。また、ゲーム終盤になって残った参加者に手持ちのカードをシャッフルしようと呼びかけ、大量のカードを保持していたカイジの待機作戦を潰した。だが、シャッフルが終了した後、船井があらかじめ目をつけた相手にチョキを押し付け、自分はグーで勝とうとしていたことをカイジに気付かれ、暴露される。最終的にはカイジ達しか対戦相手がいなくなり、しかもカイジが勝っても負けても地獄送りになるという状況だったため、船井は星5つを奪われる羽目になった。
- 石田光司
- 多額の負債を抱える弱気な男。借金取りから逃れながら生活している妻、そして借金にまみれた息子がおり、彼らのためということもあり借金を返すためエスポワールに参加する。エスポワールで別室送りになっていたもののカイジに助けられ、その後人間競馬で高額の引換券を手にするが、2戦目となる超高層綱渡りの途上、「自分はできない人間なんだ」と自覚し、カイジに自分の引換券を託し落下、命を落とす。
- 弱気な男として描写されているが登場当初エスポワールでは係員に激昂し「くそ野郎」など叫ぶ男であった。
- 岡林
- エスポワールの別室に送られた男。極度の現実主義者かつ拝金主義者。
- 別室において、助けられたと思い込む石田は裏切られたと告げ、それを確認して悲嘆に暮れる石田を馬鹿にした。さらにカイジが古畑と安藤との信頼を盲信していることを見抜いて、カイジが裏切られることを予言し、見事に的中させた。うなだれる2人に対し、「この世で本当に欲しい物を手に入れるには金しかない」と言い放って別室を出ようとしたが、直前にカイジに暴行され、そのドサクサにまぎれて隠し持っていた宝石を奪われた。なお誤解されやすいが、彼は星3つで生還したためリピーターではない。
- 高田
- 限定ジャンケンに終盤まで残った参加者の1人。どのカードを持っているか把握している特定の参加者を狙い撃ちする待ち伏せ作戦を取っていたが、船井の残った参加者全員によるカードシャッフルの提案に頓挫する。その後カイジと対戦し、幸運にも勝利して生き残った。なお、高田は鉄骨渡りレースの参加者の中にも姿が確認されたが、その後の2回目のレースの参加者やEカードの対戦会場には姿が見られない。この事から、1回目のレースで転落し、重傷を負って病院に搬送されたと思われる。その後の生死や行方は不明。
絶望の城編
- 佐原
- カイジのアルバイト先のコンビニの年下の同僚。一発当てて浮かび上がることを夢見る若者。もっともそのための努力を積み重ねている様子はなく、怠惰という点ではカイジと同じである。
- カイジの元に現れた遠藤金融の遠藤に頼み込み、帝愛主催のギャンブル(人間競馬)に参加することになる。口の減らない若者ではあるが、真剣勝負ではかなりの運動神経と精神力を発揮する。最初の人間競馬では、ぶっちぎりで1位通過。その賞金を得るための超高層橋渡りで参加者が次々と落ちて死んでいくなか彼は橋を渡りきる事に成功する(2度も鉄骨渡りに成功したのは佐原1人だけである)。しかし兵藤側(帝愛)の卑怯なトラップにより超高層橋渡りをクリアしたにもかかわらず命を落とす。
賭博破戒録
- 黒崎義裕 (くろさき よしひろ)
- 兵藤和尊に次ぐ事実上の帝愛のナンバー2。
- 利根川を失脚させたカイジをただの「野良犬」とはとらえておらず、評価している。「地下」での勝負でカイジが大金を手にした際、外出権においてカイジに特例を認めており、柔軟さも持ち合わせていることが窺える。
地下チンチロ編
- 大槻
- 「賭博破戒録」より登場。地下帝国送りとされたカイジの班の班長を務めるとともに、帝愛側とある意味結託し地上で得た嗜好品(酒、タバコなど)を、地下の労働者に高値で売り続けている。カイジ曰く、同じような地下に落ちた人間の生き血を吸って生きるヒルのような人間。
- カイジを甘言を用いて堕落・浪費させた。自らの考案したチンチロリンのルールの裏を付いたイカサマサイコロ「四五六賽」を使い、大金を得続ける悪徳班長。
