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ノート:アーサール

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アーサール?

アーサールは「作品」とか「遺物」とかいう意味だと記憶していますが、アーサール単独で「聖遺物」という意味を持つのでしょうか?私が勉強不足なのかもしれませんが、利用者:ねをなふみそねさん、ご存知ですか?--Takabeg会話2019年6月25日 (火) 12:16 (UTC)[返信]

コメント 初版執筆者です。記事名について悩んだ記憶があります。まず、基本的に単に聖遺物と呼ばれる場合、カトリックのものを指すという認識があります。たとえば聖遺物がついた書籍名をCiNiiBooksで検索すると全てキリスト教に関連した結果になります。仏教、イスラームの「聖遺物」は一般的にそう呼ばれておらず、それらが「聖遺物」として言及される場合、イスラームのとか仏教でのなどと特別に説明するか、その文脈が必要になっています。この上で、記事名を「聖遺物 (イスラーム)」とするか別に適した名前があるかを検討したと記憶しています。
記事中の本文に使われている資料ではありませんが「大稔 哲也 『ムスリム社会の聖遺物--聖遺物とイスラーム (公開・国際シンポジウム 礼拝像と奇跡 東西比較の試み)』」というジャーナルがあります。
この資料では「そもそも、「聖遺物」に相当するものがムスリムの文脈に存在するのでしょうか。(中略)「アル=アサル・アン=ナバウィー」「アル=アーサール・アン=ナバウィーヤ」と使用される場合などが、それに最も近いニュアンスを含むと考えられます。意味するところは、「預言者ムハンマドの御物」です」と説明されています。
記事中「また、アーサール(アサル)は「跡」「遺物(の複数形)」を意味し、すなわち聖者の残した痕跡、遺物のことである」の出典となっているもののうちの一つ、中東情勢分析 2007年10/11月号. 中東協力センターニュースの記事がオンラインで読めなくなっているのでちょっとあやふやなのですが、同じような説明があったのではないかなと思います。ただ、本当に記憶に薄いので・・・ごめんなさい。
Encyclopaedia of Islam, Second Editionでは At̲h̲arとしてal-at̲h̲ar al-s̲h̲arīf (pl. al-āt̲h̲ār al-s̲h̲arīfa )の説明がされているので、それほど外していないつもりでいるのですが、他に適当な固有名詞があるのならば改名に依存はありません。--Strangesnow会話2019年6月27日 (木) 04:00 (UTC)[返信]
Strangesnowさん、レス、どうもありがとうございます。コトバンクを見ていただきたいのですが、「聖遺物」という用語は、キリスト教関連の使用例が多いのは分かるのですが、他宗教でも使用されています。ですから、現行の聖遺物は若干 Ch-POV (キリスト教POV)かもしれません。CiNiiBooksもタイトルべースですとおっしゃる通りキリスト教に関連したものになりますが、内容検索をかけると多種多様な宗教に関連して使用されていることがわかります (伊勢神宮に関してはちょっと疑問ですが。。。)。また、アラビア語版を見るとar:أثر النبيar:الآثار المقدسة (الباب العالي)にリダイレクトされています。いずれにしても、拙速な改名提案をすると、記事名と記事内容の齟齬 (ムハンマド限定なのか預言者全般なのか聖者とかも含むのか、などなど)が出てしまいそうなので、よく検討してみましょう。それでは。--Takabeg会話2019年6月29日 (土) 11:51 (UTC)[返信]
返信 (Takabegさん宛) お手数おかけしております。
コトバンク参照しました。
  • 「聖遺物 せいいぶつ relique; relics」『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』では主として西方東方のキリスト教の説明が主であり、補足的に仏舎利,仏足跡とイスラームについて触れられています。
  • 「せい‐いぶつ〔‐ヰブツ〕【聖遺物】」『デジタル大辞泉』ではキリスト教についてだけです。
  • 「せいいぶつ【聖遺物 reliquiae[ラテン]】」『世界大百科事典 第2版』では「通常はとくにキリスト教の諸聖人の遺骸や遺品をさす。」とされています。
  • 「せい‐いぶつ ‥ヰブツ【聖遺物】」『精選版 日本国語大辞典』ではカトリックについてのみでした。
  • 「せいいぶつ【聖遺物】」『大辞林 第三版』ではカトリックについてのみでした。
  • 「世界大百科事典内の聖遺物の言及」はカトリックに関連した項目でした。
これらからは、単に「聖遺物」と言及される場合、通常はキリスト教のそれを指すように思えます。
もちろん、イスラームに関する文書で、聖遺物として言及される例があるのは把握しているのですが、ざっくりとイスラームにおける聖遺物的なものを説明する日本語がないために「(イスラームの)聖遺物」と言い換えているのではないかなと。キリスト教POVかどうかは自覚的では無いのですが、「聖遺物 (イスラーム)」という記事名には騎士道 (イスラーム)としてフルーシーヤ英語版を説明するような不自然さを感じます。私の考えすぎですかね……。
ただ、現行の「アーサール」という名前の根拠はEncyclopaedia of Islamくらいしかないので、別な記事名に変更することに全く依存はありません。もともと聖遺物の国際化タグ対応のために立項した記事で、全く詳しくないので他にどのような項目名とするのが適当であるか判断できませんし、Takabegさんの仰る通り、ムハンマドの遺物だけを指すのか、バラカがあるものすべてを指すのかややこしいです。仮に「聖遺物 (イスラーム)」とするとしても特に反対しませんとだけお伝えしておきます。--Strangesnow会話2019年6月29日 (土) 14:57 (UTC)[返信]

