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気仙町 (陸前高田市)

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日本 > 岩手県 > 陸前高田市 > 気仙町 (陸前高田市)
気仙町
奇跡の一本松
気仙町の位置(岩手県内)
気仙町
気仙町
気仙町の位置
北緯39度0分6.735秒 東経141度36分24.515秒 / 北緯39.00187083度 東経141.60680972度 / 39.00187083; 141.60680972
日本
都道府県 岩手県
市町村 陸前高田市
面積
 • 合計 16.85 km2
人口
(2021年9月30日時点[1]
 • 合計 1,929人
郵便番号
029-2204[2]
市外局番 0192(大船渡MA[3]
ナンバープレート 岩手

気仙町(けせんちょう)とは、岩手県陸前高田市の地名。郵便番号は029-2204。住民基本台帳によると2021年9月30日の住民は1,929人、世帯数は799世帯である[1]

地理

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東は高田町と、北西は矢作町と、南西は気仙沼市唐桑町釜石下と接する。

かつての城下町であって商業・農業地域である今泉地域と漁業・農業地域である長部地域の二つに集落・地域が分かれる。

河川

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小字

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域内の小字は以下の通りである[4]

  • 愛宕下
  • 荒川
  • 荒川沢
  • 丑沢:気仙隕石が落下したことでしられる[5]
  • 内野
  • 小渕
  • 上長部
  • 川口
  • 神崎
  • 木場
  • 古谷
  • 三本松
  • 双六
  • 砂盛
  • 田の浜
  • 垂井ヶ沢
  • 月山
  • 土手影
  • 中井
  • 中ヶ谷
  • 中瀬
  • 中堰
  • 長洞
  • 奈々切
  • 二日市
  • 福伏(ふっぷし)[6]
  • 牧田
  • 町裏
  • 水上
  • 的場
  • 要谷(ようがい)[7]

歴史

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施設

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地図
About OpenStreetMaps
Maps: terms of use
1.5 km
8
7
6
5
4
3
2
1
域内にある施設の略地図
1
大船渡警察署気仙駐在所
2
陸前高田市立気仙小学校
3
旧陸前高田市立気仙中学校
4
要谷漁港
5
長部漁港
6
道の駅高田松原
7
高田松原
8
奇跡の一本松

交通

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鉄道

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域内に鉄道駅はないが、代わりにBRTの停留所(後述)が存在する。

なお、最寄駅は盛駅三陸鉄道リアス線岩手開発鉄道赤崎線・日頃市線)や気仙沼駅JR大船渡線)が挙げられる。

道路

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バス

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  • 大船渡線BRT
  • 市内路線バス
    • 福伏ふっぷし[13][14]
    • 今泉線[14]
  • たかたコミュニティバス
  • 岩手県交通
    • 一ノ関大船渡線・一ノ関気仙沼線[15]

統計

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人口

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住民基本台帳によると2021年9月30時点での気仙町の人口は以下の通りである[1]

世帯数
日本人 763世帯 890人 998人 1,888人
外国人 36世帯 2人 39人 41人
合計 799世帯 892人 1,037人 1,929人

労働

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2015年10月1日時点での気仙町今泉と気仙町長部の15歳以上の産業別労働者人口は以下の通りである(なお、単位は人)[8]

就業者人口 農業 林業 漁業
総合 21人 5人 70人
14人 4人 50人
7人 0人 20人
就業者人口 鉱業
採石業
砂利採取業
建設業 製造業
総合 2人 92人 124人
2人 78人 67人
0人 14人 57人
就業者人口 水道
電気
ガス
情報通信 運輸
郵便
小売
卸売
金融
保険
不動産
物販賃貸
学術研究
専門サービス
技術サービス
宿泊
飲食サービス
生活関連サービス
娯楽
教育
学習支援
医療
福祉
複合サービス サービス 公務 その他
総合 1人 5人 29人 81人 7人 9人 2人 36人 13人 18人 65人 24人 26人 24人 0人
1人 2人 29人 37人 1人 5人 1人 8人 6人 7人 11人 22人 17人 15人 0人
0人 3人 0人 44人 6人 4人 1人 28人 7人 11人 54人 2人 9人 9人 0人

東日本大震災

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被災後の道の駅高田松原の外観

気仙町での東日本大震災の犠牲者は211人で域内の川口が13.8m、要谷ようがいが13.9m浸水し、字双六に所在する四等三角点は53cmの地盤沈下が確認された[16][17]