- 搾取したペリカ(地下帝国の通貨。1円が10ペリカに相当する)を使って、外出権(50万ペリカで1日外出できる権利を得ることができる)を使い長期のバカンスなどを楽しむことを目論み大金を貯め続けていたが、「四五六賽」のイカサマに気付いたカイジを含む「45(ヨンゴー)組」の策略・作戦により、衆人環視の下イカサマを暴かれる。さらに特殊賽使用を認められたカイジ等によって、ルールの裏を突かれ、今まで貯蓄したほぼ全てのペリカ(約2,000万ペリカ相当もの全財産)を放出、カイジらに奪われる羽目となった。彼が班長を務める班には石和、沼川がいるが彼らは大槻の腰ギンチャクである。
- 三好 (みよし)
- 地下でのチンチロリンで借金を重ねた45組の1人。お調子者だが博打にはまり過ぎて人格が破綻している。
- チンチロリンにおいて常にメモを取っていたが、そのデータを役立てることが出来なかった。しかし、カイジが大槻のイカサマに気付く大きなきっかけとなった。大槻とのチンチロリン勝負で得たペリカを全てカイジに託し、地下からの脱出を図った。その読みが的中し、カイジが得た大金によって晴れて自由の身となった。
- 「賭博堕天録」ではカジノにはまってまた借金を重ねてしまい、カイジにギャンブルでの共闘を持ちかける。だが、これは実はカイジから大金をせしめるための罠だった。カイジが大金を得たという誤解によるものとはいえ、自分を地下から救出してくれたカイジを陥れ、挙句にカイジは大金を得たのだから分け前をもらって当然などと自分を正当化する様子は、以前の彼とは思えないほどである。
- 前田
- 三好と同じ45組の1人。短気な性格で、大槻のイカサマを知った時は襲撃しようとしてカイジに止められた。カイジによって地下から解放された後は、三好と共にカジノで借金を重ね、カイジを陥れようとする。
- 石田広光
- 上記の石田の息子。「地下」では半ば生還を諦めたような感覚で勤労している。
- エスポワールでのカイジの話を父から聞かされており、カイジと対面する。しかし自分のギャンブルで負った借金であるにもかかわらず父のことを「息子の借金も返してくれないダメなオヤジ」と言い放つ。広光は死んでいった父親の顛末は知らないのだが、石田の最期を見届けたカイジは彼を殴り飛ばし、一喝した。しかし、彼を見殺しにすることはできず、カイジは「賭博破戒録」最終局面で広光を救おうとする。
沼パチンコ編
- 坂崎孝太郎
- 「賭博破戒録」より登場。地下帝国から一時的ながらも抜けることが出来たカイジの人並み外れた金に対する気配を察知し彼を誘い、人喰いパチンコ「沼」の攻略をともにしようとする。
- 紆余曲折を経て、カイジとともに苦戦の末「沼」で大当たりを出すことに成功し、数億の金を手に入れた。後に「沼」の金で手に入れた念願の家に恩のあるカイジを居候させるが、そのまま居座り働きもせず自堕落な日々を送るカイジに呆れ果て、「手切れ金」300万円をカイジに渡して追い出す。美心(みここ)という人並み外れた美貌を持つ(と坂崎ひとりだけが思い込んでいる)娘がおり、悪い虫がつかないか昼夜を問わず警戒している。カイジを家から追い出したのも美心と縁を切らせるためであった。
- 一条
- 「賭博破戒録」で登場。人喰いパチンコ「沼」を有する裏カジノの若き野心家の支配人。推定26歳。
- 学力は高かったが、何らかの事情で大学進学を諦めたらしい。帝愛に就職してからは、下働きから7年でカジノの支配人にまで昇進する。イケメンと言える容姿だが、その顔ゆえか兵藤和尊は彼の顔がヘドが出るほど嫌いだったという。性格は尊大であまり口に出しては言わないが人を見下した態度を取る。またカイジを制裁という名でリンチした際、器具を使い生爪の間に針を差し込み全ての指を「血のマニキュア」にするという、中世に行われた拷問並みの所行を行うなどの残忍さも見せる。兵藤和尊を嫌っているが、彼の意見や思想は「的確で的を射ている」と認めている。
