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赤城登山鉄道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
赤城山頂駅から転送)
赤城登山鉄道
路線跡(赤城山頂駅付近)
概要
種別 鋼索鉄道
現況 廃止
起終点 起点:利平茶屋駅
終点:赤城山頂駅
駅数 2駅
運営
開業 1957年7月21日 (1957-07-21)
廃止 1968年6月1日 (1968-6-1)
所有者 赤城登山鉄道
使用車両 車両の節を参照
路線諸元
路線総延長 1.0 km (0.62 mi)
軌間 1,067 mm (3 ft 6 in)
最小曲線半径 300 m (980 ft)
最高地点 高低差 363.4 m (1,192 ft)
最急勾配 586
テンプレートを表示
停車場・施設・接続路線
BUS
赤城方面
exKBHFa
0.0 利平茶屋
exKBHFe
1.0 赤城山頂
BUS
前橋方面

赤城登山鉄道(あかぎとざんてつどう)とは、かつて群馬県勢多郡黒保根村(現・桐生市)の利平茶屋駅と同郡富士見村(現・前橋市)の赤城山頂駅を結んでいた鋼索式鉄道(ケーブルカー)およびその運営会社である。

概要

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赤城山を登るケーブルカーで、東武鉄道が手がけていた赤城山観光開発の一環として1957年に開通した。東武鉄道では前橋 - 赤城大洞 - 赤城山頂 - 桐生間の赤城山回遊ルートの開発を図ったが、山の東側の利平茶屋と赤城山頂の間は急峻な地形であり道路が建設できないため、ケーブルカーで連絡することとした。

開業後、東武鉄道では新大間々駅を赤城駅に改称し、浅草駅 - 赤城駅間に直通急行列車の運行を開始し、前橋駅中央前橋駅 - 赤城大洞 - 赤城山頂間と桐生駅 - 赤城駅 - 水沼駅 - 利平茶屋間に路線バスの運行を開始している。このほか、赤城駅から上毛電気鉄道上毛線に乗り入れる急行「じょうもう」も運行されていた(1963年に廃止)。

しかし、前橋 - 赤城山頂間の道路の改良が進んだのに対し、桐生 - 利平茶屋間の道路が悪路のままであったのと、浅草 - 赤城間直通急行列車の所要時間が国鉄急行列車の上野 - 前橋間に比べ長かったため、観光客は前橋からの往復利用が主流となり、赤城山東側を通る利用者は減少した。そのため当路線も利用者が減少し、1967年11月5日に休止、翌1968年6月1日に廃止され、ケーブルカーは開業からわずか10年という短い歴史の幕を閉じた。

赤城登山鉄道ではケーブルカーのほか、赤城大洞 - 赤城平間にリフト(1958年1月10日開業)を、赤城平 - 地蔵峠間にロープウェイ(赤城山ロープウェイ、1957年7月27日開業)を保有していた。これらは黒字を維持していたため、ケーブルカー廃止後も引き続き運行された。赤城登山鉄道はケーブルカー廃止後、社名を赤城山ロープウェイに改めたが、1979年10月1日東武興業に吸収され解散。残っていたリフト・ロープウェイも、1998年に廃止された。

赤城山頂駅跡に開業したサントリービア・バーベキューホール

現在、赤城山頂駅の駅舎は「サントリー・ビア・バーベキューホール」と土産物店に改装されている。館内にはケーブルカーの史料が展示されているほか、ホームの跡も残されている。一方の利平茶屋駅は、桐生市営の利平茶屋森林公園の中にホーム跡が残るのみである。

路線データ

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  • 路線距離(営業キロ):1.0km
  • 軌間:1,067mm
  • 駅数:2駅(起終点駅含む)
  • 高低差:363.4m
  • 最急勾配:586‰
  • 最小曲線半径:300m

車両

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車両は「A」と「B」の2両が在籍した。いずれも日立製作所製造の全鋼製車体で定員121名(座席36名)。制動方式はテオドルベル式であった。愛称名は付けられていなかった。車体塗装は2両とも同一で、黄緑色に2本の赤帯を入れた塗装であったが、のちに車体上部の窓周りが赤色に変更された。

計画当初の段階では乗用車の積み込みが可能な車両を採用することが考えられていたが、技術的に困難であるため見送られた。

歴史

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  • 1957年(昭和32年)6月11日 東武鉄道出資により赤城登山鉄道設立
  • 1957年(昭和32年)7月21日 利平茶屋 - 赤城山頂間が開業
  • 1967年(昭和42年)11月5日 全線休止
  • 1968年(昭和43年)6月1日 全線廃止、社名を赤城山ロープウェイに改称
  • 1979年(昭和54年)10月1日 東武興業に吸収され会社解散

駅一覧

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利平茶屋駅 - 赤城山頂駅

輸送実績

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年度 旅客輸送人員(千人)
1958 156
1963 224
1966 137
  • 私鉄統計年報各年版

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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