@Strangesnowさんんへ:『岩波イスラーム辞典』岩波書店、2002年2月20日第1刷発行、ISBN 4-00-080201-1、551・553頁に大稔哲也さん執筆の「聖遺物」が単独立項されているのを確認しました。ザックリというと「ムハンマド、預言者、イマームの子孫、聖者などの遺物・遺骸」と定義されています。「預言者の御物 (アーサール・ナバウィーヤ)」という用語も出ています。本稿の記事名をアーサール・ナバウィーヤとして預言者のものに限定した記述し別稿として聖遺物 (イスラーム)を立てるか、本項の記事名を聖遺物 (イスラーム)にして預言者以外のものも含めて記述するか、のどちらかがよさそうです。もうすこし別のソースにもあたってみます。--Takabeg会話2019年7月23日 (火) 12:29 (UTC)[返信]

返信 (Takabegさん宛) 調査お疲れ様です。情報提供ありがとうございます。大稔さんは前掲の『ムスリム社会の聖遺物』の著者ですね。「アーサール・ナバウィーヤを含むイスラームの聖遺物全体」を表す言葉があればそれが一番なのでしょうが、そのような便利な言葉があるのかは現段階では不明ですし(この記事の立項時点では遺物・痕跡を指すアーサールがそれにあたると考えたのですが)、Takabegさんがお調べになった『岩波イスラーム辞典』で「聖遺物」として項があるのであれば、辞典の見出しになる程には引きやすいということなのでしょう。これを基に「アーサール・ナバウィーヤを含むイスラームの聖遺物全体」を表す言葉は日本語では単に「聖遺物」である、と納得できるようにも思えます。記事の分割について、現状ではそこまでの分量ではないので「アーサール・ナバウィーヤ」と「聖遺物 (イスラーム)」を分ける必要は特に感じられません。ムハンマド以外の聖者の「聖遺物」を表す言葉があったとしても、やはり必要ないでしょう。--Strangesnow会話2019年7月23日 (火) 14:33 (UTC)[返信]

改名提案

上記の出典に加え、既に、本記事の参考文献として使用されている

もありますので、記事名を「聖遺物」としたほうがWP:CRITERIAに適うとともに日本語話者・読者にとってアクセス・理解しやすいですので、「聖遺物 (イスラーム)」への改名を提案します。改名による記事名と内容との齟齬を最低限に抑えるため、定義文を大稔哲也さんのものを参考にして若干修正する予定です。--Takabeg会話2019年7月24日 (水) 13:15 (UTC)[返信]