- ナンバー2の黒崎に目をかけられている若き幹部候補生であり兵藤総帥亡き後の帝愛グループの幹部昇進を志し、兵藤会長の陰湿なイジメにも耐え抜いてきたが、カイジを自分より格下と見下し油断したため、彼の緻密な計画を練った「沼」挑戦にて人生は一変。仕込んでいたあらゆる妨害対策をカイジに覆され、さらに不運も重なり、決して当たる事のない「沼」でついに当たりを出されてしまう。
- その後ゲームの様子を終始見ていた兵藤会長の怒りを買い、沼の損害7億円分=懲役1,050年の地下送りに処されてしまった。
賭博堕天録
- 村岡隆
- 「賭博堕天録」にて登場。三好、前田が勤める裏カジノの社長で17歩の考案者。友情や信頼といった考えを持たず、目の前の金のみを信じる拝金主義者。「~ざんす」というのを語尾につけるのが口癖。
- 部下(カイジとの対局の際は前田)に通しをさせることにより大金を得てきた。
- 兵藤和也
- 十代だが、兵藤和尊の息子である。常に大金を持ち歩いている。カイジが17歩で手持ちの金を失った時にカイジに金を貸し付け、返せないなら肉体(手足や臓器など)で返してもらうと脅す。
- 本名は賭博堕天録第8巻で登場。村岡やカイジ達からは「坊ちゃん」と呼ばれている。
登場ギャンブル
限定ジャンケン
参加者それぞれに、星3つと、グー、チョキ、パーの3種4枚(計12枚)ずつのカードが配られる。カードを1回につき1枚使用して、他の参加者とジャンケン勝負をし、勝つと相手の星が貰える(あいこは星の移動は無し)。すべてのカードを使い切った時点で、初参加者は星を3つ、リピーターは4つ維持できれば勝ちとなる。
負けとなる条件は
- カードは保有しているが星がなくなった時点
- 星を規定以上保有しているが時間内にカードを使いきれなかった場合
- 時間内にカードを使い終わったが星が規定未満のとき(ただし時間終了後に星の売買が容認されているので規定以上の星数にすることは可能)
「負け」となった場合、別室送りとされる(その後送られるのは男は地下施設、女は体を売られるのだろうか)。 勝負での使用、失格による没収以外でカードを破棄することは認められていないが、参加者間での合意に基づく譲渡、売買は黙認されている。星も同様で、さらに一回の勝負でいくつ賭けてもよい。
また勝負前に全選手へ最低100万円、最高1,000万円(30歳以上は500万円)が貸し出されるが、利率は10分で1.5%複利、勝負時間は4時間なので、最終的には4割増しという足元を見た無茶苦茶な暴利である(日本の法律では支払う義務ないが)。しかし「借金一括返済という未曾有の大チャンスを考えれば」良心的な金利であるとも言えない事はない。
人間競馬
観客が参加者それぞれに付けられた番号に賭ける、人間を使った競馬である。ただし作中では参加者の「馬」が取り上げられている。
ホテル内に設置された数本の鉄の一本橋(作中では4本。四角い棒状で足の幅強程度の太さだが、先へ進むほど少しずつ細くなる)を参加者(借金を背負っている)に一本当たり3人程度渡らせ、参加者は渡り終えると順位に応じ大金を手にすることが出来る「引換券」をもらえる(ただし参加者は「引換券」ということは知らされず、渡った時点で現金が貰えるものだと信じていた)。しかし参加者が座り込んでしまったり落ちてしまったら失格である。さらに引換券をもらうためには、他の橋の参加者を含めて決められた順位以内に入り渡り終えてしまわねばならない。作中では1回の参加者12人の内、1位に2,000万、2位に1,000万の券が渡された。ちなみに落下すると下には一応マットが敷いてあるが、結構な高さのため怪我はほぼ免れず、打ち所によっては死の危険性もある。
誰よりも先に向こう岸にたどり着きより大金を手にするためには、後ろのものは前の人間を落さねばならないため、「みんなで仲良く」と言ったことは許されない。一方先頭に立つものは先に進むにつれ橋が細くなるため、すんなり渡りきる事は不可能であり、よほど差がない限りいつか追い付かれてしまうという危険性を秘めている。
