コンテンツにスキップ

「人生を楽しめ」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
Cewbot (会話 | 投稿記録)
m Bot作業依頼: 神聖ローマ皇帝記事等の改名に伴うリンク修正依頼 (フランツ・ヨーゼフ1世 (オーストリア皇帝)) - log
 
18行目: 18行目:
== 楽曲解説 ==
== 楽曲解説 ==
[[File:Musikverein Vienna June 2006 484.jpg|right|210px|thumb|[[ウィーン楽友協会]]。[[ニューイヤーコンサート|ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート]]が開催される場所としても有名]]
[[File:Musikverein Vienna June 2006 484.jpg|right|210px|thumb|[[ウィーン楽友協会]]。[[ニューイヤーコンサート|ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート]]が開催される場所としても有名]]
[[1870年]]1月5日、皇帝[[フランツ・ヨーゼフ1世]]臨席のもとで[[ウィーン楽友協会]]の落成式が執り行われた。1月15日に開場記念舞踏会が黄金ホールで開催され、そこでシュトラウス3兄弟はそれぞれ新作を披露した。[[ヨーゼフ・シュトラウス]]はポルカ・フランセーズ『芸術家の挨拶』を披露し、[[エドゥアルト・シュトラウス1世]]はポルカ・マズルカ『氷の花』を披露し、そして長兄のワルツ王[[ヨハン・シュトラウス2世]]はこのワルツ『'''人生を楽しめ'''』を披露したのであった。
[[1870年]]1月5日、皇帝[[フランツ・ヨーゼフ1世 (オーストリア皇帝)|フランツ・ヨーゼフ1世]]臨席のもとで[[ウィーン楽友協会]]の落成式が執り行われた。1月15日に開場記念舞踏会が黄金ホールで開催され、そこでシュトラウス3兄弟はそれぞれ新作を披露した。[[ヨーゼフ・シュトラウス]]はポルカ・フランセーズ『芸術家の挨拶』を披露し、[[エドゥアルト・シュトラウス1世]]はポルカ・マズルカ『氷の花』を披露し、そして長兄のワルツ王[[ヨハン・シュトラウス2世]]はこのワルツ『'''人生を楽しめ'''』を披露したのであった。


ヨハン2世の音楽家生活50周年の祝賀作品として[[1894年]]に制作されたバレエ『[[ウィーン巡り]]』にも、このワルツの一部分が登場する{{sfn|若宮|2011|p=164}}。[[ヨーゼフ・バイヤー]]が作曲したこのバレエには計27曲のシュトラウス音楽が登場しており、そのうちのひとつという扱いである{{sfn|若宮|2011|p=164}}。同じくヨハン2世の音楽家生活50周年の祝賀作品として弟エドゥアルトが作曲した、ヨハン2世の代表作メドレー『ヨハン・シュトラウスのワルツによる花冠』(作品292)にも使用されている。
ヨハン2世の音楽家生活50周年の祝賀作品として[[1894年]]に制作されたバレエ『[[ウィーン巡り]]』にも、このワルツの一部分が登場する{{sfn|若宮|2011|p=164}}。[[ヨーゼフ・バイヤー]]が作曲したこのバレエには計27曲のシュトラウス音楽が登場しており、そのうちのひとつという扱いである{{sfn|若宮|2011|p=164}}。同じくヨハン2世の音楽家生活50周年の祝賀作品として弟エドゥアルトが作曲した、ヨハン2世の代表作メドレー『ヨハン・シュトラウスのワルツによる花冠』(作品292)にも使用されている。

2022年5月28日 (土) 14:04時点における最新版

『人生を楽しめ』
ドイツ語: Freuet Euch des Lebens
楽譜表紙(C.A.シュピーナ社出版)
ジャンル ウィンナ・ワルツ
作曲者 ヨハン・シュトラウス2世
作品番号 op.340
初演 1870年1月15日

人生を楽しめ』(じんせいをたのしめ、ドイツ語: Freuet Euch des Lebens作品340は、ヨハン・シュトラウス2世が作曲したウィンナ・ワルツ

楽曲解説

[編集]
ウィーン楽友協会ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートが開催される場所としても有名

1870年1月5日、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世臨席のもとでウィーン楽友協会の落成式が執り行われた。1月15日に開場記念舞踏会が黄金ホールで開催され、そこでシュトラウス3兄弟はそれぞれ新作を披露した。ヨーゼフ・シュトラウスはポルカ・フランセーズ『芸術家の挨拶』を披露し、エドゥアルト・シュトラウス1世はポルカ・マズルカ『氷の花』を披露し、そして長兄のワルツ王ヨハン・シュトラウス2世はこのワルツ『人生を楽しめ』を披露したのであった。

