粉食
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粉食(ふんしょく)とは、穀物等を、挽いて粉(穀粉)にしてから調理して食べること。
粉食に対し、米飯に代表される、粒のまま食べることを粒食という。粉食も粒食も、穀物などの食べ方の分類であり、粉末状であっても調味料などは別扱いである。
穀粉を調理した食品は、粉物、コナモンなどと呼ばれる(特に関西圏の食文化について言及する際、たこ焼きやお好み焼き等の小麦粉を使ったそれらを総称し、「粉物文化」などと呼称することがある)。
調理方法
粉を食用にするには、粉を水などと均一に混ぜて捏ねたペースト状、ないし液状のものにし、これを(場合により成形してから)加熱調理する場合が多い。このような水などとの混合物を生地という。パスタ(ペースト、パテと同語源)とはこのような生地から製した食品を指す言葉である。このほか、粉に湯を加えてそのまま食し(蕎麦掻きなど)、あるいは粉を固めて食用とする(落雁など)場合もある。
主な食用の粉
→詳細は「穀粉」を参照
粉を加工した食品
麺類
→詳細は「麺」を参照
パン類
→詳細は「パン」を参照
菓子、軽食類
→詳細は「菓子」を参照
- 洋菓子類 - パンケーキ、クレープなど、小麦粉を用いたもの多数。
- 揚げ菓子類 - ドーナツ、アメリカンドッグ
- 和菓子類 - 団子、すいとん、白玉、たい焼き、今川焼き (あるいは、太鼓焼き・大判焼き・回転焼き)
- スナック菓子 - フライドポテト(芋の粉を整形して作る)など多数。
- お好み焼き類(お好み焼き・大阪焼き・もんじゃ焼き・モダン焼き・チヂミ・バインセオ)
- たこ焼き、明石焼き
- イカ焼き
その他
日本各地の粉物料理
北海道地方
東北地方
- 東北各地 粢餅(しとぎもち)、ひっつみ
- 宮城県 冷やし中華
- 岩手県 わんこそば、盛岡冷麺、盛岡じゃじゃ麺
- 青森県 せんべい汁
- 秋田県 稲庭うどん
- 山形県 どんどん焼き、冷やしラーメン、米沢ラーメン
- 福島県 喜多方ラーメン
関東地方
- 群馬県 焼きまんじゅう、おっきりこみ、上州うどん(桐生うどん、水沢うどん、館林うどんなど)
- 栃木県 餃子、耳うどん
- 埼玉県 いがまんじゅう、加須うどん
- 東京都 もんじゃ焼き、蕎麦(江戸そば)
- 神奈川県 焼売、へらへら団子
中部地方
近畿地方
中国・四国地方
九州・沖縄地方
- 福岡県 博多ラーメン、博多うどん
- 長崎県 長崎ちゃんぽん、五島うどん、島原手延べ素麺
- 熊本県 いきなり団子、熊本ラーメン
- 大分県 団子汁
- 沖縄県 沖縄そば(ソーキソバなど)、ヒラヤーチー(沖縄風お好み焼き)、サーターアンダギー
参考文献
- 安達巌著『日本の粉食民俗史』(『食の風俗民俗名著集成』第3巻)『東京書房社、1985年3月
- 柏企画編『粉物のすすめ 信濃は小麦粉消費大国』柏企画、2003年9月
- 熊谷真菜著『たこやき 大阪発おいしい粉物大研究』(『講談社文庫』)、講談社、1998年5月、ISBN 4062638002
- 向後紀代美ほか著『粉食文化と肉食文化』(『シリーズ食文化の発見』、『世界編』3)柴田書店、1981年3月
- 参考文献リスト: p285 - 308、叢書の編者: 日本観光文化研究所
- 総理府大臣官房審議室編『食生活(粉食)に関する世論調査 調査報告書』食生活改善協会、1955年
- 粉食栄養料理研究会編『めん類・粉食・パン食 栄養料理の献立』第一出版、1954年、1958年 改訂版
- 『大麦めん 大麦と粉食化技術』食品出版社、1982年10月
- 『粉食の栞』生活科学化協会、1946年
- 『粉食文化のパイオニア 日本製粉』(『企業の現代史』46)、フジ・インターナショナル・コンサルタント出版部、1964年