ヴァイオレイション
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ヴァイオレイション(Violations)は、バスケットボールにおける反則のうち、からだの触れあいおよびスポーツマンらしくない行為以外の総称。以下の反則がヴァイオレイションに含まれる。プロバスケットボールリーグのNBAでは、ルールが異なる場合がある[1]。
バイオレーション、ヴァイオレーションと書くこともあるが、日本バスケットボール協会発行の競技規則での表記はヴァイオレイションである。以下、特に断りがない限り、日本バスケットボール協会発行の競技規則の表記に従う。
詳細
以下のことに対する反則はヴァイオレイションとなり、相手チームのそれが起こった場所に最も近いアウトからのスローインでプレイが再開される。
- アウト・オブ・バウンズ
- ボールを保持しているプレイヤー又はボールが境界線(サイドライン、エンドライン)および境界線の外にある物に触れた場合。
- ダブル・ドリブル、イリーガル・ドリブル
- ひとつづきのドリブルを終えた後に再び新たなドリブルを行うことはできない。ドリブルの終了とはドリブラーの両手がボールに触れたときまたは片手もしくは両手でボールを支え持ったときである。これに違反したときはダブル・ドリブルとしてヴァイオレイションとなる。また、ドリブル中に完全に手で支え持つ状態になっていると判断された場合はイリーガル・ドリブルとなる。ファンブル(ボールを持ち損なうこと)はドリブルとはみなされない。
詳細は「ドリブル (バスケットボール)」を参照。
- トラヴェリング
- プログレッシング・ウィズ・ザ・ボールについての違反をトラヴェリングと呼ぶ(トラベリングとも書く)。ボールを保持したまま3歩以上歩いたり、止まった際にピヴォットフットを動かしてはならない。ドリブルを始める際には両足がフロアから離れた状態ではドリブルを始めることはできない(ピヴォットフットが床から離れる前にボールを手から離さなければならない)。
- ピヴォットフット
- ボールを保持した状態で身体を動かす際に支点となる足のことである。両足が床に降りた状態でボールを保持、または空中でボールを保持し両足同時に床に降りて停止した場合はどちらの足でもよく、その後最初に上げた足の他方の足がピヴォットフットになる。空中でボールを保持して片足で床に降りたり片足を床についてボールを保持して停止した場合は最初に床に降りた足がピヴォットフットとなる。こののちピヴォットフットが床から離れたらパスかショットをしなければならない。ドリブルを始めることはできない。
- ボールを故意に足または脚で扱った場合
- 故意に足または腿でボールを蹴ったり止めてはならない。偶然に当たった場合はヴァイオレイションではない。
- 3秒ルール
- フロントコート内でボールをコントロールしているチームのプレイヤーが相手チームのバスケットに近い制限区域内に3秒をこえてとどまってはならない。そのプレイヤーは制限区域外に両足をつけなければ制限区域外に出たことにはならない。NBAでは、ディフェンスプレーヤーにも3秒ルールがある。
詳細は「3秒ルール」を参照。
- 5秒ルール
- 近接して防御されているプレイヤーは5秒以内にパス、ショット、あるいはドリブルをしなければならない。また、スローインやフリースローはボールを渡されてから5秒以内に行わなければならない。
- 8秒ルール
- バック・コートでボールをコントロールしたチームは8秒以内にボールをフロント・コートに進めなければならない。8秒はボールをコントロールしている限り数え続けられる。例えばアウト・オブ・バウンズやジャンプボール・シチュエイションでデッドのボールをサイドラインの外で再び保持する=スローインする場合は8秒は継続して数えられる。
- 24秒ルール(ショットクロック・ヴァイオレイション)
- ボールをコントロールしたチームは24秒以内にボールがバスケットのリングに触れるようにショットしなければならない。ショットしたボールが空中にあるときに24秒が経過してもショットしたボールがゴールに入ったりリングに触れればヴァイオレイションにはならない。