ヨハン2世の音楽家生活50周年の祝賀作品として1894年に制作されたバレエ『ウィーン巡り』にも、このワルツの一部分が登場する[1]ヨーゼフ・バイヤーが作曲したこのバレエには計27曲のシュトラウス音楽が登場しており、そのうちのひとつという扱いである[1]。同じくヨハン2世の音楽家生活50周年の祝賀作品として弟エドゥアルトが作曲した、ヨハン2世の代表作メドレー『ヨハン・シュトラウスのワルツによる花冠』(作品292)にも使用されている。

構成

[編集]

序奏、5つの小ワルツ、コーダからなる。

第1ワルツ


 \relative c' {
  \new PianoStaff <<
   \new Staff { \key g \minor \time 3/4
    \set Score.tempoHideNote = ##t
     \tempo "" 2. = 56
    <<
   {
      f'( d f) f( d f)( g2.~) g2 g4 a( d, a') g( d g) g2.~ g2 f4 s\< s s s s s g2.~ g2\!
   }
    \\
   {
     d4 bes d d bes <d f,> <g, d'>2.~ <g d'>2 g4 a2 a4 g2 g4 <a ees'>2.~ <a ees'>2 ees'4 <ees f>^( c <ees f>) <d f>^( b <d f>)^( ees2.~) ees
   }
    >>
   }
   \new Dynamics {
    s\p
      }
   \new Staff { \key g \minor \time 3/4 \clef bass
      bes,,4 <f' bes d> <f bes d> f, <f' bes d> <f bes d> bes, <f' bes d> <f bes d> f, <f' bes d> <f bes d> bes, <f' bes d> <f bes d> f, <f' bes d> <f bes d> c <f a ees'> <f a ees'> f, <f' a ees'> <f a ees'> a, <f' c' ees> <f c' ees> gis,4 <f' b d> <f b d> a, <f' c' ees> <f c' ees> f, <f' c' ees> <f c' ees>
   }
  >>
 }

第2ワルツ


 \relative b' {
  \new PianoStaff <<
   \new Staff { \key c \minor \time 3/4
    \set Score.tempoHideNote = ##t
     \tempo "" 2. = 56
    \partial 4 bes\p \bar "||" d2 d8( g bes,2.) d2 d8( g bes,2.) b8_\markup { \italic cresc. }( c f2) a,8( bes g'2) a,8( bes aes'2) a,8( bes bes'2) d,2\p d8( g bes,2.) b2 b8( ees g,2.)
    }
   \new Staff { \key c \minor \time 3/4 \clef bass
    r4 bes,,4\p <aes' bes d> <aes bes d> bes, <g' bes ees> <g bes ees> bes,4 <aes' bes d> <aes bes d> ees <g bes ees> <g bes ees> aes, <aes' c f> <aes c f> bes, <bes' ees g> <bes ees g> bes, <bes' d aes'> <bes d aes'> ees, <bes' ees g> <bes ees g> bes,4 <aes' bes d> <aes bes d> ees <g bes ees> <g bes ees> g, <g' b f'> <g b f'> c, <g' c ees> <g c ees> }
  >>
 }

第5ワルツ


 \new PianoStaff <<
   \new Staff { \key es \major \time 3/4
    \set Score.tempoHideNote = ##t
     \tempo "" 2. = 56
      \partial 4 \relative ees''
<<
{bes4\p \bar "||" bes8.( g'16) g4. g8 f4 r g g8.( bes16) bes4. aes8 aes4 r g d8.( g16) g4. f8 f4 r bes, bes8.( f'16) f4.( es8) es2 r4 }
\\
{s4 bes2. ~ bes bes ~ bes aes ~ aes g ~ g}
>>}
   \new Staff {\clef bass \key es \major \time 3/4
      \partial 4 \relative es 
       {r4 es\p <g bes es> q bes, <g' bes es> q d <as' bes f'> q bes, <as' bes d> q bes, <as' bes d> q bes, <as' bes d> q es <g bes es> q bes, <g' bes es> q }}
 >>

なお、第5ワルツの一部は、のちにグスタフ・マーラー交響曲第9番の第1楽章に借用している。

ニューイヤーコンサート

[編集]
2012年放映のバレエシーン

ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートへの登場は以下の通りである。

関連作品

[編集]
  • ポルカ・フランセーズ『芸術家の挨拶』 - 弟ヨーゼフの作品。(作品274)
  • ポルカ・マズルカ『氷の花』 - 弟エドゥアルトの作品。(作品55)

出典

[編集]
  1. ^ a b 若宮 2011, p. 164.

参考文献

[編集]
  • 若宮由美「ヨーゼフ・バイヤー作曲のバレエ「ウィーン巡り」(1894) : ヨハン・シュトラウスの位置づけ」『埼玉学園大学紀要. 人間学部篇』第11号、埼玉学園大学、2011年12月、157-169頁、ISSN 1347-0515NAID 110009493149 
  • ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート2012 曲目解説から〈人生を楽しめ〉および〈芸術家の挨拶〉。

外部リンク

[編集]
音楽・音声外部リンク
全曲を試聴する
Freut euch des Lebens - オランダ学生管弦楽団オランダ語版による演奏。公式YouTube。