月 (暦)
月 | |
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ファイル:Mosaique des phases de la lune.jpg | |
記号 | m, mon |
系 | 自然単位 / 暦法 |
量 | 時間 |
SI | 2.551 × 106 秒前後 |
定義 | 1朔望月前後(28~31日) |
月(つき、がつ、げつ)とは、時間の単位の一つ。天体の月の満ち欠けの周期に由来し、およそ1朔望月(29.53日)前後である。
暦では、日の整数倍となる。暦により、また同じ暦でも月により長さは異なるが、グレゴリオ暦では28~31日である。太陰太陽暦では29日又は30日となり、日本では29日の月を小の月(しょうのつき)、30日の月を大の月(だいのつき)と呼んだ。グレゴリオ暦へ改暦後は、それを準用して30日以下の月を小の月、31日の月を大の月と呼んでいる。
天文学上は、様々な座標系で計った(天体の)月の公転の周期も「月」と呼ぶ(天文学的月)。
月初めを月初、月の終わりを月末ともいう。
暦月
太陰暦・太陰太陽暦
太陰暦と太陰太陽暦では、ある月相(原則として朔)のころの日初を、月の始まりとする。そのため、1か月は平均すれば1朔望月に等しい。朔望月の日数には端数があるため、個々の月には30日の月(大の月)と29日の月(小の月)がある。1年は原則として12か月だが、太陰太陽暦では約2.713年に一度の閏年に閏月が加わり13か月になる。
中国暦や和暦では、朔が起こる日を必ずその月の第1日目(ついたち)とする。そのため、大の月と小の月を求めるには天文学的な計算が必要となる。
ヒジュラ暦では、大の月と小の月を交互に出現させ、閏年には小の月の1つを大の月に変更する。そのため、どの月が何日あるかは閏年を別にすれば決まっている。また、朔が1日に起こるとは限らない。
太陽暦
太陽暦は、定義により、朔望に対応した単位を持たない。そのため、月がある必然性はないが、朔望とは無関係な「月」を持っている。
ユリウス暦及びグレゴリオ暦では、1か月は1年(太陽年にほぼ同じ)を12に「ほぼ」等分したものである。ほとんどは30日の月(小の月)間か31日(大の月)だが、例外的に2月は28日(平年)又は29日(閏年)である。どの月が何日あるかは閏年を別にすれば決まっている。これらの暦での月の名称(月名)と日数を以下に示す。
月 | 和名 | 英語名(略称) | 日数 |
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1月 | 睦月(むつき) | January (Jan.) | 31日間 |
2月 | 如月(きさらぎ) | February (Feb.) | 28日間又は29日間(閏年) |
3月 | 弥生(やよい) | March (Mar.) | 31日間 |
4月 | 卯月(うづき) | April (Apr.) | 30日間 |
5月 | 皐月(さつき) | May | 31日間 |
6月 | 水無月(みなづき) | June (Jun.) | 30日間 |
7月 | 文月(ふみづき、ふづき) | July (Jul.) | 31日間 |
8月 | 葉月(はづき) | August (Aug.) | 31日間 |
9月 | 長月(ながつき) | September (Sep.) | 30日間 |
10月 | 神無月(かんなづき) | October (Oct.) | 31日間 |
11月 | 霜月(しもつき) | November (Nov.) | 30日間 |
12月 | 師走(しわす) | December (Dec.) | 31日間 |
天文学的月
(スタブ)
朔望月 | 29.530588853 + 0.000000002162 × 年 日 |
恒星月 | 27.321661547 + 0.000000001857 × 年 日 |
交点月 | 27.212220817 + 0.000000003833 × 年 日 |
分点月 | 27.321582241 + 0.000000001506 × 年 日 |
近点月 | 27.554549878 − 0.000000010390 × 年 日 |
(いずれも2000年1月1.5日)
期間としての月
「月」は時間(期間)の単位としても用いられる。通常は「○箇月(○ヶ月、○か月)」(○かげつ)という表現を用いる。なお、単に「○月」という表現を用いる場合もあり、この場合は、暦上の睦月、如月…に対応するいちがつ(1月)、にがつ(2月)…と区別するため、日常的には「ひとつき(一月)」、「ふたつき(二月)」…と訓読みを用いるが、公用文、法令文などでは必ず「いちげつ(一月)」「にげつ(二月)」…と音読みする。
「1箇月」という場合は、特に断りがない限り、初日は算入せず翌日を起算日とし、翌月の起算日応当日の前日までを指す。例えば1月15日からの1箇月は、「1月16日から2月15日まで」である。翌月に起算日応当日がない場合(例:起算日が10月31日の場合)は、翌月の末日まで(この例では11月30日まで)となる。これらのことは、日本では民法(138条~143条)で定められている。
ただし、このように定められる1箇月は、月によって日数が異なるため、科学における証明など、厳密に時間の長さを表現することが求められる場では用いられない。国際単位系 (SI) では併用単位にもなっておらず、日本では計量法で使用してよい単位には入れられていない[1]。
分割法
1か月(≒30日)を一定の日数で等分する方法は、おおむね以下のとおりである[要出典]。
- 15日周期(半月):1か月を二等分したもの。満月と新月の間が約15日である点にちなむ。
- 10日周期(旬):十干に由来し、1か月を三等分したもので、「上旬(初旬)」「中旬」「下旬」のように用いられる。
- 7日周期(週、七曜):4回か5回で1か月となる。
- 6日周期(六曜など):1か月を五等分したもの。12と30の最大公約数から。