詳細は「ショットクロック」を参照。
- ボールをバック・コートに返すこと
- チーム・コントロールされたボールがフロント・コートにあるときは、そのチームのプレイヤーはボールをバック・コートに返してはならない。
- ゴール・テンディング
- ショットされたボールが放物線の一番高いところから落ち始めた後、全体がリングより高いところにある間に、プレイヤーがそのボールに触れた場合、ゴール・テンディングとなる。
- インタフェア
- ショットされたボールがリング上にあるときに、プレイヤーがバスケットやバックボードに触れる、バスケットの下から手を入れてボールに触れる、ショットのボールがバスケットの中にある間に防御側プレイヤーがボールやバスケットに触れる、ショットされたボールが空中にある間に防御側プレイヤーがバックボードやリングをたたいたり振動させてボールがバスケットにはいるのを妨げる、これらの行為はインタフェアとなる(インターフェアとも書く)。尚、2005年のルール改正前までは「バスケットインターフェア」と呼ばれていた。
NBAのヴァイオレイション
- ヴァイオレイションとペナルティー
- アウトオブバウンズ
- プレイヤーはボールがアウトオブバウンズになるようなことをしてはならない。
- ペナルティ
- ボール保持権を失い、直近のバウンダリーラインから相手チームのスローイン。
- 例外
- スローインの際に、アウトオブバウンズへ誰も触れずにボールが出た場合、ボールはスローインの元の位置に戻される。
- ドリブル
詳細は「ドリブル (バスケットボール)」を参照。
- スロワー・イン
- 1.インバウンズに持ち込んではならない。
- 2.5秒以内にボールを離さなくてはならない。
- 3.コート上の他のプレーヤーが触るまで、コート上でボールに触れてはならない。
- 4.決められたスローイン位置から離れてスローしてはならない。
- 5.コート上の他のプレーヤーが触るまで、ボールをバスケットに入れてはならない。
- 6.ボールが離れるまでラインを越えてインバウンドにステップしてはならない。
- 7.誰も触らず直接アウトオブバウンズに出してはならない。
- 8.スローインに有利なように床から離れてはならない。
- 9.コート上のプレーヤーにボールを手渡ししてはならない。
- 例外
- フィールドゴール後、フリースロー後、各ピリオドの開始時は、エンドライン外を移動したり、エンドライン外の味方にパスしてもよい。
- ペナルティ
- ボール保持権を失い、直近のバウンダリーラインから相手チームのスローイン。
- ストライク・ザ・ボール
- プレーヤーは足でボールをけること及び拳でボールを叩くことをしてはならない。
- 故意に叩いたり蹴ったりした場合は、ヴァイオレイションだが、偶発的に当たった場合はヴァイオレイションにはならない。
- 意図的に足のどの部分でも、ボールに触れてはならない。
- ペナルティ
- オフェンス側が起こした場合は、直近あるいは、ベースラインとフリースローラインの間ではフリースローライン延長上のサイドラインから相手チームのスローイン。
- ディフェンス側が起こした場合は、ボールポッゼッションは代わらずに、直近あるいは、ベースラインとフリースローラインの間ではフリースローライン延長上のサイドラインからオフェンス側のスローイン。
- スローインの際に起きた場合は、相手チームで同じ場所からのスローイン。
ボールを暴力的に投げたり、蹴ったりして直接客席に入れたプレーヤーは、理由や着地点に拘わらずテクニカルファウルを宣告され退場となる。
- ジャンプボール
詳細は「ジャンプボール」を参照。
- オフェンス3秒ルール
詳細は「3秒ルール」を参照。
- ディフェンス3秒ルール
詳細は「3秒ルール」を参照。
- 8秒ルール
- チームは、ボールポゼッションのあるとき、バックコートからフロントコートへボールを運ぶのに連続して8秒より多く費やしてはならない。
- 例外 1 ディフェンス側が、次の事をした場合、新たに8秒が与えられる
- 1.キック(パンチ)ボール、
- 2.パーソナルファール、テクニカルファール
- 3..ゲーム遅延への警告
