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クリケット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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クリケットの試合風景 ベージュ色の線がピッチ。右側に審判

クリケット (cricket) は、半径55メートルほどの広大なフィールド(クリケットではオーヴァル:ovalと呼ばれる)で行われる野球に似た球技。野球の原型ではないかという説もある。全面芝のフィールドでプレイし、試合中にはティータイムもあるその優雅な雰囲気から、別名「紳士のスポーツ」といわれる。

イギリスで発祥したスポーツであるため、インドパキスタンバングラデシュスリランカイングランドオーストラリアニュージーランド南アフリカジンバブエ西インド諸島といった英連邦諸国などで絶大な人気を誇る。

概要

基本ルールは"THE LAWS OF CRICKET"と呼ばれるクリケット競技規則で決められている。以下ではクリケット・ワールドカップも準拠する50オーバー制(300球限定)1イニングマッチの概要を説明する。

ゲームは、各11人で構成される2チームがコイントスで先攻と後攻を決め、攻撃側と守備側に交互に分かれて対戦する。プレイフィールドの中央にピッチと呼ばれる縦長の場所があり、20.12m離れたその両端に高さ71cmの三本の杭(スタンプ)とそれを上部で繋ぐ梁(ベイル)で構成されるウィケットと呼ばれる柱状のものが刺さっている。

守備側はボールを投げるボウラー(投手)、それを受けるウィケットキーパー(捕手)、その他の9人はフィールダー(野手)としてプレイフィールド各所に配置する。

攻撃側は1番から11番まで打順を決め、1番打者と2番打者が船のオールのような形のバットとプロテクターをつけて各ウィケットの手前で配置につき、3番打者以降はベンチで成り行きを見守る。フィールドに出ている打者2人をバッツマンといい、ボウラーと対峙する方のバッツマンをストライカー、ストライカーの反対側でランナーとなるバッツマンをノンストライカーという。

ボウラーは片側のウィケットの後方から助走をつけて、肘を伸ばし、もう片側のウィケット目掛けてワンバウンドさせるようにして投球する。 それに対してバッツマンは、アウトにならないようにバットを用いてそれをブロックしたり、ラン(得点)するためにボールを遠くまで打つ。

バッツマンがボウラーの投球を打った後、2人のバッツマン(ストライカーとノンストライカー)がそれぞれ相方側のウィケットの方向まで走り、双方がウィケットの前に引いてある安全線(ポッピングクリース)に到達すると1ランが入る。 バッツマンが打球を遠くまで打ったときは1往復、1往復半、2往復などしても良く、それぞれ2ラン、3ラン、4ランなどと得点が入る。また、プレイフィールドの境界(バウンダリー)を超えてボールが飛んでいった場合は、走らなくても規定の得点が入る。ゴロでバウンダリーを越えた場合は4ラン、飛球であれば6ランである。 バッツマンは、走ってもアウトになりそうだと判断した場合は走らなくて良く、またアウトにならない限り投球を見送ってもよい。

バッツマンがアウトになるのは、

  1. ボウラーの投球によりウィケットが直接倒される(野球でいうストライク)
  2. バッツマンの打ったボールがノーバウンドで捕球される(野球でいうフライ)
  3. バッツマンが走っている間にボールがウィケットに戻ってきて、ウィケットが倒される(野球でいう内野ゴロ)

などの場合である。アウトになったバッツマンは次の打順のバッツマンと交替する。野球の場合、1試合に4打席ほど回ってくることが多いが、クリケットの場合、アウトにならない限りいつまで打っていてもよく、逆にアウトになったらその試合ではもう打つことはできない。

ボウラーが6球投球することを1オーバーといい、オーバーになるとボウラーは交替し(2オーバー連続して投げることはできない)、反対側のウィケットから次のボウラーが投球する。 1人のボウラーは総オーバーの5分の1(10オーバー60球)までしか投球できないため、1チームにボウラーは最低5人は必要である。

攻撃側が10人アウトになるか、50オーバー(300球)経過した場合にイニング終了となり、攻守交替する。 先攻後攻それぞれ1イニングづつ攻撃し、ランの多い方が勝利チームとなる。 両者の力関係にもよるが、クリケット・ワールドカップルールでは1イニング200-300ラン程度入り、試合時間はティータイム、ランチタイムを含めると6時間以上かかるという長丁場である。

なお、ここまではクリケット・ワールドカップルールの概要を説明したが、それ以外にもクリケットの国際大会には下記のようなさまざまな試合形式がある。近年、メディアの影響と人々のライフスタイルの変化により、所要時間の短い試合形式が徐々に支持を得てきており、短い時間でも十分楽しむことができるスポーツとなった。

  1. テストマッチ: 伝統的な国別対抗戦の試合形式。球数無制限の2イニング制を採用、1試合に最大5日間を要する。
  2. トゥエンティトゥエンティ(Twenty20): 最近登場した短時間で終わる試合形式。20オーバー(120球)限定1イニング制を採用、1試合2時間半程度で終了する。
  3. シックス・ア・サイド(6-a-side): 6人制クリケット。5オーバー(30球)限定1イニング制で、1試合50分程度で終了する。

外部リンク

関連項目

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