コンテンツにスキップ

なりきり

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

2024年2月14日 (水) 07:00; Sh0ou (会話 | 投稿記録) による版 (関連項目)(日時は個人設定で未設定ならUTC

(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)

なりきりとは、特定のキャラクターに扮し言動や行動、あるいは文章などを用いて行う遊び・手法のことである。

自身あるいは他人が設定した「キャラクター」の立ち位置でなりきって考え、台詞と描写や行動・心情などを通じ、その考えや言動・行動を相手に伝え、それに相手が反応するというコミュニケーションが必要とされる。複数人で行うほか、一人二役で行う場合もある。

ロールプレイとも呼ばれるほか、これを更に若者言葉で短縮表記して「ロル」と表記する事もある。 演劇や娯楽として用いられるほか、企業の研修目的で用いられることもある[1]

ジャンルとしてPBeM (Play by e-Mail) ・PBB (Play By BBS)・PBC (Play By chat) と利用する媒体、ノーマル (NL) ・百合BLといった性愛指向、学園・街・ファンタジー・発展場などの舞台など、様々に分類され多種多様にある。

歴史

[編集]

「即興演劇」を基に、1920年代に『なりきり』として療法として確立した手法が元となっている[要出典]。ここから『なりきり』という学習方法が確立する。1974年に『TRPG』が誕生し、そこからシステムやルールによる制約を取り払い、「なりきり遊び」として派生した。

1980年代からBBSを利用した「なりきり遊び」があったとされる[要出典]

遊びとしての「なりきり」も幅広く、海外までを含めると今でも現実で行う『なりきり』が最も多く、インターネットを利用した遊び方はその一部でしかない。今でも古くからある手紙や電話でも行われる事や、LARP(Live Action Role Playing)[2]という遊び方も存在し、海外では数千人規模のイベントが開催され、現在はドイツの学校の授業でも取り入れられている[要出典]。漫画『ゴルゴ13』にもこの手法が用いられた回が存在する[3]

娯楽としてのなりきり

[編集]

なりきり遊びをする際には「どんなキャラクターなのか?」とキャラクターを設定して遊ぶ。

既存の漫画アニメゲームのキャラクターあるいは実在の有名人をキャラクターとして利用するほか、動物や機械といった人間以外のものに扮して遊ぶこともある。

既存の作品に登場するキャラクターを利用する事を『版権なりきり』、利用しない事を『創作なりきり』と分ける人もいるが、前者もしている事は『二次創作』なので須らく『創作活動』と言える。また前者は第三者が著作権などを持つ作品のキャラクターを利用して二次創作活動するのだが、度々、元の作品のイメージとは外れたり禁止されれている二次創作利用があるため、同人誌などと同じように問題視される事がある[4]

記述方法に明確な規定は存在しないが、キャラクターの直接の発言は引用符の外に、描写や行動・心情は引用符の内側に記されることが多い。また、キャラクターを扱う者が相手との相談や確認をする場合は、/で区切って本人の発言を記したり、【】などの括弧内に補足情報を記すこともある。

種類

[編集]

掲示板におけるなりきり

[編集]

便宜上、ここでは"なりきり"を行っていない参加者を「一般参加者」と記述する。

参加者全員がキャラクターになりきるか、特定の人物のみがキャラクターになりきり、一般参加者がキャラクターに質問レスをつけ、それにキャラクターが返答レスをつけていく事によって進行する。またスレッドフロート型掲示板の場合、キャラクター1人が1つのスレッドを持つこともあれば、「○○(作品名或いはジャンル名)総合」という形で、あるジャンルや作品に出てくるキャラクター複数がスレッドを持つこともある。スレッド型掲示板においても、一般の参加者(名無し)が、キャラクターに対し質問レスをつけ、キャラクターが返答レスをつけていく形で進行する。

2ちゃんねるに「キャラネタ板」、「なりきりネタなんでもあり板」(「なな板」)という専門の板がある。また、同じ2ちゃんねる内の他板にもなりきりスレがある。なお「キャラネタ板」は既存の作品(著作権が発生する)キャラクターを忠実に再現するなりきりであり、「なりきりネタなんでもあり板」は個人が創作したキャラクター・無生物等を含む縛りの緩いなりきりが中心である。稀に、実在人物のなりきりも見られるが、通常、本人だと騙るなりすまし/なりとは区別される。

チャットにおけるなりきり

[編集]

「なりチャ」(なりきりチャット)と略されることがある。参加者は自身が創作したキャラクターや、既存の作品(ゲームや漫画、アニメなど)に登場するキャラクターになりきって楽しむ。

既存の作品のキャラクターになりきるチャットは、作品の著作権(出版権)のキャラクターを利用していることから「版権なりチャ」「キャラ茶」「版権チャ」と呼ぶ事もある。

同じジャンルや作品のキャラクター同士で会話をするほか、異なるジャンルや作品の登場人物をクロスオーバーさせて楽しむ事もある。

メールによるなりきり

[編集]

基本的には同じ作品において参加者を募り、配役を決め、メーリングリスト等を作る形で進められる。1対1によるメールでなりきりを楽しむ場合もある。「なりメ」(なりきりメール)、「個メ」などと略されることもある。

SNSによるなりきり

[編集]

特定のキャラクターを模したSNSアカウントを作成し、キャラの性格やプロフィールを基にセリフを考えて投稿する。他にも共通の趣味を持つ仲間とグループ内で関連のある投稿をして楽しむ。

脚注

[編集]
  1. ^ ロールプレイ学習とは何か?代表的なタイプと進め方 – 講師派遣型研修の経営ソリューション – JMA”. solution.jma.or.jp. 2023年8月21日閲覧。
  2. ^ 管理者 (2021年1月30日). “LARPとは?”. レイムーンLARP. 2023年8月21日閲覧。
  3. ^ ゴルゴ13:第288話『ドイツはひとつ』のみどころ | おすすめ漫画のみどころをご紹介~劇画 Bombs away!”. onihei-fan.com (2021年7月22日). 2023年8月21日閲覧。
  4. ^ 二次創作やパロディは法律違反? 著作権法違反となる行為を弁護士が解説”. ベリーベスト法律事務所 船橋オフィス. 2023年8月22日閲覧。

関連項目

[編集]