- 例外 2 次の場合、新たに8秒が与えられる
- 1.インフェクションコントロール(治療)で、ゲーム進行が止まったとき。
- 2.バックコートでのジャンプボールでボールコントロール得た場合。
- 3.4thピリオドやオーバータイムの最後2分で行うフロントコートからバックコートへのスローインの時。
- ペナルティ
- 相手チームのコート中央ミッドコートラインからのフリースローライン
- バックコート
- ボールコントロールのあるチームのプレーヤーは、味方がフロントコートから、バックコートへ到達させたボールに触れてはならない。
- ジャンプボール、ショット、やリバウンドで、味方へボールを送る時など、混み合った区域でボールをタップする状況では、ボールコントロールはいずれのチームにもないので、適用されない。
- ペナルティ
- 相手チームのコート中央ミッドコートラインからのフリースローライン
- 肘のスウィング
- ディフェンスが近傍におり、オフェンスがボールを持っている時に、どちらのプレーヤーも接触が無くても、過度で過大に肘を振り回してはならない。
- ペナルティ
- 直近あるいは、ベースラインとフリースローラインの間ではフリースローライン延長上のサイドラインから相手チームのスローイン。
- スローインの際に起きた場合は、ゲームクロックはスタートさせない。
- バスケットの下からのボール通過
-
- どのプレーヤーもバスケットの下からボールを通過させてはならない。
- ペナルティ
- フリースローライン延長上のサイドラインから相手チームのスローイン。
- イリーガルアシスト
- a.プレーヤーは、ゴールを得るために、リング、バックボード、支柱などにぶら下がったり登ったりして使ってはならない。
- b.プレーヤーは、他のプレーヤーがゴールを得るために、高さを得ることを助けてはならない。
- ペナルティ
- フリースローライン延長上のサイドラインから相手チームのスローイン。
- トラベリング
- 国際ルールと同じ
- イリーガルオフェンススクリーンセット
詳細は「スクリーン (バスケットボール)」を参照。
- 5秒ルール
- フロントコート上でフリースローライン延長線を越えたオフェンスプレーヤーは、バスケットの背や横を向けて、5秒より長くドリブルを続けてはならない。カウントは次の時点で終了する。
- 1.プレーヤーがボールを保持したとき。
- 2.フリースローライン延長線を出たとき。
- 3.ディフェンスプレーヤーがボールを逸らしたとき。
- ペナルティ
- フリースローライン延長上のサイドラインから相手チームのスローイン。
- バスケットインターフェア - ゴールテンディング
-
- プレーヤーは次のことをしてはならない
- ボールがバスケットリングを使って転がったり、乗っている時に触れる。
- バスケットリングより上の仮想円柱上にあるボールに触る。
- フィールドゴールを狙ったボールがリングより上でバックボードに触れ落ちてきたところを触れる。
- フィールドゴールを狙ったボールがリングより下でバックボードに触れ上がってきたところを触れる。
- バスケットリングを通過してきたボールに触れる。
- フィールドゴールを狙ったボールがリングより上で下降しているところを触れる
- ボールがリングに触れたり転がっているとき、リングを傾けたり、リング、ネット、バックボードに振動を与えボールに不自然な動きをさせる。
- ボールがネットに通過してきたとき、リング、ネット、ボールに触れる
- バックボード面と手で放たれたボールをトラップする。(ボールをボードにぶつけるのはトラップではない)
- ペナルティ
- ディフェンス側が起こした場合は、通常のフィールドゴール成功と同じ扱い。
- オフェンス側が起こした場合は、ゴールしても得点にはならず、フリースローライン延長上のサイドラインから相手チームのスローイン。
- 両チーム同時の場合、センターサークルでジャンプボール。
脚註
- ^ “Official Rules of the National Basketball Association”. NBA.com (2012年3月1日). 2012年4月17日閲覧。