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コンパニオン・オブ・オナー勲章

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
コンパニオン・オブ・オナー勲章
種別 騎士団勲章
標語 In Action Faithful and in Honour Clear
創設者 ジョージ5世
対象 コモンウェルス域内の存命人物
状態 存続
主権者 チャールズ3世
歴史・統計
人数 定数65名(外国人受章者は定数外)
略綬

コンパニオン・オブ・オナー勲章(コンパニオン・オブ・オナーくんしょう、Order of the Companions of Honour)は、英連邦王国勲章オーダー、騎士団勲章)である。1917年6月4日イギリス国王ジョージ5世によって、優れた業績に対する褒賞として、大英帝国勲章と共に創設された[1][2]。この勲章は元々、この特別な区分が最も適切であると認められる限られた数の人物に授与されることが意図されており、称号の承認や功績の分類とは切り離された名誉を構成するものである[1]。現在では、「芸術、科学、医学、行政の分野における長期に渡る大きな貢献をした人物」に授与することと規定されている[3]。最初の叙勲はいずれも第一次世界大戦に関する功労に対するものであり、『ロンドン・ガゼット』紙に掲載された[4]

構成

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コンパニオン・オブ・オナー勲章を首にかけたカナダ総督のトゥイーズミュア男爵ジョン・バカン

コンパニオン・オブ・オナー騎士団は、騎士団の主権者(Sovereign)である連合王国の君主と、最大65人の会員で構成される。さらに、英連邦王国の領域外の外国人または英連邦市民を名誉会員として加えることができる。会員の階級は1階級のみであり、連合王国の君主のみが、この騎士団の主権者として会員を任命することができる。叙勲に伴って称号や席次が与えられることはないが、"CH"のポスト・ノミナル・レターズを使用することができる。

一般に、叙勲は英連邦王国首相の助言によって行われる[2]。カナダ国民の場合、君主への助言は官僚が行うことができる[5]。当初は50人だったが、1943年に65人に拡張され、イギリス45人、オーストラリア7人、ニュージーランド2人、南アフリカ2人、その他9人の枠が設けられた。1970年にイギリス47人、オーストラリア7人、ニュージーランド2人、その他9人となった。1975年には、ニュージーランド4人、その他7人に改められた[6]

オーストラリア内閣は、現在でも授章候補者を推薦することはできるものの、他のオーストラリア国内の栄誉より優先してこの勲章を自国の国民に授与することを事実上停止している。最後に授与されたオーストラリア国民はダグ・アンソニー英語版であり、2020年12月20日に死去した[7]。その他の英連邦諸国からの推薦は継続して行われており、2018年にはニュージーランドのソプラノ歌手のキリ・テ・カナワに、2019年にはカナダの作家のマーガレット・アトウッドに対して叙勲された。

徽章

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コンパニオン・オブ・オナー勲章の徽章は、青い楕円形の縁の中に、オークの木、イギリスの国章の入った盾、鎧を着た騎士が刻まれた長方形のパネルが入っており、楕円形の縁の上に王冠が載っている。楕円形の縁には金色で"IN ACTION FAITHFUL AND IN HONOUR CLEAR"という文言が書かれている。これは、アレキサンダー・ポープジェームズ・クラッグスに宛てた手紙から引用したもので、ウェストミンスター寺院のクラッグスの記念碑に刻まれている。男性は赤地に金色の縁取りをしたリボンで首にかけ、女性は左肩にかけたリボンに徽章を付ける。