域内各地の様子

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  • 陸前高田市立気仙中学校
    • 東北地方太平洋沖地震が発生した3月11日当日は卒業式の練習を行うため、全校生徒が学校にいたが、地震が発生すると、独自の避難所へ避難して、点呼をとった後に二日市公民館へと移動した[17]
    • 生徒たちが避難した後に、3階建ての校舎の屋上を越す14.2mの津波が到来する[18]
    • 4月20日、校舎が被害を被ってしまったため、旧矢作中学校を利用して、再開した[17]
  • 陸前高田市立気仙小学校
    • 全学年の生徒が学校にいる中、地震が発生した。後に教務主任の教職員らが各クラスの担任の教職員へと指示を出し、防寒着を着て、屋外へと避難をした。その後、津波が堤防をこえたという情報を確認し、「わんぱく山」と呼ばれる標高およそ10mの裏山へと全校生徒と教職員が避難をした[17]。低学年は長圓寺へ、高学年は月山神社へと移動し、最終的に保護者への児童引き渡しは6日を要した[17][19]
    • 4月20日、校舎が津波被害を被ってしまったため、陸前高田市立長部小学校を間借りして、再開した[17]
  • 陸前高田市立長部小学校
    • 2年生から6年生が学校にいる中、地震が発生した。校庭に亀裂が入ったため、校庭ではなく、より標高が高い長部保育所へと避難した[17]。長部地区コミュニティセンターでは炊き出しが行われ[17]
  • 仲町公民館
    • 震災が発生した当日、仲町公民館は津波に襲われ、2021年3月1日時点で仲町公民館に避難していた24人が死亡もしくは行方不明になっている[20][21]
  • 鉄砲町公民館
    • 震災が発生した当日、鉄砲町公民館は津波に襲われ、2021年3月1日時点で鉄砲町公民館に避難していた54人が犠牲となっている[21]
  • 二日市公民館
    • 本来、約50人が定員であったが、実際には気仙中学校の生徒など約200人が避難してきた[17]。また、地域住民から、食料と毛布が提供が提供された。
  • 今泉保育所
    • 地震が発生した時、児童は昼寝の時間であった。地震と同時に停電が発生したため、各クラスの担任が一時的に判断を下したが、最終的に全クラスが庭に集合した[17]
    • その後、今泉地区コミュニティの会長と相談して、気仙小学校に避難し、最終的に長部保育所へと移動した。なお、職員らは避難中も引き渡し作業と保育などの業務も行った[17]
  • 長部保育所
    • 地震が発生した時、児童は昼寝の時間であった。長部保育所は高台に位置していたため、地震のゆれがおさまるのをまって、庭へと待機し、随時児童の引き渡しを行った。また、被害が少なかったこともあって、今泉保育所の児童、職員、保護者らが避難所として利用した[17]

被害統計

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2012年11月30日時点の気仙町の世代・男女別の犠牲者・死亡率は以下の通りである[16]

世代と性別 死者 死亡率 当時の人口
男性 90 5.96% 1,511
女性 121 6.81% 1,776
15歳未満 0 0.00% 401
15 - 64歳 86 4.79% 1,796
65歳以上 125 11.47% 1,090
合計 211 6.42% 3,287

建物の被害は以下の通りである(なお、住民票を移さずに被災した世帯も統計に含まれているために被害割合が100%を超過する場合がある)[17]

全壊 大規模半壊 半壊 一部損壊 合計
世帯数 津波被害 850 18 8 6 882
地震被害 0 0 1 229 230
合計 850 18 9 235 1,112
被害割合 津波被害 78.6% 1.7% 0.7% 0.6% 81.6%
地震被害 0% 0% 0.1% 21.2% 21.3%
合計 78.6% 1.7% 0.8% 21.7% 102.9%

文化財

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気仙町内の文化財は以下の通りである[17][22][23][24][25][26][27][28]

名称 指定 区分 指定年月日 備考
吉田家住宅 県指定 有形文化財 2006年9月26日 気仙郡の総肝入であった吉田家の住宅であり、主屋以外は東日本大震災で失われたが、主屋は令和6年を目処に復旧が続けられている。
上長部観音堂の板碑群 市指定 有形文化財 2016年4月1日 気仙三十三観音の五番札所である上長部観音堂に安置されている。
要谷の板碑群 市指定 有形文化財 2016年4月1日
湊の津波記念碑 市指定 有形文化財 2016年4月1日
気仙町けんか七夕祭り 県指定 無形民俗文化財 1997年9月2日 約900年の歴史がある山車と山車をぶつけ合う祭りである。
二日市寅舞 市指定 無形民俗文化財 1978年5月27日 気仙隕石が落下した際に住民が災厄除けとして始めた。
長部湊七福神舞 市指定 無形民俗文化財 1981年6月3日
要谷たるこ踊り 市指定 無形民俗文化財 1981年6月3日

