向田邦子賞
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向田邦子賞(むこうだ くにこ しょう)は、優れたテレビドラマの脚本作家に与えられる賞。主催は『週刊TVガイド』の東京ニュース通信社。
1981年8月22日に亡くなった脚本家で直木賞作家の向田邦子(代表作に『寺内貫太郎一家』『阿修羅のごとく』など)の業績を称え、1982年に制定された。
4月1日から翌年3月31日までに放送されたテレビドラマ作品(基本的にオリジナル脚本)をノミネートし、翌年4月中旬に選考委員会を開き、その年度の年間賞となる作品を選考する。
対象となる作品の脚本が優れているかが選考基準ではあるが、賞の授与対象はあくまでもその脚本を著した作家である。
受賞作品
[編集]- 第1回(1982年度) - 市川森一 『淋しいのはお前だけじゃない』(TBS)
- 第2回(1983年度) - 山田太一 『日本の面影』(NHK)
- 第3回(1984年度) - 池端俊策 『私を深く埋めて』(TBS)、『羽田浦地図』(NHK)、『危険な年ごろ』(日本テレビ)
- 第4回(1985年度) - 早坂暁 『花へんろ・風の昭和日記』(NHK)
- 第5回(1986年度) - 寺内小春 『麗子の足』(TBS)、『イキのいい奴』(NHK)
- 第6回(1987年度) - 田向正健 『橋の上においでよ』(NHK)
- 第7回(1988年度) - 黒土三男 『とんぼ』(TBS)、『うさぎの休日』(NHK)
- 第8回(1989年度) - 中島丈博 『恋愛模様』『海照らし』『幸福な市民』(いずれもNHK)
- 第9回(1990年度) - 山田信夫 『去っていく男』(フジテレビ)
- 第10回(1991年度) - 冨川元文 『二本の桜』(NHK)、『結婚しない女達のために』(日本テレビ)
- 第11回(1992年度) - 松原敏春 『家族日和'93』(テレビ朝日)
- 第12回(1993年度) - 岩間芳樹 『定年、長い余白』(TBS)
- 第13回(1994年度) - 鎌田敏夫 『29歳のクリスマス』(フジテレビ)
- 第14回(1995年度) - 筒井ともみ 『響子』(TBS)、『小石川の家』(テレビ東京)
- 第15回(1996年度) - 大石静 『ふたりっ子』(NHK)
- 第16回(1997年度) - 金子成人 『魚心あれば嫁心』(テレビ東京)、『終わりのない童話』(TBS)
- 第17回(1998年度) - 野沢尚 『結婚前夜』(NHK)、『眠れる森』(フジテレビ)
- 第18回(1999年度) - 北川悦吏子 『ビューティフルライフ』(TBS)
- 第19回(2000年度) - 大森寿美男 『泥棒家族』(日本テレビ)、『トトの世界』(NHK)
- 第20回(2001年度) - 岡田惠和 『ちゅらさん』(NHK)
- 第21回(2002年度) - 倉本聰 『北の国から2002遺言』(フジテレビ)
- 第22回(2003年度) - 木皿泉 『すいか』(日本テレビ)
- 第23回(2004年度) - 大森美香 『不機嫌なジーン』(フジテレビ)
- 第24回(2005年度) - 遊川和彦 『女王の教室』(日本テレビ)
- 第25回(2006年度) - 井上由美子 『マチベン』(NHK)
- 第26回(2007年度) - 坂元裕二 『わたしたちの教科書』(フジテレビ)
- 第27回(2008年度) - 古沢良太 『ゴンゾウ 伝説の刑事』(テレビ朝日)
- 第28回(2009年度) - 該当者なし
- 第29回(2010年度) - 宮藤官九郎 『うぬぼれ刑事』(TBS)
- 第30回(2011年度) - 岩井秀人 『生むと生まれる それからのこと』(NHK)
- 第31回(2012年度) - 中園ミホ 『はつ恋』(NHK)、『Doctor-X 外科医・大門未知子』(テレビ朝日)
- 第32回(2013年度) - 森下佳子 『ごちそうさん』(NHK)
- 第33回(2014年度) - 前田司郎 『徒歩7分』(NHK)
- 第34回(2015年度) - 藤本有紀『ちかえもん』(NHK)
- 第35回(2016年度) - 矢島弘一『毒島ゆり子のせきらら日記』(TBS)
- 第36回(2017年度) - バカリズム『架空OL日記』(読売テレビ)[1]
- 第37回(2018年度) - 野木亜紀子『獣になれない私たち』(日本テレビ)[2]
- 第38回(2019年度) - 金子茂樹『俺の話は長い』(日本テレビ)[3]
- 第39回(2020年度) - 橋部敦子『モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜』(テレビ朝日)[4]
- 第40回(2021年度) - 吉田恵里香『恋せぬふたり』(NHK)[5]
- 第41回(2022年度) - 三谷幸喜『鎌倉殿の13人』(NHK)[6]
- 第42回(2023年度) - 源孝志『グレースの履歴』(NHK BSプレミアム)[7]
選考委員
[編集]※過去を含む。
原作付きの受賞作
[編集]先述の通り原則としてオリジナル脚本がノミネート対象となるが、原作付きの受賞作が皆無というわけではない。原作付きの受賞作としては、第5回の『イキのいい奴』(師岡幸夫のエッセイ『神田鶴八鮨ばなし』が原作)、第9回の『去っていく男』(内海隆一郎の同名短編小説が原作)、第14回の『小石川の家』(青木玉の同名随筆が原作で、幸田文の随筆『父』『みそっかす』のエピソードも混ぜている)、第19回の『トトの世界』(さそうあきらの同名漫画が原作)、第36回の『架空OL日記』(受賞者のバカリズム本人が執筆した同名書籍が原作)、第42回の『グレースの履歴』(受賞者の源孝志本人が執筆した同名書籍が原作) がある。また、第14回の『響子』及び第16回の『終わりのない童話』は、向田邦子の小説が原案となっている。
出典
[編集]- ^ “バカリズムが向田邦子賞受賞 「架空OL日記」脚本で”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2018年4月3日) 2018年4月4日閲覧。
- ^ 『野木亜紀子氏が第37回(2018年度)向田邦子賞に決定!』(プレスリリース)東京ニュース通信社、2019年4月2日 。2019年4月3日閲覧。
- ^ 『金子茂樹氏が第38回(2019年度)向田邦子賞に決定!』(プレスリリース)株式会社東京ニュース通信社、2020年4月7日 。2021年4月6日閲覧。
- ^ 『橋部敦子氏が第39回(2020年度)向田邦子賞に決定!』(プレスリリース)株式会社東京ニュース通信社、2021年4月6日 。2021年4月6日閲覧。
- ^ “第40回向田邦子賞”. 東京ニュース通信社. 2022年4月5日閲覧。
- ^ “第41回向田邦子賞”. 東京ニュース通信社. 2023年4月4日閲覧。
- ^ “第42回向田邦子賞”. 東京ニュース通信社. 2024年4月25日閲覧。
外部リンク
[編集]- 向田邦子賞 - 東京ニュース通信社 公式サイト内