現在の会員

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会員番号[n 1] 名前 ポストノミナル 職業 授与年月日 年齢
1 (267) イギリスの旗 テビット男爵ノーマン・テビット英語版 CH, PC 政治家 1987年7月31日 93
2 (270) イギリスの旗 ドーキングのベイカー男爵ケネス・ベイカー英語版 CH, PC 政治家 1992年4月13日 90
3 (271) イギリスの旗 サットン・マンデビルのブルック男爵ピーター・ブルック英語版 CH, PC 政治家 1992年4月13日 90
4 (278) イギリスの旗 ブリッジウォーターのキング男爵トーマス・キング英語版 CH, PC 政治家 1992年4月13日 91
5 (282) イギリスの旗 デイム・ジャネット・ベイカー CH, DBE オペラ歌手 1993年12月31日 91
6 (287) イギリスの旗 オーウェン男爵デイヴィッド・オーウェン CH, PC 政治家 1994年6月11日 86
7 (289) イギリスの旗 サー・デイビッド・アッテンボロー OM, GCMG, CH, CVO, CBE 放送司会者、博物学者 1995年12月30日 98
8 (291) イギリスの旗 ウェストウェルのハード男爵ダグラス・ハード CH, CBE, PC 政治家 1995年12月30日 94
9 (294) イギリスの旗 デイヴィッド・ホックニー OM, CH 芸術家 1997年6月14日 87
10 (296) イギリスの旗 ヘーゼルタイン男爵マイケル・ヘーゼルタイン CH, PC 政治家 1997年8月2日 91
11 (297) イギリスの旗 バーンズのパッテン男爵クリストファー・パッテン CH, PC 政治家、元香港総督 1997年12月31日 80
12 (299) イギリスの旗 サー・ジョン・メージャー KG, CH, PC イギリス首相 1998年12月31日 81
13 (300) イギリスの旗 ブリジット・ライリー CH, CBE 芸術家 1998年12月31日 93
14 (305) カナダの旗 ジョン・ド・シャステレン CC, CMM, CH, CD カナダ陸軍将校、外交官 1998年12月31日 87
15 (317) イギリスの旗 ダン・マッケンジー CH, FRS 地球物理学者 2003年6月14日 82
16 (318) イギリスの旗 デイビッド・ハネイ英語版 GCMG, CH 外交官 2003年6月14日 79
17 (320) イギリスの旗 デイム・ジュディ・デンチ CH, DBE 女優 2005年6月11日 89
18 (321) イギリスの旗 サー・イアン・マッケラン CH, CBE 俳優 2007年12月31日 85
19 (323) イギリスの旗 ラインプネのハワード男爵マイケル・ハワード CH, PC, KC 政治家 2011年6月11日 83
20 (324) イギリスの旗 クックハムのヤング男爵ジョージ・ヤング英語版 CH, PC 政治家 2012年9月20日 83
21 (325) イギリスの旗 コー男爵セバスチャン・コー CH, KBE, Hon FRIBA 政治家、アスリート、ロンドンオリンピック組織委員会会長 2012年9月29日 68
22 (326) イギリスの旗 ピーター・ヒッグス CH, FRS 物理学者 2012年9月29日 95
23 (327) イギリスの旗 ストラスクライド男爵トマス・ガルブレイス CH, PC 政治家 2013年1月7日 64
24 (328) イギリスの旗 ピッテンウィームのキャンベル男爵ミンギス・キャンベル英語版 CH, CBE, PC, KC 政治家 2013年6月15日 83
25 (329) イギリスの旗 サー・ニコラス・セロタ英語版 CH キュレーター 2013年6月15日 78
26 (331) イギリスの旗 ベンガーブのオニール女男爵オノラ・オニール CH, CBE, FBA, FRS, FMedSci 哲学者 2013年12月31日 83
27 (332) イギリスの旗 デイム・マギー・スミス CH, DBE 女優 2014年6月14日 89
28 (333) イギリスの旗 ノッティンガムのクラーク男爵ケネス・クラーク英語版 CH, PC, KC 政治家 2014年7月22日 84
29 (336) イギリスの旗 メアリー・ピーターズ LG, CH, DBE, DStJ アスリート 2015年1月1日 85
30 (339) イギリスの旗 ウルフ男爵ハリー・ウルフ英語版 CH, PC, FBA, FMedSci 裁判官 2015年6月12日 91
31 (341) イギリスの旗 サー・ロイ・ストロング英語版 CH, FRSL 美術史家、美術館長 2016年1月1日 89
32 (343) イギリスの旗 ケルヴィンのスミス男爵ロバート・スミス英語版 KT, CH 実業家 2016年6月11日 80
33 (344) イギリスの旗 アモス女男爵ヴァレリー・アモス英語版 LG, CH, PC 政治家、外交官 2016年6月11日 70
34 (345) イギリスの旗 ジョージ・オズボーン CH, PC 政治家、元財務大臣 2016年8月4日 53
35 (347) イギリスの旗 サー・リチャード・エアー CH, CBE 映画監督 2016年12月31日 81
36 (348) イギリスの旗 デイム・エヴェリン・グレニー CH, DBE 音楽家 2016年12月31日 59
37 (349) イギリスの旗 サー・アレック・ジェフリーズ CH, FRS 遺伝学者 2016年12月31日 74
38 (353) イギリスの旗 サー・マーク・エルダー CH, CBE 指揮者 2017年6月17日 77
39 (355) イギリスの旗 サー・ポール・マッカートニー CH, MBE 音楽家 2017年6月17日 82
40 (356) イギリスの旗 J・K・ローリング CH, OBE 著述家 2017年6月17日 59
41 (357) イギリスの旗 デイム・ステファニー・シャーリー CH, DBE, FREng 起業家、慈善家 2017年6月17日 91
42 (358) イギリスの旗 デリア・スミス英語版 CH, CBE 料理人、著述家 2017年6月17日 83
43 (359) イギリスの旗 ブレントフォードのスターン男爵ニコラス・スターン CH, FRS, FBA 経済学者 2017年6月17日 78
44 (361) イギリスの旗 ブラッグ男爵メルヴィン・ブラッグ英語版 CH, FRS, FBA, FRSL 放送司会者 2017年12月30日 85
45 (362) イギリスの旗 レディ・アントニア・フレーザー CH, DBE, FRSL 著述家 2017年12月30日 92
46 (363) カナダの旗 マーガレット・マクミラン OM, CC, CH 歴史学者 2017年12月30日 80
47 (364) イギリスの旗 リチャード・ヘンダーソン CH, FRS, FMedSci 生物学者 2018年6月9日 79
48 (365) ニュージーランドの旗 デイム・キリ・テ・カナワ ONZ, CH, DBE, AC オペラ歌手 2018年6月9日 80
49 (366) カナダの旗 マーガレット・アトウッド CC, OOnt, CH, FRSC, FRSL 著述家 2018年12月29日 84
50 (367) イギリスの旗 マクローリン男爵パトリック・マクローリン英語版 CH, PC 政治家 2019年9月10日 67
51 (368) イギリスの旗 サー・エルトン・ジョン CH, CBE 音楽家 2019年12月28日 77
52 (369) イギリスの旗 サー・キース・トーマス英語版 CH, FBA, FLSW, FRHistS 歴史学者 2019年12月28日 91
53 (370) イギリスの旗 サー・ポール・スミス CH, CBE, RDI ファッションデザイナー 2020年10月10日 78
54 (371) イギリスの旗 サー・デイヴィッド・チッパーフィールド CH, CBE, RA, RDI, RIBA 建築家 2020年12月31日 70
55 (372) イギリスの旗 サー・ポール・ナース OM, CH, FRS, FMedSci, HonFREng, HonFBA, 遺伝学者 2021年12月31日 75
56 (373) イギリスの旗 バーケンヘッドのフィールド男爵フランク・フィールド英語版 CH, PC, DL 政治家 2021年12月31日 82
57 (374) イギリスの旗 サー・クェンティン・ブレイク CH, CBE, FCSD, FRSL, RDI イラストレーター 2022年6月1日 91
58 (375) イギリスの旗インドの旗 サー・サルマン・ラシュディ CH, FRSL 著述家 2022年6月1日 77
59 (376) イギリスの旗 デイム・マリナ・ワーナー英語版 CH, DBE, FRSL, FBA 著述家 2022年6月1日 78
60 (377) イギリスの旗 サー・マイケル・マーモット CH, FRCP, FFPM, FMedSci, FBA 学者 2022年12月31日 79
61 (-) 2022年7月2日のピーター・ブルックの死後、空位
62 (-) 2022年7月26日のジェームズ・ラブロックの死後、空位
63 (-) 2022年12月8日のグラフアムのヤング男爵デイビッド・ヤング英語版の死後、空位
64 (-) 2022年12月10日のデイム・ベリル・グレイの死後、空位
65 (-) 2023年4月13日のデイム・マリー・クヮントの死後、空位

