野島伸司
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野島 伸司(のじま しんじ、1963年3月4日 -)は、日本のテレビドラマ、映画の脚本家。
近年、詩、絵本、小説の分野にも進出している。
プロフィール
- 新潟県出身。
- 中央大学法学部政治学科中退。
- 脚本を、伴一彦が講師を務めるシナリオスクールで学ぶ。
- 1988年、『時には母のない子のように』で第2回フジテレビヤングシナリオ大賞を受賞し、メジャーデビュー。
- 連続テレビドラマのデビュー作は、『君が嘘をついた』(1988年、フジテレビ系。共同脚本の中の1人)。当初は、フジテレビの名物ドラマプロデューサー、大多亮とニ人三脚で、トレンディードラマを作っていた。
- しかし彼は、元々、山田太一のような社会派テレビドラマを書くことを希望していた。ある時、大多にその希望を伝えたが、局風に合わないと言われ、却下される。その後、野島は自ら、山田が多くの作品を書いた東京放送(TBS)に売り込みをかけ、その後長年にわたってコンビを組むことになるドラマプロデューサー伊藤一尋に出会う。
- 1993年の『高校教師』(TBS系)ではゴールデンタイム枠でありながら男性教師と女子高生の純愛、近親相姦という重いテーマを取り上げ、それを見事に書き切り、日本のテレビ業界に衝撃を与える。
- 1994年の『家なき子』(日本テレビ系。野島は企画で参加)では「同情するなら金をくれ!」という名台詞を生み、流行語にした。
- 彼独特のセンスによるドラマのテーマ曲選びも魅力の一つである。特に、1995年の『未成年』(TBS系)で、往年の名グループ「カーペンターズ」の楽曲を起用、カーペンターズブームを巻き起こし、また、2001年の『ストロベリー・オン・ザ・ショートケーキ』(TBS系)では、「ABBA」を起用、やはりブームを巻き起こしている。
- 一見トレンディードラマのようだが、実は社会派ドラマで、暴力、いじめ、障害者、自殺問題など、現代社会の暗部を独自の視点で鋭く切り取った脚本を書く。故に、常に賛否両論にさらされる、現代テレビ業界の寵児である。
野島伸司に関する豆知識
- 野島は、自作の「タイトル付け」を苦手としている。デビュー作の『時には-』からして、「カルメン・マキ」のヒット曲(1969年発売)と同名である。1994年、彼は「人間失格」というタイトルのドラマを作ったが、これは太宰治の名作のタイトルを模倣(パクリ)したものである。彼とTBSは、太宰の遺族に訴えられた。その後、双方とも和解し、タイトルを『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』にした。
他人の作品名を勝手に使う癖がある。
- 1998年の、『聖者の行進』(TBS系)は暴力描写が多く、視聴者からの抗議が殺到した。そんな中、製薬会社の『三共株式会社』は、「薬屋なのに暴力を肯定できない」と、TBS金曜ドラマ枠(22~23時)のスポンサーを降りた。
- 彼の好きな女性のタイプは、「僕を守ってくれる人」。彼の書く女性キャラクターにも、それが生かされている。
- 彼は、女性アイドルマニアとして芸能界で知られている。そのため、「職権」を生かして、一時、酒井法子や深田恭子と付き合っていた。
- シンガーソングライターの大塚愛は野島の大ファンである。
テレビドラマ
脚本・単発
- 時には母のない子のように(1988年11月20日、フジテレビ)
- フローズンナイト(1989年8月12日、フジテレビ)※4話からなるオムニバス。野島氏は「私だけのあなた」を担当。
- 愛しあってるかい!スペシャル(1990年4月4日、フジテレビ)
- 世にも奇妙な物語(1990年7月20日、日活、フジテレビ)※3話からなるオムニバス。野島氏は「死ぬほど好き」を担当。
- バレンタインに何かが起きる(1991年2月11日、TBS)※3話からなるオムニバス。野島氏は「恐怖の義理チョコ」を担当。
脚本・連続
- 君が嘘をついた(1988年、フジテレビ)
- 愛しあってるかい!(1989年、フジテレビ)
- すてきな片想い(1990年、フジテレビ)
- 101回目のプロポーズ(1991年、フジテレビ)
- 愛という名のもとに(1992年、フジテレビ)
- 高校教師(1993年、TBS)
- ひとつ屋根の下(1993年、フジテレビ)
- この世の果て(1994年、フジテレビ)
- 人間・失格~たとえばぼくが死んだら(1994年、TBS)
- 未成年(1995年、TBS)
- ひとつ屋根の下2(1997年、フジテレビ)
- 聖者の行進(1998年、TBS)
- 世紀末の詩(1998年、日本テレビ)
- リップスティック(1999年、フジテレビ)
- 美しい人(1999年、TBS)
- ストロベリー・オンザ・ショートケーキ(2001年、TBS)
- ゴールデンボウル(2002年、日本テレビ)
- 高校教師(2003年、TBS)
- プライド(2004年、フジテレビ)
企画
- 家なき子(1994年、日本テレビ)
- 家なき子2(1995年、日本テレビ)
- フードファイト(2000年、日本テレビ)
- 仔犬のワルツ(2004年、日本テレビ)※最終回は野島氏自ら脚本を担当
原案
- 新・星の金貨(2001年、日本テレビ)
映画
- 君は僕をスキになる(1989)
- スキ!(1990)
- 高校教師 もうひとつの繭の物語 (1993)
- ヒーローインタビュー(1994)
- 家なき子(劇場版)(1994)
詩集
絵本
- コオロギくんの恋(ワニブックス、2001)
- コオロギJr.の愛(ワニブックス、2001)
小説(ドラマのノベライズは除く)
- スワンレイク(幻冬舎、2002)
- ウサニ(幻冬舎、2003)