無事「引換券」を手にしたとしても、その後には券を換金する部屋へと続くさらに過酷な橋が待っている。そこに渡されている橋は、ビルとビルの間に掛けられているという事と、距離・幅こそ同じだが、ビル同士の高さは数十メートル。当然落ちたら即死という非情なものであった。それを知り、リタイアするものもいた。しかも、安全を確保するために座り込んだりしないように、橋には電流が流され、即死しないまでも手を触れてしまうと少なくとも橋には留まることが出来ず落ちてしまう。カイジは最初の橋で橋に手が触れて失格になったものの、このビルの橋渡りの挑戦をあきらめた者が獲得していた引換券を獲得して挑戦することになる。
作中で双方を渡り終えることが出来たのはカイジと佐原の二人だけであったが、向こう岸に作られていたトラップを見抜けなかった佐原は、渡り終え部屋へと入ろうとしたその瞬間、非情にも墜落してしまう(通常の出口のドアを開くと空気圧の影響で突風が吹き、飛ばされ落ちてしまう)。カイジは無事トラップを見抜き(ガラスで作られた別の出口への通路を発見)、引換券を金に換えてもらおうとしたが、利根川からカイジが渡る途中でギブアップと取れる発言をしていたという宣告をされ、無効となってしまう。
その後、帝愛グループ会長兵藤の提案により、カイジは利根川と「Eカード」で勝負をすることになる。
E(エンペラー)カード
Eカードは「皇帝」「市民」「奴隷」の三種類(三すくみの関係)があり、「皇帝」「奴隷」の二つの側に分かれて二人で対戦を行う。皇帝側は「皇帝」カードを、奴隷側は「奴隷」カードを一枚ずつ持っており、さらにそれぞれ「市民」カードを四枚持つ。まず皇帝側が伏せたカードを一枚場に出し、次に奴隷側も一枚出す。皇帝側が「皇帝」を出していた場合に、奴隷側が「市民」を出していれば皇帝側の勝ちであるが、奴隷側が「奴隷」を出していた場合、奴隷側の勝ち。逆に、奴隷側が「奴隷」を出し、皇帝側が「市民」を出していた場合、皇帝側の勝ちとなる。「市民」同士であった場合は引き分けとなり、次のターンへ移行し、今度は奴隷側から先にカードを提出する。ルール上、奴隷側が不利なため、奴隷側の勝ちに対する報酬は高くなっている。(作中ではカイジが奴隷側で勝った場合報酬は5倍になる、というルールだった)
本来は魂の震えるような大金を賭けて勝負するが、無一文の場合は目もしくは耳を賭ける(カイジは耳)。リモコン操作で針が進むという装置を取り付け、30mm進むと器官に到達し、目もしくは耳を失うことになる。賭ける距離の最小単位は1mmで、レートは1mmにつき10万円(奴隷側で勝った場合は50万円)。実際にはその針の進む装置に心拍数などを計測する機能がついており、利根川はその情報を得ながら戦っていた。
ティッシュ箱くじ引き
兵藤との勝負をするためにカイジが急場で考え出したギャンブル。空にしたティシュの箱に、ペーパータオルで作った小さなくじ(○を書いた1つとはずれを数十枚)を入れ、兵藤とカイジが交互にくじを引き先に○を引いた方が勝ちというもの。兵藤は「ズバリ」1億円を賭け、カイジは負けたらそれまでにギャンブルで得た二千万円と、自らの片手の指4本を切断されるという条件で勝負に挑む。
カイジは当たりくじをあらかじめティッシュ箱の側面に仕込んでおくというイカサマを考えつくが兵藤に見抜かれ、逆に当たりくじに折り目をつけた兵藤が勝者となった。
チンチロリン
椀に三つのさいころを振って入れ、出た目の役で勝負を決める。参加者の中でもっとも強い役を出した者が、賭け金を役に決められた倍数で受け取ることが出来る。くわしくはちんちろりんを参考。なお役目は456が2倍づけ、2~6ゾロが3倍づけ、1ゾロが5倍づけ、123が2倍払いである。また、親の目に関係なく子も振ることが出来る(親の総取り無し)。
沼パチンコ