名誉会員

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会員番号[n 1] 名前 ポストノミナル 職業 授与年月日 年齢
1 (261) インドの旗 アマルティア・セン CH, FBA 経済学者 2000年5月11日 91

脚注

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注釈

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  1. ^ a b 括弧内は創設以来の授与順

出典

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  1. ^ a b “A New Order”. The Times: p. 7. (25 August 1917). http://www.thetimes.co.uk/tto/archive/article/1917-08-25/7/12.html 
  2. ^ a b The Monarch of the Today > Queen Ann arbor to the new one w public > Honours > Companions of Honour”. Royal.gov.uk. 23 December 2011時点のオリジナルよりアーカイブ。3 December 2011閲覧。
  3. ^ The honours system: Types of honours and awards”. UK Government (22 August 2016). 31 August 2016閲覧。
  4. ^ "No. 30250". The London Gazette (Supplement) (英語). 24 August 1917. p. 8799.
  5. ^ McCreery, Christopher (2005a). The Canadian Honours System. Toronto: Dundurn Press. p. 100. ISBN 978-1-55002-554-5. https://books.google.com/books?id=eQZ-db0k1jAC&q=The%20Canadian%20Honours%20System&pg=PA1 
  6. ^ Rayment, Leigh. “Companions of Honour”. 26 September 2008時点のオリジナルよりアーカイブ。7 December 2013閲覧。
  7. ^ Barbour, Lucy (20 December 2020). “Doug Anthony, former Nationals leader and deputy prime minister, dies aged 90”. ABC News (Australia). https://www.abc.net.au/news/2020-12-20/former-deputy-prime-minister-doug-anthony-dies/12590524 20 December 2020閲覧。