ノート:聖遺物にある立項の経緯は読ませていただきました。TakabegさんとはCategory‐ノート:仏教の聖遺物でも聖遺物関連のカテゴリ改名について話し合い中です。
私も宗教関係の文献を読む中で、「聖遺物」という言葉の起源はカトリックであり、単独で「聖遺物」といえばカトリックのものを指し、その他の宗教で用いる場合は「イスラームの」などとつけたりする必要があるという認識があります。『岩波イスラーム辞典』は、「聖者」「税」「男性」などの一般名詞を項目名としてイスラームの文脈における意味を記述するという構成をとっており、「聖遺物」が単独立項されていても、それは「イスラームの」という修飾語が隠れていると見た方がいいと思います。
この記事名については、ガイドラインであるWikipedia:記事名の付け方#記事名を付けるにはも大事ですが、Wikipedia三大方針の一つであるWikipedia:中立的な観点も考慮した方がいいかと思います。Strangesnowさんが挙げてくださった文献のうち、大稔哲也「ムスリム社会の聖遺物 : 聖遺物とイスラーム」(「死生学研究」12、2009年)のpp.165-166に「そもそも、「聖遺物」という研究上の問題設定、これ自体が多分にキリスト教的な関心の在り方を反映しているように思われます。(中略)ですから今回、私は聖遺物というものを、むしろ新たな比較研究の上での分析概念として使用しております」という部分は重く見るべきで、イスラーム世界で様々に呼ばれるものをキリスト教の概念で十把一絡げにし、記事を立てることそのものがキリスト教POVです。
しかしながら、キリスト教中心視点でイスラームを眺めた時に立ち現れてくる何かでしかないものでも、そのような見方があって、様々に言及されている以上、記事としての単独立項要件は満たしていると思います。その上で、様々な名前のものを様々な名前で立項するのではなく、この記事にまとめるならば、それは具体的な「もの」についての記事ではなく、「研究上の概念」として描写するものになるだろうと思います(例えば日本の染織工芸世界の一体化のような)。このノートで挙がっているネット上のPDFの他に、小牧幸代「預言者ムハンマドの遺品信仰 南アジア・イスラーム世界の聖遺物」(『民衆のイスラーム スーフィー・聖者・精霊の世界』山川出版社、2008)、大稔哲也「中世エジプト・イスラム社会の参詣・聖墓・聖遺物」(『地中海世界し4 巡礼と民衆信仰』青木書店、1999)を参考に色々考えたのですが、私としては、この記事の名前は「イスラームの聖遺物信仰」(小牧2002、小牧2008に用例あり)がいいのではないかと思います。別の選択肢としては「預言者ムハンマドの御物」(大稔1999、大稔2009に用例あり。ただし、エジプト限定か)として、en:Relics of Muhammadと言語間リンクを一対一で貼る方向もあるかと思います。日本語文献に基づいて書く場合は「イスラームの聖遺物信仰」の方が書きやすくて、記事の成長の見込みとしては、こちらの方がいいと私は思います。「イスラームの聖遺物信仰」と「預言者ムハンマドの御物」の2記事の並立は難しいと思います(結局内容は同じになるので)。「聖遺物 (イスラーム)」では、イスラーム世界に「聖遺物」と呼ばれる「もの」があるという誤解を招く表現で、好ましくないと思います。--Focaccia会話2019年7月25日 (木) 16:42 (UTC)[返信]
コメント ふつう「カトリックの宗教的遺物を指す名詞」だと考えていますが現実的に「遍く宗教の宗教的遺物や概念を指す名詞」としても用いられているので難しいですね。利用者が引きやすいかどうかを考えたとき「他の辞典辞書類では代表項目としてカトリックの聖遺物を中心に説明しながらも、同じ言葉でイスラームや仏教の宗教的遺物も説明している」というのは目安の一つではないかなと。
  • いくつかのジャーナルでもFocacciaさんの仰る「イスラームの聖遺物信仰」でも、結局「聖遺物」という名詞を使わないと「イスラームにおける宗教的遺物」について調べることや、その説明ができないのであれば「認知度が高い」「見つけやすい」(WP:CRITERIA) 面で「聖遺物 (イスラーム)」で良い。
と思う一方で、以前「騎士道 (イスラーム)としてフルーシーヤを説明するような不自然さ」と発言したように(これは「イスラーム世界で様々に呼ばれるものをキリスト教の概念で十把一絡げにし、記事を立てることそのものがキリスト教POVです。」との意見にも通じますが)
とも思っています(今後ムハンマドの遺物(あるいはイスラームの宗教的遺物について)加筆されることが多くなるのかどうか次第とも思いますが)。キリスト教POVに関しては「「聖遺物」は一般名詞だからカトリックのもので占有するな」も「なんでもかんでもキリスト教的文化で説明するな」もあってこれはもうわからんです…。少しだけ調べて分からなかったのですけど、日本語を話すムスリム自身はこういう「バラカを示す物品」を何と呼んでいるのかなと(とか考え出すと「バラカ (イスラーム)」を作って、聖遺物信仰をそこに…と、纏まらないほうにも思いが向いてしまいますが)。--Strangesnow会話2019年7月29日 (月) 06:30 (UTC)[返信]