地下収容施設からの一時的脱出に成功したカイジが地下からの完全脱出のために挑むギャンブル。一玉四千円のパチンコである。チューリップに玉が入るとパチンコ台下部の3段クルーンに玉が落ちていく。1段目のクルーンには3つの穴、2段目には4つ、3段目には5つの穴が空いている。1段目、2段目には一つずつ当たりの穴があり、そこに玉が入ると下の段に玉が送られる。3段目のクルーンの当たりの穴に玉が入るとクリア、大当たりとしてそれまでの挑戦者が賭けた金(数億円)すべてを手にすることができる(玉のストックが無い時には、最低3億円分を店が保証する)。だが3段目のクルーンの当たりの穴には十重二十重かつ鉄壁の防御が施されており、通常のプレイでは攻略することはできない。事実、カイジたちの前にも多くの者が挑戦したが、実際に大当たりを出した人物(達成者と呼ばれる)は、カジノ側の接待によって出した利根川と兵藤だけであった。
地雷ゲーム(17歩)
二人で行う麻雀のようなもの。全自動麻雀卓でできあがった目の前のツモ山を開き、自分でテンパイ状態を作る。そして残った牌をどんどん切っていく。これで振り込んでしまった場合、賭け金を相手に渡さなければならないが、満貫一倍、倍満二倍と渡す金は完成された役によって決められる。なお、ロン宣言時に満貫に満たなければ和がることが出来ない(満貫縛り)。どんなことがあっても、お互い17牌を切り、相手に振り込まなければ引き分けである。引き分けの際には、掛け金を倍にして次戦に持ち越す。
既刊一覧
賭博黙示録カイジ
『週刊ヤングマガジン』(講談社)において、1996年から1999年まで連載された。全158話。第1章「希望の船」、第2章「絶望の城」。
- ヤングマガジンコミックス 全13巻
- 講談社プラチナコミックス 全6巻
- 1st STAGE REVIVAL WARS 弱肉強食編 ISBN 4063531139 2003年9月24日 第1刷発行
- 2nd STAGE REVIVAL WARS 権謀術数編 ISBN 4063531147
- 3rd STAGE (記述求む)ISBN 4063531236
- 4th STAGE FINAL BRIDGE 高層綱渡り編 ISBN 4063531244 2003年11月26日 第1刷発行
- 5th STAGE EMPEROR CARD 常勝皇帝編 ISBN 406353135X 2003年12月10日 第1刷発行
- 6th STAGE EMPEROR CARD 逆襲奴隷編 ISBN 4063531368 2003年12月24日 第1刷発行
賭博破戒録カイジ
『週刊ヤングマガジン』(講談社)において、2000年から連載された。全134話。第3章「欲望の沼」。地下チンチロ編と沼パチンコ編に分けられる。
- ヤングマガジンコミックス 全13巻
- 講談社プラチナコミックス 全6巻
- 『地獄チンチロ』 (1) 地下強制労働編 ISBN 4063716295 2005年10月5日 第1刷発行
- 『地獄チンチロ』 (2) 地下施設脱出編 ISBN 4063716309 2005年10月5日 第1刷発行
- 『人食いパチンコ』 (1) 1000倍台“沼”編 ISBN 406371635X 2005年10月19日 第1刷発行
- 『人食いパチンコ』 (2) 銀玉無限地獄編 ISBN 4063716449 2005年11月2日 第1刷発行
- 『人食いパチンコ』 (3) 必勝“沼”攻略編 ISBN 4063716473 2005年11月16日 第1刷発行
- 『人食いパチンコ』 (4) 逆襲大解放編 ISBN 4063716546 2005年12月7日 第1刷発行
賭博堕天録カイジ
- 『週刊ヤングマガジン』(講談社)において、第4章「渇望の血」が連載中。
- ヤングマガジンコミックス
その他
- 漫画以外のメディアにも進出し、エスポワールでの限定ジャンケンを再現したプレイステーションソフト『賭博黙示録カイジ』(講談社)が発売、CS放送フジテレビ721では、限定ジャンケンを元にしたゲーム「カイジGAME」を使った『カイジGAME1』を放送していた。さらに、一連のカイジのシリーズをモチーフとしたパチスロ機『回胴黙示録カイジ』(ロデオ)が作られている。