コンテンツにスキップ

ロサンゼルス・タイムズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
LA Timesから転送)
Los Angeles Times
種別日刊紙
判型ブランケット判
所有者Nant Capital
発行者黄馨祥
編集者ケヴィン・メリダ
設立1888年12月4日 (135年前) (1888-12-04)
言語英語
本社所在地カリフォルニア州ロサンゼルス
202 West 1st Street
発行数14万2382部 (印刷版、2018年)
10万5000部 (電子版、2018年)
ISSN0458-3035
ウェブサイトlatimes.com

ロサンゼルス・タイムズ英語:Los Angeles Times)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスで発行され、主にアメリカ合衆国西部で購読される日刊紙。しばしば「L.A. Times」とも呼ばれる。米国内での発行部数はUSAトゥデイウォールストリート・ジャーナルニューヨーク・タイムズに次いで第4位[1][注 1]。創刊は1881年。米国の地方紙としてはニューヨーク・タイムズに次ぐ規模である。経営者は中華系アメリカ人の黄馨祥英語版で、編集長はアフリカ系のケヴィン・メリダ[2]

歴史

[編集]

この新聞は、「ロサンゼルス・デイリー・タイムズ」という名前で1881年12月4日に創刊した。しかしすぐに破産したため、印刷元のミラー・カンパニーが経営を引き継ぎ、同時にハリソン・グレイ・オーティス元北軍中佐が編集長に就任した。オーティスはこの新聞を商業的に成功させ、1884年にこの新聞を印刷元とも買収し、タイム・ミラー・カンパニーを設立した。

1910年に、この新聞社と労働組合の抗争が爆破事件にまで発展した。これにより本社とオーティスの自宅が破壊、21人が死亡した。その後2人の労働組合のリーダーに殺人容疑がかけられ有罪を認めたが、2人ははめられたとする見方が一般的である。本社が破壊されたため、本社をタイムズ・ビルディングに移転した。

1917年にオーティスは死去し、彼の義理の息子であるハリー・チャンドラーがこの新聞の経営を引き継ぎ、 発行人となる。1944年に引き継いだ彼の息子のノーマン・チャンドラー第二次世界大戦後におけるロサンゼルスの急速な成長期にこの新聞の経営をした。

2000年にタイム・ミラー・カンパニーはシカゴのトリビューン社(シカゴ・トリビューン紙の親会社)に買収された。

2018年6月より、南アフリカ出身の中華系億万長者として知られるパトリック・スーン・シオン(Patrick Soon-Shiong, 黄馨祥)の経営となった[3]。また、本社をロサンゼルス空港近郊のエル・セグンドに移した[4]。これにより、トロンクから独立した。

2018年12月29日、トリビューン・パブリッシング(前トロンク)のコンピューターシステムがサイバー攻撃を受け、システムを共有するロサンゼルス・タイムズにも印刷に支障が出たため、同日付の新聞配送が遅れることとなった[5]

日本との関わり

[編集]

カリフォルニア州外国人土地法改正の住民発案 

[編集]

1913年発効の、カリフォルニア州において日系人の土地所有を禁止するカリフォルニア州外国人土地法をより厳しくする法律改正が、1920年住民発案によって提起された際、同年5月8日付で発案自体には反対したが、カリフォルニア州の土地への日本人の侵略に対して明確に反対し、更に日本人を社会に統合する事は生物学的にも文化的にも不可能であり、我々自身を守らなければならないと論じた[6]

トヨタ車急加速問題

[編集]

ロサンゼルス・タイムズ紙は、苦情データを元に独自の調査で取材を行い、トヨタ車の電子制御に欠陥があると複数回に渡り報道した。結果として推定有罪の雰囲気が作られ、トヨタにとっての最大級の事件にまで発展する事となったのだが、のちに電子制御に欠陥はないことが確認されたと報道された[7]

大谷翔平の新居を巡る報道

[編集]

2024年5月、地元のMLB球団「ロサンゼルス・ドジャース」所属選手である大谷翔平がロサンゼルス郊外に785万ドル(日本円で約12億3000万円)の豪邸を購入したと報じた[8]。この報道を元に日本テレビフジテレビは自局の報道番組情報番組などにおいて、大谷の新居を詳細に報じたため、多くの観光客や地元住民が訪れ、大谷や家族に対するプライバシーが侵害される状態となったため、この2局は番組や社長会見の中で謝罪に至る事態になった[9][10][11][12]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 部数は平日版、2008年10月 - 2009年3月平均

出典

[編集]
  1. ^ 石川幸憲 (2009年10月6日). “米国メディア危機”. 週刊エコノミスト (毎日新聞社): p.79. 
  2. ^ Robertson, Katie (May 3, 2021). “Los Angeles Times Hires Its Next Top Editor: Kevin Merida, of ESPN”. The New York Times. https://www.nytimes.com/2021/05/03/business/media/Los-Angeles-Times-Kevin-Merida.html May 3, 2021閲覧。 
  3. ^ 米国で非難殺到:虎の尾を踏んだ中国人留学生 UCサンタバーバラ校で不正・悪行の数々、「もう耐えられない」の声 2018.12.21、高濱賛、JBpress
  4. ^ L.A. Times will move to 2300 E. Imperial Highway in El Segundo
  5. ^ 米紙にサイバー攻撃、印刷に支障出て配送遅れる”. 読売新聞 (2018年12月31日). 2019年1月7日閲覧。
  6. ^ Oyagi Go (3 2015). “<Articles>The California Alien Land Law of 1920: RaceAmericanizationand (Un)Assimilability”. ZINBUN (Institute for Research in Humanities Kyoto University) 45. doi:10.14989/197514. hdl:2433/197514. https://doi.org/10.14989/197514. 
  7. ^  河北新報朝刊・共同(2009.11.03)
  8. ^ これが大谷翔平12億円豪邸だ! ハリウッド俳優にも人気ロス郊外に購入 LAタイムズ報道”. 東京スポーツ (2024年5月23日). 2024年8月3日閲覧。
  9. ^ 松丸俊彦 (2024年6月14日). “「大谷豪邸報道」「ポツンと一軒家」に覚える"不安"”. 東洋経済新報. 2024年8月3日閲覧。
  10. ^ フジ「めざまし8」 大谷の新居報道めぐり謝罪 前日の「イット!」とまったく同じ文言で陳謝”. デイリースポーツ (2024年7月4日). 2024年8月3日閲覧。
  11. ^ フジテレビ社長、大谷選手に謝罪 新居放送「迷惑かけた」”. 共同通信 (2024年7月5日). 2024年8月3日閲覧。
  12. ^ 堀越理菜 (2024年7月29日). “大谷翔平選手の新居報道めぐり、日テレ社長が謝罪 フジでも”. 朝日新聞. 2024年8月3日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]