  • ヘイスティングスの『宗教倫理百科事典』を見てみると、J・A・マカロック「聖遺物 (原始と西洋)」 J. A. MacCulloch, "Relics (Primitive and Western)", James Hastings (ed.), Encyclopædia of Religion and Ethics, Volume X PICTS-SACRAMENTS, Edinburgh: T. & T. CLARK, pp. 650-658. および、ヴィンセント・A・スミス「聖遺物 (東洋)」 Vincent A. Smith, "Relics (Eastern)", James Hastings (ed.), Encyclopædia of Religion and Ethics, Volume X PICTS-SACRAMENTS, Edinburgh: T. & T. CLARK, pp. 658-662.の二項目が立てられていて、後者において、1. 仏教、2. ブラーフマン・ヒンドゥー教、3. ジャイナ教、4. ムハンマド教 1 Buddhism、2 Brahmanical Hinduism、3 Jainism、4 Muhammadanism の聖遺物について説明されています。
  • 大稔哲也「中世エジプト・イスラーム社会の参詣・聖墓・聖遺物」関哲行編『歴史学研究会編『巡礼と民衆信仰〈地中海世界史 4〉』 ISBN 4-250-99070-2、224~261頁。特に「4 聖遺物」(251~257頁)では、イスラム世界における聖遺物について詳細に言及されています。
  • 嶋田裕己『日本人の神はどこにいるか〈ちくま新書 351〉』筑摩書房、2002年6月20日 第一刷発行、ISBN 4-480-05951-2、124頁。には「聖者がふれた石や樹木、あるいは聖者の衣服や道具、髪の毛などが聖遺物として崇拝の対象となることはある。」(「イスラームにもある聖者」) とあります。
  • 竹下政孝「イスラームにおける聖遺物」『イスラームを知る 四つの扉』2013年1月24日 第1刷発行、ISBN 978-4-906791-11-8、の『第2の扉 魔術・科学・習俗』の第三節が「イスラームにおける聖遺物」 (111~123頁)で、「イスラームの聖遺物」「預言者ムハンマドの聖遺物」「権力の正当性の象徴としての聖遺物―外套、軍旗、印章」「御守りとしての聖遺物」から構成されています。
  • 小牧幸代「預言者ムハンマドの遺品信仰 南アジア・イスラーム世界の聖遺物」赤堀雅幸編『民衆のイスラーム スーフィー・聖者・精霊の世界』山川出版社、2008年3月31日 1版1刷 発行、ISBN 978-4-634-47452-9、040~064頁。冒頭でイスラームの聖遺物とは (040~043頁) において語句の説明や定義付けが行われています。小牧幸代「聖なる複製・商品の信仰空間 スラームの聖遺物とフェティシズム」田中雅一編『フェティシズム研究 第2巻 越境するモノ』京都大学学術出版会、2014年2月28日 初版第一刷発行、ISBN 978-4-87698-950-8、219~243頁 では冒頭の「イスラームの聖遺物とは」において語句の説明や定義付けが行われています。同論文では、イスラームの聖遺物信仰、聖遺物グッズ、聖遺物ポスターなどの用語も使用されています。ちなみに、同書の木下彰子「大量生産された神像や宗教画を祀るインドにおけるヒンドゥー教徒の家庭内礼拝をめぐって」(245~249頁) では「ヒンドゥー教の聖遺物」に言及されています。小牧さんの複製化/商品化されるイスラームの聖遺物 南アジア的宗教実践のポストモダン状況?を読めば、イスラームの聖遺物が常に信仰の対象というわけではなく、ヒンドゥー教徒などの観光の対象でもあることがわかります。したがって、"日本語文献に基づいて書く場合は「イスラームの聖遺物信仰」の方が書きやすい"という主張は的外れであり、対象を信仰に限定してしまうことによって、却って書きにくくなってしまうことが分かります。
  • ヤマンラール・水野美奈子「オスマン帝国」『世界美術大全集 東洋編 第17巻』小学館、1999年8月20日 初版第1刷発行、ISBN 4-09-601067-7、258頁では、「預言者ムハンマドの聖遺物を収納する黄金製保管箱」に言及されていますが、かなり限定的なものです。

本項のほかに「ムハンマドの聖遺物」を説明する別項を立てることは妨げませんが、本項の記事名としては、より包括的かつ二次資料に裏打ちされている「聖遺物 (イスラーム)」が最適です。--Takabeg会話2019年8月18日 (日) 13:03 (UTC)[返信]