チューベローズ

チューベローズ
	John Simsによるイラスト
分類（APG III）
学名
	Polianthes tuberosa L.
和名
	チューベローズ; ゲッカコウ; オランダズイセン
英名
	tuberose

チューベローズ（月下香^[4]、英: tuberose、学名: Polianthes tuberosa）は、リュウゼツラン亜科の多年草。ゲッカコウ（月下香）、オランダズイセン（和蘭水仙）とも呼ばれる。種小名はラテン語で「ふくらんだ、塊根状の」を意味し、球根を形成することに由来する。「チューベローズ」はその英語読みである。

特徴

原産地はメキシコで^[2]、同属植物は12種ある。晩春に鱗茎から発芽し、披針形の葉は、根生葉が数枚、茎を抱く葉が十枚前後ある。草丈1mくらいになり、8月頃に、白い6弁花20 - 30輪からなる穂状花序をつける。花穂は45cmくらいになり、香りがよく、複雑でエキゾチックな甘いフローラル系で、とくに夜間は香りが強い。園芸種は八重咲きのものが多いが、一重咲きの方が香り高い。戦中に李香蘭や渡辺はま子が唄ってヒットした中国曲の「夜来香」の花がチューベローズであると言われたことがあったが、実際は別種の植物で、月下香（げっかこう）という和名もあったが、今は使われていない。抽出物を香水のトップノートに用いるために、ハワイや熱帯アジアなどで栽培されている。ヴィクトリア朝時代のハワイでは葬式用の花とされていたほか、その後もレイや宗教行事用に用いられている。

栽培

球根が30g以上あるものでないと開花しないので、なるべく立派で病害虫がついていない球根を選ぶ。比較的丈夫な草花で、花を咲かせるためだけなら、水捌けや日当たりが良いところなら十分育つ。株間は30cmくらいにし、球根に10cmくらい土がかぶるくらいに植える。花の後に塊茎が分球するが、八丈島など冬の遅い地域を除き、球根が充実する前に冬が来てしまうため、翌年も作りたい場合は、新しい球根を買った方がよい。

画像

チューベローズの種子
チューベローズの球根
チューベローズのつぼみ
チューベローズの花

脚注

^ ^a ^b ^c シャーロット・テイラー＋ロイ・ジロー「リュウゼツラン」『週刊朝日百科植物の世界105 ヤマノイモアロエ』岩槻邦男ら監修、朝日新聞社、1996年4月28日、9-275頁。
^ ^a ^b “Polianthes tuberosa”. GRIN. 2012年8月14日閲覧。
^ ^a ^b ^c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Polianthes tuberosa L.”. BG Plants 和名−学名インデックス（YList）. 2021年9月7日閲覧。
^ 富益良一; 田中万逸「花園」『実用園芸全書:蔬菜・果樹・花卉・盆栽』実業之日本社、1911年、423頁。

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[ASAHI-P-Pt-1] シャーロット・テイラー＋ロイ・ジロー「リュウゼツラン」『週刊朝日百科植物の世界105 ヤマノイモアロエ』岩槻邦男ら監修、朝日新聞社、1996年4月28日、9-275頁。

[grin-2] “Polianthes tuberosa”. GRIN. 2012年8月14日閲覧。

[YList-3] 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Polianthes tuberosa L.”. BG Plants 和名−学名インデックス（YList）. 2021年9月7日閲覧。

[4] 富益良一; 田中万逸「花園」『実用園芸全書:蔬菜・果樹・花卉・盆栽』実業之日本社、1911年、423頁。

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