著名な出身者

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関連項目

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脚注

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  1. ^ a b c 令和3年度人口・世帯数(住民基本台帳)”. 陸前高田市 (2021年10月5日). 2021年10月18日閲覧。
  2. ^ 郵便番号簿PDF(2020年度版) 岩手県” (PDF). 日本郵便グループ. 2021年10月15日閲覧。
  3. ^ 市外局番の一覧”. 総務省. 2021年10月15日閲覧。
  4. ^ 岩手県陸前高田市気仙町”. NAVITIME. 2021年10月25日閲覧。
  5. ^ 星空のレシピ vol.332”. 明石市立天文科学館. 2021年10月26日閲覧。
  6. ^ 岩手県陸前高田市気仙町”. NAVITIME. 2021年10月26日閲覧。
  7. ^ 岩手県陸前高田市気仙町要谷”. NAVITIME. 2021年10月26日閲覧。
  8. ^ a b c 陸前高田市統計書” (PDF). 陸前高田市. 2021年10月24日閲覧。
  9. ^ 気仙小学校”. 陸前高田市立気仙小学校. 2021年10月25日閲覧。
  10. ^ 待望の学び舎が完成-陸前高田市立気仙小学校 新校舎 落成式-(岩手県陸前高田市)”. 復興庁 (2019年1月18日). 2021年10月25日閲覧。
  11. ^ “津波で全壊の気仙中学校・・・震災遺構へ 岩手県”. 日テレnews24. (2021年3月11日). https://news.ntv.co.jp/category/society/837621 2021年10月25日閲覧。 
  12. ^ a b “漁港一覧”. 陸前高田市. (2021年6月29日). https://www.city.rikuzentakata.iwate.jp/soshiki/suisanka/suisankakari/suisangyo/4121.html 2021年10月25日閲覧。 
  13. ^ 福伏の時刻表”. NAVITIME. 2021年10月24日閲覧。
  14. ^ a b c 気仙小学校の時刻表”. NAVITIME. 2021年10月24日閲覧。
  15. ^ 気仙小学校の時刻表”. NAVITIME. 2021年10月24日閲覧。
  16. ^ a b 谷謙二小地域別にみた東日本大震災被災地における死亡者および死亡率の分布」『埼玉大学教育学部地理学研究報告』第32号、埼玉大学教育学部地理学研究室、2012年、1-26頁、doi:10.24561/00016186ISSN 0913-2724NAID 1200063880162021年10月25日閲覧 
  17. ^ a b c d e f g h i j k l m n 陸前高田市東日本大震災検証報告書 資料編” (PDF). 陸前高田市. 2021年9月12日閲覧。
  18. ^ 物言わぬ語り部 津波で全壊した中学校校舎から”. 防災ニッポン (2021年2月1日). 2021年10月25日閲覧。
  19. ^ 東日本大震災津波被災小・中学校の状況”. 大西歩実(香川大学大学院教育学研究科)・北林雅洋(香川大学教育学部) (2014年12月16日). 2021年10月25日閲覧。
  20. ^ “24人犠牲の公民館跡に鎮魂碑 陸前高田・仲町 元住民建立”. 河北新報. (2021年3月1日). https://kahoku.news/articles/20210228khn000028.html 2021年10月27日閲覧。 
  21. ^ a b “東日本大震災10年/われらの古里ここにあり かさ上げ地に慰霊碑建立 気仙町今泉の鉄砲町と仲町(別写真あり)”. 東海新報. (2021年3月2日). https://tohkaishimpo.com/2021/03/02/318147/ 2021年10月25日閲覧。 
  22. ^ 旧吉田家住宅主屋(きゅうよしだけじゅうたくおもや)”. 陸前高田市 (2021年9月15日). 2021年10月25日閲覧。
  23. ^ 要谷の板碑群(ようがいのいたびぐん)”. 陸前高田市. 2021年10月25日閲覧。
  24. ^ 上長部観音堂の板碑群(かみおさべかんのんどうのいたびぐん)”. 陸前高田市 (2021年4月1日). 2021年10月25日閲覧。
  25. ^ 陸前高田市にある指定文化財”. 陸前高田市 (2021年4月1日). 2021年10月25日閲覧。
  26. ^ 気仙町けんか七夕中止 陸前高田、2年連続”. 岩手日報 (2021年4月9日). 2021年10月25日閲覧。
  27. ^ 気仙町けんか七夕まつり(※2021年は中止となりました)”. いわての旅. 2021年10月25日閲覧。
  28. ^ 二日市寅舞”. 日本観光振興協会. 2021年10月27日閲覧。

参考文献

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