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エララ (衛星)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エララ
(エラーラ)
Elara
2009年10月21日に撮影されたエララの画像。この画像では16.8等級で写っている。
2009年10月21日に撮影されたエララの画像。この画像では16.8等級で写っている。
仮符号・別名 Jupiter VII, J 7
Hera
分類 不規則衛星
軌道の種類 ヒマリア群
発見
発見日 1905年1月2日[1][2]
発見者 C. パーライン
軌道要素と性質
平均公転半径 11,740,000 km[3][4]
近木点距離 (q) 9,305,000 km
遠木点距離 (Q) 14,169,000 km
離心率 (e) 0.22[3]
0.2108[5]
公転周期 (P) 259.64 日 (0.708 年)[3]
軌道傾斜角 (i) 26.63° (黄道面)
30.66° (木星の赤道面)[3]
木星の衛星
物理的性質
直径 86 km[6]
質量 8.7 ×1017 kg
木星との相対質量 4.581 ×10−10
平均密度 2.6 g/cm3 (仮定値)[6]
表面重力 0.031 m/s2
(0.003 G)
脱出速度 ~0.052 km/s
自転周期 ~0.5 日 (~12 時間)[7]
アルベド(反射能) 0.04 (仮定値)[6]
表面温度 ~124 K
Template (ノート 解説) ■Project

エララ[8][9](Jupiter VII Elara)は、木星の第7衛星。木星の不規則衛星に分類される。また、ヒマリア群という衛星の集団に属している。木星の衛星の中では8番目に大きい。

発見

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1905年チャールズ・ディロン・パーラインリック天文台で発見した。前年に同じくパーラインが発見した木星の衛星ヒマリアの追加観測の最中に、1月2日以降に撮影されたネガにヒマリアよりさらに暗い天体として写っているのが発見された[2]。その後2月21日と22日の観測で、この天体が木星を公転する天体であることが確認された[2]。なお発見日に関しては、1905年1月5日とする記述もある[4]

名称

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名前はゼウスの愛人の1人であり、ティテュオスを産んだエラレーに因んで名付けられた。発見以降長い間に渡って命名されておらず、正式に命名されたのは1975年で、それ以前はJupiter VIIとして知られていた[10]。1955年にブライアン・マースデンが提案したヘラという名前が使われることもあったが[11][12]、これは最終的には採用されなかった。この他にも、複数の名称案が提案されていた[12]

物理的特徴

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エララの等級は 16.3 であり[6][13]アルベドを 0.04 と仮定した場合の半径は 43 km と推定される。これはヒマリアのおよそ半分に相当し、ヒマリア群の衛星の中では2番目に大きい[4]。推定されるアルベドが低いことを考えると、エララは木星の重力に捕獲されたC型D型小惑星の可能性があると考えられている[4]

2007年2月から3月にかけて、冥王星探査機ニュー・ホライズンズが木星をフライバイした際に、探査機に搭載されている望遠カメラの LORRI によって数枚の画像が撮影された[7]。この観測からは、エララの自転周期が 12 時間であることが分かっている。

出典

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  1. ^ Perrine, C. D. (1905-02-27). “Satellites of Jupiter”. Harvard College Observatory Bulletin 178. https://adsabs.harvard.edu//full/seri/BHarO/0178//0000001.000.html. 
  2. ^ a b c Perrine, C. D. (1905). “The Seventh Satellite of Jupiter”. Publications of the Astronomical Society of the Pacific 17 (101): 62–63. Bibcode1905PASP...17...56.. doi:10.1086/121624. JSTOR 40691209. 
  3. ^ a b c d Jacobson, R. A. (2000). “The Orbits of the Outer Jovian Satellites”. Astronomical Journal 120 (5): 2679-2686. Bibcode2000AJ....120.2679J. doi:10.1086/316817. https://doi.org/10.1086/316817. 
  4. ^ a b c d In Depth | Elara – Solar System Exploration: NASA Science”. Solar System Exploration: NASA Science. アメリカ航空宇宙局 (2017年12月5日). 2018年11月13日閲覧。
  5. ^ Jet Propulsion Laboratory (2013年8月23日). “Planetary Satellite Mean Orbital Parameters”. Jet Propulsion Laboratory Solar System Dynamics. ジェット推進研究所. 2018年11月13日閲覧。
  6. ^ a b c d Planetary Satellite Physical Parameters”. ジェット推進研究所 (Solar System Dynamics). 2009年8月10日閲覧。
  7. ^ a b Hamilton, Thomas Wm. (2013). Moons of the solar system. Strategic Book Publishing. p. 21. ISBN 1625161751. https://books.google.com/books?id=wg4ELSuruqQC&pg=PA21 
  8. ^ 太陽系内の衛星表”. 国立科学博物館. 2019年3月8日閲覧。
  9. ^ 『オックスフォード天文学辞典』(初版第1刷)朝倉書店、58頁。ISBN 4-254-15017-2 
  10. ^ Marsden, Brian G. (1975年10月7日). “Satellites of Jupiter”. 国際天文学連合. 2018年11月13日閲覧。
  11. ^ Marsden, Brian (1955). “Satellite Nomenclature”. Journal of the British Astronomical Association 65: 308–310. 
  12. ^ a b Owen, Tobias (1976-09). “Jovian Satellite Nomenclature”. Icarus 29 (1): 159–163. Bibcode1976Icar...29..159O. doi:10.1016/0019-1035(76)90113-5. 
  13. ^ Rettig, T. W.; Walsh, K.; Consolmagno, G. (2001-12). “Implied Evolutionary Differences of the Jovian Irregular Satellites from a BVR Color Survey”. Icarus 154 (1): 313-320. Bibcode2001Icar..154..313R. doi:10.1006/icar.2001.6715. 

外部リンク

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